地役権者は、設定行為で定めた目的に従い、他人の土地を自己の土地の便益に供する権利を有する。ただし、第三章第一節(所有権の限界)の規定(公の秩序に関するものに限る。)に違反しないものでなければならない。
この条文の過去問 10問
正しい。地役権は承役地所有者の利用を必要な限度で制限するにとどまるので、承役地の使用は目的達成に必要で、承役地所有者の損害が最も少ない範囲に限られると解される。
280条は、地役権者は設定行為で定めた目的に従い他人の土地を自己の土地の便益に供する権利を有すると定める。地役権は承役地の所有権を奪うものではなく、承役地所有者の利用を必要な限度で制限する権利であり、承役地所有者も地役権の行使を妨げない限りで土地を使い続けることができる。この性質から、地役権者の使用は、通行や引水など設定された目的を達成するのに必要な範囲に限られ、同じ目的を達成できる方法が複数あれば承役地所有者の損害が最も少ない方法によるべきだと解されている。囲繞地通行権について通行の場所及び方法を必要で損害が最も少ないものに限る211条1項と同じ考え方であり、土地の利用を調整する制度である地役権にもその趣旨が及ぶ。もっとも、この点を正面から判断した判例はなく、約定の権利である地役権に同項の趣旨が当然には及ばないとする見解もある。

地役権者は、設定行為で定めた目的に従い、他人の土地を自己の土地の便益に供する権利を有する。ただし、第三章第一節(所有権の限界)の規定(公の秩序に関するものに限る。)に違反しないものでなければならない。
正しい。地役権は承役地所有者の利用を必要な限度で制限するにとどまるので、承役地の使用は目的達成に必要で、承役地所有者の損害が最も少ない範囲に限られると解される。
280条は、地役権者は設定行為で定めた目的に従い他人の土地を自己の土地の便益に供する権利を有すると定める。地役権は承役地の所有権を奪うものではなく、承役地所有者の利用を必要な限度で制限する権利であり、承役地所有者も地役権の行使を妨げない限りで土地を使い続けることができる。この性質から、地役権者の使用は、通行や引水など設定された目的を達成するのに必要な範囲に限られ、同じ目的を達成できる方法が複数あれば承役地所有者の損害が最も少ない方法によるべきだと解されている。囲繞地通行権について通行の場所及び方法を必要で損害が最も少ないものに限る211条1項と同じ考え方であり、土地の利用を調整する制度である地役権にもその趣旨が及ぶ。もっとも、この点を正面から判断した判例はなく、約定の権利である地役権に同項の趣旨が当然には及ばないとする見解もある。

地役権者は、設定行為で定めた目的に従い、他人の土地を自己の土地の便益に供する権利を有する。ただし、第三章第一節(所有権の限界)の規定(公の秩序に関するものに限る。)に違反しないものでなければならない。
正しい。地役権には存続期間の規定がなく、期間を定めずに設定することができる。
地役権は、設定行為で定めた目的に従い、他人の土地を自己の土地の便益に供する権利である(280条)。通行や引水などがその典型である。民法は地役権について存続期間の規定を置いていない。地上権の期間の定めがない場合の規律(268条)や、永小作権を20年以上50年以下とする278条のような規定は、地役権にはない。地役権は要役地の便益のために承役地を部分的に使うにとどまり、承役地の所有者の利用を全面的に排除するものではないので、長く続いても所有者の負担が過大にならず、期間を法律で制限する必要が乏しいからである。したがって、存続期間は設定行為で自由に定めることができ、期間を定めずに設定することもできる。地役権が要役地の所有権に従って移転する(281条1項)ことも、期間の定めを必要としない扱いと合っている。

地役権者は、設定行為で定めた目的に従い、他人の土地を自己の土地の便益に供する権利を有する。ただし、第三章第一節(所有権の限界)の規定(公の秩序に関するものに限る。)に違反しないものでなければならない。
| 地上権 | 永小作権 | 地役権 | |
|---|---|---|---|
| 対価 | 地代は要素でない(266条) | 小作料は要素(270条) | 対価は要素でない |
| 存続期間 | 制限なし(定めがなければ268条) | 20年以上50年以下(278条) | 規定なし |
| 譲渡 | できる。禁止特約は登記できず債権的効力にとどまる | 設定行為で禁止できる(272条ただし書) | 要役地とともに移転し分離譲渡できない(281条) |
正しい。地役権には存続期間の規定がなく、期間を定めずに設定することができる。
地役権は、設定行為で定めた目的に従い、他人の土地を自己の土地の便益に供する権利である(280条)。通行や引水などがその典型である。民法は地役権について存続期間の規定を置いていない。地上権の期間の定めがない場合の規律(268条)や、永小作権を20年以上50年以下とする278条のような規定は、地役権にはない。地役権は要役地の便益のために承役地を部分的に使うにとどまり、承役地の所有者の利用を全面的に排除するものではないので、長く続いても所有者の負担が過大にならず、期間を法律で制限する必要が乏しいからである。したがって、存続期間は設定行為で自由に定めることができ、期間を定めずに設定することもできる。地役権が要役地の所有権に従って移転する(281条1項)ことも、期間の定めを必要としない扱いと合っている。

地役権者は、設定行為で定めた目的に従い、他人の土地を自己の土地の便益に供する権利を有する。ただし、第三章第一節(所有権の限界)の規定(公の秩序に関するものに限る。)に違反しないものでなければならない。
| 地上権 | 永小作権 | 地役権 | |
|---|---|---|---|
| 対価 | 地代は要素でない(266条) | 小作料は要素(270条) | 対価は要素でない |
| 存続期間 | 制限なし(定めがなければ268条) | 20年以上50年以下(278条) | 規定なし |
| 譲渡 | できる。禁止特約は登記できず債権的効力にとどまる | 設定行為で禁止できる(272条ただし書) | 要役地とともに移転し分離譲渡できない(281条) |
誤り。違うのは「設定することはできない」の部分である。地役権には対価についての規定がなく(280条)、無償の地役権も設定できる。
280条本文は、地役権者は、設定行為で定めた目的に従い、他人の土地を自己の土地の便益に供する権利を有すると定める。地役権の内容として要役地の便益に供することを掲げるだけで、対価の支払については何も定めていない。同条ただし書も、所有権の限界に関する規定のうち公の秩序に関するものに違反してはならないという制限を置くにとどまる。永小作権の小作料(270条)のように、対価の支払を権利の内容とする規定は地役権には存在しない。したがって、対価の定めのない無償の地役権を設定することはでき、通行地役権などでは無償で設定されることも少なくない。当事者が承役地の所有者に対価を支払うと合意することもできるが、その合意は債権的な効力を持つにとどまる。無償の地役権を設定できないとする本肢は誤りである。

地役権者は、設定行為で定めた目的に従い、他人の土地を自己の土地の便益に供する権利を有する。ただし、第三章第一節(所有権の限界)の規定(公の秩序に関するものに限る。)に違反しないものでなければならない。
| 権利 | 対価 | 存続期間 |
|---|---|---|
| 地上権(265条) | 無償でもよい。地代は定めた場合だけ(266条1項) | 定めなくてもよい。定めなければ地上権者はいつでも放棄でき、放棄しなければ裁判所が20年以上50年以下で定める(268条) |
| 永小作権(270条) | 小作料が要素であり、無償では設定できない | 20年以上50年以下。定めなければ別段の慣習がない限り30年(278条) |
| 地役権(280条) | 対価の規定がなく、無償でもよい | 規定がなく、定めなくてもよい |
正しい。地役権には存続期間についての規定がなく、存続期間を定めずに設定することができる。
280条本文は、地役権者は、設定行為で定めた目的に従い、他人の土地を自己の土地の便益に供する権利を有すると定めるが、民法は地役権の存続期間について何も規定していない。地上権の存続期間を定めなかった場合の規律(268条)や、永小作権の存続期間を20年以上50年以下とする278条のような規定は、地役権には置かれていない。地役権は要役地の便益のために承役地を部分的に利用する権利であり、承役地の所有者による利用を全面的に排除するものではないから、長く続いても所有者の負担が重くなりすぎることはなく、期間を法律で区切る必要がないからである。そのため、存続期間は当事者が設定行為で自由に定めることができ、期間を定めずに設定することもできる。地役権は要役地の所有権に従たるものとして、要役地の所有権とともに移転する(281条1項本文)。本肢は正しい。

地役権者は、設定行為で定めた目的に従い、他人の土地を自己の土地の便益に供する権利を有する。ただし、第三章第一節(所有権の限界)の規定(公の秩序に関するものに限る。)に違反しないものでなければならない。
| 権利 | 対価 | 存続期間 |
|---|---|---|
| 地上権(265条) | 無償でもよい。地代は定めた場合だけ(266条1項) | 定めなくてもよい。定めなければ地上権者はいつでも放棄でき、放棄しなければ裁判所が20年以上50年以下で定める(268条) |
| 永小作権(270条) | 小作料が要素であり、無償では設定できない | 20年以上50年以下。定めなければ別段の慣習がない限り30年(278条) |
| 地役権(280条) | 対価の規定がなく、無償でもよい | 規定がなく、定めなくてもよい |
誤り。違うのは「自己への承役地の明渡しを請求することができる」の部分である。地役権は承役地を占有する権利ではないので、返還請求権は認められない。
地役権は、設定行為で定めた目的に従い、他人の土地を自己の土地の便益に供する権利であり(280条)、承役地を排他的に占有する権利ではない。物権的請求権の範囲はその物権の内容で決まるから、占有を内容としない地役権には、目的物の占有の回復を求める返還請求権は認められず、妨害排除請求権と妨害予防請求権が認められるにとどまる。判例も、通行地役権は承役地を通行の目的の範囲内で使用できる権利にすぎないから、通行妨害行為の禁止を超えて承役地の目的外使用一般の禁止を求めることはできないとしている(最判平17.3.29)。したがって、地役権者は不法占拠者に対し、地役権の行使を妨げる工作物の撤去などは請求できるが、自己への承役地の明渡しは請求できない。承役地の明渡しを求めることができるのは、所有権に基づく返還請求権を持つ承役地の所有者である。

地役権者は、設定行為で定めた目的に従い、他人の土地を自己の土地の便益に供する権利を有する。ただし、第三章第一節(所有権の限界)の規定(公の秩序に関するものに限る。)に違反しないものでなければならない。
誤り。違うのは「地役権を設定することはできない」の部分である。地役権は他人の土地を自己の土地の便益に供する権利であり(280条)、承役地が要役地に隣接している必要はない。
280条本文は、地役権者は設定行為で定めた目的に従い、他人の土地を自己の土地の便益に供する権利を持つと定めるにとどまり、承役地が要役地に隣接していることを要件としていない。地役権に必要なのは、要役地の便益に供されること、そして所有権の限界の規定のうち公の秩序に関するものに反しないこと(同条ただし書)であり、両地が物理的に接していることは求められない。たとえば水源から自己の土地まで水を引く引水地役権では、間に挟まる第三者の土地を承役地とすることができるし、眺望や日照を確保するために離れた土地に建物の高さを制限する地役権を設定することもできる。隣接する土地どうしの利用を調整するために法律上当然に生じる相隣関係(209条以下)と違い、地役権は当事者の合意によって設定される用益物権だからである。

地役権者は、設定行為で定めた目的に従い、他人の土地を自己の土地の便益に供する権利を有する。ただし、第三章第一節(所有権の限界)の規定(公の秩序に関するものに限る。)に違反しないものでなければならない。
誤り。違うのは「必ず便益の対価を支払わなければならない」の部分である。地役権の内容は設定行為で定まり、対価の支払は地役権の要素ではない(280条)。
280条本文は、地役権者は設定行為で定めた目的に従い、他人の土地を自己の土地の便益に供する権利を有すると定める。地役権の内容は設定行為によって決まり、対価を支払うことは地役権が成立するための要件でも、その要素でもない。そのため、地役権は無償で設定することも、対価を定めて有償で設定することもできる。この点で、賃料の支払が本質的な要素となっている賃貸借(601条)とは違う。地役権は、通行や引水のように、隣り合う土地どうしの利用を調整するために設定されることが多く、近隣の好意的な関係から無償で設定されることも珍しくないので、対価を必須とする理由がないのである。なお、地役権について対価の定めは登記できず、対価の合意は当事者間の債権的な合意にとどまる。対価を必ず支払わなければならないとする本肢は誤りである。

地役権者は、設定行為で定めた目的に従い、他人の土地を自己の土地の便益に供する権利を有する。ただし、第三章第一節(所有権の限界)の規定(公の秩序に関するものに限る。)に違反しないものでなければならない。
正しい。民法の用益物権である地上権・永小作権・地役権・入会権は、いずれも他人の土地を目的とする物権であり、不動産にのみ成立する。
用益物権とは、他人の物を一定の範囲で使用・収益する物権であり、民法は地上権、永小作権、地役権、入会権を定める。地上権は工作物又は竹木を所有するため他人の土地を使用する権利(265条)、永小作権は小作料を支払って他人の土地で耕作又は牧畜をする権利(270条)、地役権は設定行為で定めた目的に従い他人の土地を自己の土地の便益に供する権利(280条)、入会権は村落の住民が山林原野などの土地を共同して利用する権利(263条・294条)である。いずれも土地の利用を目的とする権利として構成されているのは、動産の利用は賃貸借などの契約で足り、物権として長期・安定的に保護する必要が大きいのは土地の利用だからである。したがって、用益物権は不動産にのみ成立し、本肢は正しい。これに対し、担保物権には動産を目的とするもの(質権、動産の先取特権など)がある。

地上権者は、他人の土地において工作物又は竹木を所有するため、その土地を使用する権利を有する。





















