婚姻は、十八歳にならなければ、することができない。
この条文の過去問 8問
誤り。違うのは「その両親は,法定代理人として訴訟行為をしなければならない」の部分である。出題当時は、未成年者が婚姻すると成年に達したものとみなされて訴訟能力を取得し、両親の法定代理権は消滅した。現在は成年擬制の制度が廃止され、未成年者が婚姻することはできない。
31条は、未成年者は法定代理人によらなければ訴訟行為をすることができないとしつつ、ただし書で、未成年者が独立して法律行為をすることができる場合はこの限りでないと定める。出題当時の民法753条は、未成年者が婚姻をしたときは成年に達したものとみなすと定めていたので、婚姻した未成年者は訴訟能力を取得し、自ら訴訟行為をすることができた。訴訟能力を取得した本人について、両親が法定代理人として訴訟行為を続ける根拠はなく、両親の法定代理権は消滅するから、両親が訴訟行為をしなければならないとする肢は誤りであった。もっとも、平成30年の民法改正で成年年齢と婚姻適齢がいずれも18歳となり、成年擬制の規定も削除されたため、現在は未成年者が婚姻することはなく、肢の前提となる場面は生じない。成年に達して訴訟能力を取得した場合も同じく法定代理権は消滅するが、その消滅は相手方に通知しなければ効力を生じない(36条1項)。

未成年者及び成年被後見人は、法定代理人によらなければ、訴訟行為をすることができない。ただし、未成年者が独立して法律行為をすることができる場合は、この限りでない。
誤り。違うのは「未成年後見人があるときは,その同意を得なければならない」の部分である。出題当時も同意権者は父母であり、現在は婚姻適齢と成年年齢がともに18歳なので未成年者の婚姻自体が生じない。
出題当時の737条は、未成年の子が婚姻をするには父母の同意を得なければならないと定めており、同意権者は父母であって未成年後見人ではなかった。婚姻は当事者の意思の合致を本質とする身分行為であり、財産上の行為を対象とする行為能力の制度をそのまま及ぼすのは適当でないので、法定代理人である未成年後見人に同意権を与えなかったのである。成年被後見人が婚姻するのに成年後見人の同意を要しない(738条)のも同じ考え方である。したがって、本肢は出題当時も誤りであった。その後、成年年齢が18歳に引き下げられ(4条)、婚姻適齢も男女とも18歳とされたので(731条)、未成年者が婚姻するという事態は生じなくなり、737条は削除された。正誤は出題当時の法令によるものであり、現在は問いの前提が成り立たない。

婚姻は、十八歳にならなければ、することができない。
正しい。出題当時は、婚姻した未成年者は成年に達したものとみなされ、自ら訴訟行為をすることができた。現在は成年擬制の制度が廃止され、未成年者が婚姻することはないので、肢の前提となる場面は生じない。
31条は、未成年者は法定代理人によらなければ訴訟行為をすることができないとしつつ、ただし書で、未成年者が独立して法律行為をすることができる場合はこの限りでないと定める。出題当時の民法753条は、未成年者が婚姻をしたときは成年に達したものとみなすと定めていたので、婚姻した未成年者は行為能力とともに訴訟能力を取得し、法定代理人によらずに自ら訴訟行為をすることができた。婚姻して独立の生計を営む者について、親の代理を続けさせるのは実情に合わないからである。もっとも、平成30年の民法改正で成年年齢と婚姻適齢がいずれも18歳となり(民法4条・731条)、成年擬制の規定も削除されたため、現在は未成年者が婚姻すること自体がなく、肢の前提は生じない。現行法で31条ただし書が働くのは、営業を許された未成年者がその営業に関する訴訟をする場合(民法6条1項)などである。

未成年者及び成年被後見人は、法定代理人によらなければ、訴訟行為をすることができない。ただし、未成年者が独立して法律行為をすることができる場合は、この限りでない。
| 訴訟行為のしかた | 根拠 | |
|---|---|---|
| 未成年者・成年被後見人 | 法定代理人によらなければできない。自らした行為は無効で、追認により行為の時にさかのぼって有効になる。営業を許された未成年者などは自らできる | 31条・34条2項、民法6条1項 |
| 被保佐人 | 訴訟行為に保佐人の同意が要る。相手方の提起した訴え・上訴への応訴は同意不要。取下げ・和解・放棄・認諾などは特別の授権が要る | 民法13条1項4号、32条1項・2項 |
| 被補助人 | 訴訟行為に補助人の同意を要する旨の審判を受けたときだけ、被保佐人と同じ扱いになる | 民法17条1項、32条 |
| 人事訴訟 | 意思能力があれば、未成年者・成年被後見人・被保佐人も自ら訴訟行為ができる | 人事訴訟法13条1項 |
正しい。婚姻適齢の規定に違反した婚姻は、各当事者、その親族又は検察官から、その取消しを家庭裁判所に請求することができる(744条1項)。
731条は、婚姻は18歳にならなければすることができないと定める。744条1項は、731条、732条及び734条から736条までの規定に違反した婚姻は、各当事者、その親族又は検察官から、その取消しを家庭裁判所に請求することができると定める。婚姻は当事者だけでなく、親族関係や子の身分など多くの人の法律関係に影響する身分行為であり、公益にもかかわるから、当事者の意思表示だけで取り消せるとはせず、家庭裁判所に請求させることにしたのである。検察官にも請求権を与えているのは、婚姻障害の規定が公益のためのものだからである。ただし、検察官は当事者の一方が死亡した後は請求できない(同項ただし書)。また、婚姻適齢に違反した婚姻は、不適齢者が適齢に達したときは、その取消しを請求することができなくなる(745条1項)。婚姻の取消しの効力は将来に向かってのみ生ずる(748条1項)。本肢は同条1項の内容どおりである。

第七百三十一条、第七百三十二条及び第七百三十四条から第七百三十六条までの規定に違反した婚姻は、各当事者、その親族又は検察官から、その取消しを家庭裁判所に請求することができる。ただし、検察官は、当事者の一方が死亡した後は、これを請求することができない。
- 制限行為能力・錯誤・詐欺・強迫による取消し:相手方に対する意思表示(123条)
- 詐害行為の取消し:債権者が裁判所に請求する(424条1項)
- 不適法な婚姻の取消し:各当事者・親族・検察官が家庭裁判所に請求する(744条1項)
- 負担付遺贈に係る遺言の取消し:相続人が催告のうえ家庭裁判所に請求する(1027条)
正しい。婚姻適齢の規定(731条)に違反した婚姻は、不適齢者が適齢に達したときは、その取消しを請求することができない(745条1項)。
731条は、婚姻は18歳にならなければすることができないと定め、744条1項は、これに違反した婚姻は各当事者、その親族又は検察官から取消しを家庭裁判所に請求することができるとする。もっとも、745条1項は、731条の規定に違反した婚姻は、不適齢者が適齢に達したときは、その取消しを請求することができないと定める。婚姻適齢は、婚姻生活を営むのに必要な心身の成熟を求めるためのものであるから、不適齢者が適齢に達すれば、その欠缺はもはや問題とならず、婚姻を取り消す理由はなくなる。婚姻はできる限り維持すべきであるという考え方から、瑕疵が解消された後の取消しを認めないこととしたのである。ただし、同条2項は、不適齢者自身は適齢に達した後なお3か月間は取消しを請求できるとし、追認をしたときはこの限りでないとする。出題当時は婚姻適齢が男18歳・女16歳であったが、結論は同じである。本肢は正しい。

第七百三十一条の規定に違反した婚姻は、不適齢者が適齢に達したときは、その取消しを請求することができない。2 不適齢者は、適齢に達した後、なお三箇月間は、その婚姻の取消しを請求することができる。ただし、適齢に達した後に追認をしたときは、この限りでない。
- 731条(婚姻適齢18歳):取消し可。適齢に達すれば請求不可(745条1項)
- 732条(重婚):取消し可。前婚の配偶者も請求できる(744条2項)
- 734条〜736条(近親婚):取消し可
- 747条(詐欺・強迫):詐欺・強迫を受けた者が請求
- 請求権者(744条1項):各当事者・親族・検察官。検察官は当事者の一方の死亡後は請求できない
正しい。婚姻適齢違反の婚姻の取消しは検察官も請求でき、請求できなくなるのは当事者の一方が死亡した後である(744条1項)。
744条1項は、731条、732条及び734条から736条までの規定に違反した婚姻は、各当事者、その親族又は検察官から、その取消しを家庭裁判所に請求することができ、ただし検察官は当事者の一方が死亡した後はこれを請求することができないと定める。婚姻適齢や重婚、近親婚の禁止などは、婚姻制度の秩序に関わる公益的な要件であるから、当事者や親族が取消しを求めない場合でも、公益の代表者である検察官が取消しを請求できることとしたのである。もっとも、当事者の一方が死亡すれば婚姻は解消されており、婚姻を将来に向かって取り消す公益上の必要はなくなるので、その後は検察官の請求を認めていない。そのため、当事者双方が存命中であれば、検察官は婚姻適齢違反の婚姻の取消しを請求することができる。なお、不適齢者が適齢に達した後は、検察官を含め誰も取消しを請求できない(745条1項)。本肢は正しい。

第七百三十一条、第七百三十二条及び第七百三十四条から第七百三十六条までの規定に違反した婚姻は、各当事者、その親族又は検察官から、その取消しを家庭裁判所に請求することができる。ただし、検察官は、当事者の一方が死亡した後は、これを請求することができない。
- 731条(婚姻適齢18歳):取消し可。適齢に達すれば請求不可(745条1項)
- 732条(重婚):取消し可。前婚の配偶者も請求できる(744条2項)
- 734条〜736条(近親婚):取消し可
- 747条(詐欺・強迫):詐欺・強迫を受けた者が請求
- 請求権者(744条1項):各当事者・親族・検察官。検察官は当事者の一方の死亡後は請求できない
誤り。違うのは「法定代理人の同意」の部分である。出題当時に未成年者の婚姻に必要とされていたのは父母の同意であり、現在は婚姻適齢が18歳となったので未成年者の婚姻そのものが生じない。
出題当時の737条1項は、未成年の子が婚姻をするには父母の同意を得なければならないと定めていた。婚姻は本人の意思で決めるべき身分行為であるから、財産上の行為について法定代理人の同意を求める5条は適用されず、同意権者は親権者や未成年後見人ではなく父母とされていた。そのため、法定代理人の同意を要件とする本肢は誤りとされた。その後、平成30年改正(令和4年4月施行)で成年年齢が18歳となり(4条)、婚姻適齢も男女とも18歳となった(731条)ので、旧737条は削除された。現在は18歳未満の者は婚姻できず、未成年者が婚姻することはないから、本肢は問いの前提が成り立たない。正誤は出題当時の法令によって誤りのままとしている。

婚姻は、十八歳にならなければ、することができない。
- 婚姻・協議離婚・縁組:成年被後見人も成年後見人の同意不要(738条・764条・799条)。婚姻適齢は18歳(731条)
- 認知:未成年者・成年被後見人も法定代理人の同意不要(780条)
- 遺言:15歳以上でできる(961条)。5条・9条・13条・17条は適用しない(962条)
- 養子縁組:養親は20歳以上(792条)。15歳未満は法定代理人が代諾(797条1項)
正しい。18歳の者は成年であり(4条)、成年の夫婦が自分たちだけで協議離婚をしても、行為能力の制限を理由に取り消すことはできない。
現行法では年齢18歳をもって成年とし(4条)、婚姻適齢も18歳とされている(731条)。共に18歳の夫婦は成年者であり、行為能力の制限を受けないから、自分たちだけで決めて協議離婚をしても、5条2項による取消しの余地はない。そもそも離婚は本人の意思に基づいてすべき身分行為であり、成年被後見人でも成年後見人の同意を要せずにすることができる(764条・738条)ように、財産上の行為を対象とする行為能力の制限の規定はそのまま適用されない。出題当時は成年年齢が20歳であったが、未成年者が婚姻をしたときは成年に達したものとみなされた(旧753条)ので、18歳の夫婦がした離婚もやはり未成年を理由に取り消すことはできず、結論は同じであった。本肢は正しい。

年齢十八歳をもって、成年とする。
- 婚姻・協議離婚・縁組:成年被後見人も成年後見人の同意不要(738条・764条・799条)。婚姻適齢は18歳(731条)
- 認知:未成年者・成年被後見人も法定代理人の同意不要(780条)
- 遺言:15歳以上でできる(961条)。5条・9条・13条・17条は適用しない(962条)
- 養子縁組:養親は20歳以上(792条)。15歳未満は法定代理人が代諾(797条1項)

















