第809条嫡出子の身分の取得過去問 5
養子は、縁組の日から、養親の嫡出子の身分を取得する。
この条文の過去問 5問
養子は、養親と離縁しない限り、他の者の養子となることはできない。
解説
本肢は誤り。民法は、既に他人の養子となっている者が重ねて別の者の養子となること(いわゆる転縁組・重複縁組)を禁ずる規定を置いていない。婚姻について重婚を禁じた732条のような規定は養子縁組には存在せず、縁組障害を定める規定(尊属または年長者を養子とすることの禁止=793条、後見人が被後見人を養子とする場合の家庭裁判所の許可=794条、未成年者を養子とする場合の家庭裁判所の許可=798条など)にも、先行する縁組の存在は掲げられていない。したがって、先の養親と離縁しないまま、さらに別の者と養子縁組をすることは可能であると解されている。実際上も、養親が高齢・病気となった場合など、子の養育や扶養のために新たな縁組を認める必要性がある。
この場合、養子は先の養親との関係でも後の養親との関係でも嫡出子の身分を有し(809条)、いずれの養親およびその血族との間にも法定血族関係が並存する(727条)。その結果、扶養義務や相続権も双方について生ずる。もっとも未成年者については、後の縁組により親権は後の養親に帰属すると解される(818条2項参照)。
なお、特別養子縁組は実方との親族関係を終了させる点(817条の9)で普通養子縁組と異なるが、特別養子を更に養子とすること自体が禁じられているわけではない。以上より、離縁しない限り他の者の養子となれないとする本肢は誤りである。
養子は、養親と離縁しない限り、他の者の養子となることはできない。
解説
本肢は誤り。民法は、既に他人の養子となっている者が重ねて別の者の養子となること(いわゆる転縁組・重複縁組)を禁ずる規定を置いていない。婚姻について重婚を禁じた732条のような規定は養子縁組には存在せず、縁組障害を定める規定(尊属または年長者を養子とすることの禁止=793条、後見人が被後見人を養子とする場合の家庭裁判所の許可=794条、未成年者を養子とする場合の家庭裁判所の許可=798条など)にも、先行する縁組の存在は掲げられていない。したがって、先の養親と離縁しないまま、さらに別の者と養子縁組をすることは可能であると解されている。実際上も、養親が高齢・病気となった場合など、子の養育や扶養のために新たな縁組を認める必要性がある。
この場合、養子は先の養親との関係でも後の養親との関係でも嫡出子の身分を有し(809条)、いずれの養親およびその血族との間にも法定血族関係が並存する(727条)。その結果、扶養義務や相続権も双方について生ずる。もっとも未成年者については、後の縁組により親権は後の養親に帰属すると解される(818条2項参照)。
なお、特別養子縁組は実方との親族関係を終了させる点(817条の9)で普通養子縁組と異なるが、特別養子を更に養子とすること自体が禁じられているわけではない。以上より、離縁しない限り他の者の養子となれないとする本肢は誤りである。
Aの子Bが相続人の欠格事由に該当し,その相続権を失った場合において,その後,Aの死亡前にBがCを養子とする養子縁組をしたときは,CはAの代襲相続人となる。
解説
本肢は正しい。887条2項本文は、被相続人の子が相続の開始以前に死亡したとき、または欠格(891条)もしくは廃除(892条)によって相続権を失ったときは、その者の子がこれを代襲して相続人となる旨を定める。欠格は本条が明文で掲げる代襲原因であるから、Aの子Bが欠格事由に該当して相続権を失った以上、Bの子が代襲相続人となり得る。
問題は、887条2項ただし書が代襲者を被相続人の直系卑属に限っている点である。BがCを養子とする縁組をした場合、Cは縁組の日からBの嫡出子たる身分を取得し(809条)、養子と養親およびその血族との間には、縁組の日から血族間におけるのと同一の親族関係が生ずる(727条)。Bの血族にはBの父であるAが含まれるから、CはAの直系卑属となり、ただし書の要件を満たす。本肢では縁組がAの死亡前にされているため、相続開始時においてCはAの直系卑属であり、Bを代襲してAの相続人となる。
Bが既に欠格により相続権を失っていることは、C自身の代襲資格に影響しない。欠格の効果は一身専属的であり、その子に及ばないからこそ代襲相続が認められるのである。なお、養子縁組前に生まれていた養子の子は、727条の効果が縁組時から生ずる関係上、養親の直系卑属に当たらず代襲相続できないと解されており、本肢との対比が重要である。
Aの子Bが相続人の欠格事由に該当し,その相続権を失った場合において,その後,Aの死亡前にBがCを養子とする養子縁組をしたときは,CはAの代襲相続人となる。
解説
本肢は正しい。887条2項本文は、被相続人の子が相続の開始以前に死亡したとき、または欠格(891条)もしくは廃除(892条)によって相続権を失ったときは、その者の子がこれを代襲して相続人となる旨を定める。欠格は本条が明文で掲げる代襲原因であるから、Aの子Bが欠格事由に該当して相続権を失った以上、Bの子が代襲相続人となり得る。
問題は、887条2項ただし書が代襲者を被相続人の直系卑属に限っている点である。BがCを養子とする縁組をした場合、Cは縁組の日からBの嫡出子たる身分を取得し(809条)、養子と養親およびその血族との間には、縁組の日から血族間におけるのと同一の親族関係が生ずる(727条)。Bの血族にはBの父であるAが含まれるから、CはAの直系卑属となり、ただし書の要件を満たす。本肢では縁組がAの死亡前にされているため、相続開始時においてCはAの直系卑属であり、Bを代襲してAの相続人となる。
Bが既に欠格により相続権を失っていることは、C自身の代襲資格に影響しない。欠格の効果は一身専属的であり、その子に及ばないからこそ代襲相続が認められるのである。なお、養子縁組前に生まれていた養子の子は、727条の効果が縁組時から生ずる関係上、養親の直系卑属に当たらず代襲相続できないと解されており、本肢との対比が重要である。
AB夫婦がEとの間で普通養子縁組をした場合においては,DE間の親族関係は存続するが,CE間の親族関係は終了する。
解説
本肢は誤り。普通養子縁組が成立すると、養子は縁組の日から養親の嫡出子の身分を取得し(809条)、養子と養親およびその血族との間には血族間におけるのと同一の親族関係が生ずる(727条)。もっとも、これは養方との間に新たな法定血族関係を発生させるにとどまり、養子と実方の父母およびその血族との親族関係を終了させる効果はない。普通養子縁組の下では、養子は実方と養方の双方に親子関係を有する二重の親子関係に立ち、実親および養親の双方に対して相続権を有し、扶養義務の関係も双方について生ずる。実方との関係を断絶させる旨の規定は817条の9として特別養子縁組についてのみ置かれており、普通養子縁組にこれを準用する規定はない。
これを本問についてみると、AB夫婦とEが普通養子縁組をしても、母Dとの親族関係が存続するのはもとより、Eを認知した父Cとの間の親族関係も終了しない。認知により父子関係が生じている以上(784条本文により認知の効力は出生時に遡る)、CE間の法律上の親子関係は普通養子縁組によって影響を受けないからである。
したがって、DE間の親族関係が存続する点は正しいものの、CE間の親族関係が終了するとする点が誤りである。以上より、本肢の記述は誤りである。