先取特権は、債務者がその目的である動産をその第三取得者に引き渡した後は、その動産について行使することができない。
この条文の過去問 9問
正しい。先取特権は、債務者が目的動産を第三取得者に引き渡した後は行使できず(333条)、この引渡しには占有改定も含まれる(大判大6.7.26)。
AはBに動産甲を売ったことで、代金債権のために甲の上に動産売買の先取特権を取得する(311条5号・321条)。もっとも333条は、先取特権は、債務者がその目的である動産を第三取得者に引き渡した後は、その動産について行使することができないと定める。動産の先取特権は公示の手段を伴わないので、第三者の手に渡った物にまで追いかけることを制限し、取引の安全を図る趣旨である。判例は、この引渡しには占有改定(183条)も含まれるとする(大判大6.7.26)。動産の物権変動を第三者に対抗するための引渡し(178条)には占有改定も含まれ、第三取得者が対抗要件を備えた以上、先取特権の追及を止めるという333条の趣旨がそのまま当てはまるからである。本肢では、BC間で以後BがCのために甲を占有する合意がされており、これは占有改定なので、Cへの引渡しがあったことになる。したがって、Aは甲について先取特権を行使できない。

先取特権は、債務者がその目的である動産をその第三取得者に引き渡した後は、その動産について行使することができない。
正しい。動産先取特権は目的動産が第三取得者に引き渡された後は行使できず、この引渡しには占有改定も含まれる(333条・大判大6.7.26)。
333条は、先取特権は、債務者がその目的である動産をその第三取得者に引き渡した後は、その動産について行使することができないと定める。動産の先取特権は登記のような公示の手段がない担保物権なので、目的動産を取得した第三者の取引の安全を守るため、第三取得者に引き渡された後は追いかけて行使できないとしたのである。判例は、ここでいう引渡しには現実の引渡しだけでなく占有改定も含まれるとしている(大判大6.7.26)。占有改定は外から見て分かりにくいが、178条の引渡しとして第三者に権利を主張できる方法であり、第三取得者を守る必要は変わらないからである。本肢では、BがCに甲を売って占有改定で引き渡しているので、Aは先取特権に基づいて甲を差し押さえることができない。肢は正しい。

先取特権は、債務者がその目的である動産をその第三取得者に引き渡した後は、その動産について行使することができない。
誤り。違うのは「Aの動産売買の先取特権は消滅しない」の部分である。333条の引渡しには占有改定も含まれるから(大判大6.7.26)、Cに占有改定で引き渡された後は、Aはその動産について先取特権を行使できない。
333条は、先取特権は、債務者がその目的である動産をその第三取得者に引き渡した後は、その動産について行使することができないと定める。動産の先取特権は登記のような公示の方法を持たないから、目的の動産を取得した第三者の取引の安全を守るため、引渡しを受けた第三取得者には先取特権を追及できないことにしたのである。判例(大判大6.7.26)は、ここでいう引渡しには、現実の引渡しだけでなく占有改定も含まれるとしている。占有改定でも第三取得者は動産の占有を取得して対抗要件を備えるのであり、債務者が手元に置き続けていることを理由に333条を適用しないとすると、公示のない先取特権の追及を広く認めることになり、取引の安全が害されるからである。BがCに動産を売却し占有改定で引き渡した以上、AはCの手に渡ったその動産について先取特権を行使できない。したがって、本肢は誤りである。

先取特権は、債務者がその目的である動産をその第三取得者に引き渡した後は、その動産について行使することができない。
正しい。先取特権は、債務者が目的動産を第三取得者に引き渡した後は、その動産について行使することができない(333条)。
333条は、先取特権は債務者がその目的である動産をその第三取得者に引き渡した後は、その動産について行使することができないと定め、動産の先取特権の追及効を否定している。動産の先取特権は登記のような公示を伴わず、外から存在が分からないから、目的動産を取得して引渡しを受けた第三者の取引の安全を優先させたのである。したがって、動産売買の先取特権(321条)の目的物が転売され、買主から転得者に引き渡された以上、売主はその動産自体に先取特権を行使することはできない。第三取得者の善意・悪意は問われず、ここでいう引渡しには占有改定も含まれると解されている。もっとも、先取特権者は転売代金債権に物上代位をすることができ(304条1項)、その払渡し又は引渡しの前に差押えをすれば、代金から優先弁済を受けられる。本肢は動産自体への行使を否定しているから正しい。

先取特権は、債務者がその目的である動産をその第三取得者に引き渡した後は、その動産について行使することができない。
正しい。動産の先取特権は、債務者が目的動産を第三取得者に引き渡した後は行使できず(333条)、売主と買主の特約は転買主を拘束しないから、転買主が特約について悪意でも行使できない。
333条は、先取特権は債務者がその目的である動産を第三取得者に引き渡した後はその動産について行使できないと定める。動産の売買の先取特権は公示を伴わない担保物権であるから、目的動産を譲り受けて引渡しを受けた者を保護し、動産取引の安全を図る趣旨である。条文は第三取得者の善意・悪意を区別していないから、悪意の第三取得者に引き渡された場合も先取特権は行使できなくなると解されている。売主と買主の間で、転売・引渡しの後も先取特権を行使できるとする特約をしても、その合意は当事者を拘束するにとどまり、法律が第三取得者のために定めた追及力の制限を当事者だけで外すことはできない。したがって、転買主が特約を知っていても、引渡しを受けた転買主の占有する目的物に先取特権を行使することはできず、肢は正しい。なお、売主は転売代金債権について物上代位をすることはできる(304条1項)。

先取特権は、債務者がその目的である動産をその第三取得者に引き渡した後は、その動産について行使することができない。
正しい。動産の先取特権は、債務者が目的動産を第三取得者に引き渡した後は行使できず(333条)、売主と買主の特約は転買主を拘束しないから、転買主が特約について悪意でも行使できない。
333条は、先取特権は債務者がその目的である動産を第三取得者に引き渡した後はその動産について行使できないと定める。動産の売買の先取特権は公示を伴わない担保物権であるから、目的動産を譲り受けて引渡しを受けた者を保護し、動産取引の安全を図る趣旨である。条文は第三取得者の善意・悪意を区別していないから、悪意の第三取得者に引き渡された場合も先取特権は行使できなくなると解されている。売主と買主の間で、転売・引渡しの後も先取特権を行使できるとする特約をしても、その合意は当事者を拘束するにとどまり、法律が第三取得者のために定めた追及力の制限を当事者だけで外すことはできない。したがって、転買主が特約を知っていても、引渡しを受けた転買主の占有する目的物に先取特権を行使することはできず、肢は正しい。なお、売主は転売代金債権について物上代位をすることはできる(304条1項)。

先取特権は、債務者がその目的である動産をその第三取得者に引き渡した後は、その動産について行使することができない。
誤り。違うのは「第三者が、その動産が動産先取特権の目的であることを知っているときは、その動産について先取特権を行使することができる」の部分である。目的の動産が第三取得者に引き渡された後は、第三取得者の善意・悪意を問わず先取特権を行使できない(333条)。
333条は、先取特権は、債務者がその目的である動産をその第三取得者に引き渡した後は、その動産について行使することができないと定める。動産先取特権は、法律上当然に成立し、登記などの公示方法を持たない担保物権であるから、目的の動産が転々流通した後まで追及を認めると、動産取引の安全を著しく害する。そこで、目的物が第三取得者に引き渡された時点で追及効を失わせることとした。この規定は、取引の安全を画一的に保護するためのものであるから、第三取得者が先取特権の存在を知っていたかどうかは問わない。また、ここでいう引渡しには占有改定も含まれると解されている。先取特権者は、目的物の売却代金債権に物上代位することで保護を図ることになる(304条)。本肢は誤りである。

先取特権は、債務者がその目的である動産をその第三取得者に引き渡した後は、その動産について行使することができない。
誤り。違うのは「甲動産を差し押さえることができる」の部分である。動産の先取特権は、債務者が目的の動産を第三取得者に引き渡した後は、その動産について行使できない(333条)。
333条は、先取特権は、債務者がその目的である動産をその第三取得者に引き渡した後は、その動産について行使することができないと定める。動産の先取特権は、法律が一定の債権を保護するために認める担保物権であるが、登記のような公示方法がないので、動産が債務者の手を離れて第三者に引き渡された後まで追及を認めると、先取特権の存在を知り得ない第三取得者が不測の損害を受け、動産取引の安全が害されるからである。本肢では、甲動産がAからBへ、BからCへ売買によって引き渡されているから、Cは第三取得者として甲動産の引渡しを受けており、Aは動産売買先取特権の行使として甲動産を差し押さえることはできない。本肢は誤りである。この場合、Aは、BがCに対して持つ転売代金債権について物上代位を検討することになる(304条)。

先取特権は、債務者がその目的である動産をその第三取得者に引き渡した後は、その動産について行使することができない。
正しい。譲渡担保権者Cは333条の第三取得者に当たり、占有改定も同条の引渡しに含まれるので、Aは甲動産について先取特権を行使できない(最判昭62.11.10)。
333条は、債務者が先取特権の目的である動産を第三取得者に引き渡した後は、先取特権をその動産について行使することができないと定める。判例(最判昭62.11.10)は、動産売買先取特権の目的物について譲渡担保が設定され、占有改定によって引渡しがされた事案で、譲渡担保権者は特段の事情のない限り333条の第三取得者に当たり、先取特権者はその動産について先取特権を行使できないとした。譲渡担保は担保の目的で所有権を移転する形式をとるものであり、譲渡担保権者も動産の所有権を取得した者として扱われる。また、同条の引渡しには現実の引渡しだけでなく占有改定も含まれると解されている。本肢では、BからCへの担保目的の譲渡と占有改定によって、Cは引渡しを受けた第三取得者となるから、Aは甲動産を差し押さえることができない。本肢は正しい。

先取特権は、債務者がその目的である動産をその第三取得者に引き渡した後は、その動産について行使することができない。
















