第270条永小作権の内容過去問 5
永小作人は、小作料を支払って他人の土地において耕作又は牧畜をする権利を有する。
この条文の過去問 5問
無償の永小作権は、設定することができない。
解説
本肢は正しい。270条は「永小作人は、小作料を支払って他人の土地において耕作又は牧畜をする権利を有する」と定める。この文言から明らかなとおり、小作料の支払は永小作権の内容そのものに組み込まれた要素であり、対価の支払を伴わない永小作権という物権は民法上想定されていない。
このことは、永小作権に関する他の規定からも裏づけられる。274条は不可抗力により収益について損失を受けたときでも小作料の免除・減額を請求できないとし、275条は不可抗力による一定期間の不作等を理由とする永小作権の放棄を認め、276条は引き続き2年以上小作料の支払を怠った場合に土地所有者が永小作権の消滅を請求できるとする。いずれも小作料債務の存在を前提とする規律であり、無償の永小作権を認めればこれらの規定は機能しない。
そのため、対価を伴わずに他人の土地で耕作・牧畜をする旨の合意がされたとしても、それは永小作権の設定とはならず、地上権の設定または使用貸借等の別の法律関係として処理されることになる。
よって、無償の永小作権を設定することはできず、本肢は正しい。なお、地代の支払が要素とされていない地上権(266条は地代を支払うべき場合の規定を置くにとどまる)との対比が問われている点に注意すべきである。
無償の永小作権は、設定することができない。
解説
本肢は正しい。270条は「永小作人は、小作料を支払って他人の土地において耕作又は牧畜をする権利を有する」と定める。この文言から明らかなとおり、小作料の支払は永小作権の内容そのものに組み込まれた要素であり、対価の支払を伴わない永小作権という物権は民法上想定されていない。
このことは、永小作権に関する他の規定からも裏づけられる。274条は不可抗力により収益について損失を受けたときでも小作料の免除・減額を請求できないとし、275条は不可抗力による一定期間の不作等を理由とする永小作権の放棄を認め、276条は引き続き2年以上小作料の支払を怠った場合に土地所有者が永小作権の消滅を請求できるとする。いずれも小作料債務の存在を前提とする規律であり、無償の永小作権を認めればこれらの規定は機能しない。
そのため、対価を伴わずに他人の土地で耕作・牧畜をする旨の合意がされたとしても、それは永小作権の設定とはならず、地上権の設定または使用貸借等の別の法律関係として処理されることになる。
よって、無償の永小作権を設定することはできず、本肢は正しい。なお、地代の支払が要素とされていない地上権(266条は地代を支払うべき場合の規定を置くにとどまる)との対比が問われている点に注意すべきである。
地上権者が地代を支払う義務のない地上権も、設定することができる。
解説
本肢は正しい。民法265条は地上権を「他人の土地において工作物又は竹木を所有するため、その土地を使用する権利」と定義するにとどまり、対価の支払を地上権の要素としていない。これは、永小作権について270条が「小作料を支払って」他人の土地で耕作・牧畜をする権利と定義し、小作料の支払を権利の内容に組み込んでいるのと対照的である。また、266条1項は、永小作権に関する274条から276条まで(不可抗力による減免請求の否定、一定期間の不払による消滅請求等)を「地上権者が土地の所有者に定期の地代を支払わなければならない場合について」準用すると規定しており、これは地代支払義務が常に生ずるわけではなく、設定行為でその旨が定められた場合に限り発生することを前提とする文言である。したがって、地代の定めのない無償の地上権も有効に設定することができ、本肢は正しい。なお、地代の定めは設定行為によって初めて効力を生じ、これを第三者に対抗するには登記を要する(不動産登記法78条2号参照)。
無償の地上権を設定することはできない。
解説
本肢は誤り。地上権とは、他人の土地において工作物または竹木を所有するため、その土地を使用する権利である(265条)。同条は地上権の内容を「他人の土地において工作物又は竹木を所有するためその土地を使用する権利」と定めるのみで、地代の支払を地上権の要素としていない。すなわち、地代は地上権の成立要件ではなく、当事者が設定行為で定めた場合に初めて発生する任意的要素にすぎない。
このことは266条1項の規定ぶりからも明らかである。同項は「第274条から第276条までの規定は、地上権者が土地の所有者に定期の地代を支払わなければならない場合について準用する。」と定めており、地代の支払義務があるのは、あくまで当事者がそのような定めを置いた場合に限られることを前提としている。地代が地上権の本質的要素であるならば、このような条件付きの準用規定を置く必要はない。
これに対し、永小作権については、270条が「永小作人は、小作料を支払って他人の土地において耕作又は牧畜をする権利を有する」と規定し、小作料の支払を権利の内容そのものに組み込んでいる。265条と270条の文言を対比すれば、民法が地上権については有償性を要求せず、永小作権については要求していることが読み取れる。
したがって、地代の定めのない無償の地上権を設定することは可能であり、これを設定できないとする本肢は誤りである。
無償の永小作権を設定することはできない。
解説
本肢は正しい。270条は「永小作人は、小作料を支払って他人の土地において耕作又は牧畜をする権利を有する。」と定めている。この文言から明らかなとおり、小作料の支払は永小作権という物権の内容そのものに組み込まれており、その成立に不可欠な要素(有償性)である。したがって、小作料の定めを欠く無償の永小作権を設定することはできない。
地代の支払を任意的要素とし、当事者が定期の地代を支払うべき場合についてのみ274条から276条までの準用を認めるにとどめる地上権(265条、266条1項)とは、この点で規律が明確に異なる。地上権は工作物または竹木の所有という目的で土地を使用する権利であるのに対し、永小作権は他人の土地で耕作または牧畜をして収益を上げる権利であり、その収益から小作料を支払うという有償の利用関係が権利の本体として想定されているためである。
もっとも、無償で他人の土地を耕作させる合意が無効になるわけではない。その場合は永小作権としてではなく、使用貸借(593条)等の債権関係として処理されることになるにすぎない。
よって、無償の永小作権を設定することはできず、本肢は正しい。