1未成年者に対して最後に親権を行う者は、遺言で、未成年後見人を指定することができる。ただし、管理権を有しない者は、この限りでない。
2親権を行う父母の一方が管理権を有しないときは、他の一方は、前項の規定により未成年後見人の指定をすることができる。
この条文の過去問 3問
誤り。違うのは「Bは未成年であってもAの未成年後見人となる」の部分である。未成年者は後見人となることができず(847条1号)、遺言で指定しても未成年後見人とはならない。
未成年者に対して最後に親権を行う者は、遺言で未成年後見人を指定することができる(839条1項本文)。しかし847条は後見人の欠格事由を定めており、その1号に未成年者を挙げる。後見人は被後見人の財産を管理し、財産に関する法律行為について被後見人を代表するという広い権限を持つ(859条1項)。自分自身が行為能力を制限され、法定代理人の保護を受ける未成年者に、他人の財産管理と代理を任せることはできないから、未成年者を一律に後見人から外したのである。したがって、遺言で未成年者Bが指定されても、欠格事由に当たるBは未成年後見人とはならない。その場合は未成年後見人がいない状態になるから、未成年被後見人や親族などの請求により、家庭裁判所が未成年後見人を選任することになる(840条1項)。なお、現行法では18歳未満の者が未成年者である(4条)。本肢はBが未成年後見人となるとしている点が誤りである。

次に掲げる者は、後見人となることができない。一 未成年者
- 未成年後見人の就任:遺言による指定(839条)。指定がなければ請求による家庭裁判所の選任(840条1項)
- 成年後見人の就任:後見開始の審判の際に家庭裁判所が職権で選任(843条1項)
- 追加の選任:未成年後見人も成年後見人も、必要があれば請求又は職権で更に選任できる(840条2項・843条3項)
- 欠格事由(847条):未成年者、破産者、被後見人に対して訴訟をした者など
- 辞任(844条):正当な事由があり、家庭裁判所の許可を得たとき
正しい。成年後見人は家庭裁判所が後見開始の審判をするときに職権で選任するが(843条1項)、未成年後見人は最後に親権を行う者が遺言で指定することができ(839条1項)、指定がないときに家庭裁判所が選任する(840条1項)。
843条1項は、家庭裁判所は後見開始の審判をするときは職権で成年後見人を選任すると定め、成年後見人は必ず家庭裁判所の選任によって就任する。成年後見は、本人の判断能力の低下に応じて家庭裁判所の審判によって開始されるものであり、誰を後見人とするかも、本人の心身や財産の状況などを考慮して家庭裁判所が判断するのがふさわしいからである。これに対し、839条1項は、未成年者に対して最後に親権を行う者は遺言で未成年後見人を指定することができると定める。未成年後見は親権を補うものであるから、子の事情を最もよく知る親権者に、自分の亡き後に子を託す者を指定する機会を与えたのである。指定による未成年後見人がいないときに初めて、家庭裁判所が利害関係人の請求により未成年後見人を選任する(840条1項)。そのため、未成年後見人は必ずしも家庭裁判所が選任するとは限らない。したがって、本肢は正しい。

未成年者に対して最後に親権を行う者は、遺言で、未成年後見人を指定することができる。ただし、管理権を有しない者は、この限りでない。/家庭裁判所は、後見開始の審判をするときは、職権で、成年後見人を選任する。
| 項目 | 未成年後見人 | 成年後見人 |
|---|---|---|
| 就任 | 遺言による指定(839条)、なければ請求による選任(840条) | 後見開始の審判の際に職権で選任(843条1項) |
| 辞任(844条) | 正当な事由+家庭裁判所の許可 | 同じ |
| 解任(846条) | 任務に適しない事由があれば家庭裁判所が解任 | 同じ |
| 報酬(862条) | 家庭裁判所が被後見人の財産から与えられる | 同じ |
| 後見監督人の欠格(850条) | 後見人の配偶者・直系血族・兄弟姉妹はなれない | 同じ |
誤り。違うのは「家庭裁判所が職権で未成年後見人を選任する」の部分である。遺言による指定がないときは、家庭裁判所は未成年被後見人又はその親族その他の利害関係人の請求によって未成年後見人を選任する(840条1項)。
未成年者に対して親権を行う者がないときは後見が開始する(838条1号)。未成年後見人は、まず未成年者に対して最後に親権を行う者が遺言で指定することができ(839条1項)、その指定によって未成年後見人となるべき者がないときは、家庭裁判所が、未成年被後見人又はその親族その他の利害関係人の請求によって選任する(840条1項)。未成年後見は親権を行う者がいないという事実によって当然に開始するものであり、家庭裁判所がその開始を当然に知る立場にはないから、関係者の請求を待って選任する仕組みとしたのである。これに対し、成年後見人は、後見開始の審判によって後見が始まる以上、家庭裁判所がその審判の際に職権で選任する(843条1項)。本肢は未成年後見人を職権で選任するとしている点で誤りである。

前条の規定により未成年後見人となるべき者がないときは、家庭裁判所は、未成年被後見人又はその親族その他の利害関係人の請求によって、未成年後見人を選任する。未成年後見人が欠けたときも、同様とする。
- 未成年後見人の就任:遺言による指定(839条)→指定がなければ請求による家庭裁判所の選任(840条1項)。職権では選任しない
- 成年後見人の就任:後見開始の審判の際に家庭裁判所が職権で選任(843条1項)
- 追加の選任:未成年後見人も成年後見人も、必要があれば請求又は職権で更に選任できる(840条2項・843条3項)
- 後見人の義務:善良な管理者の注意(869条・644条)。利益相反行為は後見監督人がいなければ特別代理人の選任を請求(860条・826条)









