時効の効力は、その起算日にさかのぼる。
この条文の過去問 2問
正しい。時効の効力は起算日にさかのぼるから(144条)、時効期間中の損傷による損害賠償請求権も、起算日から所有者であったことになる時効取得者に帰属する。
144条は、時効の効力はその起算日にさかのぼると定める。取得時効によって所有権を取得した者は、時効が完成した時に初めて所有者になるのではなく、占有を始めた起算日から所有者であったものとして扱われる。時効は長く続いた事実の状態をそのまま権利関係として認める制度であるから、その状態が始まった時にさかのぼらせるのが筋だからである。そうすると、時効期間中に第三者の不法行為によって建物が一部損傷した場合、損傷の時点で建物の所有者であったのは、さかのぼって所有者となった時効取得者である。不法行為による損害賠償請求権(709条)は侵害された権利を持つ者に生じるから、建物の所有権の侵害による賠償請求権も時効取得者に帰属する。もとの所有者は起算日にさかのぼって所有権を失ったことになるから、賠償請求権を持つことはない。したがって本肢は正しい。時効期間中に時効取得者が得た果実を返さなくてよいのも、この効力による。

時効の効力は、その起算日にさかのぼる。
正しい。時効の効力は起算日にさかのぼり(144条)、前の占有者Cの占有を併せて主張すれば起算日はCの占有開始日となるから、Aはその日にさかのぼって所有権を失う。
取得時効が完成して援用されると、占有者はその物の所有権を原始取得し(162条)、元の所有者はその反射として所有権を失う。そして144条は、時効の効力はその起算日にさかのぼると定める。時効期間中の占有者の使用収益や処分を、時効完成後に改めて不法占有として清算させるのは、継続した事実状態を尊重する時効制度の趣旨に合わないから、起算日から権利者であったものと扱うのである。占有者の承継人は、自己の占有のみを主張することも、前の占有者の占有を併せて主張することもでき(187条1項)、併せて主張した場合には、時効の起算日は前の占有者が占有を始めた日となる。本肢のBはCの占有を併せて主張して時効取得したのであるから、起算日はCの占有開始日であり、Aはその日にさかのぼって所有権を失う。なお、前の占有者の占有を併せて主張するときは、その瑕疵も承継する(同条2項)。

時効の効力は、その起算日にさかのぼる。















































