債権者が債務者に対して債務を免除する意思を表示したときは、その債権は、消滅する。
この条文の過去問 10問
誤り。違うのは「条件を付することができない」の部分である。
519条は、債権者が債務者に対して債務を免除する意思を表示したときは、その債権は消滅すると定める。免除は債権者の一方的な意思表示で債権をただで消す単独行為である。単独行為に条件を付けることは、相手方の立場を一方的に不安定にするので原則として許されないと解されており、相殺に条件や期限を付けられないとする506条1項はその表れである。しかし、この制限は相手方の不利益を防ぐためのものなので、相手方に不利益を与えない単独行為なら条件を付けてもよい。免除は債務者の債務を消すだけで新しい負担を課すものではなく、債務者に利益を与えるだけの行為なので、停止条件や解除条件を付けても債務者の立場を不当に不安定にすることはない。たとえば、残りを一定の日までに払えば残額を免除するという条件付きの免除は有効である。本肢は条件を付けられないとする点で誤っている。

債権者が債務者に対して債務を免除する意思を表示したときは、その債権は、消滅する。
誤り。違うのは「Aの意思に反しては,本件債務を免除することができない」の部分である。免除は債権者の単独行為であり、債務者の意思に反してもできる(519条)。
519条は、債権者が債務者に対して債務を免除する意思を表示したときは、その債権は消滅すると定める。免除は債権者が一方的にする単独行為であり、契約ではないから債務者の承諾は要らず、免除の意思表示が債務者に到達すれば、債務者の意思に反していても債権は消滅する。債権者が自分の権利を手放すだけであり、債務者は債務を免れるという利益を受けるにすぎないから、債務者の意思を問う必要がないのである。したがって、BはAの意思に反しても本件債務を免除することができる。肢は債務者の意思に反しては免除できないとしており、誤っている。もっとも、免除によって第三者の権利を害することはできず、たとえば債権に質権が設定されていれば、質権設定者による免除は質権者との関係で制約される。

債権者が債務者に対して債務を免除する意思を表示したときは、その債権は、消滅する。
誤り。違うのは「Aの意思に反しては,本件債務を免除することができない」の部分である。免除は債権者の単独行為であり、債務者の意思に反してもできる(519条)。
519条は、債権者が債務者に対して債務を免除する意思を表示したときは、その債権は消滅すると定める。免除は債権者が一方的にする単独行為であり、契約ではないから債務者の承諾は要らず、免除の意思表示が債務者に到達すれば、債務者の意思に反していても債権は消滅する。債権者が自分の権利を手放すだけであり、債務者は債務を免れるという利益を受けるにすぎないから、債務者の意思を問う必要がないのである。したがって、BはAの意思に反しても本件債務を免除することができる。肢は債務者の意思に反しては免除できないとしており、誤っている。もっとも、免除によって第三者の権利を害することはできず、たとえば債権に質権が設定されていれば、質権設定者による免除は質権者との関係で制約される。

債権者が債務者に対して債務を免除する意思を表示したときは、その債権は、消滅する。
誤り。違うのは「債務者が債権者に対して免除の利益を享受する意思を表示した時に発生する」の部分である。免除は債権者の単独行為であり、免除の意思表示によって債権は消滅する(519条)。
519条は、債権者が債務者に対して債務を免除する意思を表示したときは、その債権は消滅すると定める。免除は債権者の一方的な意思表示である単独行為であり、債権が消滅する効果は債権者の意思表示だけで生じる。契約であれば申込みと承諾の合致が必要になるが、免除はそのように構成されていないから、免除の意思表示が債務者に到達した時(97条1項)に直ちに債権は消滅する。債務者の承諾も、債務者が免除の利益を受ける意思を表示することも、効果が生ずる要件ではない。債権者が自分の権利を放棄するだけであり、債務者に不利益を与えるものではないからである。これに対し、第三者のためにする契約では、第三者の権利はその第三者が受益の意思を表示した時に発生する(537条3項)が、免除はそれとは違う。したがって、免除の効果が債務者の受益の意思表示の時に生ずるとする本肢は、519条に反し誤りである。

債権者が債務者に対して債務を免除する意思を表示したときは、その債権は、消滅する。
誤り。違うのは「債務者はその返還を求めることはできない」の部分である。返還を請求できなくなるのは債務の不存在を知って弁済したときに限られ(705条)、免除を忘れて弁済した債務者は不当利得として返還を求めることができる。
免除によって債権は消滅するから(519条)、その後に債務者がした弁済は存在しない債務に対する給付であり、債権者は法律上の原因なく利益を得たことになるので、原則として不当利得として返還しなければならない(703条・704条)。この原則の例外が705条であり、同条は、債務の弁済として給付をした者は、その時において債務の存在しないことを知っていたときは、その給付したものの返還を請求することができないと定める。債務がないと知りながらあえて給付した者は、返還を求めることが矛盾した態度になるから保護しないのである。返還請求ができなくなるのは、給付の時に債務がないことを知っていた場合に限られ、判例も、知らなかったことに過失があっても705条は適用されないとしている。本肢の債務者は免除を受けたことを忘れて弁済しているから、給付の時に債務がないことを知っていたとはいえず、705条は適用されない。したがって、債務者は返還を求めることができ、本肢は誤りである。

債務の弁済として給付をした者は、その時において債務の存在しないことを知っていたときは、その給付したものの返還を請求することができない。
正しい。免除は、債権者の一方的な意思表示によって表示どおりに債権を消滅させる単独行為であり(519条)、法律行為に当たる。
519条は、債権者が債務者に対して債務を免除する意思を表示したときは、その債権は消滅すると定める。債権が消滅するという結果は、債権者が表示した意思の内容そのものであるから、免除は表示された意思どおりの法律効果が生じる行為であり、法律行為に当たる。しかも免除は、債務者の承諾を要せず、債権者の一方的な意思表示だけで効力を生じる単独行為である。債務が消えることは債務者にとって利益であり、その意思に反して不利益を課すものではないからである。もっとも、免除は債権という財産権を失わせる処分行為であるから、その債権について処分の権限を持つ者がしなければ効力を生じない。また、債権が差し押さえられているなど第三者の権利の目的となっている場合には、免除をもってその第三者に対抗することはできない。

債権者が債務者に対して債務を免除する意思を表示したときは、その債権は、消滅する。
- 契約:申込みと承諾の合致で成立する
- 単独行為(法律行為):一方の意思表示だけで表示どおりの効果が生じる(取消し・追認・追認拒絶・解除・相殺・免除・遺言)
- 意思の通知(準法律行為):意思は表示するが、効果は法律が定める(受領の拒絶・制限行為能力者の相手方の催告)
- 観念の通知(準法律行為):事実を知らせるだけで、効果は法律が定める(時効完成前の債務の承認・債権譲渡の通知)
誤り。違うのは「債務者の承諾がなければ,その債務を免除することができない」の部分である。免除は債権者の一方的な意思表示によって効力を生じ、債務者の承諾は要らない(519条)。
519条は、債権者が債務者に対して債務を免除する意思を表示したときは、その債権は消滅すると定める。免除は、債権者から債務者への一方的な意思表示によって効力を生じる単独行為であり、債務者の承諾は要らない。債務が消滅することは債務者にとって利益になるだけであるから、その意思を問う必要がないのである。免除の意思表示が債務者に到達すれば(97条1項)、その時に債権は消滅する。この点で、当事者の合意が必要な贈与(549条)や更改・相殺契約などとは区別される。もっとも、免除は債権者が自分の権利を処分する行為であるから、その債権に質権が設定されているなど第三者の権利の目的になっているときは、その第三者に免除の効力を主張できないと解されている。また、連帯債務者の一人に対する免除は、他の連帯債務者の債務に影響しない(441条本文)。したがって、債務者の承諾がなければ免除できないとする肢は誤っている。

債権者が債務者に対して債務を免除する意思を表示したときは、その債権は、消滅する。
誤り。違うのは「債務者の承諾がなければ,その債務を免除することができない」の部分である。免除は債権者の一方的な意思表示によって効力を生じ、債務者の承諾は要らない(519条)。
519条は、債権者が債務者に対して債務を免除する意思を表示したときは、その債権は消滅すると定める。免除は、債権者から債務者への一方的な意思表示によって効力を生じる単独行為であり、債務者の承諾は要らない。債務が消滅することは債務者にとって利益になるだけであるから、その意思を問う必要がないのである。免除の意思表示が債務者に到達すれば(97条1項)、その時に債権は消滅する。この点で、当事者の合意が必要な贈与(549条)や更改・相殺契約などとは区別される。もっとも、免除は債権者が自分の権利を処分する行為であるから、その債権に質権が設定されているなど第三者の権利の目的になっているときは、その第三者に免除の効力を主張できないと解されている。また、連帯債務者の一人に対する免除は、他の連帯債務者の債務に影響しない(441条本文)。したがって、債務者の承諾がなければ免除できないとする肢は誤っている。

債権者が債務者に対して債務を免除する意思を表示したときは、その債権は、消滅する。
誤り。違うのは「債務者の同意がなければ,免除の効果は発生しない」の部分である。免除は債権者の単独行為であり、免除する意思を表示すれば債務者の同意なく債権は消滅する(519条)。
519条は、債権者が債務者に対して債務を免除する意思を表示したときは、その債権は消滅すると定める。免除は、債権者が一方的に債権を放棄する単独行為であり、債務者との契約ではないから、債務者の同意は要らない。債権は債権者の財産であり、それを手放すかどうかは債権者が自由に決められること、また免除によって債務者は義務を免れるだけで不利益を受けないことから、債務者の承諾を求める必要がないのである。したがって、免除の意思表示が債務者に到達すれば、その時点で債権は消滅する。また、連帯債務者の一人に対する免除は、現行法では他の連帯債務者に効力が及ばない(441条)。本肢は債務者の同意を必要としている点が誤りである。

債権者が債務者に対して債務を免除する意思を表示したときは、その債権は、消滅する。
正しい。諾約者が第三者に対する債権を放棄する契約も第三者のためにする契約に準じて有効であり、Cの受益の意思表示があればBの免除の意思表示なしにCの債務は消滅する(大判大5.6.26)。
519条は、債権者が債務者に対して債務を免除する意思を表示したときは、その債権は消滅すると定め、免除は債権者の単独行為とされている。しかし判例(大判大5.6.26)は、契約当事者の一方が第三者に対して有する債権を放棄することを相手方に約する契約も、第三者のためにする契約に準ずるものとして有効であり、第三者が受益の意思表示をした時に免除の効力が生じ、諾約者から第三者に対する免除の意思表示は要らないとした。第三者のためにする契約は、第三者に権利を取得させるだけでなく、第三者の債務を消滅させるという利益を与える内容でもよく、第三者が受益の意思を表示すれば、その利益を受けるかどうかについての第三者の意思も尊重されるからである。本肢では、Cの受益の意思表示によってBのCに対する債権が消滅し、本肢は正しい。

第一項の場合において、第三者の権利は、その第三者が債務者に対して同項の契約の利益を享受する意思を表示した時に発生する。