未成年後見人を指定することができる者は、遺言で、未成年後見監督人を指定することができる。
家庭裁判所は、必要があると認めるときは、被後見人、その親族若しくは後見人の請求により又は職権で、後見監督人を選任することができる。
後見人の配偶者、直系血族及び兄弟姉妹は、後見監督人となることができない。
この条文の過去問 2問
誤り。違うのは「成年後見人の父は成年後見監督人となることができる」の部分である。後見人の配偶者だけでなく直系血族と兄弟姉妹も後見監督人となることができず、父は直系血族に当たる(850条)。
850条は、後見人の配偶者、直系血族及び兄弟姉妹は後見監督人となることができないと定める。後見監督人は、後見人の事務を監督し(851条1号)、後見人と被後見人の利益が相反する行為について被後見人を代表する(同条4号)など、後見人をけん制する役割を担う。後見人と身分上・経済上の結び付きが強い近親者が監督する立場に就けば、監督が働かなくなるおそれがあるから、これらの者を類型的に欠格としたのである。成年後見人の父は後見人の直系血族に当たるから、同条により成年後見監督人となることはできない。本肢のうち、配偶者が後見監督人になれないとする前段は正しいが、父はなれるとする後段が誤りである。なお、成年後見監督人は必ず置かれるものではなく、家庭裁判所が必要があると認めるときに請求により又は職権で選任する(849条)。

後見人の配偶者、直系血族及び兄弟姉妹は、後見監督人となることができない。
誤り。違うのは「成年後見人の配偶者は後見監督人になることができる」の部分である。後見人の配偶者、直系血族及び兄弟姉妹は、未成年後見か成年後見かを問わず、後見監督人となることができない(850条)。
850条は、後見人の配偶者、直系血族及び兄弟姉妹は、後見監督人となることができないと定める。後見監督人は、後見人の事務を監督し、後見人と被後見人との利益が相反する行為について被後見人を代表するなど、後見人から独立した立場で被後見人の利益を守ることを職務とする(851条)。後見人と近い身分関係にある者が後見監督人になると、身内をかばって監督が十分に働かず、後見人の不正を見逃すおそれがあるので、そのような者を欠格としたのである。この規定は、未成年後見人の後見監督人と成年後見人の後見監督人の双方に適用され、成年後見の場合だけ配偶者が後見監督人になれるという区別はない。したがって、成年後見人の配偶者は後見監督人になることができるとする本肢は誤りである。

後見人の配偶者、直系血族及び兄弟姉妹は、後見監督人となることができない。
| 項目 | 未成年後見人 | 成年後見人 |
|---|---|---|
| 就任 | 遺言による指定(839条)、なければ請求による選任(840条) | 後見開始の審判の際に職権で選任(843条1項) |
| 辞任(844条) | 正当な事由+家庭裁判所の許可 | 同じ |
| 解任(846条) | 任務に適しない事由があれば家庭裁判所が解任 | 同じ |
| 報酬(862条) | 家庭裁判所が被後見人の財産から与えられる | 同じ |
| 後見監督人の欠格(850条) | 後見人の配偶者・直系血族・兄弟姉妹はなれない | 同じ |
後見監督人の職務は、次のとおりとする。後見人の事務を監督すること。後見人が欠けた場合に、遅滞なくその選任を家庭裁判所に請求すること。急迫の事情がある場合に、必要な処分をすること。後見人又はその代表する者と被後見人との利益が相反する行為について被後見人を代表すること。
1 後見人の事務を監督すること。
2 後見人が欠けた場合に、遅滞なくその選任を家庭裁判所に請求すること。
3 急迫の事情がある場合に、必要な処分をすること。
4 後見人又はその代表する者と被後見人との利益が相反する行為について被後見人を代表すること。
この条文の過去問 1問
誤り。違うのは「成年後見監督人がいる場合であっても」の部分である。後見監督人があるときは特別代理人の選任を請求する必要はなく(860条ただし書)、後見監督人が被後見人を代表する(851条4号)。
860条本文は、親権者と子の利益相反行為についての826条を後見人に準用し、後見人と被後見人の利益が相反する行為については、後見人は被後見人のために特別代理人の選任を家庭裁判所に請求しなければならないとする。しかし、同条ただし書は、後見監督人がある場合はこの限りでないと定めている。851条4号が、後見監督人の職務として、後見人又はその代表する者と被後見人との利益が相反する行為について被後見人を代表することを挙げているからである。利益が相反する場面では後見監督人が被後見人を代表するのであるから、重ねて特別代理人を選ぶ必要はないのである。したがって、成年後見監督人がいる場合には、成年後見人は特別代理人の選任を請求する必要がなく、成年後見監督人が本人を代表する。成年後見監督人がいても特別代理人の選任を請求しなければならないとする本肢は、860条ただし書と851条4号に反し、誤りである。

第八百二十六条の規定は、後見人について準用する。ただし、後見監督人がある場合は、この限りでない。
- 後見開始(7条):事理を弁識する能力を欠く常況。成年後見人は審判のときに家庭裁判所が職権で選任する(843条1項)
- 保佐開始(11条):能力が著しく不十分。7条の原因がある者は除く
- 保佐人への代理権付与(876条の4):本人以外の請求なら本人の同意が要る
- 利益相反行為(860条):後見人は特別代理人の選任を請求する。後見監督人があれば不要で、後見監督人が被後見人を代表する(851条4号)
- 任意後見:本人が選んだ任意後見人に代理権を与える委任契約で、本人の行為能力は制限されない
第六百四十四条、第六百五十四条、第六百五十五条、第八百四十四条、第八百四十六条、第八百四十七条、第八百六十一条第二項及び第八百六十二条の規定は後見監督人について、第八百四十条第三項及び第八百五十七条の二の規定は未成年後見監督人について、第八百四十三条第四項、第八百五十九条の二及び第八百五十九条の三の規定は成年後見監督人について準用する。