第695条和解過去問 1
和解は、当事者が互いに譲歩をしてその間に存する争いをやめることを約することによって、その効力を生ずる。
この条文の過去問 1問
AがBに対してAB間の売買契約に基づく甲不動産の引渡しを請求したが,Bがこれを拒否したため争いを生じた場合には,AB間で,BがAに対して係争物とは全く関係のない乙不動産を譲り渡す旨の和解契約を締結することはできない。
解説
本肢は誤り。和解とは、当事者が互いに譲歩をしてその間に存する争いをやめることを約する契約である(民法695条)。その成立要件は、①当事者間に争いが存在すること、②互譲があること、③争いをやめる旨の合意があることの三点であり、条文は互譲の対象や方法について何ら制限を設けていない。すなわち、譲歩の内容が係争物そのものに関する給付でなければならないとは規定されておらず、当事者が争いを終結させるために係争物と無関係の給付を約することも、当事者の互譲としての実質を備える限り和解の本質に反しない。判例も、最判昭和27年2月8日が、当事者が和解において譲歩の方法として係争物に関係のない物の給付を約することは、少しも和解の本質に反するものではない旨を明らかにしている。
本肢では、AB間の売買契約に基づく甲不動産の引渡請求をめぐって争いが生じているところ、この争いを終結させる手段として、Bが係争物である甲不動産とはまったく関係のない乙不動産をAに譲り渡し、AはこれをもってBに対する甲不動産の引渡請求を断念するという形で互譲が行われている。争いの存在と互譲、そして争いをやめる合意がそろっている以上、これは有効な和解契約であり、締結することができないとする理由はない。したがって、和解契約を締結することはできないとする本肢は誤りである。