1遺言は、遺言者の死亡の時からその効力を生ずる。
2遺言に停止条件を付した場合において、その条件が遺言者の死亡後に成就したときは、遺言は、条件が成就した時からその効力を生ずる。
この条文の過去問 4問
誤り。違うのは「遺言者の死亡の時にさかのぼってその効力を生ずる」の部分である。
遺言は遺言者の死亡の時からその効力を生ずる(985条1項)。もっとも同条2項は、遺言に停止条件を付した場合において、その条件が遺言者の死亡後に成就したときは、遺言は条件が成就した時からその効力を生ずると定める。効力が生じるのは条件が成就した時であり、遺言者の死亡の時にさかのぼるわけではない。これは法律行為一般の原則と同じである。停止条件付法律行為は条件が成就した時から効力を生じ(127条1項)、当事者が成就の効果をさかのぼらせる意思を示したときに限ってさかのぼる(同条3項)。遺言者が遺言で特にさかのぼらせる意思を示していれば、その意思に従うことになる。本肢は、停止条件が死亡後に成就した場合に当然に死亡時にさかのぼるとする点で、985条2項に反する。

遺言は、遺言者の死亡の時からその効力を生ずる。2 遺言に停止条件を付した場合において、その条件が遺言者の死亡後に成就したときは、遺言は、条件が成就した時からその効力を生ずる。
正しい。遺言者の生存中は遺言から何らの法律関係も生じず、受遺者とされた者は事実上の期待を有するにすぎないから、撤回の可能性が事実上なくても確認の利益を欠く(最判平11.6.11)。
最判平11.6.11は、遺言は遺言者の死亡により初めて効力を生じ(民法985条1項)、遺言者はいつでも遺言を撤回でき(同法1022条)、遺言者より先に受遺者が死亡すれば遺贈は効力を生じない(同法994条1項)から、遺言者の生存中は遺贈を定めた遺言によって何らの法律関係も発生せず、受遺者とされる者の地位は確認の訴えの対象となる権利又は法律関係に当たらないとした。そのうえで、遺言者が心神喪失の常況にあって回復の見込みがなく、遺言の撤回又は変更の可能性が事実上ない状態にあっても、受遺者の地位の性質は変わらないと判示した。撤回の可能性が事実上ないことは法律関係の発生を意味せず、確認の対象となる現在の法律関係は依然として存在しないからである。相続開始後の遺言無効確認に利益が認められることとの違いは、確認すべき法律関係がすでに生じているかどうかにある。肢は判例どおりである。

遺言者が心神喪失の常況にあって、回復する見込みがなく、遺言者による当該遺言の取消し又は変更の可能性が事実上ない状態にあるとしても、受遺者とされた者の地位の右のような性質が変わるものではない。
| 事案 | 判例 | 結論 |
|---|---|---|
| 相続開始後の遺言無効確認 | 最判昭47.2.15 | 現在の特定の法律関係の不存在確認と解されれば利益あり |
| 遺言者生存中の遺言無効確認 | 最判平11.6.11 | 利益なし。撤回の可能性が事実上なくても同じ |
| 遺産確認 | 最判昭61.3.13 | 利益あり(固有必要的共同訴訟) |
| 具体的相続分の価額・割合の確認 | 最判平12.2.24 | 利益なし |
| 特別受益財産であることの確認 | 最判平7.3.7 | 利益なし |
| 相続人の地位不存在確認 | 最判平16.7.6 | 利益あり(固有必要的共同訴訟) |
正しい。遺言に停止条件を付し、その条件が遺言者の死亡後に成就したときは、遺言は条件が成就した時から効力を生ずる(985条2項)。
遺贈は遺言によって財産を無償で与える単独行為であり(964条)、遺言は遺言者の死亡の時から効力を生ずるのが原則である(985条1項)。もっとも、遺言に停止条件を付した場合において、その条件が遺言者の死亡後に成就したときは、遺言は条件が成就した時からその効力を生ずる(同条2項)。停止条件は法律行為の効力の発生を不確実な事実にかからせるものであり、条件が成就した時から効力を生ずるという127条1項の原則が遺言にもそのまま当てはまるからである。遺言者が死亡しても条件が成就していなければ、受遺者はまだ遺贈の目的物を取得しない。なお、遺言者が死亡する前に条件が成就した場合は、遺言の効力発生時である死亡の時に無条件の遺贈として効力を生ずる。本肢は条件が遺言者の死亡後に成就した場合であるから、遺贈は条件成就の時から効力を生じ、同条2項の内容どおりである。

1 遺言は、遺言者の死亡の時からその効力を生ずる。/2 遺言に停止条件を付した場合において、その条件が遺言者の死亡後に成就したときは、遺言は、条件が成就した時からその効力を生ずる。
誤り。違うのは「停止条件を付した遺言をすることはできない」の部分である。遺言に停止条件を付することはでき、その条件が遺言者の死亡後に成就したときは、遺言は条件が成就した時から効力を生ずる(985条2項)。
985条1項は、遺言は遺言者の死亡の時からその効力を生ずると定め、同条2項は、遺言に停止条件を付した場合において、その条件が遺言者の死亡後に成就したときは、遺言は条件が成就した時からその効力を生ずるとする。遺言は遺言者の最終の意思を尊重する制度であるから、たとえば「孫が大学に合格したらこの土地を遺贈する」というように、将来の事実にかからせた遺言をすることも、遺言者の意思の実現として認めてよい。同条2項は、遺言に停止条件を付することができることを前提に、その効力発生時期を明らかにした規定である。条件が遺言者の死亡前に成就していれば、遺言は原則どおり死亡の時から効力を生じる。そのため、遺言が死亡の時から効力を生ずることは、停止条件を付することを妨げない。したがって、停止条件を付した遺言をすることはできないとする本肢は誤りである。

遺言は、遺言者の死亡の時からその効力を生ずる。2 遺言に停止条件を付した場合において、その条件が遺言者の死亡後に成就したときは、遺言は、条件が成就した時からその効力を生ずる。























