和解は、当事者が互いに譲歩をしてその間に存する争いをやめることを約することによって、その効力を生ずる。
この条文の過去問 2問
誤り。違うのは「和解契約を締結することはできない」の部分である。和解の譲歩の方法に制限はなく、係争物と関係のない物の給付を約することも和解の本質に反しない。
695条は、和解は、当事者が互いに譲歩をしてその間に存する争いをやめることを約することによって、その効力を生ずると定める。和解が成立するには、当事者の間に争いがあること、互いに譲歩すること、争いをやめる合意をすることが必要であるが、条文は譲歩の対象や方法を限っていない。譲歩の内容が係争物そのものについての給付でなければならないとはされておらず、争いを終わらせるために係争物と関係のない給付を約しても、互いに譲歩したといえる限り、和解の性質に反するものではない。判例も、和解で譲歩の方法として係争物に関係のない物の給付を約することは、和解の本質に少しも反しないとしている。本肢では、甲不動産の引渡しをめぐる争いを終わらせるために、Bが関係のない乙不動産をAに譲り、Aが甲不動産の引渡請求をあきらめるという形で互いに譲歩しているから、有効な和解である。本肢は誤りである。

和解は、当事者が互いに譲歩をしてその間に存する争いをやめることを約することによって、その効力を生ずる。
- 争いの目的とした事項:後に真実が判明しても確定効で覆らない(696条)
- 争いの前提・基礎とした事項の錯誤:錯誤の規定が適用される。現行法では取消し
- 譲歩の方法:係争物と関係のない物の給付を約してもよい
- 賭博債務についての和解:実質が賭博による給付の実現なら公序良俗に反し無効
- 予想できなかった後遺症:早急な少額の示談では、その損害の賠償請求権まで放棄していない
- 当然解除の和解条項:信頼関係を破壊しない特別の事情があれば当然解除にならない
正しい。判例は、請求の全部を放棄する内容であっても、訴訟費用の負担について相手方が譲歩していれば訴訟上の和解として有効であるとしており(大判昭8.2.13)、互譲は訴訟費用の負担についてのものでもよいから、請求を全部認めつつ訴訟費用を各自の負担とする和解も可能である。
和解は、当事者が互いに譲歩してその間に存する争いをやめることを約する契約であり(民法695条)、訴訟上の和解にも当事者双方の譲歩が必要とされる。しかし、譲歩の対象は訴訟物である権利関係に限られず、判例は、請求の全部を放棄する内容であっても、訴訟費用の負担について相手方が譲歩していれば和解として有効であるとしている(大判昭8.2.13)。訴訟費用は原則として敗訴した者が負担するから(61条)、被告が原告の主張をすべて認めれば、判決では被告が訴訟費用を負担することになる。原告がその負担を求めず各自の負担とすることは、原告の側の譲歩に当たる。そうであれば、被告が請求を全部認める一方で訴訟費用を各自の負担とする内容でも、双方の譲歩があるといえ、訴訟上の和解として成立する。肢は正しい。

和解は、当事者が互いに譲歩をしてその間に存する争いをやめることを約することによって、その効力を生ずる。
- 訴訟要件:当事者の実在・当事者能力など判決効の前提となるものは必要。訴えの利益は不要
- 方式:期日での合意のほか、和解条項案の書面受諾(264条)、裁判所が定める和解条項(265条)。現在は電話会議の和解期日もある(89条2項)
- 代理:訴訟代理人は特別の委任が必要(55条2項2号)
- 互譲:訴訟費用の負担で譲り合うだけでもよい
- 効力:調書に記録されると確定判決と同一の効力(267条1項)。後に内容の契約が債務不履行で解除されても訴訟は復活せず、新訴を提起できる(最判昭43.2.15)