養子は、縁組の日から、養親の嫡出子の身分を取得する。
この条文の過去問 9問
誤り。違うのは「養親と離縁しない限り、他の者の養子となることはできない」の部分である。民法は先の縁組を解消しないまま別の者の養子となる転縁組を禁じておらず、転縁組は可能と解されている。
婚姻については732条が重婚を禁じているが、養子縁組には、すでに他人の養子となっている者が重ねて別の者の養子となることを禁じる規定はない。縁組をすることができない場合を定める規定(尊属又は年長者を養子とすることの禁止を定める793条など)にも、先の縁組があることは挙げられていない。そのため、先の養親と離縁しないまま、別の者と養子縁組をすること(転縁組)もできると解されている。養親が高齢になったり病気になったりした場合に、子の養育や扶養のために新しい縁組を認める必要があることも、この解釈を支えている。転縁組がされると、養子は先の養親との関係でも後の養親との関係でも、縁組の日から嫡出子の身分を取得し(809条)、いずれの養親及びその血族との間にも親族関係が生じる(727条)。したがって、扶養や相続の関係も双方について生じる。本肢は、離縁が新たな縁組の前提であるかのようにしている点が誤りである。

養子は、縁組の日から、養親の嫡出子の身分を取得する。
誤り。違うのは「養親と離縁しない限り、他の者の養子となることはできない」の部分である。民法は先の縁組を解消しないまま別の者の養子となる転縁組を禁じておらず、転縁組は可能と解されている。
婚姻については732条が重婚を禁じているが、養子縁組には、すでに他人の養子となっている者が重ねて別の者の養子となることを禁じる規定はない。縁組をすることができない場合を定める規定(尊属又は年長者を養子とすることの禁止を定める793条など)にも、先の縁組があることは挙げられていない。そのため、先の養親と離縁しないまま、別の者と養子縁組をすること(転縁組)もできると解されている。養親が高齢になったり病気になったりした場合に、子の養育や扶養のために新しい縁組を認める必要があることも、この解釈を支えている。転縁組がされると、養子は先の養親との関係でも後の養親との関係でも、縁組の日から嫡出子の身分を取得し(809条)、いずれの養親及びその血族との間にも親族関係が生じる(727条)。したがって、扶養や相続の関係も双方について生じる。本肢は、離縁が新たな縁組の前提であるかのようにしている点が誤りである。

養子は、縁組の日から、養親の嫡出子の身分を取得する。
正しい。欠格は代襲原因であり、欠格の後でもAの死亡前にBの養子となったCはAの直系卑属に当たるので、Bを代襲してAの相続人となる(887条2項・727条)。
887条2項本文は、被相続人の子が相続の開始以前に死亡したとき、又は欠格・廃除によって相続権を失ったときは、その者の子が代襲して相続人となると定め、ただし書で、被相続人の直系卑属でない者はこの限りでないとする。欠格は明文の代襲原因であり、欠格の効果はその者本人に限られ子には及ばないので、Bが欠格者でもその子は代襲できる。BがCを養子にすると、養子と養親及びその血族との間には縁組の日から血族と同じ親族関係が生ずる(727条)から、CはBの父Aの直系卑属となる。本肢では縁組がAの死亡前なので、相続開始の時にCはAの直系卑属であり、Bを代襲してAの相続人となる。縁組が欠格の後であることは影響しない。肢は正しい。これに対し、縁組前に生まれていた養子の子は養親の直系卑属に当たらず、代襲しない。

被相続人の子が、相続の開始以前に死亡したとき、又は第八百九十一条の規定に該当し、若しくは廃除によって、その相続権を失ったときは、その者の子がこれを代襲して相続人となる。ただし、被相続人の直系卑属でない者は、この限りでない。/養子と養親及びその血族との間においては、養子縁組の日から、血族間におけるのと同一の親族関係を生ずる。
- 常に相続人:配偶者(婚姻の届出をした者。内縁の配偶者は含まない)
- 第1順位:子(養子・認知された子を含む。代襲相続人を含む)
- 第2順位:直系尊属(親等の近い者が先。父母がいなければ祖父母)
- 第3順位:兄弟姉妹(代襲はその子まで)
- 代襲原因:相続開始以前の死亡・欠格・廃除。相続放棄は代襲原因にならない
正しい。欠格は代襲原因であり、欠格の後でもAの死亡前にBの養子となったCはAの直系卑属に当たるので、Bを代襲してAの相続人となる(887条2項・727条)。
887条2項本文は、被相続人の子が相続の開始以前に死亡したとき、又は欠格・廃除によって相続権を失ったときは、その者の子が代襲して相続人となると定め、ただし書で、被相続人の直系卑属でない者はこの限りでないとする。欠格は明文の代襲原因であり、欠格の効果はその者本人に限られ子には及ばないので、Bが欠格者でもその子は代襲できる。BがCを養子にすると、養子と養親及びその血族との間には縁組の日から血族と同じ親族関係が生ずる(727条)から、CはBの父Aの直系卑属となる。本肢では縁組がAの死亡前なので、相続開始の時にCはAの直系卑属であり、Bを代襲してAの相続人となる。縁組が欠格の後であることは影響しない。肢は正しい。これに対し、縁組前に生まれていた養子の子は養親の直系卑属に当たらず、代襲しない。

被相続人の子が、相続の開始以前に死亡したとき、又は第八百九十一条の規定に該当し、若しくは廃除によって、その相続権を失ったときは、その者の子がこれを代襲して相続人となる。ただし、被相続人の直系卑属でない者は、この限りでない。/養子と養親及びその血族との間においては、養子縁組の日から、血族間におけるのと同一の親族関係を生ずる。
- 常に相続人:配偶者(婚姻の届出をした者。内縁の配偶者は含まない)
- 第1順位:子(養子・認知された子を含む。代襲相続人を含む)
- 第2順位:直系尊属(親等の近い者が先。父母がいなければ祖父母)
- 第3順位:兄弟姉妹(代襲はその子まで)
- 代襲原因:相続開始以前の死亡・欠格・廃除。相続放棄は代襲原因にならない
誤り。違うのは「CE間の親族関係は終了する」の部分である。普通養子縁組は養方との親族関係を新たに生じさせるだけで、認知した父Cとの関係を含め実方との親族関係を終了させない(809条・727条)。
普通養子縁組が成立すると、養子は縁組の日から養親の嫡出子の身分を取得し(809条)、養子と養親及びその血族との間には血族の間と同じ親族関係が生じる(727条)。もっとも、これは養方との間に新たな法定血族関係を生じさせるだけであり、養子と実方の父母やその血族との親族関係を終わらせる効果はない。普通養子縁組では、養子は実方と養方の双方に親子関係を持ち、実親と養親の双方の相続人になり、扶養の関係も双方に生じる。実方との関係を終了させる規定は特別養子縁組についての817条の9だけであり、普通養子縁組には同様の規定はない。本問では、AB夫婦とEが普通養子縁組をしても、母Dとの親族関係が続くのはもちろん、Eを認知した父Cとの親族関係も終わらない。認知によって生じた父子関係は、出生の時にさかのぼって効力を持ち(784条)、普通養子縁組によって影響を受けないからである。したがって、DE間の関係が続く点は正しいが、CE間の関係が終わるとする点が誤っている。

養子は、縁組の日から、養親の嫡出子の身分を取得する。
| 普通養子縁組 | 特別養子縁組 | |
|---|---|---|
| 成立 | 届出(15歳未満は法定代理人の承諾)。未成年者は原則として家庭裁判所の許可(798条) | 養親となる者の請求による家庭裁判所の審判(817条の2) |
| 養親 | 20歳以上(792条)。未成年者を養子とするときは夫婦共同(795条) | 配偶者のある者で夫婦共同(817条の3)。一方は25歳以上、他方は20歳以上(817条の4) |
| 実方との関係 | 存続する | 終了する(817条の9) |
| 親権 | 養親の親権に服する(818条3項) | 同左 |
誤り。違うのは「親権者の変更について家庭裁判所の許可を得なければならない」の部分である。子が養子であるときは養親が当然に親権者となり(818条3項)、親権者の変更の手続は要らない。
818条3項は、子が養子であるときは、養親(1号)と、子の父母であって養親の配偶者であるもの(2号)を親権者とすると定める。養子縁組が成立すると、その効果として当然に養親が親権者となり、実親から親権が移るのであって、そのために別の手続は要らない。夫婦が共同で養親となった本肢では、AB夫婦が共同して親権を行う(824条の2第1項)。親権者の変更について家庭裁判所の関与を定めた819条6項は、離婚や認知の際に父母の一方が親権者と定められた場合に、子の利益のため必要があるときに親権者を変更する手続であり、実親の間で親権者の帰属を調整する規定である。縁組による親権の移転はこれとは別の場面であるから、同項は適用されない。もっとも、未成年者を養子とするには縁組そのものについて家庭裁判所の許可が必要である(798条本文)。この許可は未成年者の福祉に反する縁組を防ぐため縁組の当否を審査するもので、親権者の変更を審査するものではない。肢は縁組の許可とは別に親権者の変更の許可が要るとしており誤っている。出題当時は818条2項が同じ内容を定めていた。

子が養子であるときは、次に掲げる者を親権者とする。一 養親(当該子を養子とする縁組が二以上あるときは、直近の縁組により養親となった者に限る。)二 子の父母であって、前号に掲げる養親の配偶者であるもの
誤り。違うのは「CE間の親族関係は終了する」の部分である。普通養子縁組は養方との親族関係を新たに生じさせるだけで、認知した父Cとの関係を含め実方との親族関係を終了させない(809条・727条)。
普通養子縁組が成立すると、養子は縁組の日から養親の嫡出子の身分を取得し(809条)、養子と養親及びその血族との間には血族の間と同じ親族関係が生じる(727条)。もっとも、これは養方との間に新たな法定血族関係を生じさせるだけであり、養子と実方の父母やその血族との親族関係を終わらせる効果はない。普通養子縁組では、養子は実方と養方の双方に親子関係を持ち、実親と養親の双方の相続人になり、扶養の関係も双方に生じる。実方との関係を終了させる規定は特別養子縁組についての817条の9だけであり、普通養子縁組には同様の規定はない。本問では、AB夫婦とEが普通養子縁組をしても、母Dとの親族関係が続くのはもちろん、Eを認知した父Cとの親族関係も終わらない。認知によって生じた父子関係は、出生の時にさかのぼって効力を持ち(784条)、普通養子縁組によって影響を受けないからである。したがって、DE間の関係が続く点は正しいが、CE間の関係が終わるとする点が誤っている。

養子は、縁組の日から、養親の嫡出子の身分を取得する。
| 普通養子縁組 | 特別養子縁組 | |
|---|---|---|
| 成立 | 届出(15歳未満は法定代理人の承諾)。未成年者は原則として家庭裁判所の許可(798条) | 養親となる者の請求による家庭裁判所の審判(817条の2) |
| 養親 | 20歳以上(792条)。未成年者を養子とするときは夫婦共同(795条) | 配偶者のある者で夫婦共同(817条の3)。一方は25歳以上、他方は20歳以上(817条の4) |
| 実方との関係 | 存続する | 終了する(817条の9) |
| 親権 | 養親の親権に服する(818条3項) | 同左 |
誤り。違うのは「Aの相続人はBCである」の部分である。成年に達した後の縁組は普通養子縁組であり、実方の父母との親族関係は終了しないので、DはなおAの子として相続人となり、Aの相続人はBCDである。
809条は、養子は縁組の日から養親の嫡出子の身分を取得すると定めるが、普通養子縁組では、実方の父母やその血族との親族関係はそのまま存続する。普通養子縁組は、養親との間に新たな親子関係を加えるものであって、実親との親子関係を消滅させるものではないからである。これに対し、特別養子縁組は実方の父母との親族関係を終了させるが(817条の9)、養子は請求時に15歳未満でなければならず、縁組の成立までに18歳に達した者は養子となることができない(817条の5第1項)。本肢のDは成年に達した後に養子となっているので、その縁組は普通養子縁組であり、DはAの子のままである。したがって、DはAの相続人となり(887条1項)、配偶者B(890条)、子Cとともに、Aの相続人はBCDとなるので、BCとする本肢は誤りである。Dは養親の相続人にもなる。

養子は、縁組の日から、養親の嫡出子の身分を取得する。
- 常に相続人:配偶者(890条)
- 第1順位:子(887条1項)。養子に行った子も実親の相続人となる(普通養子)
- 代襲原因(887条2項):相続開始以前の死亡(同時死亡を含む)、欠格、廃除。相続の放棄は含まれない
- 失踪宣告(31条):普通失踪は7年の期間満了時に死亡とみなす
- 祭祀財産の承継者(897条):相続人の地位とは別
誤り。違うのは「Aの代襲相続人となり得ない」の部分である。Bの養子Cも縁組の日からAの直系卑属となるので、Aの代襲相続人となり得る(887条2項・727条)。
887条2項は、被相続人の子が相続の開始以前に死亡し、又は欠格・廃除によって相続権を失ったときは、その者の子が代襲して相続人となると定め、ただし書で被相続人の直系卑属でない者は代襲できないとする。代襲者となる「その者の子」には、実子だけでなく養子も含まれる。そして727条により、養子と養親及びその血族との間には縁組の日から血族間と同一の親族関係が生じるから、Bの養子Cは、Bの親であるAとの間でも縁組の日から孫として直系卑属の関係に立つ。したがってCは887条2項ただし書に当たらず、Aの代襲相続人となり得るので、本肢は誤りである。これに対し、BがAの養子である場合に、縁組前に生まれていたBの子は、Aとの間に親族関係が生じないのでAの直系卑属ではなく、Bを代襲しない(887条2項ただし書)。

被相続人の子が、相続の開始以前に死亡したとき、又は第八百九十一条の規定に該当し、若しくは廃除によって、その相続権を失ったときは、その者の子がこれを代襲して相続人となる。ただし、被相続人の直系卑属でない者は、この限りでない。
- 常に相続人:配偶者(婚姻の届出をした者。内縁の配偶者は含まない)
- 第1順位:子(養子・認知された子を含む。代襲相続人を含む)
- 第2順位:直系尊属(親等の近い者が先。父母がいなければ祖父母)
- 第3順位:兄弟姉妹(代襲はその子まで)
