親権を行う者は、子の利益のために子の監護及び教育をする権利を有し、義務を負う。
この条文の過去問 3問
正しい。親権を行う者は、子の利益のために子の監護及び教育をする権利を有し、義務を負う(820条)。
820条は、親権を行う者は子の利益のために子の監護及び教育をする権利を有し、義務を負うと定めており、肢はこの条文のとおりである。監護教育が権利であると同時に義務とされているのは、親権が親のための支配の権利ではなく、子の利益を実現するために親に託された権限だからである。子の利益のためにという文言は、児童虐待への対応を背景に平成23年改正で加えられ、親権を行う目的が子の利益にあることを明らかにしている。監護教育の権利義務の具体的な内容として、子の人格を尊重し体罰その他子の心身の健全な発達に有害な影響を及ぼす言動をしてはならないこと(821条)、居所の指定(822条)、職業の許可(823条)が定められている。かつて親権者に認められていた懲戒権の規定は、令和4年改正で削除された。肢は正しい。

親権を行う者は、子の利益のために子の監護及び教育をする権利を有し、義務を負う。
- 820条:子の利益のための監護教育の権利義務
- 821条:人格の尊重、体罰等の禁止(懲戒権は削除)
- 822条:居所の指定
- 823条:職業を営むには親権者の許可
- 824条:財産管理と代表
誤り。違うのは「Cは、これによって生じた債務について、連帯してその責任を負う」の部分である。日常の家事に関する債務の連帯責任(761条)は夫婦の間の規定であり、婚姻をしていないBとCには適用されない。
761条本文は、夫婦の一方が日常の家事に関して第三者と法律行為をしたときは、他の一方はこれによって生じた債務について連帯してその責任を負うと定める。夫婦は共同生活を営み、日常の家事に関する取引はその共同生活のためのものであるから、取引の相手方を保護するために、夫婦の他方にも連帯責任を負わせたのである。子の監護のための取引は日常の家事に含まれ得るが、この規定は婚姻をしている夫婦を前提とするものであり、本肢のBとCは婚姻をしていないので適用されない。また、CはAの父であっても親権者ではないから、親権者としてBと共同で責任を負う立場にもない。父であるCは、Aに対して扶養義務を負い(877条1項)、Bとの間で養育費の分担が問題となることはあるが、Bが第三者とした法律行為の債務について第三者に連帯責任を負うことはない。したがって、本肢は誤りである。

夫婦の一方が日常の家事に関して第三者と法律行為をしたときは、他の一方は、これによって生じた債務について、連帯してその責任を負う。ただし、第三者に対し責任を負わない旨を予告した場合は、この限りでない。
誤り。違うのは「親権者のほかに監護権者を定めなければならない」の部分である。協議離婚の際に必ず定めるのは親権者であり(819条1項)、子の監護をすべき者は必要に応じて協議で定めるものであって(766条1項)、親権者が監護を担うときは別に定める必要はない。
819条1項は、父母が協議上の離婚をするときは、その協議でその双方又は一方を親権者と定めると定め、親権者の定めは離婚の届出の受理の要件となっている。これに対し、766条1項は、父母が協議上の離婚をするときは、子の監護をすべき者その他の子の監護について必要な事項は協議で定めるとする。親権には子の監護教育の権利義務が含まれているので(820条)、親権者が自ら子を監護する場合には、親権者とは別に監護をすべき者を定める必要はない。親権者と別に監護をすべき者を定めるのは、たとえば財産管理は父、日常の養育は母というように、親権と監護を分けることが子の利益になる場合である。したがって、協議離婚に際して親権者のほかに必ず監護権者を定めなければならないわけではなく、本肢は誤りである。令和6年改正(令和8年4月施行)で離婚後も父母双方を親権者とすることができるようになったが、この点は変わらない。

父母が協議上の離婚をするときは、子の監護をすべき者又は子の監護の分掌、父又は母と子との交流、子の監護に要する費用の分担その他の子の監護について必要な事項は、その協議で定める。この場合においては、子の利益を最も優先して考慮しなければならない。
- 協議離婚(819条1項・766条1項):協議で父母の双方又は一方を親権者と定める。監護をすべき者は必要に応じて協議で定め、必ず定めるものではない
- 父が認知した子(819条4項・788条):親権は母が行い、協議で父母の双方又は父を親権者と定められる。監護をすべき者も766条の準用で定められる
- 協議が調わないとき:家庭裁判所が定める(766条2項・819条5項)
- 子の氏(790条):嫡出子は父母の氏、嫡出でない子は母の氏。親権者が誰かでは決まらない
- 15歳未満の養子縁組(797条):法定代理人が代わって承諾し、監護をすべき父母が他にいればその同意も要る























