第362条権利質の目的等過去問 5
1質権は、財産権をその目的とすることができる。
2前項の質権については、この節に定めるもののほか、その性質に反しない限り、前三節(総則、動産質及び不動産質)の規定を準用する。
この条文の過去問 5問
地上権は、質権の目的とすることができない。
解説
本肢は誤り。質権は動産・不動産のほか、財産権をもその目的とすることができる(民法362条1項)。いわゆる権利質であり、この場合には同条2項により、質権総則および動産質・不動産質の規定のうち性質に反しないものが準用される。地上権は、他人の土地において工作物又は竹木を所有するためその土地を使用する物権であって(265条)、譲渡性を有する独立の財産権であるから、362条1項にいう「財産権」に当たる。民法上、地上権を権利質の目的から除外する規定は置かれておらず、不動産登記法上も地上権を目的とする質権の設定登記が予定されている(不動産登記法3条参照)。地上権を目的とする質権が設定されると、質権者は地上権の内容たる土地の使用収益権を把握することになり、その対抗要件は登記である。以上のとおり、地上権を質権の目的とすることは可能であるから、これを一律に否定する本肢は誤りである。なお、地上権は抵当権の目的ともなり得る(369条2項)ことも、地上権が担保物権の客体となる財産権であることを裏づけている。
Aの債権質の効力は、債権乙に係る利息には及ばない。
解説
本肢は誤り。債権その他の財産権を目的とする質権(権利質)については、民法362条2項により、その性質に反しない限り質権総則・動産質等の規定が準用され、350条を通じて297条が準用される。297条1項は、質権者は質物から生ずる果実を収取し、他の債権者に先立ってこれを自己の債権の弁済に充当することができると定める。債権乙から生ずる利息は法定果実であり(88条2項)、質権の効力はこれに及ぶ。したがってAは、乙の元本のみならずその利息についても質権に基づいて把握することができる。
もっとも、その理論的根拠については見解が分かれており、利息債権は元本債権の拡張であって当然に質権の効力が及ぶとする見解、上記のとおり350条・297条1項によるとする見解、元本債権と利息債権の関係を主物・従物に準じて捉え87条2項を類推適用する見解などが主張されている。いずれの構成によっても、担保としての実質を確保するため利息に効力が及ぶという結論は一致する。
よって、「利息には及ばない」とする本肢は誤りである。
Aの債権質の効力は、債権乙に係る利息には及ばない。
解説
本肢は誤り。債権その他の財産権を目的とする質権(権利質)については、民法362条2項により、その性質に反しない限り質権総則・動産質等の規定が準用され、350条を通じて297条が準用される。297条1項は、質権者は質物から生ずる果実を収取し、他の債権者に先立ってこれを自己の債権の弁済に充当することができると定める。債権乙から生ずる利息は法定果実であり(88条2項)、質権の効力はこれに及ぶ。したがってAは、乙の元本のみならずその利息についても質権に基づいて把握することができる。
もっとも、その理論的根拠については見解が分かれており、利息債権は元本債権の拡張であって当然に質権の効力が及ぶとする見解、上記のとおり350条・297条1項によるとする見解、元本債権と利息債権の関係を主物・従物に準じて捉え87条2項を類推適用する見解などが主張されている。いずれの構成によっても、担保としての実質を確保するため利息に効力が及ぶという結論は一致する。
よって、「利息には及ばない」とする本肢は誤りである。
物権は,権利を目的として成立することがある。
解説
本肢は正しい。物権は物を直接支配する権利であるから、その客体は有体物(民法85条)であるのが原則であるが、民法は権利それ自体を客体とする物権を明文で認めている。第一に、権利質である。民法362条1項は財産権を目的として質権を設定することができる旨を定め、同条2項は権利質について質権の規定を準用しており、債権や株式などの財産権が担保物権の客体となる。第二に、民法369条2項前段は、地上権および永小作権を抵当権の目的とすることができると定めており、不動産そのものではなく用益物権という権利の上に抵当権が成立する。第三に、民法348条の転質は、質権者が自己の債務の担保として質物の上に質権を設定するものであり、これを権利の上の物権と説明する見解も有力である。このほか、財産権を客体とする点では、民法205条が準占有(自己のためにする意思をもって財産権を行使する場合)を定めていることも、物権法の規律が権利に及ぶことを示している。したがって、権利を目的として物権が成立することがあるとする本肢は正しい。
債権は別の債権を目的とすることができるが,物権は債権を目的とすることはできない。
解説
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