第725条親族の範囲過去問 14
次に掲げる者は、親族とする。六親等内の血族配偶者三親等内の姻族
1 六親等内の血族
2 配偶者
3 三親等内の姻族
この条文の過去問 14問
甲は、Aに対し、「お前の親友のBを殺すぞ。」と告げた。この場合、甲にはAに対する脅迫罪が成立する。
解説
解説は準備中です。
配偶者は、1親等の姻族である。
解説
本肢は誤り。民法725条は親族の範囲について、①六親等内の血族(1号)、②配偶者(2号)、③三親等内の姻族(3号)と定めており、配偶者は血族・姻族とは別個の独立した類型として親族に含まれている。ここでいう姻族とは、婚姻を媒介として、配偶者の一方と他方配偶者の血族との間に生じる関係をいうのであって(725条3号参照)、自己の配偶者そのものは姻族には当たらない。また親等の計算は、直系親族については親族間の世代数を数え、傍系親族については同一の祖先にさかのぼり、その祖先から他の一人に下るまでの世代数によるとされているが(726条1項・2項)、夫婦は世代を隔てて連なる関係ではないから、配偶者との間には親等が観念されない(講学上、零親等と表現されることがある)。したがって、配偶者を「1親等の姻族」とする本肢は、姻族該当性の点でも親等の点でも誤りである。なお、自己にとって1親等の姻族に当たるのは、配偶者の父母、配偶者の子(いわゆる連れ子)、自己の子の配偶者などである。この類型の区別は、直系姻族間の婚姻禁止(735条)や、特別の事情があるときに家庭裁判所が三親等内の親族に扶養義務を負わせうること(877条2項)など、効果を異にする場面で実益を持つ。
配偶者の姉の夫は、親族ではない。
解説
本肢は正しい。725条3号により三親等内の者が親族とされる姻族とは、婚姻を媒介として、配偶者の一方と他方配偶者の血族との間に生じる関係をいう。すなわち姻族関係が生じるのは、自己と自己の配偶者の血族との間、および自己の血族とその配偶者との間に限られ、配偶者関係が二重に介在する関係、いいかえれば「配偶者の血族の配偶者」との間には姻族関係は生じない。本肢についてみると、自己の配偶者の姉は、配偶者の二親等の血族であるから、自己にとっては二親等の姻族として親族に当たる。しかし、その姉の夫は、自己の血族ではなく、自己の配偶者の血族でもなく(配偶者の血族の配偶者にすぎない)、また自己の血族の配偶者でもない。よって、血族・配偶者・姻族のいずれにも該当せず、725条各号のいずれにも当たらないから親族ではない。夫の兄の妻や妻の妹の夫といった、いわゆる姻戚同士の関係が日常的には「親戚」と呼ばれることが多いのに対し、民法上は親族関係が生じない点が本肢の狙いである。親族に当たらない以上、877条2項による扶養義務を課される余地もない。
妻の親と夫の親とは、互いに親族である。
解説
本肢は誤り。親族となるのは、六親等内の血族、配偶者、三親等内の姻族に限られる(725条各号)。そして姻族関係は、配偶者の一方と他方配偶者の血族との間に生じるにとどまり、配偶者関係が中間に介在する関係にまでは及ばない。妻の親からみると、娘の夫である夫は、自己の血族(一親等の血族である娘)の配偶者であるから一親等の姻族に当たる。しかし、その夫の親は、妻の親にとって、血族でも、自己の配偶者の血族でも、自己の血族の配偶者でもない。夫の親からみた妻の親も同様である。すなわち両者の間には夫婦という配偶者関係が中間に介在するにすぎず、婚姻を媒介とする姻族関係は生じない。したがって、妻の親と夫の親とは血族・姻族・配偶者のいずれにも当たらず、法律上は互いに親族ではない。いわゆる嫁の実家と婿の実家という関係は社会的には濃密な結び付きを持つが、民法上の親族の枠外であり、扶養義務(877条)や親族間の婚姻障害(734条以下)といった親族であることを前提とする規律は及ばない。
父母が協議上の離婚に当たって子の親権者を父と定めたときは、母は、家庭裁判所に対し、親権者の変更を請求することができない。
解説
本肢は誤り。父母が協議上の離婚をするときは、その協議で親権者を定めなければならず(819条1項)、この定めがなければ離婚の届出は受理されない(765条1項)。もっとも、この定めは一度されれば不変というものではない。819条6項は、子の利益のため必要があると認めるときは、家庭裁判所は子の親族の請求によって親権者を他の一方に変更することができる旨を定める。親権者の指定が協議によるものか(同条1項)、協議に代わる審判や裁判上の離婚における裁判所の定めによるものか(同条2項、5項)を問わない。親権は子の利益のために行使されるべきもの(820条)であり、事情の変更に応じた事後的是正を可能とする必要があるからである。母は子の直系血族であって725条1号の親族に当たるから、親権者の変更を家庭裁判所に請求することができる。よって、請求することができないとする本肢は誤りである。なお、親権者の変更は父母の協議のみによってすることはできず、必ず家庭裁判所の審判(調停を含む)を要する点にも注意を要する。また、令和6年改正法により離婚後も父母双方を親権者と定めることが可能となったが、家庭裁判所が子の利益のため必要があると認めるときに子の親族の請求により親権者を変更しうるという枠組み自体は維持されている。
甲は,Aに恨みを抱き,「ふざけるな。おまえの妻Bを酷い目に遭わせてやる。」という電子メールをA宛てに送り付けた。BがAの内縁の妻であった場合,甲には脅迫罪は成立し得ない。
解説
本肢は正しい。脅迫罪(刑法222条)は、人を畏怖させるに足りる害悪の告知を処罰するものであり、2年以下の拘禁刑又は30万円以下の罰金に処せられる。もっとも、害悪が向けられる客体は無限定ではなく、同条1項は「生命、身体、自由、名誉又は財産」に対する害悪の告知を、2項はこれに加えて「親族の生命、身体、自由、名誉又は財産」に対する害悪の告知をそれぞれ構成要件としている。すなわち、本人以外の第三者に対する加害の告知は、その第三者が「親族」に当たる場合に限って処罰されるという限定が付されているのである。ここにいう「親族」の意義は刑法上定義がないため民法によることになり、六親等内の血族、配偶者及び三親等内の姻族を指す(民法725条)。そして、内縁の配偶者は婚姻の届出を欠く以上「配偶者」ではなく、民法上の親族に含まれない。刑罰法規の解釈においては、罪刑法定主義から被告人に不利益な類推解釈は許されないから、実質的に夫婦同様の生活実体があるとしても、内縁の妻を222条2項の「親族」に含めることはできない。また、内縁の妻Bを害する旨の告知は、A自身の生命・身体等に対する害悪の告知とはいえないから、同条1項にも当たらない。したがって、Bが内縁の妻にとどまる本肢では甲に脅迫罪は成立し得ず、本肢は正しい。なお、出題当時の法定刑は2年以下の懲役又は30万円以下の罰金であった。
甲は,Aに恨みを抱き,「ふざけるな。おまえの妻Bを酷い目に遭わせてやる。」という電子メールをA宛てに送り付けた。BがAの内縁の妻であった場合,甲には脅迫罪は成立し得ない。
解説
本肢は正しい。脅迫罪(刑法222条)は、人を畏怖させるに足りる害悪の告知を処罰するものであり、2年以下の拘禁刑又は30万円以下の罰金に処せられる。もっとも、害悪が向けられる客体は無限定ではなく、同条1項は「生命、身体、自由、名誉又は財産」に対する害悪の告知を、2項はこれに加えて「親族の生命、身体、自由、名誉又は財産」に対する害悪の告知をそれぞれ構成要件としている。すなわち、本人以外の第三者に対する加害の告知は、その第三者が「親族」に当たる場合に限って処罰されるという限定が付されているのである。ここにいう「親族」の意義は刑法上定義がないため民法によることになり、六親等内の血族、配偶者及び三親等内の姻族を指す(民法725条)。そして、内縁の配偶者は婚姻の届出を欠く以上「配偶者」ではなく、民法上の親族に含まれない。刑罰法規の解釈においては、罪刑法定主義から被告人に不利益な類推解釈は許されないから、実質的に夫婦同様の生活実体があるとしても、内縁の妻を222条2項の「親族」に含めることはできない。また、内縁の妻Bを害する旨の告知は、A自身の生命・身体等に対する害悪の告知とはいえないから、同条1項にも当たらない。したがって、Bが内縁の妻にとどまる本肢では甲に脅迫罪は成立し得ず、本肢は正しい。なお、出題当時の法定刑は2年以下の懲役又は30万円以下の罰金であった。
EはAの親族である。
解説
本肢は誤り。民法725条は親族の範囲を、①六親等内の血族、②配偶者、③三親等内の姻族と定める。ここで姻族とは、夫婦の一方と他方配偶者の血族との関係、すなわち「配偶者の血族」および「血族の配偶者」をいうにとどまり、血族の配偶者相互間、いいかえれば姻族のさらにその配偶者との間には姻族関係は生じない。本問でAを基準に見ると、Bは配偶者(725条2号)、Bの姉Cは配偶者の血族であるから二親等の姻族として親族に当たる(同条3号)。これに対しEは、そのCの配偶者にすぎず、Aの血族でもなければ、Aの配偶者Bの血族でもない。AとEの関係は、姉妹であるB・Cという血族のそれぞれの配偶者同士という関係にとどまり、725条各号のいずれにも該当しない。したがってEはAの親族ではなく、これを親族であるとする本肢は誤りである。なお、姻族関係は婚姻によって当然に発生し離婚により終了する(728条1項)が、その広がりは配偶者の血族および血族の配偶者までであって、その者のさらに配偶者にまで及ばない点が本肢の急所である。
GはAの親族ではない。
解説
本肢は正しい。養子は縁組の日から養親の嫡出子たる身分を取得し(809条)、養子と養親およびその血族との間には、縁組の日から、血族間におけるのと同一の親族関係を生ずる(727条)。もっとも法定血族関係が生ずるのは「縁組の日から」であるから、その効果は縁組時に養子が有していた血族関係にまでさかのぼって及ぶものではなく、縁組前にすでに存在した養子側の血族との間には親族関係を生じない。判例も、縁組前に出生していた養子の子と養親との間には親族関係を生じないとする(大判昭和7年5月11日)。本問では、AとFは養子縁組により一親等の法定血族となり親族に当たる(727条、725条1号)が、縁組前から存在したFの子Gは、Aとの間に法定血族関係を取得しない。またGはAの配偶者Bの血族でもAの血族の配偶者でもないから姻族にも当たらず、結局725条各号のいずれにも該当しない。よってGはAの親族ではなく、本肢は正しい。なお、縁組後に生まれたFの子であればAの二親等の直系卑属となり、Aの相続についてFを代襲相続し得る(887条2項。同項ただし書は被相続人の直系卑属でない者を代襲相続人から除外する)点で、縁組の前後により重大な差異が生ずる。
Bが死亡した場合,Aが姻族関係を終了させる意思表示をしない限り,AとCとの親族関係は終了しない。
解説
本肢は正しい。婚姻によって配偶者の血族との間に姻族関係が発生するから、AとBの姉Cとは二親等の姻族であり、三親等内の姻族として親族に当たる(725条3号)。姻族関係の消滅事由については、離婚による場合と夫婦の一方の死亡による場合とで規律が異なる。離婚の場合には、当事者の意思にかかわらず当然に姻族関係が終了する(728条1項)。これに対し夫婦の一方が死亡した場合には、生存配偶者が姻族関係を終了させる意思を表示したときに姻族関係が終了する(同条2項)。すなわち、配偶者の死亡それ自体では姻族関係は消滅せず、生存配偶者による一方的意思表示(戸籍法96条の姻族関係終了届の届出)があって初めて終了する。この意思表示をなし得るのは生存配偶者のみであり、姻族の側から関係を終了させることはできない。したがって、Bが死亡しても、Aが姻族関係を終了させる意思表示をしない限り、AとCとの二親等の姻族関係すなわち親族関係は存続する。本肢は正しい。
AがBと婚姻した場合,Aの父母であるCとDは,Bの兄Eと3親等の姻族になる。
解説
本肢は誤り。725条は、親族の範囲を六親等内の血族、配偶者及び三親等内の姻族と定める。姻族とは婚姻によって生ずる親族関係であり、その範囲は、一方の配偶者と他方の配偶者の血族との間、及び自己の血族とその配偶者との間に限られる。すなわち姻族関係は婚姻をした夫婦を一つの結節点として一方向にのみ広がるのであって、夫の血族と妻の血族との間、いわゆる双方の親族同士の間には姻族関係は生じない。本肢についてみると、Aの父母であるC・Dから見て、Bは自己の血族(子A)の配偶者であるから一親等の姻族に当たり、C・DとBとの間には姻族関係がある。しかし、EはBの兄であって、C・Dからすれば「血族の配偶者の血族」にすぎず、これは前述の姻族の定義のいずれにも当たらない。したがって、C・DとEとの間にはそもそも姻族関係が発生せず、三親等の姻族になるとする本肢は誤りである。関係が生じない以上、親等(726条)を計算する余地もない。なお、A自身から見れば、Eは配偶者Bの血族であってBまで(配偶者間に親等はない)Bから兄Eまで二親等をたどることになるから、AとEとは二親等の姻族となり、三親等内の姻族として親族に当たる点と混同しないよう注意を要する。
AがBと婚姻した場合,Aの父母であるCとDは,Bの兄Eと3親等の姻族になる。
解説
本肢は誤り。725条は、親族の範囲を六親等内の血族、配偶者及び三親等内の姻族と定める。姻族とは婚姻によって生ずる親族関係であり、その範囲は、一方の配偶者と他方の配偶者の血族との間、及び自己の血族とその配偶者との間に限られる。すなわち姻族関係は婚姻をした夫婦を一つの結節点として一方向にのみ広がるのであって、夫の血族と妻の血族との間、いわゆる双方の親族同士の間には姻族関係は生じない。本肢についてみると、Aの父母であるC・Dから見て、Bは自己の血族(子A)の配偶者であるから一親等の姻族に当たり、C・DとBとの間には姻族関係がある。しかし、EはBの兄であって、C・Dからすれば「血族の配偶者の血族」にすぎず、これは前述の姻族の定義のいずれにも当たらない。したがって、C・DとEとの間にはそもそも姻族関係が発生せず、三親等の姻族になるとする本肢は誤りである。関係が生じない以上、親等(726条)を計算する余地もない。なお、A自身から見れば、Eは配偶者Bの血族であってBまで(配偶者間に親等はない)Bから兄Eまで二親等をたどることになるから、AとEとは二親等の姻族となり、三親等内の姻族として親族に当たる点と混同しないよう注意を要する。
甲は,同居している甥の乙が盗んできた宝石を,その事情を知りながら,乙から無償で譲り受けた。この場合,甲には盗品等無償譲受け罪が成立するが,その刑は免除される。
解説
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未成年の子のいる父母が協議上の離婚をする際に,合意によりその一方をその子の親権者と定めたとき,他の一方は,家庭裁判所に対し親権者の変更を請求することができない。
解説
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