占有者が占有物について行使する権利は、適法に有するものと推定する。
この条文の過去問 14問
正しい。担保不動産競売では、実行された抵当権の順位にかかわらず、目的不動産上の抵当権は売却によりすべて消滅する。
担保不動産の競売では、不動産の上にある先取特権、使用収益をしない旨の定めのある質権及び抵当権は、売却によってすべて消える(民事執行法59条1項、188条で準用)。これを消除主義といい、買受人は担保権の負担のない所有権を取得する。消えるかどうかは実行された抵当権の順位とは関係がないので、第二順位の抵当権の実行として競売されても、第一順位の抵当権も売却によって消える。第一順位の抵当権者は、消える代わりに、売却代金から順位に従って優先して配当を受ける。買受人が先順位の抵当権を引き継ぐとすると、不動産の価値からその負担を差し引かなければならず、換価が難しくなるからである。もっとも、後順位の抵当権者が実行しても配当がすべて先順位に回り、申立人に何も残らない見込みのときは、原則として手続が取り消される。本肢は消除主義のとおりである。

抵当権者は、債務者又は第三者が占有を移転しないで債務の担保に供した不動産について、他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受ける権利を有する。
誤り。違うのは「自己に過失がなかったことを立証しなければならない」の部分である。即時取得を主張する者の無過失は推定される(最判昭41.6.9)。
即時取得(192条)の主観的要件のうち、平穏・公然・善意は186条1項で推定される。無過失について、最判昭41.6.9は、占有者が占有物の上に行使する権利は適法に有するものと推定される以上(188条)、譲受人である占有取得者が前主を権利者と信じるについては過失のないものと推定され、占有取得者自身が過失のないことを立証する必要はないとした。前主の占有そのものが権利の適法を推定させるのだから、その占有を信頼した譲受人の無過失も推定されるという理屈である。したがって、Bは即時取得を主張するにあたり、引渡しの当時に自己に過失がなかったことを立証する必要はなく、即時取得を争う側がBの悪意又は過失を主張立証しなければならない。本肢はBに無過失の立証責任を負わせている点で誤りである。

およそ占有者が占有物の上に行使する権利はこれを適法に有するものと推定される以上(民法一八八条)、譲受人たる占有取得者が右のように信ずるについては過失のないものと推定され、占有取得者自身において過失のないことを立証することを要しない
- 取引行為によること:伐採など事実行為による取得には適用されない
- 占有を始めたこと:現実の引渡し・簡易の引渡しは足りるが、占有改定では足りない(最判昭35.2.11)
- 善意:前主を権利者と誤信したこと。疑いを持っていれば善意ではない(最判昭26.11.27)
- 無過失:188条により推定され、取得者が立証する必要はない(最判昭41.6.9)
- 対象:登録を受けた自動車には適用されない(最判昭62.4.24)
誤り。違うのは「Bは,質権の即時取得の成立を基礎付ける事実を主張・立証する必要はない」の部分である。188条の推定で無過失の立証は不要になるが、取引行為とそれに基づく占有の取得などは、即時取得を主張するBが主張・立証しなければならない。
Aの所有権に基づく引渡請求に対し、BはCから質権の設定を受けてこれを即時取得したと反論しているから、即時取得の成立は占有権原を基礎づける抗弁として、Bが主張・立証すべき事実である。192条の要件のうち、平穏・公然・善意は186条1項によって推定される。無過失については、188条により占有者が占有物について行使する権利を適法に有すると推定されるから、前主Cの占有を信じて取引したBは過失がないものと推定される(最判昭41.6.9)。しかし、これらの推定は即時取得の要件の一部の立証を不要にするにとどまり、Bと前主Cとの取引行為である質権設定契約と、それに基づいてBが甲動産の引渡しを受けて占有を取得したことは、推定の対象にならない。188条は、即時取得の成立そのものを推定する規定ではない。したがって、Bが即時取得の成立を基礎づける事実を一切主張・立証しなくてよいとする肢は誤っている。

占有者が占有物について行使する権利は、適法に有するものと推定する。
| 要件 | 主張・立証の要否 | 根拠 |
|---|---|---|
| 被担保債権の発生原因事実 | 必要 | 質権は債権の担保として存在する(342条) |
| 質権設定の合意とそれに基づく引渡し | 必要 | 質権は引渡しで効力を生じる(344条)。取引行為に基づく占有取得 |
| 平穏・公然・善意 | 不要(推定) | 186条1項 |
| 無過失 | 不要(推定) | 188条、最判昭41.6.9 |
誤り。違うのは「Bに過失がないことを主張・立証する必要がある」の部分である。善意は186条1項で、無過失は188条で推定されるから、Bはいずれも主張・立証する必要がない(最判昭41.6.9)。
192条は即時取得の要件として、占有の取得者が善意であり、かつ過失がないことを挙げている。このうち善意は、占有者は所有の意思をもって善意で平穏かつ公然と占有をするものと推定する186条1項によって推定される。無過失については、188条が、占有者が占有物について行使する権利は適法に有するものと推定するとしているから、前主Cが甲動産を占有している以上、Cは権利者と推定され、Cを権利者と信じて取引したBには過失がないものと推定される(最判昭41.6.9)。動産の占有には権利を公示する機能があり、その外観を信頼した者に無過失の立証まで求めるのは、取引の安全を守る即時取得の趣旨に合わないからである。したがって、Bは善意も無過失も主張・立証する必要はなく、Bに過失があったことは即時取得を争うAが主張・立証すべき事実になる。肢の前半は正しいが、後半でBに無過失の主張・立証を求めている点が誤っている。

占有者は、所有の意思をもって、善意で、平穏に、かつ、公然と占有をするものと推定する。
| 要件 | 主張・立証の要否 | 根拠 |
|---|---|---|
| 被担保債権の発生原因事実 | 必要 | 質権は債権の担保として存在する(342条) |
| 質権設定の合意とそれに基づく引渡し | 必要 | 質権は引渡しで効力を生じる(344条)。取引行為に基づく占有取得 |
| 平穏・公然・善意 | 不要(推定) | 186条1項 |
| 無過失 | 不要(推定) | 188条、最判昭41.6.9 |
誤り。違うのは「Bは,質権の即時取得の成立を基礎付ける事実を主張・立証する必要はない」の部分である。188条の推定で無過失の立証は不要になるが、取引行為とそれに基づく占有の取得などは、即時取得を主張するBが主張・立証しなければならない。
Aの所有権に基づく引渡請求に対し、BはCから質権の設定を受けてこれを即時取得したと反論しているから、即時取得の成立は占有権原を基礎づける抗弁として、Bが主張・立証すべき事実である。192条の要件のうち、平穏・公然・善意は186条1項によって推定される。無過失については、188条により占有者が占有物について行使する権利を適法に有すると推定されるから、前主Cの占有を信じて取引したBは過失がないものと推定される(最判昭41.6.9)。しかし、これらの推定は即時取得の要件の一部の立証を不要にするにとどまり、Bと前主Cとの取引行為である質権設定契約と、それに基づいてBが甲動産の引渡しを受けて占有を取得したことは、推定の対象にならない。188条は、即時取得の成立そのものを推定する規定ではない。したがって、Bが即時取得の成立を基礎づける事実を一切主張・立証しなくてよいとする肢は誤っている。

占有者が占有物について行使する権利は、適法に有するものと推定する。
| 要件 | 主張・立証の要否 | 根拠 |
|---|---|---|
| 被担保債権の発生原因事実 | 必要 | 質権は債権の担保として存在する(342条) |
| 質権設定の合意とそれに基づく引渡し | 必要 | 質権は引渡しで効力を生じる(344条)。取引行為に基づく占有取得 |
| 平穏・公然・善意 | 不要(推定) | 186条1項 |
| 無過失 | 不要(推定) | 188条、最判昭41.6.9 |
誤り。違うのは「Bに過失がないことを主張・立証する必要がある」の部分である。善意は186条1項で、無過失は188条で推定されるから、Bはいずれも主張・立証する必要がない(最判昭41.6.9)。
192条は即時取得の要件として、占有の取得者が善意であり、かつ過失がないことを挙げている。このうち善意は、占有者は所有の意思をもって善意で平穏かつ公然と占有をするものと推定する186条1項によって推定される。無過失については、188条が、占有者が占有物について行使する権利は適法に有するものと推定するとしているから、前主Cが甲動産を占有している以上、Cは権利者と推定され、Cを権利者と信じて取引したBには過失がないものと推定される(最判昭41.6.9)。動産の占有には権利を公示する機能があり、その外観を信頼した者に無過失の立証まで求めるのは、取引の安全を守る即時取得の趣旨に合わないからである。したがって、Bは善意も無過失も主張・立証する必要はなく、Bに過失があったことは即時取得を争うAが主張・立証すべき事実になる。肢の前半は正しいが、後半でBに無過失の主張・立証を求めている点が誤っている。

占有者は、所有の意思をもって、善意で、平穏に、かつ、公然と占有をするものと推定する。
| 要件 | 主張・立証の要否 | 根拠 |
|---|---|---|
| 被担保債権の発生原因事実 | 必要 | 質権は債権の担保として存在する(342条) |
| 質権設定の合意とそれに基づく引渡し | 必要 | 質権は引渡しで効力を生じる(344条)。取引行為に基づく占有取得 |
| 平穏・公然・善意 | 不要(推定) | 186条1項 |
| 無過失 | 不要(推定) | 188条、最判昭41.6.9 |
誤り。違うのは「第二順位の抵当権は消滅しない」の部分である。抵当権の実行としての競売で不動産が売却されれば、配当を受けたかどうかにかかわらず、その不動産の上の抵当権はすべて消滅する(民事執行法188条・59条1項)。
民事執行法59条1項は、不動産の上に存する先取特権、使用及び収益をしない旨の定めのある質権並びに抵当権は、売却によって消滅すると定め、同法188条はこれを担保不動産競売に準用している。売却によって担保権をすべて消滅させ、買受人が担保の負担のない不動産を取得できるようにすることで、競売が成り立つようにしたのである(消除主義)。担保権者は、消滅する担保権の順位に従って売却代金から配当を受けることで満足を得る。そのため、第一順位の抵当権の実行による競売であっても、第二順位の抵当権も売却によって消滅する。売却代金が少なく、第一順位の抵当権者だけが配当を受け、第二順位の抵当権者が配当を受けられなかったとしても同じであり、第二順位の抵当権者の被担保債権は無担保の債権として残るにとどまる。したがって、第二順位の抵当権は消滅しないとする肢は誤っている。

不動産の上に存する先取特権、使用及び収益をしない旨の定めのある質権並びに抵当権は、売却により消滅する。
- 被担保債権の弁済・混同:付従性により抵当権も消滅する
- 抵当権だけの時効消滅:債務者・設定者に対してはできない(396条)
- 抵当不動産の時効取得:債務者・設定者以外の者の時効取得で消滅する(397条)
- 競売による売却:順位を問わず全部の抵当権が消滅する(民事執行法59条1項)
正しい。競売の買受人は代金を納付した時に所有権を取得し、旧所有者Aは買受人に対抗できる占有の権原を持たないから、CはAに所有権に基づいて引渡しを請求できる。
抵当権の実行としての競売では、買受人は代金を納付した時に不動産を取得する(民事執行法188条・79条)。したがって、Cは代金の納付によって土地の所有権を取得し、正当な権原なく土地を占有する者に対しては、所有権に基づく返還請求として引渡しを求めることができる。問題は旧所有者Aが占有の権原を持つかであるが、Aは競売によって所有権を失っており、所有権を権原とすることはできない。また、抵当権設定当時に土地上に建物があり土地と建物が同じ所有者に属していたという事情もないから、法定地上権(388条)のような土地の利用権も生じない。抵当権の設定後もAが土地を使い続けていたとしても、それは買受人に対抗できる権原ではない。したがって、CはAに対して所有権に基づき土地の引渡しを請求でき、肢は正しい。買受人は、より簡易な手続として執行裁判所に引渡命令を申し立てることもできる(民事執行法83条)。

所有者は、法令の制限内において、自由にその所有物の使用、収益及び処分をする権利を有する。
誤り。違うのは「賃貸借契約を理由にして拒むことができる」の部分である。抵当権設定登記に後れて登記された賃借権は、抵当権者の同意の登記(387条1項)がない限り、競売による売却で効力を失う。
抵当権と賃借権の優劣は、対抗要件を備えた時の先後で決まる。不動産競売では、抵当権は売却によって消滅し、消滅する抵当権に対抗できない権利も売却によって効力を失う(民事執行法188条・59条1項・2項)。Dの賃借権は、Bの抵当権設定登記より後に登記されたものであるから、登記を備えていてもBに対抗できず、Cが買い受けた時に効力を失う。抵当権者は設定の時の担保価値を把握しており、その後の賃貸借によって価値が下がることを受け入れる理由がないからである。例外として、387条1項は、登記をした賃貸借は、その登記前に登記をした抵当権者全員が同意し、かつその同意の登記があるときは、同意をした抵当権者に対抗できるとするが、肢にはBの同意もその登記もない。また、395条の明渡猶予は建物の使用者を対象とし、土地の賃借人には及ばない。したがって、Dは引渡しを拒めず、肢は誤りである。

登記をした賃貸借は、その登記前に登記をした抵当権を有するすべての者が同意をし、かつ、その同意の登記があるときは、その同意をした抵当権者に対抗することができる。
- 抵当権設定登記より前に対抗要件を備えた賃借権:買受人に対抗できる
- 抵当権設定登記の後に登記した賃借権:売却で効力を失い、買受人に対抗できない(民事執行法59条2項)
- 387条の同意の登記:登記をした賃貸借であること、先に登記した抵当権者全員の同意、同意の登記の三つが要る
- 395条の明渡猶予:建物に限られ、競売手続の開始前からの使用などが要件で、買受けの時から6か月
正しい。競売の買受人は代金を納付した時に所有権を取得し、旧所有者Aは買受人に対抗できる占有の権原を持たないから、CはAに所有権に基づいて引渡しを請求できる。
抵当権の実行としての競売では、買受人は代金を納付した時に不動産を取得する(民事執行法188条・79条)。したがって、Cは代金の納付によって土地の所有権を取得し、正当な権原なく土地を占有する者に対しては、所有権に基づく返還請求として引渡しを求めることができる。問題は旧所有者Aが占有の権原を持つかであるが、Aは競売によって所有権を失っており、所有権を権原とすることはできない。また、抵当権設定当時に土地上に建物があり土地と建物が同じ所有者に属していたという事情もないから、法定地上権(388条)のような土地の利用権も生じない。抵当権の設定後もAが土地を使い続けていたとしても、それは買受人に対抗できる権原ではない。したがって、CはAに対して所有権に基づき土地の引渡しを請求でき、肢は正しい。買受人は、より簡易な手続として執行裁判所に引渡命令を申し立てることもできる(民事執行法83条)。

所有者は、法令の制限内において、自由にその所有物の使用、収益及び処分をする権利を有する。
誤り。違うのは「賃貸借契約を理由にして拒むことができる」の部分である。抵当権設定登記に後れて登記された賃借権は、抵当権者の同意の登記(387条1項)がない限り、競売による売却で効力を失う。
抵当権と賃借権の優劣は、対抗要件を備えた時の先後で決まる。不動産競売では、抵当権は売却によって消滅し、消滅する抵当権に対抗できない権利も売却によって効力を失う(民事執行法188条・59条1項・2項)。Dの賃借権は、Bの抵当権設定登記より後に登記されたものであるから、登記を備えていてもBに対抗できず、Cが買い受けた時に効力を失う。抵当権者は設定の時の担保価値を把握しており、その後の賃貸借によって価値が下がることを受け入れる理由がないからである。例外として、387条1項は、登記をした賃貸借は、その登記前に登記をした抵当権者全員が同意し、かつその同意の登記があるときは、同意をした抵当権者に対抗できるとするが、肢にはBの同意もその登記もない。また、395条の明渡猶予は建物の使用者を対象とし、土地の賃借人には及ばない。したがって、Dは引渡しを拒めず、肢は誤りである。

登記をした賃貸借は、その登記前に登記をした抵当権を有するすべての者が同意をし、かつ、その同意の登記があるときは、その同意をした抵当権者に対抗することができる。
- 抵当権設定登記より前に対抗要件を備えた賃借権:買受人に対抗できる
- 抵当権設定登記の後に登記した賃借権:売却で効力を失い、買受人に対抗できない(民事執行法59条2項)
- 387条の同意の登記:登記をした賃貸借であること、先に登記した抵当権者全員の同意、同意の登記の三つが要る
- 395条の明渡猶予:建物に限られ、競売手続の開始前からの使用などが要件で、買受けの時から6か月
正しい。判例は、他人の所有地上の建物に居住して敷地を占有する者の占有権原については、占有者が立証責任を負い、188条の権利推定を援用して土地所有者に対抗することはできないとした(最判昭35.3.1)。
188条は、占有者が占有物について行使する権利は適法に有するものと推定すると定める。最判昭35.3.1は、登記を備えた土地所有者が、地上建物の居住者に対し土地の明渡しを求めた事案で、居住者が建物所有者の使用貸借とその建物の賃借を正権原として主張したのに対し、その正権原については占有者に立証責任があり、188条を援用して自己の正権原を土地所有者に対抗することはできないとした。所有権に基づく明渡請求では、所有者は自分の所有と相手方の占有を示せば足り、占有を正当化する権原は、それを主張する占有者が自ら立証すべき抗弁だからである。188条の推定は、占有者と所有者の間で所有者の権利を否定するために働くものではない。本肢は、敷地を占有する権原について居住者が主張立証責任を負うとしており、正しい。

占有者が占有物について行使する権利は、適法に有するものと推定する。
正しい。判例は、土地所有者からの明渡請求に対し占有者が占有権原を主張する場合、その立証責任は占有者にあり、188条の推定を援用して所有者に対抗することはできないとした(最判昭35.3.1)。
188条は、占有者が占有物について行使する権利は適法に有するものと推定すると定める。しかし、最判昭35.3.1は、登記を備えた土地所有者が土地を占有する者に明渡しを求めた事案で、占有者が正権原として賃借権などを主張する場合には、占有者にその立証責任があり、188条を援用して自己の正権原を土地所有者に対抗することはできないとした。所有権に基づく明渡請求では、所有者は自分の所有と相手方の占有を示せば足り、占有を正当化する権原は、それを主張する占有者が抗弁として立証すべきだからである。188条の推定は、占有者と第三者との関係で働くものであり、所有者からその権利を受けたと主張する占有者が、所有者に対してその推定を援用することはできないと考えられる。したがって、占有者は賃借権を取得してそれに基づいて占有している事実を立証しなければならず、本肢は正しい。

占有者が占有物について行使する権利は、適法に有するものと推定する。
誤り。違うのは「自己に過失がないことを立証しなければならない」の部分である。判例は、占有者の権利は適法と推定される(188条)から、譲受人が前主を権利者と信じたことには過失がないと推定され、自ら無過失を立証する必要はないとした(最判昭41.6.9)。
192条は、取引行為によって平穏かつ公然と動産の占有を始めた者は、善意であり、かつ、過失がないときは、即時にその動産について行使する権利を取得すると定める。平穏・公然・善意は186条1項により推定されるが、無過失は同項に挙げられていない。判例(最判昭41.6.9)は、占有者が占有物の上に行使する権利は適法に有するものと推定される以上(188条)、譲受人である占有取得者が前主を権利者と信じたことについては過失のないものと推定され、占有取得者自身が過失のないことを立証することを要しないとした。動産の取引では、相手方が物を占有していればその者を権利者と信じるのが通常であり、188条によって法律上も占有者は適法な権利者と推定されるのであるから、その推定を信じた譲受人に過失はないとみるのが自然だからである。したがって、即時取得を否定する側が譲受人の過失を立証しなければならない。本肢は誤りである。

占有者が占有物について行使する権利は、適法に有するものと推定する。
- 取引行為による占有の取得:相続・遺失物の持ち帰り・立木の伐採では成立しない
- 占有取得の方法:現実の引渡し・簡易の引渡し・指図による占有移転は可。占有改定では成立しない(最判昭35.2.11)
- 平穏・公然・善意(186条1項)、無過失(188条により推定。最判昭41.6.9)
- 対象:動産。登録を受けた自動車には適用されない(最判昭62.4.24)






































































