1親権は、成年に達しない子について、その子の利益のために行使しなければならない。
2父母の婚姻中はその双方を親権者とする。
3子が養子であるときは、次に掲げる者を親権者とする。養親(当該子を養子とする縁組が二以上あるときは、直近の縁組により養親となった者に限る。)子の父母であって、前号に掲げる養親の配偶者であるもの
1 養親(当該子を養子とする縁組が二以上あるときは、直近の縁組により養親となった者に限る。)
2 子の父母であって、前号に掲げる養親の配偶者であるもの
この条文の過去問 23問
正しい。父の認知と父母の婚姻で準正が生じてCは嫡出子となり、父母の婚姻中はその双方が親権者として共同して親権を行う(789条・818条2項・824条の2第1項)。
AとBが婚姻していない間は、BがCを認知しても、Cに対する親権は原則として母Aが行う(819条4項)。しかし、父が認知した子は父母の婚姻によって嫡出子の身分を取得し(789条1項)、婚姻中に父母が認知した子も認知の時から嫡出子となる(同条2項)。したがって、AC間とBC間の親子関係が生じてAとBが婚姻すれば、Cは嫡出子となる。そして818条2項は、父母の婚姻中はその双方を親権者とすると定め、824条の2第1項本文は、親権は父母が共同して行うとしている。婚姻している父母は共に子を育てる立場にあるので、双方が親権者となって協力して親権を行うのである。したがって、Cに対する親権はAとBが共同して行う。肢は正しい。出題当時は818条3項本文が父母の婚姻中の共同親権を定めていたが、結論は同じである。

父母の婚姻中はその双方を親権者とする。/親権は、父母が共同して行う。ただし、次に掲げるときは、その一方が行う。一 その一方のみが親権者であるとき。二 他の一方が親権を行うことができないとき。三 子の利益のため急迫の事情があるとき。
誤り。違うのは「Cに対する親権は、ABが共同して行う」の部分である。父が認知した子に対する親権は母が行い、父母の双方又は父を親権者とするには父母の協議(又はこれに代わる審判)が要る(819条4項・5項)。
父母が共同で親権を持つのは、父母の婚姻中である(818条2項)。内縁のABは婚姻の届出をしていないので、その子Cは嫡出でない子であり、婚姻中の父母の共同親権の規定は当てはまらない。認知は父子関係を確定させるものであり、それだけで親権者が決まるわけではない。819条4項は、父が認知した子に対する親権は母が行うとし、ただし書で、父母の協議で父母の双方又は父を親権者と定めることができるとする。協議が調わないときなどは、家庭裁判所が協議に代わる審判をする(同条5項)。したがって、AがCを認知しただけでは、Cの親権者は母Bのままであり、ABが共同して親権を行うことにはならない。肢は誤っている。出題当時の819条4項は、父母の協議で父を親権者と定めたときに限り父が行うと定めていたが、令和6年改正で父母の双方を親権者と定める道が開かれた。認知だけで共同親権にならない点は改正の前後で変わらない。

父が認知した子に対する親権は、母が行う。ただし、父母の協議で、父母の双方又は父を親権者と定めることができる。
正しい。養親となるには20歳に達していなければならないので(792条)、18歳未満の未成年者は養親となることができない。
792条は「二十歳に達した者は、養子をすることができる」と定め、養親の年齢を縁組の実質的要件としている。縁組によって養子は養親の嫡出子の身分を取得し(809条)、未成年の養子は養親の親権に服するから(818条2項)、子を監護教育する立場に立つ者には相応の成熟が求められるのである。成年年齢が18歳に引き下げられた際も792条は「二十歳」を維持したので、18歳・19歳の成年者ですら養親となれない。まして18歳未満の未成年者(4条)が養親となれないのは当然である。この要件に反する縁組は当然無効ではなく、養親又はその法定代理人が家庭裁判所に取消しを請求できるにとどまる(804条)。出題当時の792条は「成年に達した者」と定めていたが(当時の成年年齢は20歳)、未成年者が養親となれないという結論は現行法でも変わらない。

二十歳に達した者は、養子をすることができる。
- 婚姻・協議離婚・縁組:成年被後見人も成年後見人の同意を要しない(738条・764条・799条)
- 認知:未成年者・成年被後見人も法定代理人の同意を要しない(780条)
- 遺言:15歳に達すればできる(961条)。5条・9条・13条・17条は適用しない(962条)
- 遺言の証人・立会人:未成年者はなれない(974条1号)
- 養親:20歳に達した者に限る(792条)
誤り。違うのは「Aの成年後見人とBが共同で行使する」の部分である。父母の一方が成年被後見人であるときは親権を行うことができないときに当たり、他の一方のBが単独で親権を行う(824条の2第1項2号)。
父母の婚姻中はその双方が親権者となり(818条2項)、親権は父母が共同して行うが、他の一方が親権を行うことができないときはその一方が行う(824条の2第1項2号)。親権を行うことができないときには、行方不明のような事実上の障害のほか、親権停止の審判を受けた場合や後見開始の審判を受けて成年被後見人となった場合のような法律上の障害も含まれる。成年被後見人は事理を弁識する能力を欠く常況にある者(7条)であり、子の監護教育も財産管理も自ら適切に行えないからである。したがってAは親権を行うことができず、Cに対する親権はBが単独で行う。成年後見人の職務は本人Aの財産の管理と身上への配慮に限られ(858条・859条)、本人に代わって本人の子に親権を行う権限を定めた規定はない。親権は子のために親自身に認められる地位であり、成年後見人に引き継がれる性質のものではないから、肢は誤っている。出題当時は818条3項ただし書が同じ内容を定めていた。

親権は、父母が共同して行う。ただし、次に掲げるときは、その一方が行う。一 その一方のみが親権者であるとき。二 他の一方が親権を行うことができないとき。三 子の利益のため急迫の事情があるとき。
正しい。子が養子であるときは、養親Dと、養親の配偶者である父母Bが親権者となる(818条3項)。
配偶者のある者が未成年者を養子とするには配偶者とともにしなければならないが、配偶者の嫡出である子を養子とする場合はこの限りでない(795条)。CはBの嫡出子であるから、Dは単独でCを養子とすることができ、養親となるのはDだけである。818条3項は、子が養子であるときは、養親(1号)と、子の父母であって養親の配偶者であるもの(2号)を親権者とする。普通養子縁組では実方との親族関係は終わらず、実親で養親の配偶者でもあるBの親権も消滅しないから、BとDの双方が親権者となり、共同して親権を行う(824条の2第1項)。離婚の際にBが単独の親権者と定められていたことは、その後の再婚と養子縁組によってBとDの共同の親権に移ることを妨げない。したがって肢は正しい。出題当時の818条2項は子が養子であるときは養親の親権に服すると定めるだけであったが、養親と実親の配偶者が共同で親権を行うという結論は同じであり、令和6年改正で条文上明記された。

子が養子であるときは、次に掲げる者を親権者とする。一 養親(当該子を養子とする縁組が二以上あるときは、直近の縁組により養親となった者に限る。)二 子の父母であって、前号に掲げる養親の配偶者であるもの
誤り。違うのは「Aの成年後見人とBが共同で行使する」の部分である。父母の一方が成年被後見人であるときは親権を行うことができないときに当たり、他の一方のBが単独で親権を行う(824条の2第1項2号)。
父母の婚姻中はその双方が親権者となり(818条2項)、親権は父母が共同して行うが、他の一方が親権を行うことができないときはその一方が行う(824条の2第1項2号)。親権を行うことができないときには、行方不明のような事実上の障害のほか、親権停止の審判を受けた場合や後見開始の審判を受けて成年被後見人となった場合のような法律上の障害も含まれる。成年被後見人は事理を弁識する能力を欠く常況にある者(7条)であり、子の監護教育も財産管理も自ら適切に行えないからである。したがってAは親権を行うことができず、Cに対する親権はBが単独で行う。成年後見人の職務は本人Aの財産の管理と身上への配慮に限られ(858条・859条)、本人に代わって本人の子に親権を行う権限を定めた規定はない。親権は子のために親自身に認められる地位であり、成年後見人に引き継がれる性質のものではないから、肢は誤っている。出題当時は818条3項ただし書が同じ内容を定めていた。

親権は、父母が共同して行う。ただし、次に掲げるときは、その一方が行う。一 その一方のみが親権者であるとき。二 他の一方が親権を行うことができないとき。三 子の利益のため急迫の事情があるとき。
正しい。子が養子であるときは、養親Dと、養親の配偶者である父母Bが親権者となる(818条3項)。
配偶者のある者が未成年者を養子とするには配偶者とともにしなければならないが、配偶者の嫡出である子を養子とする場合はこの限りでない(795条)。CはBの嫡出子であるから、Dは単独でCを養子とすることができ、養親となるのはDだけである。818条3項は、子が養子であるときは、養親(1号)と、子の父母であって養親の配偶者であるもの(2号)を親権者とする。普通養子縁組では実方との親族関係は終わらず、実親で養親の配偶者でもあるBの親権も消滅しないから、BとDの双方が親権者となり、共同して親権を行う(824条の2第1項)。離婚の際にBが単独の親権者と定められていたことは、その後の再婚と養子縁組によってBとDの共同の親権に移ることを妨げない。したがって肢は正しい。出題当時の818条2項は子が養子であるときは養親の親権に服すると定めるだけであったが、養親と実親の配偶者が共同で親権を行うという結論は同じであり、令和6年改正で条文上明記された。

子が養子であるときは、次に掲げる者を親権者とする。一 養親(当該子を養子とする縁組が二以上あるときは、直近の縁組により養親となった者に限る。)二 子の父母であって、前号に掲げる養親の配偶者であるもの
誤り。違うのは「祖父母との間で養子縁組をすることができない」の部分である。父母の共同親権に服する未成年者が祖父母の養子となることを禁じる規定はない。
縁組の要件を定める792条から798条までに、父母の共同親権に服している未成年者が祖父母の養子となることを禁じる規定はない。祖父母は孫より年長の尊属ではないから(793条)、孫を養子とすることができる。しかも、自己の直系卑属を養子とする場合には、未成年者であっても家庭裁判所の許可は要らない(798条ただし書)。祖父母が孫を養子とする場合は、未成年者の福祉を害するおそれが類型的に小さいと考えられるからである。養子となる孫が15歳未満であれば、法定代理人である父母が代わって縁組の承諾をする(797条1項)。縁組が成立すれば、養子は養親の親権に服し(818条3項)、実の父母の親権からは離れる。したがって、父母の共同親権に服しているという事情は、縁組をする妨げにならない。

未成年者を養子とするには、家庭裁判所の許可を得なければならない。ただし、自己又は配偶者の直系卑属を養子とする場合は、この限りでない。
- 795条:配偶者のある者が未成年者を養子とするには夫婦共同。配偶者の嫡出子を養子とする場合・配偶者が意思表示できない場合は単独でできる
- 796条:配偶者のある者の縁組には配偶者の同意が要る。共同縁組・配偶者が意思表示できない場合は不要
- 798条:未成年者を養子とするには家庭裁判所の許可。自己又は配偶者の直系卑属を養子とする場合は不要
- 794条:後見人が被後見人を養子とするには家庭裁判所の許可(798条の許可とは別に要る)
誤り。違うのは「父母の一方を親権者と定めなければならず」の部分である。現行819条1項は、協議上の離婚の際に父母の協議でその双方又は一方を親権者と定めるとしている。家庭裁判所の許可を要しない点は今も正しい。
令和6年改正後の819条1項は、父母が協議上の離婚をするときは、その協議でその双方又は一方を親権者と定めると規定する。離婚後も父母の双方を親権者とする共同親権を選ぶことができ、必ず一方を親権者と定めなければならないわけではない。もっとも、父母の協議が調わず家庭裁判所が審判する場合に、父又は母が子の心身に害悪を及ぼすおそれがあるときなど、双方を親権者とすることで子の利益を害するときは、一方を親権者と定めなければならない(819条7項)。親権者の定めは父母の協議によるのが原則であり、その協議に家庭裁判所の許可を要する規定はない。家庭裁判所が関わるのは協議が調わないときなどの審判(819条5項)と、離婚後の親権者の変更(同条6項)である。したがって肢は前半が現行法で誤りである。出題当時は819条1項が協議でその一方を親権者と定めなければならないとしていたので本肢は正しいとされていた(公式正解は3(イ・ウ))が、令和6年改正(令和8年4月施行)で結論が変わった。

父母が協議上の離婚をするときは、その協議で、その双方又は一方を親権者と定める。
誤り。違うのは「父母の一方を親権者と定めなければならず」の部分である。現行819条1項は、協議上の離婚の際に父母の協議でその双方又は一方を親権者と定めるとしている。家庭裁判所の許可を要しない点は今も正しい。
令和6年改正後の819条1項は、父母が協議上の離婚をするときは、その協議でその双方又は一方を親権者と定めると規定する。離婚後も父母の双方を親権者とする共同親権を選ぶことができ、必ず一方を親権者と定めなければならないわけではない。もっとも、父母の協議が調わず家庭裁判所が審判する場合に、父又は母が子の心身に害悪を及ぼすおそれがあるときなど、双方を親権者とすることで子の利益を害するときは、一方を親権者と定めなければならない(819条7項)。親権者の定めは父母の協議によるのが原則であり、その協議に家庭裁判所の許可を要する規定はない。家庭裁判所が関わるのは協議が調わないときなどの審判(819条5項)と、離婚後の親権者の変更(同条6項)である。したがって肢は前半が現行法で誤りである。出題当時は819条1項が協議でその一方を親権者と定めなければならないとしていたので本肢は正しいとされていた(公式正解は3(イ・ウ))が、令和6年改正(令和8年4月施行)で結論が変わった。

父母が協議上の離婚をするときは、その協議で、その双方又は一方を親権者と定める。
誤り。違うのは「実親及び養親の共同親権に服する」の部分である。子が養子であるときは、養親が親権者となる(818条3項1号)。
子が養子であるときは、養親が親権者となる(出題当時の818条2項、現行818条3項1号)。普通養子縁組では、特別養子と違って実親との法律上の親子関係は縁組の後も残り、扶養や相続の関係も続く。しかし、親権については、実親と養親が並んで行使すると、監護や教育の方針、財産の管理をめぐって対立が生じ、子の利益が害されるうえ、第三者との法律関係も不安定になる。そこで、子を現に養育する養親に親権を一本化したのである。実親の親権は消えるのではなく止まるだけと解されており、離縁によって縁組が解消されれば実親の親権が戻る。令和6年改正後の818条3項は、養親とともに、子の父母であって養親の配偶者であるものも親権者としているが、これは連れ子を養子とした場合の規律であり、普通養子が一般に実親と養親の共同親権に服するという本肢は誤りである。

子が養子であるときは、次に掲げる者を親権者とする。
一 養親(当該子を養子とする縁組が二以上あるときは、直近の縁組により養親となった者に限る。)
二 子の父母であって、前号に掲げる養親の配偶者であるもの
誤り。違うのは「親権者の変更について家庭裁判所の許可を得なければならない」の部分である。子が養子であるときは養親が当然に親権者となり(818条3項)、親権者の変更の手続は要らない。
818条3項は、子が養子であるときは、養親(1号)と、子の父母であって養親の配偶者であるもの(2号)を親権者とすると定める。養子縁組が成立すると、その効果として当然に養親が親権者となり、実親から親権が移るのであって、そのために別の手続は要らない。夫婦が共同で養親となった本肢では、AB夫婦が共同して親権を行う(824条の2第1項)。親権者の変更について家庭裁判所の関与を定めた819条6項は、離婚や認知の際に父母の一方が親権者と定められた場合に、子の利益のため必要があるときに親権者を変更する手続であり、実親の間で親権者の帰属を調整する規定である。縁組による親権の移転はこれとは別の場面であるから、同項は適用されない。もっとも、未成年者を養子とするには縁組そのものについて家庭裁判所の許可が必要である(798条本文)。この許可は未成年者の福祉に反する縁組を防ぐため縁組の当否を審査するもので、親権者の変更を審査するものではない。肢は縁組の許可とは別に親権者の変更の許可が要るとしており誤っている。出題当時は818条2項が同じ内容を定めていた。

子が養子であるときは、次に掲げる者を親権者とする。一 養親(当該子を養子とする縁組が二以上あるときは、直近の縁組により養親となった者に限る。)二 子の父母であって、前号に掲げる養親の配偶者であるもの
誤り。違うのは「親権者の変更について家庭裁判所の許可を得なければならない」の部分である。子が養子であるときは養親が当然に親権者となり(818条3項)、親権者の変更の手続は要らない。
818条3項は、子が養子であるときは、養親(1号)と、子の父母であって養親の配偶者であるもの(2号)を親権者とすると定める。養子縁組が成立すると、その効果として当然に養親が親権者となり、実親から親権が移るのであって、そのために別の手続は要らない。夫婦が共同で養親となった本肢では、AB夫婦が共同して親権を行う(824条の2第1項)。親権者の変更について家庭裁判所の関与を定めた819条6項は、離婚や認知の際に父母の一方が親権者と定められた場合に、子の利益のため必要があるときに親権者を変更する手続であり、実親の間で親権者の帰属を調整する規定である。縁組による親権の移転はこれとは別の場面であるから、同項は適用されない。もっとも、未成年者を養子とするには縁組そのものについて家庭裁判所の許可が必要である(798条本文)。この許可は未成年者の福祉に反する縁組を防ぐため縁組の当否を審査するもので、親権者の変更を審査するものではない。肢は縁組の許可とは別に親権者の変更の許可が要るとしており誤っている。出題当時は818条2項が同じ内容を定めていた。

子が養子であるときは、次に掲げる者を親権者とする。一 養親(当該子を養子とする縁組が二以上あるときは、直近の縁組により養親となった者に限る。)二 子の父母であって、前号に掲げる養親の配偶者であるもの
誤り。違うのは「婚姻により、Bとともに、Dの親権者となる」の部分である。婚姻によってAとDの間に親子関係は生じず、Aは養子縁組をしない限りDの親権者にならない。
婚姻によって生じるのは夫婦の関係であり、一方の配偶者と他方の配偶者の子との間に法律上の親子関係が当然に生じるわけではない。AとDは婚姻によって一親等の姻族になるにとどまる(725条3号)。親権は成年に達しない子について父母や養親が行うものであり(818条)、DはBとCとの間の嫡出でない子であるから、その親権を行うのは母Bである。AがDの親権者になるには、Dと養子縁組をして養親になる必要がある。Aは法律上Dの親ではないから、婚姻しただけで親権者になることはなく、肢は誤りである。出題当時は、未成年者が婚姻すると成年に達したものとみなす規定(旧753条)があったため、20歳未満で婚姻したAに親権を行う能力があるかが問われていたが、親権者になるための親子関係がない点で、当時も結論は同じである。現在は成年年齢も婚姻適齢も男女とも18歳であり(4条・731条)、成年擬制の規定は削除されている。

次に掲げる者は、親族とする。一 六親等内の血族 二 配偶者 三 三親等内の姻族
- 血族:自然血族(血のつながり)と法定血族(養子縁組・727条)。六親等内が親族
- 配偶者:親族だが血族でも姻族でもなく、親等がない
- 姻族:配偶者の血族と、血族の配偶者。三親等内が親族
- 親等の数え方(726条):直系は世代数、傍系は同一の祖先までさかのぼって下る世代数
誤り。違うのは「婚姻により、Bとともに、Dの親権者となる」の部分である。婚姻によってAとDの間に親子関係は生じず、Aは養子縁組をしない限りDの親権者にならない。
婚姻によって生じるのは夫婦の関係であり、一方の配偶者と他方の配偶者の子との間に法律上の親子関係が当然に生じるわけではない。AとDは婚姻によって一親等の姻族になるにとどまる(725条3号)。親権は成年に達しない子について父母や養親が行うものであり(818条)、DはBとCとの間の嫡出でない子であるから、その親権を行うのは母Bである。AがDの親権者になるには、Dと養子縁組をして養親になる必要がある。Aは法律上Dの親ではないから、婚姻しただけで親権者になることはなく、肢は誤りである。出題当時は、未成年者が婚姻すると成年に達したものとみなす規定(旧753条)があったため、20歳未満で婚姻したAに親権を行う能力があるかが問われていたが、親権者になるための親子関係がない点で、当時も結論は同じである。現在は成年年齢も婚姻適齢も男女とも18歳であり(4条・731条)、成年擬制の規定は削除されている。

次に掲げる者は、親族とする。一 六親等内の血族 二 配偶者 三 三親等内の姻族
- 血族:自然血族(血のつながり)と法定血族(養子縁組・727条)。六親等内が親族
- 配偶者:親族だが血族でも姻族でもなく、親等がない
- 姻族:配偶者の血族と、血族の配偶者。三親等内が親族
- 親等の数え方(726条):直系は世代数、傍系は同一の祖先までさかのぼって下る世代数
誤り。違うのは「その子が成年に達した後も」の部分である。母は子の法定代理人として認知の訴えを提起できるにとどまり、子が成年に達して親権が終われば提起できない(787条本文)。
787条本文は、子、その直系卑属又はこれらの者の法定代理人は認知の訴えを提起することができると定める。認知の訴えを起こす権利は子自身のものであり、母は母という立場で当然に原告となれるわけではなく、子の法定代理人として子に代わって訴えを提起するにすぎない。嫡出でない子の母は、子が未成年の間は親権者として子の法定代理人となるから、子のために認知の訴えを提起できる。しかし、子が成年に達すれば親権は終了し(818条1項参照)、母は法定代理人ではなくなるから、もはや母が認知の訴えを提起することはできない。成年に達した子は、自分の意思で訴えを起こすかどうかを決めることができ、その判断を母に委ねる理由もないからである。なお、認知の訴えは、父又は母の死亡の日から3年を経過したときは提起できない(787条ただし書)。本肢は子の成年後も母が提起できるとしている点が誤りである。

子、その直系卑属又はこれらの者の法定代理人は、認知の訴えを提起することができる。ただし、父又は母の死亡の日から三年を経過したときは、この限りでない。
正しい。親権は父母が共同して行うが、他の一方が親権を行うことができないときは一方が単独で行い、長期の海外滞在のような事実上の障害もこれに当たる(824条の2第1項2号)。
824条の2第1項は、親権は父母が共同して行うとしつつ、ただし書で、その一方のみが親権者であるとき(1号)、他の一方が親権を行うことができないとき(2号)、子の利益のため急迫の事情があるとき(3号)は、その一方が行うと定める。父母が共同して親権を行うのは、子に関する重要な決定に双方の意思を反映させるためであるが、一方が親権を行えない状態にあるのに共同行使を求めると、子に関する決定が何もできなくなり、かえって子の利益を害する。ここでいう親権を行うことができないときには、後見開始の審判や親権停止の審判を受けた場合のような法律上の障害だけでなく、長期の海外滞在や行方不明のような事実上の障害がある場合も含まれると解されている。したがって、父が長期間海外にいて事実上親権を行えないときは、母が単独で親権を行うことができる。出題当時は818条3項ただし書が同じ内容を定めていたが、令和6年改正で824条の2に移され、結論は変わらない。

親権は、父母が共同して行う。ただし、次に掲げるときは、その一方が行う。一 その一方のみが親権者であるとき。二 他の一方が親権を行うことができないとき。三 子の利益のため急迫の事情があるとき。
- 婚姻中(818条2項・824条の2第1項):父母の双方が親権者で共同して行う。一方が親権を行うことができないときは他の一方が行う
- 協議上の離婚(819条1項):父母の協議で双方又は一方
- 子の出生前の離婚(819条3項):母が行う。出生後に協議で双方又は父と定められる
- 辞任・回復(837条):やむを得ない事由があれば家庭裁判所の許可を得て辞し、事由が消滅すれば許可を得て回復
誤り。違うのは「実方の父母の相続人としての地位を失わない」の部分である。特別養子縁組によって実方の父母及びその血族との親族関係は終了するから、特別養子は実方の父母の相続人ではなくなる(817条の9)。
子が養子であるときは、養親が親権者となる(818条3項1号)。特別養子縁組も養子縁組であるから、養子は未成年である間は養親の親権に服し、この点で前段は正しい。誤っているのは後段である。特別養子縁組は、実の父母による監護が著しく困難又は不適当であるなどの事情がある場合に(817条の7)、実方との法律上のつながりを断って、養親との間に実の子と同じ安定した親子関係を作る制度である。817条の9本文は、養子と実方の父母及びその血族との親族関係は特別養子縁組によって終了すると定める。子として相続人となる地位は法律上の親子関係を前提とするから(887条1項)、実方の父母との親族関係が終了すれば、特別養子は実方の父母の相続人ではなくなる。これに対し、普通養子は実方との親族関係も存続するから、実方の父母と養親の双方の相続人となる。本肢は特別養子が実方の父母の相続人の地位を失わないとしている点が誤りである。

養子と実方の父母及びその血族との親族関係は、特別養子縁組によって終了する。ただし、第八百十七条の三第二項ただし書に規定する他の一方及びその血族との親族関係については、この限りでない。
誤り。違うのは「訴訟代理人が死亡した場合であっても」中断するとする部分である。法定代理人の死亡は中断事由であるが(124条1項3号)、訴訟代理人の死亡は中断事由とされていない。
124条1項3号は、法定代理人の死亡若しくは代理権の消滅を訴訟手続の中断事由とし、法定代理人又は訴訟能力を有するに至った当事者が受け継ぐと定める。法定代理人が死亡すると、訴訟能力を欠く本人は自ら有効に訴訟行為をすることができず、本人のために訴訟を追行する者もいなくなるから、新たな法定代理人が選ばれるまで手続を止める必要がある。これに対し、訴訟代理人が死亡しても、当事者本人は自ら訴訟行為をする能力を持っており、直ちに自分で訴訟を追行することも、別の訴訟代理人を選任することもできるから、手続を止める必要はない。そのため、訴訟代理人の死亡は中断事由として掲げられていない。なお、法定代理人が死亡しても、訴訟代理人がいれば中断しない(同条2項)。したがって、両方の場合に中断するとする肢は誤りである。

次の各号に掲げる事由があるときは、訴訟手続は、中断する。この場合においては、それぞれ当該各号に定める者は、訴訟手続を受け継がなければならない。三 当事者の訴訟能力の喪失又は法定代理人の死亡若しくは代理権の消滅 法定代理人又は訴訟能力を有するに至った当事者
| 法定代理人 | 訴訟代理人 | |
|---|---|---|
| 判決書(電子判決書)の記載 | 必要的記載事項(252条1項5号) | 必要的記載事項ではない |
| 事実の陳述の更正権 | 当事者の更正権なし | 当事者が直ちに取消し・更正できる(57条) |
| 数人いるときの送達 | 一人にすれば足りる(99条2項) | 各自代理するので一人にすれば足りる(56条1項) |
| 死亡・代理権の消滅 | 中断事由(124条1項3号) | 中断しない |
| 尋問 | 当事者尋問の手続(211条)。証人になれない | 証人になれる |
誤り。違うのは「訴訟代理人が死亡した場合であっても」中断するとする部分である。法定代理人の死亡は中断事由であるが(124条1項3号)、訴訟代理人の死亡は中断事由とされていない。
124条1項3号は、法定代理人の死亡若しくは代理権の消滅を訴訟手続の中断事由とし、法定代理人又は訴訟能力を有するに至った当事者が受け継ぐと定める。法定代理人が死亡すると、訴訟能力を欠く本人は自ら有効に訴訟行為をすることができず、本人のために訴訟を追行する者もいなくなるから、新たな法定代理人が選ばれるまで手続を止める必要がある。これに対し、訴訟代理人が死亡しても、当事者本人は自ら訴訟行為をする能力を持っており、直ちに自分で訴訟を追行することも、別の訴訟代理人を選任することもできるから、手続を止める必要はない。そのため、訴訟代理人の死亡は中断事由として掲げられていない。なお、法定代理人が死亡しても、訴訟代理人がいれば中断しない(同条2項)。したがって、両方の場合に中断するとする肢は誤りである。

次の各号に掲げる事由があるときは、訴訟手続は、中断する。この場合においては、それぞれ当該各号に定める者は、訴訟手続を受け継がなければならない。三 当事者の訴訟能力の喪失又は法定代理人の死亡若しくは代理権の消滅 法定代理人又は訴訟能力を有するに至った当事者
| 法定代理人 | 訴訟代理人 | |
|---|---|---|
| 判決書(電子判決書)の記載 | 必要的記載事項(252条1項5号) | 必要的記載事項ではない |
| 事実の陳述の更正権 | 当事者の更正権なし | 当事者が直ちに取消し・更正できる(57条) |
| 数人いるときの送達 | 一人にすれば足りる(99条2項) | 各自代理するので一人にすれば足りる(56条1項) |
| 死亡・代理権の消滅 | 中断事由(124条1項3号) | 中断しない |
| 尋問 | 当事者尋問の手続(211条)。証人になれない | 証人になれる |
誤り。違うのは「Cは、これによって生じた債務について、連帯してその責任を負う」の部分である。日常の家事に関する債務の連帯責任(761条)は夫婦の間の規定であり、婚姻をしていないBとCには適用されない。
761条本文は、夫婦の一方が日常の家事に関して第三者と法律行為をしたときは、他の一方はこれによって生じた債務について連帯してその責任を負うと定める。夫婦は共同生活を営み、日常の家事に関する取引はその共同生活のためのものであるから、取引の相手方を保護するために、夫婦の他方にも連帯責任を負わせたのである。子の監護のための取引は日常の家事に含まれ得るが、この規定は婚姻をしている夫婦を前提とするものであり、本肢のBとCは婚姻をしていないので適用されない。また、CはAの父であっても親権者ではないから、親権者としてBと共同で責任を負う立場にもない。父であるCは、Aに対して扶養義務を負い(877条1項)、Bとの間で養育費の分担が問題となることはあるが、Bが第三者とした法律行為の債務について第三者に連帯責任を負うことはない。したがって、本肢は誤りである。

夫婦の一方が日常の家事に関して第三者と法律行為をしたときは、他の一方は、これによって生じた債務について、連帯してその責任を負う。ただし、第三者に対し責任を負わない旨を予告した場合は、この限りでない。
誤り。違うのは「母Gに対し,Gの住所地においてしなければならない」の部分である。数人が共同して代理権を行う場合、送達はその一人にすれば足りるから、共同親権者の父母のどちらか一方への送達でよい(99条2項。出題当時は102条2項)。
99条1項は、訴訟無能力者に対する送達はその法定代理人にすると定め、同条2項は、数人が共同して代理権を行うべき場合には、送達はその一人にすれば足りると定める(出題当時は102条で、令和4年改正で条番号が移った)。未成年者Eは訴訟無能力者であり、父母が共同して親権を行うから(民法824条の2第1項。出題当時は818条3項)、父Hと母Gが共同してEを代理する法定代理人である。送達は書類の内容を知る機会を与えるための行為であり、共同代理人のうち一人が書類を受け取れば、その者を通じて他の代理人も内容を知ることができるので、全員に送達しなくても手続保障に欠けるところはない。全員への送達を求めると、本件のように法定代理人の住所が別々のとき送達の手間が増え、手続が遅れる。父Hと母Gの両方に送達しなければならないとする肢は誤りである。

訴訟無能力者に対する送達は、その法定代理人にする。/数人が共同して代理権を行うべき場合には、送達は、その一人にすれば足りる。
- 受送達者:訴訟無能力者には法定代理人に送達し、数人が共同して代理権を行う場合はその一人にすれば足りる(99条1項・2項)
- 実施する者:郵便の業務に従事する者又は執行官(101条)。裁判所書記官はその所属する裁判所の事件について出頭した者に自ら送達できる(102条)
- 場所:住所、居所、営業所又は事務所が原則(103条1項)。それが知れないか支障があれば就業場所(同条2項)
- 届出:当事者等は日本国内の送達場所を届け出なければならず、届出があればその場所に送達する(104条1項・2項)
- 補充送達:就業場所以外で本人に出会わないときは、使用人その他の従業者又は同居者で相当のわきまえのある者に交付できる(106条1項)
正しい。訴訟無能力者の法定代理は民法その他の法令に従うから(28条)、未成年者Yの親権者A・Bは訴訟法上も法定代理人となり、親権は父母が共同して行う(民法824条の2第1項。出題当時は818条3項)。
28条は、訴訟無能力者の法定代理は、この法律に特別の定めがある場合を除き、民法その他の法令に従うと定める。訴訟法上の法定代理人を別に定める仕組みは設けられておらず、実体法上の法定代理人がそのまま訴訟法上も法定代理人となる。未成年者の財産に関する法律行為については親権者が子を代表するから(民法824条)、未成年者Yの親権者A・Bは訴訟でもYの法定代理人となる。そして親権は、父母の双方が親権者であるときは父母が共同して行う(民法824条の2第1項本文。出題当時は818条3項本文で、令和6年改正で条文が移った)。したがって、A・Bは共同して訴訟上の代理権を行い、訴訟行為は原則として両名が共同してすることになる。なお、送達は共同代理人の一人にすれば足りる(99条2項)。肢は正しい。

当事者能力、訴訟能力及び訴訟無能力者の法定代理は、この法律に特別の定めがある場合を除き、民法(明治二十九年法律第八十九号)その他の法令に従う。訴訟行為をするのに必要な授権についても、同様とする。
- 法定代理人:民法その他の法令に従う(28条)。未成年者の親権者は訴訟法上も法定代理人で、父母が共同して行う(民法824条の2第1項)
- 特別代理人:法定代理人がいない未成年者等に訴訟行為をしようとする者は、遅滞による損害のおそれを疎明して受訴裁判所の裁判長に選任を申し立てられる(35条1項)
- 訴訟代理人:地方裁判所では弁護士に限る。弁護士でない者は簡易裁判所で許可を得た場合だけ(54条1項)
- 個別代理:訴訟代理人が数人あるときは各自当事者を代理し、異なる定めは効力を生じない(56条)
- 証人能力:当事者本人・法定代理人以外は誰でも証人になれ、年齢の制限もない(190条)
















