1各共有者は、共有物の全部について、その持分に応じた使用をすることができる。
2共有物を使用する共有者は、別段の合意がある場合を除き、他の共有者に対し、自己の持分を超える使用の対価を償還する義務を負う。
3共有者は、善良な管理者の注意をもって、共有物の使用をしなければならない。
この条文の過去問 10問
誤り。違うのは「その対価の償還の義務を負わない」の部分である。
249条2項は、共有物を使用する共有者は、別段の合意がある場合を除き、他の共有者に対し、自己の持分を超える使用の対価を償還する義務を負うと定める。各共有者が共有物の全部について使用できるのは持分に応じた範囲にとどまる(同条1項)ので、持分を超えて使用する者は、その超える部分について他の共有者の持分を利用していることになり、これを無償のままにするのは共有者間の公平に反するからである。令和3年改正前も、判例は単独で使用する共有者に他の共有者の持分に応じた使用利益の不当利得返還義務を認めており、同項はこれを明文にしたものである。AB間に別段の合意がない以上、甲土地を単独で使用するBは、持分を超える使用についてAに対価を償還する義務を負う。使用貸借などの合意があれば償還義務は生じない。

各共有者は、共有物の全部について、その持分に応じた使用をすることができる。2 共有物を使用する共有者は、別段の合意がある場合を除き、他の共有者に対し、自己の持分を超える使用の対価を償還する義務を負う。
誤り。違うのは「その対価の償還の義務を負わない」の部分である。
249条2項は、共有物を使用する共有者は、別段の合意がある場合を除き、他の共有者に対し、自己の持分を超える使用の対価を償還する義務を負うと定める。各共有者が共有物の全部について使用できるのは持分に応じた範囲にとどまる(同条1項)ので、持分を超えて使用する者は、その超える部分について他の共有者の持分を利用していることになり、これを無償のままにするのは共有者間の公平に反するからである。令和3年改正前も、判例は単独で使用する共有者に他の共有者の持分に応じた使用利益の不当利得返還義務を認めており、同項はこれを明文にしたものである。AB間に別段の合意がない以上、甲土地を単独で使用するBは、持分を超える使用についてAに対価を償還する義務を負う。使用貸借などの合意があれば償還義務は生じない。

各共有者は、共有物の全部について、その持分に応じた使用をすることができる。2 共有物を使用する共有者は、別段の合意がある場合を除き、他の共有者に対し、自己の持分を超える使用の対価を償還する義務を負う。
誤り。違うのは「他の共有者の同意を得なければならない」の部分である。持分は各共有者が自由に処分でき、他の共有者の同意は要らない。
共有者の持分は、共有物の全部に及ぶ所有権と同じ性質の権利であり(249条)、各共有者は、所有者が所有物を自由に処分できるのと同じく(206条)、自分の持分を単独で自由に処分できる。持分を譲渡しても、譲渡人の権利がそのまま譲受人に移るだけで、他の共有者の持分の割合や内容は変わらないので、他の共有者の同意を要する理由がない。持分に抵当権を設定する場合も同じである。これに対し、共有物そのものに変更を加えるには、形状又は効用の著しい変更を伴わないものを除き、共有者全員の同意を要する(251条1項)。共有物全体を売るのは全員の持分を処分することになるので、全員の同意が必要になる。肢は、自分の持分の譲渡に他の共有者の同意を要するとしており、誤っている。不動産の持分を取得したことを第三者に対抗するには登記を要する(177条)。

所有者は、法令の制限内において、自由にその所有物の使用、収益及び処分をする権利を有する。
- 持分の譲渡・持分への抵当権設定:他の共有者の同意は要らない
- 持分の放棄:同意は要らない。他の共有者に持分の割合で帰属する(255条)
- 相続人なく死亡:清算後、まず特別縁故者への分与の対象(958条の2)。分与されなければ他の共有者に帰属する(最判平元.11.24)
誤り。違うのは「その配偶者居住権は消滅する」の部分である。居住建物が配偶者の財産に属することとなっても、他の者が共有持分を有するときは、配偶者居住権は消滅しない(1028条2項)。
1028条2項は、居住建物が配偶者の財産に属することとなった場合であっても、他の者がその共有持分を有するときは、配偶者居住権は消滅しないと定める。所有権と他の物権が同じ人に帰属すれば、他の物権は混同で消滅するのが原則であるが(179条1項本文)、建物が配偶者と他の者の共有になったにすぎない場合にまで配偶者居住権を消滅させると、配偶者の立場はかえって不安定になる。配偶者は共有者として建物の全部を使えるとしても、自分の持分を超える使用について他の共有者に対価を償還する義務を負い(249条2項)、他の共有者から共有物の分割を請求されて家を失うおそれもあるから、無償で住み続けられるようにした制度の意味が失われるのである。本肢のBは、遺贈によって配偶者居住権を取得した後に、遺産分割でEとともに甲建物の共有持分を持つに至っただけであり、他の共有者Eがいるから、すでに取得した配偶者居住権は消滅しない。建物がBの単独所有となった場合であれば消滅する。

居住建物が配偶者の財産に属することとなった場合であっても、他の者がその共有持分を有するときは、配偶者居住権は、消滅しない。
- 取得原因:遺産分割・遺贈(1028条1項)。被相続人が配偶者以外の者と共有していたときは取得しない
- 共有持分の取得:配偶者が持分を得ても、他に共有者がいれば消滅しない(1028条2項)
- 存続期間:原則として終身(1030条)
- 対抗要件:所有者は設定の登記を備えさせる義務を負う(1031条)
- 配偶者の義務と制限:善管注意で使用収益、譲渡不可、承諾なく第三者に使用収益させられない(1032条)
- 修繕と費用:配偶者は必要な修繕ができる(1033条1項)。通常の必要費は配偶者、その他の費用は所有者が償還(1034条)
誤り。違うのは「その配偶者居住権は消滅する」の部分である。居住建物が配偶者の財産に属することとなっても、他の者が共有持分を有するときは、配偶者居住権は消滅しない(1028条2項)。
1028条2項は、居住建物が配偶者の財産に属することとなった場合であっても、他の者がその共有持分を有するときは、配偶者居住権は消滅しないと定める。所有権と他の物権が同じ人に帰属すれば、他の物権は混同で消滅するのが原則であるが(179条1項本文)、建物が配偶者と他の者の共有になったにすぎない場合にまで配偶者居住権を消滅させると、配偶者の立場はかえって不安定になる。配偶者は共有者として建物の全部を使えるとしても、自分の持分を超える使用について他の共有者に対価を償還する義務を負い(249条2項)、他の共有者から共有物の分割を請求されて家を失うおそれもあるから、無償で住み続けられるようにした制度の意味が失われるのである。本肢のBは、遺贈によって配偶者居住権を取得した後に、遺産分割でEとともに甲建物の共有持分を持つに至っただけであり、他の共有者Eがいるから、すでに取得した配偶者居住権は消滅しない。建物がBの単独所有となった場合であれば消滅する。

居住建物が配偶者の財産に属することとなった場合であっても、他の者がその共有持分を有するときは、配偶者居住権は、消滅しない。
- 取得原因:遺産分割・遺贈(1028条1項)。被相続人が配偶者以外の者と共有していたときは取得しない
- 共有持分の取得:配偶者が持分を得ても、他に共有者がいれば消滅しない(1028条2項)
- 存続期間:原則として終身(1030条)
- 対抗要件:所有者は設定の登記を備えさせる義務を負う(1031条)
- 配偶者の義務と制限:善管注意で使用収益、譲渡不可、承諾なく第三者に使用収益させられない(1032条)
- 修繕と費用:配偶者は必要な修繕ができる(1033条1項)。通常の必要費は配偶者、その他の費用は所有者が償還(1034条)
誤り。違うのは「その使用による利益についてBに対し不当利得返還債務を負う」の部分である。共有者間の合意に基づく単独使用には法律上の原因があり、Aは不当利得返還債務を負わない(最判平10.2.26参照)。
不当利得は、法律上の原因なく他人の財産によって利益を受け、他人に損失を及ぼした場合に成立する(703条)。共有者は持分に応じて共有物の全部を使用でき(249条1項)、共有者間の合意で一人が単独で使用すると定めたときは、その使用は合意に基づくもので法律上の原因がある。判例も、共有者間の合意によって共有者の一人が共有物を単独で使用する旨を定めた場合には、その者は単独使用による利益について他の共有者に不当利得返還義務を負わないとしている(最判平10.2.26参照)。したがって、Aが不当利得返還債務を負うとする肢は誤っている。令和3年改正で置かれた249条2項は、共有物を使用する共有者は別段の合意がある場合を除き、自己の持分を超える使用の対価を償還する義務を負うとしたが、これは不当利得とは別の法定の義務である。単独使用の合意だけでこの別段の合意に当たるかは見解が分かれるが、いずれにしても不当利得返還債務を負うとする肢は誤りである。

共有物を使用する共有者は、別段の合意がある場合を除き、他の共有者に対し、自己の持分を超える使用の対価を償還する義務を負う。
正しい。共有物を単独で使用する共有者に対し、他の共有者は持分割合に応じた地代相当額を請求できる(最判平12.4.7、249条2項)。
各共有者は、共有物の全部について、その持分に応じた使用をすることができる(249条1項)。Bが乙建物を建てて甲土地全体を単独で使用すれば、Aの持分に応じた使用が妨げられる。もっとも、Bも自己の持分に基づく使用の権原を持つので、その占有が全面的に不法となるわけではなく、Aは持分を超える使用の限度で対価を求められるにとどまる。最判平12.4.7は、共有者の一人が他の共有者に無断で共有物を単独で使用している場合、他の共有者は、自己の持分に応じた使用が妨げられているとして、持分割合に応じた地代相当額の不当利得又は損害賠償を請求できるとした。令和3年改正は、この判例を明文化し、共有物を使用する共有者は、別段の合意がある場合を除き、他の共有者に対し自己の持分を超える使用の対価を償還する義務を負うと定めた(249条2項)。したがって、Aは持分3分の1に応じた地代相当額をBに請求できる。

各共有者は、共有物の全部について、その持分に応じた使用をすることができる。
2 共有物を使用する共有者は、別段の合意がある場合を除き、他の共有者に対し、自己の持分を超える使用の対価を償還する義務を負う。
- 単独で占有する共有者:多数持分でも当然には明渡しを請求できない(最判昭41.5.19)
- 持分を超える使用の対価:持分に応じた地代相当額を請求できる(最判平12.4.7、249条2項)
- 一部の共有者から占有を承認された第三者:承認した共有者の持分の限度で占有権原があり、当然には明渡しを請求できない(最判昭63.5.20)
- 同意のない変更行為:持分権に基づき行為の全部の禁止と原状回復を求められる(最判平10.3.24)
正しい。共有物を使用する共有者は、別段の合意がない限り、他の共有者に対し自己の持分を超える使用の対価を償還する義務を負う(249条2項)から、C及びDは居住の意思がなくても持分に応じた使用料相当額を請求できる。
249条1項は、各共有者は共有物の全部についてその持分に応じた使用ができると定め、同条2項は、共有物を使用する共有者は、別段の合意がある場合を除き、他の共有者に対し自己の持分を超える使用の対価を償還する義務を負うとする。遺産分割前の相続財産は共同相続人の共有に属するから(898条1項)、甲建物を単独で使用するBは、自己の持分3分の1を超える使用について、C及びDに対価を支払わなければならない。C及びDが甲建物に現実に住む意思を持っているかどうかは問題にならない。持分を持つ以上、その割合に応じた使用の利益はC及びDに帰属すべきものであり、Bはそれを受けているからである。判例も、令和3年改正で249条2項が設けられる前から、単独で占有する共有者に対し他の共有者は持分の割合に応じた使用料相当額の不当利得返還を請求できるとしていた。したがって、肢は正しい。これに対し、被相続人と同居していた相続人には、遺産分割までの使用貸借の合意が推認され、対価の償還義務が否定されることがある。

各共有者は、共有物の全部について、その持分に応じた使用をすることができる。2 共有物を使用する共有者は、別段の合意がある場合を除き、他の共有者に対し、自己の持分を超える使用の対価を償還する義務を負う。
- 不法占拠者への明渡し:各共有者が単独で全部について請求できる(保存行為)
- 無権利者の登記:単独で全部の抹消を請求できる
- 共有者の一人の単独名義の登記:他の共有者は自己の持分についての更正のみ請求できる(最判昭38.2.22)
- 不法占拠者への損害賠償:持分の割合に応じた額のみ
- 単独で占有する共有者:他の共有者は当然には明渡しを請求できない。持分を超える使用の対価は請求できる(249条2項)
正しい。共有物を使用する共有者は、別段の合意がない限り、他の共有者に対し自己の持分を超える使用の対価を償還する義務を負う(249条2項)から、C及びDは居住の意思がなくても持分に応じた使用料相当額を請求できる。
249条1項は、各共有者は共有物の全部についてその持分に応じた使用ができると定め、同条2項は、共有物を使用する共有者は、別段の合意がある場合を除き、他の共有者に対し自己の持分を超える使用の対価を償還する義務を負うとする。遺産分割前の相続財産は共同相続人の共有に属するから(898条1項)、甲建物を単独で使用するBは、自己の持分3分の1を超える使用について、C及びDに対価を支払わなければならない。C及びDが甲建物に現実に住む意思を持っているかどうかは問題にならない。持分を持つ以上、その割合に応じた使用の利益はC及びDに帰属すべきものであり、Bはそれを受けているからである。判例も、令和3年改正で249条2項が設けられる前から、単独で占有する共有者に対し他の共有者は持分の割合に応じた使用料相当額の不当利得返還を請求できるとしていた。したがって、肢は正しい。これに対し、被相続人と同居していた相続人には、遺産分割までの使用貸借の合意が推認され、対価の償還義務が否定されることがある。

各共有者は、共有物の全部について、その持分に応じた使用をすることができる。2 共有物を使用する共有者は、別段の合意がある場合を除き、他の共有者に対し、自己の持分を超える使用の対価を償還する義務を負う。
- 不法占拠者への明渡し:各共有者が単独で全部について請求できる(保存行為)
- 無権利者の登記:単独で全部の抹消を請求できる
- 共有者の一人の単独名義の登記:他の共有者は自己の持分についての更正のみ請求できる(最判昭38.2.22)
- 不法占拠者への損害賠償:持分の割合に応じた額のみ
- 単独で占有する共有者:他の共有者は当然には明渡しを請求できない。持分を超える使用の対価は請求できる(249条2項)
誤り。違うのは「各相続人は自己の持分を処分することはできない」の部分である。遺産分割前の相続財産の共有も249条以下の共有と性質を異にしないので、各相続人は自己の持分を処分できる。
898条1項は、相続人が数人あるときは相続財産はその共有に属すると定め、判例は、この相続財産の共有は249条以下に規定する共有とその性質を異にするものではないとしている。共有者は自己の持分を他の共有者の同意なく自由に譲渡し、又は担保に供することができるから、遺産分割前であっても、各相続人は遺産である不動産について自己の持分(法定相続分に応じた持分。898条2項)を処分することができる。判例(最判昭38.2.22)が、共同相続人の一人から単独所有の登記を経て譲り受けた第三者に対し、他の共同相続人は自己の持分を登記なくして対抗できるとしたのも、相続人の一人が自己の持分を有効に処分できることを前提としている。遺産分割の遡及効は第三者の権利を害することができない(909条ただし書)から、持分の譲受人は保護される。本肢は誤りである。

相続人が数人あるときは、相続財産は、その共有に属する。2 相続財産について共有に関する規定を適用するときは、第九百条から第九百二条までの規定により算定した相続分をもって各相続人の共有持分とする。
- 可分債権(貸金債権など):相続分に応じて当然に分割される(最判昭29.4.8)。預貯金債権は遺産分割の対象(最大決平28.12.19)
- 不可分債務(不動産の引渡義務など):各相続人が全部について履行義務を負う(430条・436条)
- 連帯債務:相続分に応じて分割承継し、その範囲で他の連帯債務者とともに連帯債務者となる(最判昭34.6.19)
- 遺産の不動産:共有(898条)。各相続人は自己の持分を処分できる。単独で占有する相続人に、多数持分というだけでは明渡しを請求できない(最判昭41.5.19)










































