占有権は、占有者が占有の意思を放棄し、又は占有物の所持を失うことによって消滅する。ただし、占有者が占有回収の訴えを提起したときは、この限りでない。
この条文の過去問 8問
正しい。占有回収の訴えで現実に占有を回復すれば、占有は継続していたものと扱われ、取得時効は中断しない(最判昭44.12.2)。
164条は、162条の時効は、占有者が任意にその占有を中止し、又は他人によってその占有を奪われたときは中断すると定める。占有の継続が途切れれば取得時効は成立しない。もっとも203条は、占有権は占有物の所持を失うことによって消滅するとしつつ、ただし書で、占有者が占有回収の訴えを提起したときはこの限りでないとする。判例は、占有を奪われた者が占有回収の訴えにより現実に占有を回復したときは、所持していなかった間も占有を失わず継続していたものと扱われ、取得時効は中断しないとした(最判昭44.12.2)。占有の訴えで取り戻せる占有は法律上保護されているので、奪われた期間だけを切り離すのは公平でないからである。逆に、訴えを起こさなかったり敗訴したりして占有を回復できなければ、奪われた時に時効は中断する。占有回収の訴えは奪われた時から1年以内に起こさなければならない(201条3項)。

占有権は、占有者が占有の意思を放棄し、又は占有物の所持を失うことによって消滅する。ただし、占有者が占有回収の訴えを提起したときは、この限りでない。
正しい。占有回収の訴えで現実に占有を回復すれば、占有は継続していたものと扱われ、取得時効は中断しない(最判昭44.12.2)。
164条は、162条の時効は、占有者が任意にその占有を中止し、又は他人によってその占有を奪われたときは中断すると定める。占有の継続が途切れれば取得時効は成立しない。もっとも203条は、占有権は占有物の所持を失うことによって消滅するとしつつ、ただし書で、占有者が占有回収の訴えを提起したときはこの限りでないとする。判例は、占有を奪われた者が占有回収の訴えにより現実に占有を回復したときは、所持していなかった間も占有を失わず継続していたものと扱われ、取得時効は中断しないとした(最判昭44.12.2)。占有の訴えで取り戻せる占有は法律上保護されているので、奪われた期間だけを切り離すのは公平でないからである。逆に、訴えを起こさなかったり敗訴したりして占有を回復できなければ、奪われた時に時効は中断する。占有回収の訴えは奪われた時から1年以内に起こさなければならない(201条3項)。

占有権は、占有者が占有の意思を放棄し、又は占有物の所持を失うことによって消滅する。ただし、占有者が占有回収の訴えを提起したときは、この限りでない。
正しい。占有回収の訴えで勝訴して現実に占有を回復すれば、その間も占有は継続していたものと扱われるから、留置権は消滅しない(最判昭44.12.2)。
留置権は占有を成立と存続の要件とし、留置権者が留置物の占有を失うと消滅する(302条本文)。もっとも、占有を奪われた占有者は占有回収の訴えによって物の返還を請求することができ(200条1項)、203条ただし書は、占有者が占有回収の訴えを提起したときは占有権は消滅しないと定める。判例は、この規定は、占有を奪われた者が占有回収の訴えを提起して勝訴し、現実にその物の占有を回復したときは、現実に占有しなかった間も占有を失わず占有が継続していたものと擬制する趣旨であるとした(最判昭44.12.2)。訴えを提起しただけでは足りないが、勝訴して占有を取り戻せば、奪われていた期間も占有は途切れなかったことになる。そうすると、留置権者が占有回収の訴えで留置物の占有を回復した場合には、302条本文にいう占有の喪失はなかったことになり、留置権は消滅しない。占有回収の訴えは、占有を奪われた時から1年以内に提起しなければならない(201条3項)。

占有回収の訴を提起して勝訴し、現実にその物の占有を回復したときは、右現実に占有しなかつた間も占有を失わず占有が継続していたものと擬制される
- 消滅請求(298条3項):善管注意義務違反、債務者の承諾のない使用・賃貸・担保提供。賃貸が終了していても請求できる
- 代わりの担保(301条):債務者が相当の担保を供して請求できる
- 占有の喪失(302条):消滅する。承諾を得た賃貸・質入れは除く。占有回収の訴えで回復すれば消滅しない
- 期限の許与(299条2項ただし書):有益費の償還に期限が許与されると消滅する
- 被担保債権の消滅:付従性により消滅する。留置中も消滅時効は進行する(300条)
正しい。占有回収の訴えで勝訴して現実に占有を回復すれば、その間も占有は継続していたものと扱われるから、留置権は消滅しない(最判昭44.12.2)。
留置権は占有を成立と存続の要件とし、留置権者が留置物の占有を失うと消滅する(302条本文)。もっとも、占有を奪われた占有者は占有回収の訴えによって物の返還を請求することができ(200条1項)、203条ただし書は、占有者が占有回収の訴えを提起したときは占有権は消滅しないと定める。判例は、この規定は、占有を奪われた者が占有回収の訴えを提起して勝訴し、現実にその物の占有を回復したときは、現実に占有しなかった間も占有を失わず占有が継続していたものと擬制する趣旨であるとした(最判昭44.12.2)。訴えを提起しただけでは足りないが、勝訴して占有を取り戻せば、奪われていた期間も占有は途切れなかったことになる。そうすると、留置権者が占有回収の訴えで留置物の占有を回復した場合には、302条本文にいう占有の喪失はなかったことになり、留置権は消滅しない。占有回収の訴えは、占有を奪われた時から1年以内に提起しなければならない(201条3項)。

占有回収の訴を提起して勝訴し、現実にその物の占有を回復したときは、右現実に占有しなかつた間も占有を失わず占有が継続していたものと擬制される
- 消滅請求(298条3項):善管注意義務違反、債務者の承諾のない使用・賃貸・担保提供。賃貸が終了していても請求できる
- 代わりの担保(301条):債務者が相当の担保を供して請求できる
- 占有の喪失(302条):消滅する。承諾を得た賃貸・質入れは除く。占有回収の訴えで回復すれば消滅しない
- 期限の許与(299条2項ただし書):有益費の償還に期限が許与されると消滅する
- 被担保債権の消滅:付従性により消滅する。留置中も消滅時効は進行する(300条)
正しい。占有回収の訴えで勝訴して現実に占有を回復すれば、占有は継続していたものと擬制されるから、留置権は消滅しない(最判昭44.12.2)。
302条本文は占有の喪失を留置権の消滅事由とするが、203条は、占有権は所持を失うことによって消滅するとしつつ、ただし書で占有者が占有回収の訴えを提起したときはこの限りでないと定める。最判昭44.12.2は、このただし書の意味について、占有回収の訴えを提起して勝訴し、現実にその物の占有を回復したときは、現実に占有しなかった間も占有を失わず継続していたものと擬制されると判断した。占有が継続していたことになる以上、留置権の存続要件である占有も途切れず、留置権は消滅しなかったことになる。奪った者の違法な行為によって留置権が失われるのは不当であり、占有回収の訴えで取り戻した者を保護する趣旨である。肢は勝訴と現実の占有回復の両方を満たしているから、留置権は消滅せず、正しい。訴えを提起しただけで敗訴した場合は、この擬制は働かない。

占有回収の訴を提起して勝訴し、現実にその物の占有を回復したときは、右現実に占有しなかつた間も占有を失わず占有が継続していたものと擬制される
- 消滅請求(298条3項):善管注意義務違反、債務者の承諾のない使用・賃貸・担保提供。賃貸が終了していても請求できる
- 代わりの担保(301条):債務者が相当の担保を供して請求できる
- 占有の喪失(302条):消滅する。承諾を得た賃貸・質入れは除く。占有回収の訴えで回復すれば消滅しない
- 期限の許与(299条2項ただし書):有益費の償還に期限が許与されると消滅する
- 被担保債権の消滅:付従性により消滅する。留置中も消滅時効は進行する(300条)
正しい。占有回収の訴えで勝訴して現実に占有を回復すれば、占有は継続していたものと擬制されるから、留置権は消滅しない(最判昭44.12.2)。
302条本文は占有の喪失を留置権の消滅事由とするが、203条は、占有権は所持を失うことによって消滅するとしつつ、ただし書で占有者が占有回収の訴えを提起したときはこの限りでないと定める。最判昭44.12.2は、このただし書の意味について、占有回収の訴えを提起して勝訴し、現実にその物の占有を回復したときは、現実に占有しなかった間も占有を失わず継続していたものと擬制されると判断した。占有が継続していたことになる以上、留置権の存続要件である占有も途切れず、留置権は消滅しなかったことになる。奪った者の違法な行為によって留置権が失われるのは不当であり、占有回収の訴えで取り戻した者を保護する趣旨である。肢は勝訴と現実の占有回復の両方を満たしているから、留置権は消滅せず、正しい。訴えを提起しただけで敗訴した場合は、この擬制は働かない。

占有回収の訴を提起して勝訴し、現実にその物の占有を回復したときは、右現実に占有しなかつた間も占有を失わず占有が継続していたものと擬制される
- 消滅請求(298条3項):善管注意義務違反、債務者の承諾のない使用・賃貸・担保提供。賃貸が終了していても請求できる
- 代わりの担保(301条):債務者が相当の担保を供して請求できる
- 占有の喪失(302条):消滅する。承諾を得た賃貸・質入れは除く。占有回収の訴えで回復すれば消滅しない
- 期限の許与(299条2項ただし書):有益費の償還に期限が許与されると消滅する
- 被担保債権の消滅:付従性により消滅する。留置中も消滅時効は進行する(300条)
正しい。賃借人Bが賃貸人の承諾を得て賃借権をCに譲渡し動産を引き渡すと、Bは賃貸借関係から離脱し、占有物の所持も失うので(203条)、動産の占有権を失う。
203条は、占有権は、占有者が占有の意思を放棄し、又は占有物の所持を失うことによって消滅すると定める。賃借人Bが賃貸人Aの承諾を得て賃借権を第三者Cに譲渡すると(612条1項)、賃借人の地位はCに移り、Bは賃貸借関係から離脱する。そのうえでBが動産をCに現実に引き渡せば(182条1項)、Bは動産の所持を失い、かつ以後は誰のためにも占有する立場にないので、直接占有も間接占有も持たなくなる。Cは新たな賃借人として、所有者Aを本人とする占有代理人の立場で動産を占有することになる。この点で、受寄者が再寄託をしても再受寄者を通じて間接占有を続ける場合とは異なる。再寄託では受寄者が寄託関係にとどまるのに対し、賃借権の譲渡では譲渡人が契約関係から抜けるからである。したがって、Bは動産の占有権を失い、本肢は正しい。

占有権は、占有者が占有の意思を放棄し、又は占有物の所持を失うことによって消滅する。ただし、占有者が占有回収の訴えを提起したときは、この限りでない。
| 方法 | 条文 | 内容 |
|---|---|---|
| 現実の引渡し | 182条1項 | 占有物を現実に引き渡す |
| 簡易の引渡し | 182条2項 | 譲受人がすでに所持しているとき、意思表示だけで譲渡する |
| 占有改定 | 183条 | 譲渡人が以後譲受人のために占有する意思を表示する |
| 指図による占有移転 | 184条 | 本人が占有代理人に以後第三者のために占有するよう命じ、第三者が承諾する |
誤り。違うのは「占有回収の訴えによってその占有を回復しても、取得時効は中断する」の部分である。占有回収の訴えを提起して勝訴し占有を回復すれば、占有は継続していたものとされる(203条ただし書)。
164条は、取得時効は、占有者が任意にその占有を中止し、又は他人によってその占有を奪われたときは中断すると定める。一方、203条は、占有権は占有物の所持を失うことによって消滅するとしつつ、ただし書で、占有者が占有回収の訴えを提起したときはこの限りでないと定める。判例は、占有者が占有回収の訴えを提起して勝訴し、現実にその物の占有を回復したときは、現実に占有しなかった間も占有を失わず、占有が継続していたものと擬制されるとしている。侵奪者によって不法に占有を奪われた者が、法的手段で占有を取り戻したにもかかわらず、それまでの占有期間が無に帰するとするのは不当であり、不法な侵奪をした者に時効の進行を妨げる効果を与える理由もないからである。したがって、占有回収の訴えによって占有を回復すれば、取得時効は中断しない。本肢は誤りである。

占有権は、占有者が占有の意思を放棄し、又は占有物の所持を失うことによって消滅する。ただし、占有者が占有回収の訴えを提起したときは、この限りでない。
- 所有の意思(自主占有)・平穏・公然・占有の継続(162条)。これらは推定される(186条)
- 期間:20年。占有開始の時に善意無過失なら10年(162条2項)
- 善意無過失の判定:占有開始の時を基準とし、後に悪意となっても影響しない
- 自己の物:所有権に基づいて占有する者も取得時効を主張できる(最判昭42.7.21)
- 占有を奪われた場合:時効は中断する(164条)が、占有回収の訴えで占有を回復すれば継続していたものとされる(203条ただし書)