第920条単純承認の効力過去問 3
相続人は、単純承認をしたときは、無限に被相続人の権利義務を承継する。
この条文の過去問 3問
相続人は、単純承認をしたときは、無限に被相続人の権利義務を承継する。
解説
本肢は正しい。民法920条は、「相続人は、単純承認をしたときは、無限に被相続人の権利義務を承継する」と定めており、本肢はその内容そのものである。単純承認とは、被相続人の権利義務を無限定に承継する意思表示であり、これがされると、相続人は896条本文により被相続人の財産に属した一切の権利義務を包括的に承継することが確定する。ここでいう「無限に」とは、承継する債務の責任が相続によって取得した積極財産の限度に限定されないという意味であり、相続債務が積極財産を上回る場合には、相続人は自己の固有財産をもって弁済の責めを負う。この点が、相続によって得た財産の限度でのみ責任を負う限定承認(922条)、および初めから相続人でなかったものとみなされる放棄(939条)との決定的な違いである。なお、単純承認は明示の意思表示のほか、相続財産の処分、熟慮期間の徒過、放棄・限定承認後の隠匿・私消・悪意の不記載といった事由により法律上当然に擬制される(921条各号)。また、被相続人の一身に専属した権利義務は承継の対象から除かれる(896条ただし書)。本肢は920条の文言どおりであり、正しい。
相続人は、単純承認をしたときは、無限に被相続人の権利義務を承継する。
解説
本肢は正しい。民法920条は、「相続人は、単純承認をしたときは、無限に被相続人の権利義務を承継する」と定めており、本肢はその内容そのものである。単純承認とは、被相続人の権利義務を無限定に承継する意思表示であり、これがされると、相続人は896条本文により被相続人の財産に属した一切の権利義務を包括的に承継することが確定する。ここでいう「無限に」とは、承継する債務の責任が相続によって取得した積極財産の限度に限定されないという意味であり、相続債務が積極財産を上回る場合には、相続人は自己の固有財産をもって弁済の責めを負う。この点が、相続によって得た財産の限度でのみ責任を負う限定承認(922条)、および初めから相続人でなかったものとみなされる放棄(939条)との決定的な違いである。なお、単純承認は明示の意思表示のほか、相続財産の処分、熟慮期間の徒過、放棄・限定承認後の隠匿・私消・悪意の不記載といった事由により法律上当然に擬制される(921条各号)。また、被相続人の一身に専属した権利義務は承継の対象から除かれる(896条ただし書)。本肢は920条の文言どおりであり、正しい。
唯一の相続人が単純承認をした場合,相続人が被相続人に対して有していた貸金債権は,その債権が第三者の権利の目的である場合を除き,混同により消滅する。
解説
本肢は正しい。単純承認をした相続人は、被相続人の権利義務を無限に承継する(920条)。したがって、相続人が一人しかいない場合、その相続人が被相続人に対して有していた貸金債権(相続人が債権者、被相続人が債務者)について、相続によって借入金返済債務の側も同一の相続人に帰属することになる。債権及び債務が同一人に帰属したときは、その債権は消滅する(520条本文)。債権者と債務者が同一人となった以上、権利を存続させておく実益がないというのがその趣旨である。もっとも、520条ただし書は「その債権が第三者の権利の目的であるとき」を混同の例外とする。たとえば当該貸金債権に第三者のために質権が設定されている場合や、当該債権が差し押さえられている場合に混同による消滅を認めると、質権者や差押債権者の把握していた価値が失われ、その利益を不当に害することになるからである。この場合、債権は消滅せずに存続する。本肢はこの例外を留保した上で混同により消滅するとしており、920条・520条の帰結どおりである。なお、共同相続の場合には債権と債務がそれぞれ相続分に応じて分属するため、債権全部が混同で消滅するのは相続人が単独である場合に限られる点に注意を要する。