第1目
民法取得日 2026年9月6日この範囲 23条 ・ 過去問 87問
第1目
第446条保証人の責任等過去問 11
1保証人は、主たる債務者がその債務を履行しないときに、その履行をする責任を負う。
2保証契約は、書面でしなければ、その効力を生じない。
3保証契約がその内容を記録した電磁的記録によってされたときは、その保証契約は、書面によってされたものとみなして、前項の規定を適用する。
この条文の過去問 11問
2025年 司法試験 第20問 肢ア
BC間の保証契約がその内容を記録した電磁的記録によってされたときは、その効力を生じない。
解説
誤り。違うのは「その効力を生じない」の部分である。
保証契約は書面でしなければ効力を生じない(446条2項)。保証人になろうとする者に軽率な保証をさせないよう慎重にさせ、保証の意思をはっきりさせるためである。もっとも同条3項は、保証契約がその内容を記録した電磁的記録によってされたときは、その保証契約は書面によってされたものとみなして2項を適用すると定める。電子契約のデータのように、内容が電磁的記録として保存され後で確かめられる形で保証契約がされれば、書面と同じく保証の意思をはっきりさせるという目的は果たされるからである。したがって、BC間の保証契約が電磁的記録によってされたときは書面によってされたものとみなされ、保証契約は有効に効力を生じる。効力を生じないとする本肢は446条3項に反する。

民法446条
保証人は、主たる債務者がその債務を履行しないときに、その履行をする責任を負う。2 保証契約は、書面でしなければ、その効力を生じない。3 保証契約がその内容を記録した電磁的記録によってされたときは、その保証契約は、書面によってされたものとみなして、前項の規定を適用する。
2023年 司法試験 第19問 肢ア
個人根保証契約は、極度額の定めを書面又はその内容を記録した電磁的記録によってしなければ、その効力を生じない。
解説
正しい。個人根保証契約は極度額を定めなければ効力を生じず(465条の2第2項)、その定めは書面又は電磁的記録でしなければならない(同条3項・446条2項3項)。
個人根保証契約とは、一定の範囲に属する不特定の債務を主たる債務とする保証契約で、保証人が法人でないものをいう(465条の2第1項)。その保証人は、主たる債務の元本、利息、違約金、損害賠償その他その債務に従たるすべてのものなどについて、その全部に係る極度額を限度として履行の責任を負う。そして同条2項は、個人根保証契約は極度額を定めなければその効力を生じないと定め、同条3項は、保証契約を書面でしなければ効力を生じないとする446条2項と、電磁的記録でした保証契約を書面でしたものとみなす同条3項を、極度額の定めに準用している。個人の保証人が、将来どこまで膨らむか分からない債務の保証を軽い気持ちで引き受け、思いがけない重い責任を負うことを防ぐためである。したがって、極度額の定めを書面又は電磁的記録でしていない個人根保証契約は効力を生じない。債権法改正で、それまで貸金等根保証契約に限られていた極度額の規制が、個人根保証契約全般に広げられた。

民法465条の2第2項
個人根保証契約は、前項に規定する極度額を定めなければ、その効力を生じない。
ポイント整理
個人根保証契約と個人貸金等根保証契約
| 個人根保証契約(全般) | 個人貸金等根保証契約(貸金等債務を含むもの) |
|---|
| 極度額 | 書面又は電磁的記録で定めなければ無効(465条の2) | 同じ |
| 元本確定期日 | 規定なし | 定めは締結から5年以内。定めがなければ締結から3年を経過する日(465条の3) |
| 元本確定事由 | 保証人の財産への強制執行等・保証人の破産・主たる債務者又は保証人の死亡(465条の4第1項) | 左に加え、主たる債務者の財産への強制執行等・主たる債務者の破産(同条2項) |
2021年 司法試験 第37問 肢イ
保証契約は,その合意が電子メールを相互に送受信する方法によってされた場合には,書面が作成されていなくてもその効力を生じる。
解説
正しい。保証契約は書面でしなければ効力を生じないが、電磁的記録によってされたときは書面によってされたものとみなされる(446条2項・3項)。
446条2項は、保証契約は書面でしなければその効力を生じないと定める。保証は保証人が見返りなく他人の債務を負う契約なので、軽はずみに保証することを防ぎ、保証の意思をはっきりさせるために書面を求めた。同条3項は、保証契約がその内容を記録した電磁的記録によってされたときは、その保証契約は書面によってされたものとみなして前項を適用すると定める。電磁的記録とは、電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう(151条4項)。電子メールを送り合って保証の内容が記録に残れば、この電磁的記録に当たり、保証の意思をはっきりさせるという趣旨も満たされる。したがって、紙の書面がなくても保証契約は効力を生じ、肢は正しい。

民法446条2項・3項
保証契約は、書面でしなければ、その効力を生じない。
3 保証契約がその内容を記録した電磁的記録によってされたときは、その保証契約は、書面によってされたものとみなして、前項の規定を適用する。
ポイント整理
書面・方式と引渡し前の解除
- 書面(電磁的記録を含む)が効力要件:保証契約(446条2項・3項)、個人根保証の極度額の定め(465条の2第3項)
- 書面でする消費貸借(587条の2):合意で成立する。借主は受け取るまで解除できる
- 公正証書が効力要件:事業のための貸金等債務の個人保証の保証意思(465条の6)、事業用定期借地権の設定(借地借家法23条3項)
- 公正証書による等書面:一般定期借地権の特約(借地借家法22条)
- 書面の有無で引渡し前の解除が変わる:贈与(550条)・使用貸借(593条の2)・無報酬の寄託(657条の2第2項)
2019年 予備試験 第7問 肢ア
保証契約は,書面又はその内容を記録した電磁的記録によってされなければ,その効力を生じない。
解説
正しい。保証契約は書面でしなければ効力を生ぜず、電磁的記録によってされたときは書面によってされたものとみなされる(446条2項・3項)。
446条2項は、保証契約は書面でしなければその効力を生じないと定め、同条3項は、保証契約がその内容を記録した電磁的記録によってされたときは、書面によってされたものとみなして2項を適用するとしている。保証人になろうとする者は、主たる債務者との情義から深く考えずに責任を引き受けやすく、自分の負担を軽く見がちである。そこで民法は、保証の意思が外形上はっきりしている場合に限って保証契約に拘束力を認め、書面を効力要件にした。書面を要求するのは保証の意思を明確にするための手段であるから、意思が確実に記録される電磁的記録でもよいとされている。口頭の合意だけでは、当事者間に保証の合意があっても保証債務は生じない。肢はこの2つの項の内容をまとめて述べており、正しい。

民法446条2項・3項
保証契約は、書面でしなければ、その効力を生じない。3 保証契約がその内容を記録した電磁的記録によってされたときは、その保証契約は、書面によってされたものとみなして、前項の規定を適用する。
ポイント整理
保証債務の性質
- 付従性(成立・内容・消滅):主たる債務がなければ成立せず、主たる債務より重くならず(448条)、主たる債務が消滅すれば消滅する
- 随伴性:主たる債務の債権が譲渡されれば、保証債務も譲受人に移る
- 補充性:催告の抗弁(452条)・検索の抗弁(453条)。連帯保証にはない(454条)
- 要式性:書面又は電磁的記録でしなければ効力を生じない(446条2項・3項)
2019年 司法試験 第17問 肢ア
保証契約は,書面又はその内容を記録した電磁的記録によってされなければ,その効力を生じない。
解説
正しい。保証契約は書面でしなければ効力を生ぜず、電磁的記録によってされたときは書面によってされたものとみなされる(446条2項・3項)。
446条2項は、保証契約は書面でしなければその効力を生じないと定め、同条3項は、保証契約がその内容を記録した電磁的記録によってされたときは、書面によってされたものとみなして2項を適用するとしている。保証人になろうとする者は、主たる債務者との情義から深く考えずに責任を引き受けやすく、自分の負担を軽く見がちである。そこで民法は、保証の意思が外形上はっきりしている場合に限って保証契約に拘束力を認め、書面を効力要件にした。書面を要求するのは保証の意思を明確にするための手段であるから、意思が確実に記録される電磁的記録でもよいとされている。口頭の合意だけでは、当事者間に保証の合意があっても保証債務は生じない。肢はこの2つの項の内容をまとめて述べており、正しい。

民法446条2項・3項
保証契約は、書面でしなければ、その効力を生じない。3 保証契約がその内容を記録した電磁的記録によってされたときは、その保証契約は、書面によってされたものとみなして、前項の規定を適用する。
ポイント整理
保証債務の性質
- 付従性(成立・内容・消滅):主たる債務がなければ成立せず、主たる債務より重くならず(448条)、主たる債務が消滅すれば消滅する
- 随伴性:主たる債務の債権が譲渡されれば、保証債務も譲受人に移る
- 補充性:催告の抗弁(452条)・検索の抗弁(453条)。連帯保証にはない(454条)
- 要式性:書面又は電磁的記録でしなければ効力を生じない(446条2項・3項)
2012年 司法試験 第20問 肢ア
貸金等根保証契約は,書面でしなければ,その効力を生じない。
解説
正しい。保証契約は書面でしなければ効力を生じず(446条2項)、貸金等根保証契約も保証契約であるから同じである。
446条2項は、保証契約は書面でしなければその効力を生じないと定め、同条3項は、保証契約がその内容を記録した電磁的記録によってされたときは書面によってされたものとみなす。保証は保証人が対価を得ずに他人の債務を引き受けるもので、軽い気持ちで引き受けて重い責任を負う危険があるから、書面を要求して保証人に慎重な判断を促し、保証の意思を明確にさせたのである。根保証契約も、一定の範囲に属する不特定の債務を主たる債務とする点が普通の保証と違うだけで、保証契約であることに変わりはないから、同項の適用を受ける。貸金等根保証契約は、現行法でいう個人貸金等根保証契約(465条の3第1項)に当たり、書面によらなければ効力を生じない。根保証では将来発生する不特定の債務まで負担するから、書面を求める必要はむしろ一層大きい。さらに、極度額の定めも書面でしなければならない(465条の2第3項)。本肢は正しい。

民法446条2項
保証契約は、書面でしなければ、その効力を生じない。
ポイント整理
個人根保証の規律
- 極度額(465条の2):個人根保証の全部に必要。書面又は電磁的記録。なければ無効
- 元本確定期日(465条の3):個人貸金等根保証だけ。5年以内。定めがない・無効なら3年
- 全ての個人根保証の確定事由(465条の4第1項):保証人の財産への強制執行等の開始、保証人の破産、主たる債務者又は保証人の死亡
- 個人貸金等根保証だけの確定事由(465条の4第2項):主たる債務者の財産への強制執行等の開始、主たる債務者の破産
2010年 司法試験 第18問 肢ア
不動産の売買契約における売主の債務を保証することはできない。
解説
誤り。違うのは「保証することはできない」の部分である。不動産の引渡しのような不代替的な給付を目的とする債務も、その不履行によって生じる損害賠償債務を担保する趣旨で保証することができる。
446条1項は、保証人は、主たる債務者がその債務を履行しないときにその履行をする責任を負うと定める。不動産の売主の財産権移転義務のように、売主本人でなければ履行できない不代替的な給付を目的とする債務については、保証人が同じ給付をすることができないので、保証が成り立つかが問題となる。しかし、主たる債務が履行されなければ、それは損害賠償債務に変わるのであり、保証人はその損害賠償債務や、契約が解除された場合の代金返還債務を金銭で履行することができる。そこで、不代替的な給付を目的とする債務の保証は、主たる債務の不履行によって生じる債務を担保する趣旨のものとして有効と解されており、判例も、特定物の売主のための保証人は、反対の意思表示がない限り、売主の債務不履行による解除の場合の代金返還債務についても責任を負うとしている。したがって、本肢は誤りである。

民法446条1項
保証人は、主たる債務者がその債務を履行しないときに、その履行をする責任を負う。
2009年 司法試験 第24問 肢オ
保証人は,書面によらない保証契約を撤回することができる。ただし,履行の終わった部分については,この限りでない。
解説
誤り。違うのは「書面によらない保証契約を撤回することができる」の部分である。保証契約は書面でしなければ効力を生じないので(446条2項)、書面によらない保証契約はそもそも無効であり、撤回の問題とはならない。
446条2項は、保証契約は書面でしなければ、その効力を生じないと定め、同条3項は、電磁的記録によってされたときは書面によってされたものとみなすとする。保証は、保証人が対価を得ることなく他人の債務を負担するもので、情に流されて軽率に引き受けられやすく、保証人に重い負担を負わせる結果になりがちであるから、保証人が慎重に意思を決めるよう、書面を効力要件としたのである。そのため、書面によらない保証契約は初めから効力を生じず、保証人は保証債務を負わない。書面によらない贈与のように、契約は有効に成立したうえで撤回や解除によって効力を失わせるという関係にはないので、撤回を論じる余地はなく、履行の終わった部分を除くという限定も意味をなさない。この規定は平成16年改正で設けられたもので、出題当時も同じである。したがって、本肢は誤りである。

民法446条2項・3項
保証契約は、書面でしなければ、その効力を生じない。3 保証契約がその内容を記録した電磁的記録によってされたときは、その保証契約は、書面によってされたものとみなして、前項の規定を適用する。
ポイント整理
書面・方式と要物性
- 書面が効力要件:保証契約(446条2項・3項)、個人根保証の極度額の定め(465条の2第3項)、書面でする消費貸借(587条の2)
- 公正証書が効力要件:事業のための貸金等債務の個人保証の保証意思(465条の6)、事業用定期借地権、任意後見契約
- 諾成・不要式:売買・贈与・使用貸借・賃貸借・委任・請負・寄託・組合・死因贈与・抵当権設定契約
- 書面の有無で引渡し前の解除が変わる:贈与(550条)・使用貸借(593条の2)・無報酬の寄託(657条の2第2項)
2008年 司法試験 第18問 肢ア
保証契約は,書面でしなければ効力を生ぜず,電磁的記録によってされたときは,書面によってされたものとみなされる。
解説
正しい。保証契約は書面でしなければ効力を生ぜず(446条2項)、電磁的記録によってされたときは書面によってされたものとみなされる(同条3項)。
446条2項は、保証契約は書面でしなければその効力を生じないと定め、同条3項は、保証契約がその内容を記録した電磁的記録によってされたときは、書面によってされたものとみなして同条2項を適用すると定める。保証は、保証人が対価を得ずに他人の債務を引き受けるものであり、情義に駆られて安易に契約し、後に予想外の重い責任を負わされる例が多かった。そこで、平成16年改正で保証契約を要式契約とし、保証人に保証の意思を慎重に確認させ、その意思が外部にも明確になるようにしたのである。電子的な取引の普及を踏まえ、契約内容を記録した電磁的記録による場合も、保証人が内容を確認できる点で書面と変わらないから、書面と同じに扱われる。なお、保証契約は債権者と保証人の間の契約であり、主たる債務者は当事者ではない。本肢は正しい。

民法446条2項・3項
保証契約は、書面でしなければ、その効力を生じない。/保証契約がその内容を記録した電磁的記録によってされたときは、その保証契約は、書面によってされたものとみなして、前項の規定を適用する。
ポイント整理
保証債務の性質
- 付従性(成立・内容・消滅):主たる債務がなければ成立せず、主たる債務より重くならず(448条)、主たる債務が消滅すれば消滅する
- 随伴性:主たる債務の債権が譲渡されれば、保証債務も譲受人に移る
- 補充性:催告の抗弁(452条)・検索の抗弁(453条)。連帯保証にはない(454条)
- 要式性:書面又は電磁的記録でしなければ効力を生じない(446条2項・3項)
2008年 司法試験 第55問 肢4
Xが,Yに対して1000万円の支払を求める訴えを提起した場合に,Xが「Yに対して1000万円を貸し付けた。仮に借り受けたのがYではなくAであったとしても,YはAの返還債務につき保証したので,いずれにせよ1000万円の支払義務がある。」と主張しているときは,給付義務が1個であるから,訴訟物は1個である。
解説
誤り。違うのは「給付義務が1個であるから,訴訟物は1個である」の部分である。貸金返還請求権と保証債務履行請求権は実体法上別個の権利であり、訴訟物は2個である。
判例は、実体法上の請求権ごとに訴訟物を数える旧訴訟物理論に立つ。肢のXは、Yに貸し付けたことを理由とする消費貸借契約に基づく貸金返還請求権(民法587条)と、AのXに対する借入債務をYが保証したことを理由とする保証債務履行請求権(民法446条)とを主張している。両者は、発生原因となる契約が違い、主たる債務者がYかAかも違う別個の権利であるから、求める金額が同じ1000万円で、実際に受け取れるのが1000万円にとどまるとしても、訴訟物は二つであり、肢の主張は予備的併合(主位的に貸金、予備的に保証)となる。給付が1回で足りることを理由に訴訟物を一つとみるのは、一回の給付を求める法的地位を訴訟物とする新訴訟物理論の考え方であり、判例はこれを採らない。肢は誤りである。

民事訴訟法134条2項
訴状には、次に掲げる事項を記載しなければならない。一 当事者及び法定代理人 二 請求の趣旨及び原因
ポイント整理
旧訴訟物理論での訴訟物の個数
| 主張の組合せ | 訴訟物 | 理由 |
|---|
| 同じ事故による同じ身体傷害の治療費・逸失利益・慰謝料 | 1個 | 原因事実と被侵害利益が共通で、賠償請求権は一つ(最判昭48.4.5) |
| 同じ賃貸借契約の終了原因(賃料不払解除・用法違反解除)を複数主張 | 1個 | 終了原因は攻撃防御方法にすぎない |
| 貸金債権と利息債権 | 複数 | 実体法上別個の権利 |
| 貸金返還請求権と保証債務履行請求権 | 複数 | 発生原因も債務者も異なる別個の権利 |
| 所有権に基づく明渡請求と賃貸借終了に基づく明渡請求 | 複数 | 実体法上の請求権ごとに数える |
2006年 司法試験 第28問 肢1
連帯保証契約は書面によらなければ効力を生じないが,単純保証契約であれば書面によらなくても効力を生じる。
解説
誤り。違うのは「単純保証契約であれば書面によらなくても効力を生じる」の部分である。保証契約は、連帯保証か単純保証かを問わず、書面でしなければ効力を生じない(446条2項)。
446条2項は、保証契約は書面でしなければその効力を生じないと定め、同条3項は、保証契約がその内容を記録した電磁的記録によってされたときは書面によってされたものとみなす。保証は、保証人が対価を得ずに他人の債務を引き受けるものであり、情義に基づいて安易に引き受けられ、後に重い責任を負わされる例が多かったので、保証人に慎重な判断を促し、保証意思を明確にさせるために書面を効力要件としたのである。この趣旨は、催告・検索の抗弁を持つ単純保証にも、それらを持たない連帯保証にも同じように当てはまるから、446条2項はすべての保証契約に適用される。したがって、単純保証契約も書面によらなければ効力を生じず、本肢は誤りである。この書面要件は平成16年改正で設けられ、出題当時も同じであった。

民法446条2項・3項
保証契約は、書面でしなければ、その効力を生じない。/3 保証契約がその内容を記録した電磁的記録によってされたときは、その保証契約は、書面によってされたものとみなして、前項の規定を適用する。
ポイント整理
保証債務の性質
- 付従性(成立・内容・消滅):主たる債務がなければ成立せず、主たる債務より重くならず(448条)、主たる債務が消滅すれば消滅する
- 随伴性:主たる債務の債権が譲渡されれば、保証債務も譲受人に移る
- 補充性:催告の抗弁(452条)・検索の抗弁(453条)。連帯保証にはない(454条)
- 要式性:書面又は電磁的記録でしなければ効力を生じない(446条2項・3項)
第447条保証債務の範囲過去問 7
1保証債務は、主たる債務に関する利息、違約金、損害賠償その他その債務に従たるすべてのものを包含する。
2保証人は、その保証債務についてのみ、違約金又は損害賠償の額を約定することができる。
この条文の過去問 7問
2018年 予備試験 第8問 肢エ
主たる債務について違約金の定めがない場合,保証人は,債権者との間で,保証債務についてのみ違約金を約定することができない。
解説
誤り。違うのは「保証債務についてのみ違約金を約定することができない」の部分である。保証人は、その保証債務についてのみ、違約金又は損害賠償の額を約定することができる(447条2項)。
保証人の負担が債務の目的又は態様において主たる債務より重いときは、主たる債務の限度に減縮される(448条1項)。しかし447条2項は、保証人はその保証債務についてのみ、違約金又は損害賠償の額を約定することができると定めている。保証債務だけについての違約金は、主たる債務の内容を重くするものではなく、保証人が自分の保証債務をきちんと履行することを確保するための約束であり、保証人自身の債務についてだけ効力を持つにすぎないからである。そのため、主たる債務に違約金の定めがなくても、債権者と保証人は保証債務についてだけ違約金を約定でき、付従性にも反しない。肢は約定できないとしており、誤っている。なお、主たる債務に違約金の定めがあるときは、それも当然に保証の範囲に含まれる(447条1項)。

民法447条
保証債務は、主たる債務に関する利息、違約金、損害賠償その他その債務に従たるすべてのものを包含する。2 保証人は、その保証債務についてのみ、違約金又は損害賠償の額を約定することができる。
ポイント整理
保証債務の性質
- 付従性(成立・内容・消滅):主たる債務がなければ成立せず、主たる債務より重くならず(448条)、主たる債務が消滅すれば消滅する
- 随伴性:主たる債務の債権が譲渡されれば、保証債務も譲受人に移る
- 補充性:催告の抗弁(452条)・検索の抗弁(453条)。連帯保証にはない(454条)
- 要式性:書面又は電磁的記録でしなければ効力を生じない(446条2項・3項)
2018年 司法試験 第18問 肢エ
主たる債務について違約金の定めがない場合,保証人は,債権者との間で,保証債務についてのみ違約金を約定することができない。
解説
誤り。違うのは「保証債務についてのみ違約金を約定することができない」の部分である。保証人は、その保証債務についてのみ、違約金又は損害賠償の額を約定することができる(447条2項)。
保証人の負担が債務の目的又は態様において主たる債務より重いときは、主たる債務の限度に減縮される(448条1項)。しかし447条2項は、保証人はその保証債務についてのみ、違約金又は損害賠償の額を約定することができると定めている。保証債務だけについての違約金は、主たる債務の内容を重くするものではなく、保証人が自分の保証債務をきちんと履行することを確保するための約束であり、保証人自身の債務についてだけ効力を持つにすぎないからである。そのため、主たる債務に違約金の定めがなくても、債権者と保証人は保証債務についてだけ違約金を約定でき、付従性にも反しない。肢は約定できないとしており、誤っている。なお、主たる債務に違約金の定めがあるときは、それも当然に保証の範囲に含まれる(447条1項)。

民法447条
保証債務は、主たる債務に関する利息、違約金、損害賠償その他その債務に従たるすべてのものを包含する。2 保証人は、その保証債務についてのみ、違約金又は損害賠償の額を約定することができる。
ポイント整理
保証債務の性質
- 付従性(成立・内容・消滅):主たる債務がなければ成立せず、主たる債務より重くならず(448条)、主たる債務が消滅すれば消滅する
- 随伴性:主たる債務の債権が譲渡されれば、保証債務も譲受人に移る
- 補充性:催告の抗弁(452条)・検索の抗弁(453条)。連帯保証にはない(454条)
- 要式性:書面又は電磁的記録でしなければ効力を生じない(446条2項・3項)
2016年 予備試験 第10問 肢ア
賃借人の保証人は,賃貸借契約が更新された後の賃料債務についても保証債務を負うが,賃料不払によって賃貸借契約が解除された場合,賃借人が目的物を返還しないことにより賃貸人に与えた損害の賠償については保証債務を負わない。
解説
誤り。違うのは後半の「賃借人が目的物を返還しないことにより賃貸人に与えた損害の賠償については保証債務を負わない」の部分である。解除後の目的物返還義務の不履行による損害賠償も、主たる債務に従たるものとして保証の範囲に含まれる(447条1項、大判昭13.1.31)。
前半について、期間の定めのある建物賃貸借の賃借人のために保証人となった者は、反対の趣旨をうかがわせる特段の事情のない限り、更新後の賃貸借から生ずる債務についても保証の責めを負う趣旨で保証契約をしたものと解される(最判平9.11.13)。後半について、保証債務は主たる債務に関する利息、違約金、損害賠償その他その債務に従たるすべてのものを包含する(447条1項)。賃料不払で賃貸借が解除されたときに賃借人が負う目的物返還義務は、賃貸借から生じた義務が契約の終了によって形を変えたものであり、その不履行によって賃貸人に生じた明渡しまでの賃料相当損害金などの賠償義務も、主たる債務に従たるものとして保証の範囲に入る(大判昭13.1.31)。保証人は賃借人の債務を一体として担保しているからである。したがって、後半が誤っている。現行法では、個人が賃借人の債務を保証する契約は個人根保証契約となり、極度額の定めが要る(465条の2)。

民法447条1項
保証債務は、主たる債務に関する利息、違約金、損害賠償その他その債務に従たるすべてのものを包含する。
2016年 司法試験 第21問 肢ア
賃借人の保証人は,賃貸借契約が更新された後の賃料債務についても保証債務を負うが,賃料不払によって賃貸借契約が解除された場合,賃借人が目的物を返還しないことにより賃貸人に与えた損害の賠償については保証債務を負わない。
解説
誤り。違うのは後半の「賃借人が目的物を返還しないことにより賃貸人に与えた損害の賠償については保証債務を負わない」の部分である。解除後の目的物返還義務の不履行による損害賠償も、主たる債務に従たるものとして保証の範囲に含まれる(447条1項、大判昭13.1.31)。
前半について、期間の定めのある建物賃貸借の賃借人のために保証人となった者は、反対の趣旨をうかがわせる特段の事情のない限り、更新後の賃貸借から生ずる債務についても保証の責めを負う趣旨で保証契約をしたものと解される(最判平9.11.13)。後半について、保証債務は主たる債務に関する利息、違約金、損害賠償その他その債務に従たるすべてのものを包含する(447条1項)。賃料不払で賃貸借が解除されたときに賃借人が負う目的物返還義務は、賃貸借から生じた義務が契約の終了によって形を変えたものであり、その不履行によって賃貸人に生じた明渡しまでの賃料相当損害金などの賠償義務も、主たる債務に従たるものとして保証の範囲に入る(大判昭13.1.31)。保証人は賃借人の債務を一体として担保しているからである。したがって、後半が誤っている。現行法では、個人が賃借人の債務を保証する契約は個人根保証契約となり、極度額の定めが要る(465条の2)。

民法447条1項
保証債務は、主たる債務に関する利息、違約金、損害賠償その他その債務に従たるすべてのものを包含する。
2014年 予備試験 第8問 肢ア
AのBに対する債務に関して違約金の定めがなかった場合,BC間の保証契約において違約金の定めをすることはできない。
解説
誤り。違うのは「BC間の保証契約において違約金の定めをすることはできない」の部分である。保証人は、その保証債務についてのみ違約金又は損害賠償の額を約定することができる(447条2項)。
保証債務は主たる債務に従たる債務であり、その目的又は態様が主たる債務より重いときは主たる債務の限度に減縮される(448条1項)。しかし、この付従性は保証債務そのものの内容に関するものであり、保証債務の履行を確保するために付け加えられる約定にまでは及ばない。447条2項は、保証人はその保証債務についてのみ違約金又は損害賠償の額を約定することができると定め、主たる債務とは別に、保証債務の不履行に備えた違約金や損害賠償額の予定を保証契約で定めることを認めている。この約定は保証人自身が保証債務を履行しない場合の制裁であって、主たる債務の内容を重くするものではないから、付従性に反しない。したがって、AのBに対する主たる債務に違約金の定めがなくても、BC間の保証契約でCの保証債務についての違約金を定めることは妨げられない。これをできないとする肢は誤っている。

民法447条2項
保証人は、その保証債務についてのみ、違約金又は損害賠償の額を約定することができる。
2014年 司法試験 第19問 肢ア
AのBに対する債務に関して違約金の定めがなかった場合,BC間の保証契約において違約金の定めをすることはできない。
解説
誤り。違うのは「BC間の保証契約において違約金の定めをすることはできない」の部分である。保証人は、その保証債務についてのみ違約金又は損害賠償の額を約定することができる(447条2項)。
保証債務は主たる債務に従たる債務であり、その目的又は態様が主たる債務より重いときは主たる債務の限度に減縮される(448条1項)。しかし、この付従性は保証債務そのものの内容に関するものであり、保証債務の履行を確保するために付け加えられる約定にまでは及ばない。447条2項は、保証人はその保証債務についてのみ違約金又は損害賠償の額を約定することができると定め、主たる債務とは別に、保証債務の不履行に備えた違約金や損害賠償額の予定を保証契約で定めることを認めている。この約定は保証人自身が保証債務を履行しない場合の制裁であって、主たる債務の内容を重くするものではないから、付従性に反しない。したがって、AのBに対する主たる債務に違約金の定めがなくても、BC間の保証契約でCの保証債務についての違約金を定めることは妨げられない。これをできないとする肢は誤っている。

民法447条2項
保証人は、その保証債務についてのみ、違約金又は損害賠償の額を約定することができる。
2008年 司法試験 第18問 肢ウ
保証人が債権者との間で保証債務についての違約金を約定した場合には,保証人の負担は,主たる債務者の負担より重くなることがある。
解説
正しい。保証人はその保証債務についてのみ違約金を約定でき(447条2項)、その結果、保証人の負担が主たる債務者の負担より重くなることがある。
447条2項は、保証人は、その保証債務についてのみ、違約金又は損害賠償の額を約定することができると定める。保証債務は主たる債務より重くなることができないのが原則であり(448条1項)、これを内容における付従性という。しかし、保証債務についての違約金は、主たる債務の内容を変更するものではなく、保証人自身が保証債務を履行しない場合の責任を定めて、保証債務の履行を確実にするための約定にすぎない。そのため、付従性に反せず、有効に約定できるとされている。その結果、保証人が保証債務を履行しなければ、主たる債務の額に加えて違約金も支払わなければならず、保証人の負担が主たる債務者の負担より重くなることがある。本肢は正しい。

民法447条2項
保証人は、その保証債務についてのみ、違約金又は損害賠償の額を約定することができる。
第448条保証人の負担と主たる債務の目的又は態様過去問 3
1保証人の負担が債務の目的又は態様において主たる債務より重いときは、これを主たる債務の限度に減縮する。
2主たる債務の目的又は態様が保証契約の締結後に加重されたときであっても、保証人の負担は加重されない。
この条文の過去問 3問
2014年 予備試験 第8問 肢ア
AのBに対する債務に関して違約金の定めがなかった場合,BC間の保証契約において違約金の定めをすることはできない。
解説
誤り。違うのは「BC間の保証契約において違約金の定めをすることはできない」の部分である。保証人は、その保証債務についてのみ違約金又は損害賠償の額を約定することができる(447条2項)。
保証債務は主たる債務に従たる債務であり、その目的又は態様が主たる債務より重いときは主たる債務の限度に減縮される(448条1項)。しかし、この付従性は保証債務そのものの内容に関するものであり、保証債務の履行を確保するために付け加えられる約定にまでは及ばない。447条2項は、保証人はその保証債務についてのみ違約金又は損害賠償の額を約定することができると定め、主たる債務とは別に、保証債務の不履行に備えた違約金や損害賠償額の予定を保証契約で定めることを認めている。この約定は保証人自身が保証債務を履行しない場合の制裁であって、主たる債務の内容を重くするものではないから、付従性に反しない。したがって、AのBに対する主たる債務に違約金の定めがなくても、BC間の保証契約でCの保証債務についての違約金を定めることは妨げられない。これをできないとする肢は誤っている。

民法447条2項
保証人は、その保証債務についてのみ、違約金又は損害賠償の額を約定することができる。
2014年 司法試験 第19問 肢ア
AのBに対する債務に関して違約金の定めがなかった場合,BC間の保証契約において違約金の定めをすることはできない。
解説
誤り。違うのは「BC間の保証契約において違約金の定めをすることはできない」の部分である。保証人は、その保証債務についてのみ違約金又は損害賠償の額を約定することができる(447条2項)。
保証債務は主たる債務に従たる債務であり、その目的又は態様が主たる債務より重いときは主たる債務の限度に減縮される(448条1項)。しかし、この付従性は保証債務そのものの内容に関するものであり、保証債務の履行を確保するために付け加えられる約定にまでは及ばない。447条2項は、保証人はその保証債務についてのみ違約金又は損害賠償の額を約定することができると定め、主たる債務とは別に、保証債務の不履行に備えた違約金や損害賠償額の予定を保証契約で定めることを認めている。この約定は保証人自身が保証債務を履行しない場合の制裁であって、主たる債務の内容を重くするものではないから、付従性に反しない。したがって、AのBに対する主たる債務に違約金の定めがなくても、BC間の保証契約でCの保証債務についての違約金を定めることは妨げられない。これをできないとする肢は誤っている。

民法447条2項
保証人は、その保証債務についてのみ、違約金又は損害賠償の額を約定することができる。
2008年 司法試験 第18問 肢ウ
保証人が債権者との間で保証債務についての違約金を約定した場合には,保証人の負担は,主たる債務者の負担より重くなることがある。
解説
正しい。保証人はその保証債務についてのみ違約金を約定でき(447条2項)、その結果、保証人の負担が主たる債務者の負担より重くなることがある。
447条2項は、保証人は、その保証債務についてのみ、違約金又は損害賠償の額を約定することができると定める。保証債務は主たる債務より重くなることができないのが原則であり(448条1項)、これを内容における付従性という。しかし、保証債務についての違約金は、主たる債務の内容を変更するものではなく、保証人自身が保証債務を履行しない場合の責任を定めて、保証債務の履行を確実にするための約定にすぎない。そのため、付従性に反せず、有効に約定できるとされている。その結果、保証人が保証債務を履行しなければ、主たる債務の額に加えて違約金も支払わなければならず、保証人の負担が主たる債務者の負担より重くなることがある。本肢は正しい。

民法447条2項
保証人は、その保証債務についてのみ、違約金又は損害賠償の額を約定することができる。
第449条取り消すことができる債務の保証過去問 5
行為能力の制限によって取り消すことができる債務を保証した者は、保証契約の時においてその取消しの原因を知っていたときは、主たる債務の不履行の場合又はその債務の取消しの場合においてこれと同一の目的を有する独立の債務を負担したものと推定する。
この条文の過去問 5問
2022年 司法試験 第19問 肢ア
制限行為能力を理由に取り消すことができる債務を保証した者は、保証契約締結時にその取消しの原因を知っていたときは、主たる債務の不履行の場合又はその債務の取消しの場合においてこれと同一の目的を有する独立の債務を負担したものと推定される。
解説
正しい。行為能力の制限で取り消せる債務を、取消しの原因を知って保証した者は、同一の目的を有する独立の債務を負担したものと推定される(449条)。
449条は、行為能力の制限によって取り消すことができる債務を保証した者は、保証契約の時においてその取消しの原因を知っていたときは、主たる債務の不履行の場合又はその債務の取消しの場合においてこれと同一の目的を有する独立の債務を負担したものと推定すると定めており、肢はこの条文のとおりである。主たる債務が取り消されれば初めから無効となり(121条)、付従性からすれば保証債務も消えるはずである。しかし、取り消される可能性があると知りながらあえて保証した者は、取り消された場合にも自分が債権者に同じものを給付するつもりだったと考えるのが自然である。そこで、そのような保証人は独立の債務を負ったものと推定したのである。推定であるから、保証人が反対の意思を証明すれば覆る。肢は正しい。

民法449条
行為能力の制限によって取り消すことができる債務を保証した者は、保証契約の時においてその取消しの原因を知っていたときは、主たる債務の不履行の場合又はその債務の取消しの場合においてこれと同一の目的を有する独立の債務を負担したものと推定する。
2018年 予備試験 第8問 肢イ
未成年者が法定代理人の同意を得ずに債務を負担する行為をした場合において,その債務の保証人は,保証契約締結の当時,未成年者が法定代理人の同意を得ずに債務を負担する行為をしたことを知っており,かつ,その後に,当該未成年者の行為が,未成年者の行為であることを理由に取り消されたときは,当該未成年者が負担していた債務と同一の目的を有する独立の債務を負担したものと推定される。
解説
正しい。行為能力の制限によって取り消せる債務を、取消しの原因を知って保証した者は、債務が取り消されたときに同一の目的を有する独立の債務を負担したものと推定される(449条)。
保証債務は主たる債務がなければ成立しないので、主たる債務が取り消されれば保証債務も消えるのが原則である。しかし、制限行為能力を理由に取り消せる債務を、その事情を知りながら保証した者は、取り消されたときでも自分が責任を負うつもりで保証したと考えるのが自然である。そこで449条は、行為能力の制限によって取り消すことができる債務を保証した者が、保証契約の時においてその取消しの原因を知っていたときは、主たる債務の不履行の場合又はその債務の取消しの場合においてこれと同一の目的を有する独立の債務を負担したものと推定すると定めている。本肢の保証人は、未成年者が法定代理人の同意を得ずに債務を負担したこと、つまり取消しの原因を知っていたから、未成年者の行為が取り消されても、独立の債務を負担したものと推定される。推定であるから、反対の意思を証明すれば覆る。

民法449条
行為能力の制限によって取り消すことができる債務を保証した者は、保証契約の時においてその取消しの原因を知っていたときは、主たる債務の不履行の場合又はその債務の取消しの場合においてこれと同一の目的を有する独立の債務を負担したものと推定する。
ポイント整理
保証債務の性質
- 付従性(成立・内容・消滅):主たる債務がなければ成立せず、主たる債務より重くならず(448条)、主たる債務が消滅すれば消滅する
- 随伴性:主たる債務の債権が譲渡されれば、保証債務も譲受人に移る
- 補充性:催告の抗弁(452条)・検索の抗弁(453条)。連帯保証にはない(454条)
- 要式性:書面又は電磁的記録でしなければ効力を生じない(446条2項・3項)
2018年 司法試験 第18問 肢イ
未成年者が法定代理人の同意を得ずに債務を負担する行為をした場合において,その債務の保証人は,保証契約締結の当時,未成年者が法定代理人の同意を得ずに債務を負担する行為をしたことを知っており,かつ,その後に,当該未成年者の行為が,未成年者の行為であることを理由に取り消されたときは,当該未成年者が負担していた債務と同一の目的を有する独立の債務を負担したものと推定される。
解説
正しい。行為能力の制限によって取り消せる債務を、取消しの原因を知って保証した者は、債務が取り消されたときに同一の目的を有する独立の債務を負担したものと推定される(449条)。
保証債務は主たる債務がなければ成立しないので、主たる債務が取り消されれば保証債務も消えるのが原則である。しかし、制限行為能力を理由に取り消せる債務を、その事情を知りながら保証した者は、取り消されたときでも自分が責任を負うつもりで保証したと考えるのが自然である。そこで449条は、行為能力の制限によって取り消すことができる債務を保証した者が、保証契約の時においてその取消しの原因を知っていたときは、主たる債務の不履行の場合又はその債務の取消しの場合においてこれと同一の目的を有する独立の債務を負担したものと推定すると定めている。本肢の保証人は、未成年者が法定代理人の同意を得ずに債務を負担したこと、つまり取消しの原因を知っていたから、未成年者の行為が取り消されても、独立の債務を負担したものと推定される。推定であるから、反対の意思を証明すれば覆る。

民法449条
行為能力の制限によって取り消すことができる債務を保証した者は、保証契約の時においてその取消しの原因を知っていたときは、主たる債務の不履行の場合又はその債務の取消しの場合においてこれと同一の目的を有する独立の債務を負担したものと推定する。
ポイント整理
保証債務の性質
- 付従性(成立・内容・消滅):主たる債務がなければ成立せず、主たる債務より重くならず(448条)、主たる債務が消滅すれば消滅する
- 随伴性:主たる債務の債権が譲渡されれば、保証債務も譲受人に移る
- 補充性:催告の抗弁(452条)・検索の抗弁(453条)。連帯保証にはない(454条)
- 要式性:書面又は電磁的記録でしなければ効力を生じない(446条2項・3項)
2014年 予備試験 第8問 肢イ
Aが未成年者であって,その法定代理人の同意を得ないでBに対する債務を負担する行為をした場合において,Cが,保証契約締結の当時,そのことを知っており,その後,Aの行為が取り消されたときには,Cは,Aの負担していた債務と同一の目的を有する独立の債務を負担したものと推定される。
解説
正しい。行為能力の制限によって取り消すことができる債務を、取消しの原因を知りながら保証した者は、債務が取り消されたときは同一の目的を有する独立の債務を負担したものと推定される(449条)。
未成年者が法定代理人の同意を得ずにした債務負担行為は取り消すことができ(5条2項)、取り消されれば主たる債務は初めから無効であったものとみなされる(121条)。付従性からすれば、保証債務もこれに伴って消滅するはずである。しかし449条は、行為能力の制限によって取り消すことができる債務を保証した者は、保証契約の時にその取消しの原因を知っていたときは、主たる債務の不履行の場合又はその債務の取消しの場合において、これと同一の目的を有する独立の債務を負担したものと推定すると定める。取り消されるおそれを知りながらあえて保証した者は、取消しによって主たる債務が消えても自分が履行するつもりであったとみるのが当事者の合理的な意思にかない、債権者の担保への期待も守られるからである。本肢のCは、保証契約の時にAが未成年者で同意を得ていないことを知っており、Aの行為が取り消されたから、449条の推定が働く。推定であるから、Cは反対の意思を立証して覆すことができる。肢は正しい。

民法449条
行為能力の制限によって取り消すことができる債務を保証した者は、保証契約の時においてその取消しの原因を知っていたときは、主たる債務の不履行の場合又はその債務の取消しの場合においてこれと同一の目的を有する独立の債務を負担したものと推定する。
2014年 司法試験 第19問 肢イ
Aが未成年者であって,その法定代理人の同意を得ないでBに対する債務を負担する行為をした場合において,Cが,保証契約締結の当時,そのことを知っており,その後,Aの行為が取り消されたときには,Cは,Aの負担していた債務と同一の目的を有する独立の債務を負担したものと推定される。
解説
正しい。行為能力の制限によって取り消すことができる債務を、取消しの原因を知りながら保証した者は、債務が取り消されたときは同一の目的を有する独立の債務を負担したものと推定される(449条)。
未成年者が法定代理人の同意を得ずにした債務負担行為は取り消すことができ(5条2項)、取り消されれば主たる債務は初めから無効であったものとみなされる(121条)。付従性からすれば、保証債務もこれに伴って消滅するはずである。しかし449条は、行為能力の制限によって取り消すことができる債務を保証した者は、保証契約の時にその取消しの原因を知っていたときは、主たる債務の不履行の場合又はその債務の取消しの場合において、これと同一の目的を有する独立の債務を負担したものと推定すると定める。取り消されるおそれを知りながらあえて保証した者は、取消しによって主たる債務が消えても自分が履行するつもりであったとみるのが当事者の合理的な意思にかない、債権者の担保への期待も守られるからである。本肢のCは、保証契約の時にAが未成年者で同意を得ていないことを知っており、Aの行為が取り消されたから、449条の推定が働く。推定であるから、Cは反対の意思を立証して覆すことができる。肢は正しい。

民法449条
行為能力の制限によって取り消すことができる債務を保証した者は、保証契約の時においてその取消しの原因を知っていたときは、主たる債務の不履行の場合又はその債務の取消しの場合においてこれと同一の目的を有する独立の債務を負担したものと推定する。
第450条保証人の要件過去問 3
1債務者が保証人を立てる義務を負う場合には、その保証人は、次に掲げる要件を具備する者でなければならない。行為能力者であること。弁済をする資力を有すること。
1 行為能力者であること。
2 弁済をする資力を有すること。
2保証人が前項第二号に掲げる要件を欠くに至ったときは、債権者は、同項各号に掲げる要件を具備する者をもってこれに代えることを請求することができる。
3前二項の規定は、債権者が保証人を指名した場合には、適用しない。
この条文の過去問 3問
2019年 予備試験 第7問 肢イ
保証人は,債権者が保証人を指名した場合でも,行為能力者であることを要する。
解説
誤り。違うのは「債権者が保証人を指名した場合でも,行為能力者であることを要する」の部分である。行為能力者であることなどの要件は、債権者が保証人を指名した場合には適用されない(450条3項)。
450条1項は、債務者が保証人を立てる義務を負う場合には、その保証人は行為能力者であり、かつ弁済をする資力を有する者でなければならないと定める。制限行為能力者が保証人になると保証契約が取り消されるおそれがあり、担保として不安定になるからである。しかし、この要件は、債務者が自分で保証人を選んで立てる場合に債権者を守るためのものである。債権者が自ら特定の者を保証人に指名したのであれば、その者の能力や資力を承知で受け入れたことになり、保護する必要はない。そこで同条3項は、1項と2項の規定は債権者が保証人を指名した場合には適用しないと定めている。資力を欠くに至ったときに代わりの保証人を請求できる2項も、指名した場合には適用されない。肢は指名した場合でも行為能力者であることを要するとしており、誤っている。

民法450条1項・3項
債務者が保証人を立てる義務を負う場合には、その保証人は、次に掲げる要件を具備する者でなければならない。一 行為能力者であること。二 弁済をする資力を有すること。(中略)3 前二項の規定は、債権者が保証人を指名した場合には、適用しない。
2019年 司法試験 第17問 肢イ
保証人は,債権者が保証人を指名した場合でも,行為能力者であることを要する。
解説
誤り。違うのは「債権者が保証人を指名した場合でも,行為能力者であることを要する」の部分である。行為能力者であることなどの要件は、債権者が保証人を指名した場合には適用されない(450条3項)。
450条1項は、債務者が保証人を立てる義務を負う場合には、その保証人は行為能力者であり、かつ弁済をする資力を有する者でなければならないと定める。制限行為能力者が保証人になると保証契約が取り消されるおそれがあり、担保として不安定になるからである。しかし、この要件は、債務者が自分で保証人を選んで立てる場合に債権者を守るためのものである。債権者が自ら特定の者を保証人に指名したのであれば、その者の能力や資力を承知で受け入れたことになり、保護する必要はない。そこで同条3項は、1項と2項の規定は債権者が保証人を指名した場合には適用しないと定めている。資力を欠くに至ったときに代わりの保証人を請求できる2項も、指名した場合には適用されない。肢は指名した場合でも行為能力者であることを要するとしており、誤っている。

民法450条1項・3項
債務者が保証人を立てる義務を負う場合には、その保証人は、次に掲げる要件を具備する者でなければならない。一 行為能力者であること。二 弁済をする資力を有すること。(中略)3 前二項の規定は、債権者が保証人を指名した場合には、適用しない。
2010年 司法試験 第5問 肢ウ
金銭債務の債務者が担保を提供する義務を負う場合において,担保を提供しないときは,債務者は,期限の利益を主張することができない。
解説
正しい。債務者が担保を供する義務を負う場合においてこれを供しないときは、債務者は期限の利益を主張することができない(137条3号)。
136条1項は、期限は債務者の利益のために定めたものと推定すると定め、債務者は期限が来るまで履行を拒むことができるのが原則である。もっとも、137条は、債務者が破産手続開始の決定を受けたとき(1号)、担保を滅失させ、損傷させ、又は減少させたとき(2号)、担保を供する義務を負う場合においてこれを供しないとき(3号)は、債務者は期限の利益を主張することができないと定める。期限の猶予は債務者を信用して与えられるものであるが、これらの場合には債務者の資力や誠実さへの信頼が失われ、将来の履行が危うくなっているので、なお債権者に期限まで待つことを強いるのは不当だからである。担保を供する義務は、契約で担保の提供を約束した場合のほか、保証人を立てる義務を負う場合(450条)などに生じる。したがって、本肢は正しい。

民法137条
次に掲げる場合には、債務者は、期限の利益を主張することができない。一 債務者が破産手続開始の決定を受けたとき。二 債務者が担保を滅失させ、損傷させ、又は減少させたとき。三 債務者が担保を供する義務を負う場合において、これを供しないとき。
ポイント整理
期限の利益(136条・137条)
- 136条1項:期限は債務者の利益のために定めたものと推定される
- 136条2項:期限の利益は放棄できるが、相手方の利益を害することはできない
- 137条1号:債務者が破産手続開始の決定を受けたとき
- 137条2号:債務者が担保を滅失させ、損傷させ、又は減少させたとき
- 137条3号:債務者が担保を供する義務を負う場合においてこれを供しないとき
第451条他の担保の供与
債務者は、前条第一項各号に掲げる要件を具備する保証人を立てることができないときは、他の担保を供してこれに代えることができる。
第452条催告の抗弁過去問 2
債権者が保証人に債務の履行を請求したときは、保証人は、まず主たる債務者に催告をすべき旨を請求することができる。ただし、主たる債務者が破産手続開始の決定を受けたとき、又はその行方が知れないときは、この限りでない。
この条文の過去問 2問
2013年 予備試験 第30問 肢オ
Cが,Aに弁済をする資力があり,かつ,執行が容易であることを証明した場合でも,Bは,Aの財産についてではなく,Cの財産について執行することができる。
解説
正しい。手形保証人は保証した者と同一の責任を負い、手形債務者と合同して所持人に責任を負うので(手形法32条1項・47条)、民法の保証人のような検索の抗弁を持たない。
民法上の保証債務には補充性があり、保証人は、主たる債務者に弁済の資力があり、かつ執行が容易であることを証明したときは、まず主たる債務者の財産について執行すべきことを主張して履行を拒める(検索の抗弁、民法453条)。催告の抗弁もある(民法452条)。しかし手形保証にはこの補充性がない。手形保証人はその保証した者と同一の責任を負い(手形法77条3項・32条1項)、被保証人と並んで所持人に直接責任を負う。さらに手形上の署名者は所持人に対して合同して責任を負い、所持人はその一人、数人又は全員に対し、債務を負担した順序にかかわらず請求できる(77条1項4号・47条1項・2項)。保証人に催告や検索の抗弁を認めると取立てが遅れ、手形保証の担保としての働きが損なわれるからである。したがって手形保証人は催告の抗弁も検索の抗弁も持たない。Cに検索の抗弁がない以上、BはAの財産に先に執行する必要がなく、直ちにCの財産に執行できる。

手形法47条1項
為替手形ノ振出、引受、裏書又ハ保証ヲ為シタル者ハ所持人ニ対シ合同シテ其ノ責ニ任ズ
ポイント整理
手形保証と民法の保証の違い
- 方式: 手形又は補箋への署名。表面の単なる署名は保証とみなす(31条3項)
- 独立性: 主たる債務が方式の瑕疵以外の理由で無効・取消しでも有効(32条2項)
- 付従性: 主たる債務が時効で消滅すれば保証債務も消滅(最判昭和45年6月18日)。原因債務の不発生が確定すれば権利濫用で拒める(最判昭和45年3月31日)
- 責任: 合同責任(47条)。催告・検索の抗弁なし。振出人の保証人への請求に遡求権保全は不要
- 時効: 振出人への請求の完成猶予・更新は保証人に及ばない(71条)
2012年 司法試験 第30問 肢1
AB間に成立した保証が連帯保証ではない場合に,債権者Aが保証人Bに対し保証債務の履行を請求する訴訟において,Aは,主たる債務者に催告をしたことを請求原因として主張立証しなければならない。
解説
誤り。違うのは「主たる債務者に催告をしたことを請求原因として主張立証しなければならない」の部分である。催告の抗弁は保証人が行使してはじめて問題となる抗弁であり(452条)、債権者が請求原因として催告を主張立証する必要はない。
452条本文は、債権者が保証人に債務の履行を請求したときは、保証人はまず主たる債務者に催告をすべき旨を請求することができると定める。この催告の抗弁は、保証債務の補充性に基づき、保証人に一時的に履行を拒む権利を与えるものであり、保証人がこれを行使するという意思を表示してはじめて効果が生ずる権利抗弁である。保証債務履行請求権は、保証契約の成立と主たる債務の存在によって発生し、主たる債務者への催告はその発生の要件ではない。したがって、債権者Aは、請求原因として主たる債務者に催告をしたことを主張立証する必要はなく、保証人Bが催告の抗弁を主張したときに、再抗弁として催告をしたことを主張立証すれば足りる。主張立証の負担は、権利の発生を主張する者と、その行使を一時的に阻む事情を主張する者とで分けられるのである。なお、連帯保証人には催告の抗弁はない(454条)。本肢は催告を請求原因としている点が誤りである。

民法452条
債権者が保証人に債務の履行を請求したときは、保証人は、まず主たる債務者に催告をすべき旨を請求することができる。ただし、主たる債務者が破産手続開始の決定を受けたとき、又はその行方が知れないときは、この限りでない。
ポイント整理
本問の主張立証の位置づけ
| 訴訟 | 事実 | 位置づけ |
|---|
| 保証債務履行請求 | 主たる債務者への催告 | 被告の催告の抗弁に対する再抗弁(催告の抗弁は権利抗弁) |
| 請負報酬請求 | 目的物の引渡し | 被告の同時履行の抗弁に対する再抗弁(仕事の完成は請求原因) |
| 売買代金請求 | 目的物の引渡しの提供 | 被告の同時履行の抗弁に対する再抗弁 |
| 貸金返還請求に対する相殺の抗弁 | 自働債権の目的物の引渡しの提供 | 相殺の抗弁の要件(同時履行の抗弁権が付いた自働債権では相殺できない) |
第453条検索の抗弁過去問 3
債権者が前条の規定に従い主たる債務者に催告をした後であっても、保証人が主たる債務者に弁済をする資力があり、かつ、執行が容易であることを証明したときは、債権者は、まず主たる債務者の財産について執行をしなければならない。
この条文の過去問 3問
2013年 予備試験 第30問 肢オ
Cが,Aに弁済をする資力があり,かつ,執行が容易であることを証明した場合でも,Bは,Aの財産についてではなく,Cの財産について執行することができる。
解説
正しい。手形保証人は保証した者と同一の責任を負い、手形債務者と合同して所持人に責任を負うので(手形法32条1項・47条)、民法の保証人のような検索の抗弁を持たない。
民法上の保証債務には補充性があり、保証人は、主たる債務者に弁済の資力があり、かつ執行が容易であることを証明したときは、まず主たる債務者の財産について執行すべきことを主張して履行を拒める(検索の抗弁、民法453条)。催告の抗弁もある(民法452条)。しかし手形保証にはこの補充性がない。手形保証人はその保証した者と同一の責任を負い(手形法77条3項・32条1項)、被保証人と並んで所持人に直接責任を負う。さらに手形上の署名者は所持人に対して合同して責任を負い、所持人はその一人、数人又は全員に対し、債務を負担した順序にかかわらず請求できる(77条1項4号・47条1項・2項)。保証人に催告や検索の抗弁を認めると取立てが遅れ、手形保証の担保としての働きが損なわれるからである。したがって手形保証人は催告の抗弁も検索の抗弁も持たない。Cに検索の抗弁がない以上、BはAの財産に先に執行する必要がなく、直ちにCの財産に執行できる。

手形法47条1項
為替手形ノ振出、引受、裏書又ハ保証ヲ為シタル者ハ所持人ニ対シ合同シテ其ノ責ニ任ズ
ポイント整理
手形保証と民法の保証の違い
- 方式: 手形又は補箋への署名。表面の単なる署名は保証とみなす(31条3項)
- 独立性: 主たる債務が方式の瑕疵以外の理由で無効・取消しでも有効(32条2項)
- 付従性: 主たる債務が時効で消滅すれば保証債務も消滅(最判昭和45年6月18日)。原因債務の不発生が確定すれば権利濫用で拒める(最判昭和45年3月31日)
- 責任: 合同責任(47条)。催告・検索の抗弁なし。振出人の保証人への請求に遡求権保全は不要
- 時効: 振出人への請求の完成猶予・更新は保証人に及ばない(71条)
2012年 予備試験 第9問 肢5
共同保証人の一人が債権者に対し保証債務を弁済し,他の共同保証人に対して求償をした場合において,求償を受けた保証人が,主たる債務者に弁済をする資力があり,かつ,執行が容易であることを証明したときは,債権者に弁済をした保証人は,まず主たる債務者に求償権を行使しなければならない。
解説
誤り。違うのは「債権者に弁済をした保証人は、まず主たる債務者に求償権を行使しなければならない」の部分である。共同保証人間の求償について465条は検索の抗弁(453条)を準用しておらず、求償を受けた保証人は主たる債務者への求償を先にするよう求めることはできない。
453条の検索の抗弁は、債権者から請求を受けた保証人が、主たる債務者に弁済の資力があり執行が容易であることを証明して、まず主たる債務者の財産に執行させるものであり、債権者と保証人の間で働く抗弁である。共同保証人間の求償については、465条1項が連帯債務者間の求償の規定(442条から444条)を、同条2項が委託を受けない保証人の求償の規定(462条)を準用するだけで、453条は準用していない。判例も、共同保証人間の求償権は、主たる債務者の資力が不十分な場合に弁済した保証人だけが損失を負担するのは共同保証人間の公平に反することから、共同保証人間の負担を最終的に調整するためのものであるとしている。この求償権は主たる債務者への求償権とは別に成り立つから、求償を受けた保証人は、主たる債務者に資力があることを理由に求償を拒むことはできない。したがって、肢は誤りである。

民法465条
第四百四十二条から第四百四十四条までの規定は、数人の保証人がある場合において、そのうちの一人の保証人が、主たる債務が不可分であるため又は各保証人が全額を弁済すべき旨の特約があるため、その全額又は自己の負担部分を超える額を弁済したときについて準用する。2 第四百六十二条の規定は、前項に規定する場合を除き、互いに連帯しない保証人の一人が全額又は自己の負担部分を超える額を弁済したときについて準用する。
ポイント整理
保証人の求償の範囲
- 委託を受けた保証人(459条):支出額+免責日以後の法定利息・避けられなかった費用その他の損害
- 委託を受けない保証人(462条1項):主たる債務者がその当時利益を受けた限度
- 主たる債務者の意思に反する保証人(462条2項):主たる債務者が現に利益を受けている限度
- 連帯債務者の一人のための保証人(464条):他の連帯債務者には負担部分のみ
- 共同保証人間(465条):自己の負担部分を超えて弁済したときに限り、他の共同保証人に求償できる
2009年 司法試験 第19問 肢イ
保証人が検索の抗弁権を行使するためには,主たる債務者に弁済の資力があること及び主たる債務者の財産が執行の容易なものであることを証明する必要がある。
解説
正しい。保証人が検索の抗弁を主張するには、主たる債務者に弁済をする資力があり、かつ、執行が容易であることを証明しなければならない(453条)。
453条は、債権者が452条に従い主たる債務者に催告をした後であっても、保証人が主たる債務者に弁済をする資力があり、かつ、執行が容易であることを証明したときは、債権者はまず主たる債務者の財産について執行をしなければならないと定める。保証債務は主たる債務が履行されない場合に備えるものであり、補充的な性質を持つので、主たる債務者に十分な財産があるのに保証人から先に取り立てることは保証の性質に反する。他方で、債権者に無益な執行を強いることは避けなければならないので、保証人の側で、主たる債務者に弁済の資力があることと、その財産への執行が容易であることの双方を証明させることとしたのである。保証人がこれを証明すれば、債権者はまず主たる債務者の財産に執行しなければならない。なお、連帯保証人には催告の抗弁と検索の抗弁が認められない(454条)。したがって、本肢は正しい。

民法453条
債権者が前条の規定に従い主たる債務者に催告をした後であっても、保証人が主たる債務者に弁済をする資力があり、かつ、執行が容易であることを証明したときは、債権者は、まず主たる債務者の財産について執行をしなければならない。
第454条連帯保証の場合の特則
保証人は、主たる債務者と連帯して債務を負担したときは、前二条の権利を有しない。
第455条催告の抗弁及び検索の抗弁の効果過去問 2
第四百五十二条又は第四百五十三条の規定により保証人の請求又は証明があったにもかかわらず、債権者が催告又は執行をすることを怠ったために主たる債務者から全部の弁済を得られなかったときは、保証人は、債権者が直ちに催告又は執行をすれば弁済を得ることができた限度において、その義務を免れる。
この条文の過去問 2問
2019年 予備試験 第7問 肢オ
保証人が催告の抗弁権を行使したにもかかわらず,債権者が催告を怠ったために主たる債務者から全部の弁済を得られなかったときは,保証人は,債権者が直ちに催告をすれば弁済を得ることができた限度において,その義務を免れる。
解説
正しい。催告の抗弁があったのに債権者が催告を怠って全部の弁済を得られなかったときは、保証人は、直ちに催告すれば弁済を得られた限度で義務を免れる(455条)。
単純保証の保証人は主たる債務者が履行しないときに初めて責任を負う補充的な立場にあり、債権者から履行を請求されたときは、まず主たる債務者に催告するよう請求できる(452条本文)。そして455条は、452条又は453条により保証人の請求又は証明があったにもかかわらず、債権者が催告又は執行をすることを怠ったために主たる債務者から全部の弁済を得られなかったときは、保証人は、債権者が直ちに催告又は執行をすれば弁済を得ることができた限度において義務を免れると定める。抗弁が出されたのに債権者がこれを無視し、そのせいで回収できなくなった不利益を保証人に負わせるのは公平でないからである。肢は催告の抗弁が出された場面についてこの規律を述べており、正しい。連帯保証人は催告の抗弁も検索の抗弁も持たない(454条)ので、455条の問題は生じない。

民法455条
第四百五十二条又は第四百五十三条の規定により保証人の請求又は証明があったにもかかわらず、債権者が催告又は執行をすることを怠ったために主たる債務者から全部の弁済を得られなかったときは、保証人は、債権者が直ちに催告又は執行をすれば弁済を得ることができた限度において、その義務を免れる。
2019年 司法試験 第17問 肢オ
保証人が催告の抗弁権を行使したにもかかわらず,債権者が催告を怠ったために主たる債務者から全部の弁済を得られなかったときは,保証人は,債権者が直ちに催告をすれば弁済を得ることができた限度において,その義務を免れる。
解説
正しい。催告の抗弁があったのに債権者が催告を怠って全部の弁済を得られなかったときは、保証人は、直ちに催告すれば弁済を得られた限度で義務を免れる(455条)。
単純保証の保証人は主たる債務者が履行しないときに初めて責任を負う補充的な立場にあり、債権者から履行を請求されたときは、まず主たる債務者に催告するよう請求できる(452条本文)。そして455条は、452条又は453条により保証人の請求又は証明があったにもかかわらず、債権者が催告又は執行をすることを怠ったために主たる債務者から全部の弁済を得られなかったときは、保証人は、債権者が直ちに催告又は執行をすれば弁済を得ることができた限度において義務を免れると定める。抗弁が出されたのに債権者がこれを無視し、そのせいで回収できなくなった不利益を保証人に負わせるのは公平でないからである。肢は催告の抗弁が出された場面についてこの規律を述べており、正しい。連帯保証人は催告の抗弁も検索の抗弁も持たない(454条)ので、455条の問題は生じない。

民法455条
第四百五十二条又は第四百五十三条の規定により保証人の請求又は証明があったにもかかわらず、債権者が催告又は執行をすることを怠ったために主たる債務者から全部の弁済を得られなかったときは、保証人は、債権者が直ちに催告又は執行をすれば弁済を得ることができた限度において、その義務を免れる。
第456条数人の保証人がある場合過去問 2
数人の保証人がある場合には、それらの保証人が各別の行為により債務を負担したときであっても、第四百二十七条の規定を適用する。
この条文の過去問 2問
2025年 予備試験 第8問 肢イ
Cの保証債務が連帯保証債務であり、Dも貸金債務甲について連帯保証をしているときは、CのBに対する連帯保証債務の額は、貸金債務甲の額の2分の1となる。
解説
誤り。違うのは「貸金債務甲の額の2分の1となる」の部分である。
456条は、数人の保証人がある場合には、各別の行為により債務を負担したときであっても427条を適用すると定め、各保証人は頭数で割った額についてだけ責任を負う。これを分別の利益という。しかし、連帯保証人は、共同保証の場合でも分別の利益を持たない(大判大10.5.23)。連帯保証は保証人が主たる債務者と連帯して債務を負う保証であり、各自が主たる債務の全額について責任を負うことを内容とするので、456条を及ぼすと債権者が担保を強めるために連帯保証を求めた意味がなくなるからである。したがって、CとDがともに連帯保証人であっても、CはBに対して貸金債務甲の全額について保証債務を負う。Cが自己の負担部分を超えて弁済したときは、Aへの求償に加えて、Dにも求償できる(465条1項)。

民法456条
数人の保証人がある場合には、それらの保証人が各別の行為により債務を負担したときであっても、第四百二十七条の規定を適用する。
2021年 予備試験 第8問 肢オ
Cの保証債務が連帯保証債務であり,Dも甲債権について連帯保証をしていた場合には,CとDが負う連帯保証債務の額は各500万円となる。
解説
誤り。違うのは「各500万円となる」の部分である。連帯保証人には分別の利益がないから、CとDはそれぞれ1000万円の全額について保証債務を負う。
456条は、数人の保証人がある場合には、各別の行為によって債務を負担したときであっても427条を適用すると定める。したがって、通常の保証人が複数いるときは、各保証人は主たる債務の額を保証人の数で割った額についてだけ保証債務を負う(分別の利益)。しかし、連帯保証人は主たる債務者と連帯して債務を負うのであるから、主たる債務の全額について履行する義務を負うのが連帯保証の中身であり、分別の利益は認められない。判例も、連帯保証人は共同保証の場合でも分別の利益を有しないとしている(大判大10.5.23)。連帯保証は債権者が確実に全額を回収できるようにするための特約であるから、保証人が増えたことで一人あたりの責任が軽くなるのは特約の趣旨に反するのである。本肢のCとDはいずれも甲債権について連帯保証をしているから、それぞれ1000万円の全額について保証債務を負う。共同保証人の一人が自己の負担部分を超えて弁済したときに他の保証人に求償できる(465条1項)のは、弁済後の内部の調整の問題である。

民法456条
数人の保証人がある場合には、それらの保証人が各別の行為により債務を負担したときであっても、第四百二十七条の規定を適用する。
ポイント整理
保証債務の成立と性質
- 当事者:債権者と保証人の保証契約で成立する。主たる債務者との合意は要らない
- 要式性:書面又は電磁的記録でしなければ効力を生じない(446条2項・3項)
- 付従性:主たる債務がなければ成立せず、主たる債務より重くならず(448条)、主たる債務が消滅すれば消滅する
- 補充性:催告の抗弁(452条)・検索の抗弁(453条)。連帯保証にはない(454条)
- 分別の利益(456条・427条):共同保証人は頭数で分割された額を負う。連帯保証人にはない
第457条主たる債務者について生じた事由の効力過去問 11
1主たる債務者に対する履行の請求その他の事由による時効の完成猶予及び更新は、保証人に対しても、その効力を生ずる。
2保証人は、主たる債務者が主張することができる抗弁をもって債権者に対抗することができる。
3主たる債務者が債権者に対して相殺権、取消権又は解除権を有するときは、これらの権利の行使によって主たる債務者がその債務を免れるべき限度において、保証人は、債権者に対して債務の履行を拒むことができる。
この条文の過去問 11問
2022年 予備試験 第2問 肢ア
取り消すことができる法律行為に基づく債務を保証した者は、その法律行為を取り消すことができない。
解説
正しい。取消権者は120条が限定しており、保証人はこれに含まれないから、主たる債務の発生原因である法律行為を保証人が取り消すことはできない。
120条は、行為能力の制限による取消しについては制限行為能力者本人・その代理人・承継人・同意をすることができる者に、錯誤・詐欺・強迫による取消しについては瑕疵ある意思表示をした者・その代理人・承継人に、取消権者を限っている。取消しは、意思表示に瑕疵があった者や保護されるべき者が、その法律行為の効力を維持するか否かを選ぶための権利であるから、法律行為の当事者でない保証人にその選択を委ねる理由はない。判例も、取り消すことができる行為に基づく債務の保証人は取消権を有しないとしている(大判昭20.5.21)。もっとも、保証人が無防備に置かれるわけではない。主たる債務者が取消権を有するときは、保証人は、その行使によって主たる債務者が債務を免れるべき限度で、債権者に対して債務の履行を拒むことができる(457条3項)。保証人に与えられているのは取消権ではなく、履行を拒む権利である。

民法457条3項
主たる債務者が債権者に対して相殺権、取消権又は解除権を有するときは、これらの権利の行使によって主たる債務者がその債務を免れるべき限度において、保証人は、債権者に対して債務の履行を拒むことができる。
ポイント整理
取消権者
- 行為能力の制限による取消し(120条1項):制限行為能力者本人・その代理人・承継人・同意をすることができる者(保佐人、同意権付与の審判を受けた補助人)
- 錯誤・詐欺・強迫による取消し(120条2項):瑕疵ある意思表示をした者・その代理人・承継人
- 承継人:相続人などの包括承継人と、契約上の地位を譲り受けた者が当たる。目的物を譲り受けただけの者は当たらない
- 取消権者でない者:契約の相手方、保証人、目的物の占有者、目的物の譲受人
2022年 司法試験 第4問 肢ア
取り消すことができる法律行為に基づく債務を保証した者は、その法律行為を取り消すことができない。
解説
正しい。取消権者は120条が限定しており、保証人はこれに含まれないから、主たる債務の発生原因である法律行為を保証人が取り消すことはできない。
120条は、行為能力の制限による取消しについては制限行為能力者本人・その代理人・承継人・同意をすることができる者に、錯誤・詐欺・強迫による取消しについては瑕疵ある意思表示をした者・その代理人・承継人に、取消権者を限っている。取消しは、意思表示に瑕疵があった者や保護されるべき者が、その法律行為の効力を維持するか否かを選ぶための権利であるから、法律行為の当事者でない保証人にその選択を委ねる理由はない。判例も、取り消すことができる行為に基づく債務の保証人は取消権を有しないとしている(大判昭20.5.21)。もっとも、保証人が無防備に置かれるわけではない。主たる債務者が取消権を有するときは、保証人は、その行使によって主たる債務者が債務を免れるべき限度で、債権者に対して債務の履行を拒むことができる(457条3項)。保証人に与えられているのは取消権ではなく、履行を拒む権利である。

民法457条3項
主たる債務者が債権者に対して相殺権、取消権又は解除権を有するときは、これらの権利の行使によって主たる債務者がその債務を免れるべき限度において、保証人は、債権者に対して債務の履行を拒むことができる。
ポイント整理
取消権者
- 行為能力の制限による取消し(120条1項):制限行為能力者本人・その代理人・承継人・同意をすることができる者(保佐人、同意権付与の審判を受けた補助人)
- 錯誤・詐欺・強迫による取消し(120条2項):瑕疵ある意思表示をした者・その代理人・承継人
- 承継人:相続人などの包括承継人と、契約上の地位を譲り受けた者が当たる。目的物を譲り受けただけの者は当たらない
- 取消権者でない者:契約の相手方、保証人、目的物の占有者、目的物の譲受人
2018年 予備試験 第8問 肢ウ
主たる債務者が債権者に対し反対債権を有している場合であっても,保証人は,債権者から保証債務の履行を請求されたときは,保証債務を履行しなければならない。
解説
誤り。違うのは「保証債務を履行しなければならない」の部分である。主たる債務者が相殺権を有するときは、保証人は、相殺で主たる債務者が債務を免れるべき限度で履行を拒むことができる(457条3項)。
457条2項は、保証人は主たる債務者が主張することができる抗弁をもって債権者に対抗することができると定める。さらに同条3項は、主たる債務者が債権者に対して相殺権、取消権又は解除権を有するときは、これらの権利の行使によって主たる債務者がその債務を免れるべき限度において、保証人は債権者に対して債務の履行を拒むことができると定める。主たる債務者が相殺すれば主たる債務がその分消え、付従性により保証債務も消えるのに、保証人にだけ全額を払わせるのは不当だからである。ただし、相殺は主たる債務者の財産である反対債権を処分することになるので、保証人自身が相殺することまではできず、履行を拒めるにとどまる。肢は反対債権があっても保証債務を履行しなければならないとしており、誤っている。出題当時の旧457条2項は保証人が主たる債務者の債権による相殺をもって債権者に対抗できると定めており、結論は同じである。

民法457条2項・3項
保証人は、主たる債務者が主張することができる抗弁をもって債権者に対抗することができる。3 主たる債務者が債権者に対して相殺権、取消権又は解除権を有するときは、これらの権利の行使によって主たる債務者がその債務を免れるべき限度において、保証人は、債権者に対して債務の履行を拒むことができる。
2018年 司法試験 第18問 肢ウ
主たる債務者が債権者に対し反対債権を有している場合であっても,保証人は,債権者から保証債務の履行を請求されたときは,保証債務を履行しなければならない。
解説
誤り。違うのは「保証債務を履行しなければならない」の部分である。主たる債務者が相殺権を有するときは、保証人は、相殺で主たる債務者が債務を免れるべき限度で履行を拒むことができる(457条3項)。
457条2項は、保証人は主たる債務者が主張することができる抗弁をもって債権者に対抗することができると定める。さらに同条3項は、主たる債務者が債権者に対して相殺権、取消権又は解除権を有するときは、これらの権利の行使によって主たる債務者がその債務を免れるべき限度において、保証人は債権者に対して債務の履行を拒むことができると定める。主たる債務者が相殺すれば主たる債務がその分消え、付従性により保証債務も消えるのに、保証人にだけ全額を払わせるのは不当だからである。ただし、相殺は主たる債務者の財産である反対債権を処分することになるので、保証人自身が相殺することまではできず、履行を拒めるにとどまる。肢は反対債権があっても保証債務を履行しなければならないとしており、誤っている。出題当時の旧457条2項は保証人が主たる債務者の債権による相殺をもって債権者に対抗できると定めており、結論は同じである。

民法457条2項・3項
保証人は、主たる債務者が主張することができる抗弁をもって債権者に対抗することができる。3 主たる債務者が債権者に対して相殺権、取消権又は解除権を有するときは、これらの権利の行使によって主たる債務者がその債務を免れるべき限度において、保証人は、債権者に対して債務の履行を拒むことができる。
2015年 司法試験 第18問 肢3
Cが保証債務の消滅時効を援用して抗弁を主張するのに対し,主たる債務の消滅時効が完成する前にBがその債務の一部を弁済したことは,時効中断の再抗弁となる。
解説
正しい。主たる債務者の一部弁済は承認として主たる債務の時効を更新し、その効力は保証人にも及ぶので(152条1項・457条1項)、保証債務の消滅時効の抗弁に対する再抗弁となる。
債務の一部を弁済することは、債務の存在を認めることにほかならないので、権利の承認に当たり、時効はその時から新たに進行を始める(152条1項)。そして457条1項は、主たる債務者に対する時効の完成猶予及び更新は、保証人に対してもその効力を生ずると定める。保証債務は主たる債務に付き従うものであるから、主たる債務の時効が更新されれば、保証債務の時効もそれに合わせて更新されるのである。判例も、主たる債務者の承認による時効の中断は保証人に及ぶとしている(大判昭7.2.16)。したがって、保証人Cが保証債務の消滅時効を援用したのに対し、債権者Aは、主たる債務の時効が完成する前にBが一部弁済したことを、時効の更新の再抗弁として主張できる。出題当時は「時効の中断」と呼ばれていたが、平成29年改正で更新と改められても、結論は変わらない。

民法457条1項
主たる債務者に対する履行の請求その他の事由による時効の完成猶予及び更新は、保証人に対しても、その効力を生ずる。
ポイント整理
保証と時効
- 主たる債務の時効を主たる債務者が援用:主たる債務が消え、付従性で保証債務も消える
- 保証人自身による主たる債務の時効の援用:保証人は権利の消滅について正当な利益を有する者として援用できる(145条)
- 主たる債務者に対する時効の完成猶予・更新:保証人にも及ぶ(457条1項)
- 保証人の承認・一部弁済による更新:保証債務だけに生じ、主たる債務には及ばない(153条3項)
2012年 予備試験 第9問 肢1
主たる債務者の意思に反して保証人となった者は,主たる債務者が債権者に対して有する債権と保証債権との相殺をもって債権者に対抗することができない。
解説
誤り。違うのは「主たる債務者の意思に反して保証人となった者は」できないとして、他の保証人と区別している部分である。主たる債務者が相殺権を持つときに保証人が債権者に対抗できるかどうかは、保証人が主たる債務者の意思に反して保証人となったかどうかで変わらない(457条3項)。
457条3項は、主たる債務者が債権者に対して相殺権、取消権又は解除権を有するときは、これらの権利の行使によって主たる債務者が債務を免れるべき限度において、保証人は債権者に対して債務の履行を拒むことができると定める。保証債務は主たる債務の履行を担保するものであるから、主たる債務者が相殺によって債務を免れうる限度では、保証人に履行させる理由がないのである。この規定は保証人の種類を区別しておらず、主たる債務者の委託を受けた保証人か、その意思に反して保証人となった者かによって扱いは変わらない。意思に反して保証人となったことが影響するのは、弁済後の求償の範囲(462条2項)だけである。したがって、意思に反して保証人となった者だけが主たる債務者の反対債権を持ち出せないとする肢は誤りである。出題当時の457条2項は保証人が主たる債務者の債権による相殺をもって債権者に対抗できると定めていたため、肢は同じく誤りとされた。現行法では保証人自身が相殺するのではなく履行を拒めるにとどまるが、意思に反した保証人も同じ扱いを受ける点は変わらない。

民法457条3項
主たる債務者が債権者に対して相殺権、取消権又は解除権を有するときは、これらの権利の行使によって主たる債務者がその債務を免れるべき限度において、保証人は、債権者に対して債務の履行を拒むことができる。
2011年 予備試験 第8問 肢1
保証人は,主たる債務者がその有する債権をもって相殺するまでは,債権者に対して相殺を対抗することができない。
解説
誤り。違うのは「主たる債務者がその有する債権をもって相殺するまでは」対抗できないとしている部分である。保証人は、主たる債務者の相殺を待たずに、相殺によって主たる債務者が債務を免れるべき限度で債権者に対して履行を拒むことができる(457条3項)。
457条3項は、主たる債務者が債権者に対して相殺権、取消権又は解除権を有するときは、これらの権利の行使によって主たる債務者がその債務を免れるべき限度において、保証人は債権者に対して債務の履行を拒むことができると定める。保証債務は主たる債務の履行を担保するものであるから、主たる債務者が相殺によって債務を免れうる以上、保証人に履行させる理由はない。この履行拒絶は、主たる債務者が実際に相殺したかどうかにかかわらず認められる。主たる債務者が相殺するまで保証人が何も言えないとすれば、主たる債務者がその気になるまで保証人は全額の履行を強いられ、保証人の保護に欠けるからである。したがって、主たる債務者が相殺するまでは対抗できないとする肢は誤りである。出題当時の457条2項は、保証人が主たる債務者の債権による相殺をもって債権者に対抗できると定めていたため、同じく誤りとされた。現行法では保証人自身が相殺するのではなく履行を拒めるにとどまるが、主たる債務者の相殺を待たなくてよい点は変わらない。

民法457条3項
主たる債務者が債権者に対して相殺権、取消権又は解除権を有するときは、これらの権利の行使によって主たる債務者がその債務を免れるべき限度において、保証人は、債権者に対して債務の履行を拒むことができる。
2011年 司法試験 第19問 肢1
保証人は,主たる債務者がその有する債権をもって相殺するまでは,債権者に対して相殺を対抗することができない。
解説
誤り。違うのは「主たる債務者がその有する債権をもって相殺するまでは」対抗できないとしている部分である。保証人は、主たる債務者の相殺を待たずに、相殺によって主たる債務者が債務を免れるべき限度で債権者に対して履行を拒むことができる(457条3項)。
457条3項は、主たる債務者が債権者に対して相殺権、取消権又は解除権を有するときは、これらの権利の行使によって主たる債務者がその債務を免れるべき限度において、保証人は債権者に対して債務の履行を拒むことができると定める。保証債務は主たる債務の履行を担保するものであるから、主たる債務者が相殺によって債務を免れうる以上、保証人に履行させる理由はない。この履行拒絶は、主たる債務者が実際に相殺したかどうかにかかわらず認められる。主たる債務者が相殺するまで保証人が何も言えないとすれば、主たる債務者がその気になるまで保証人は全額の履行を強いられ、保証人の保護に欠けるからである。したがって、主たる債務者が相殺するまでは対抗できないとする肢は誤りである。出題当時の457条2項は、保証人が主たる債務者の債権による相殺をもって債権者に対抗できると定めていたため、同じく誤りとされた。現行法では保証人自身が相殺するのではなく履行を拒めるにとどまるが、主たる債務者の相殺を待たなくてよい点は変わらない。

民法457条3項
主たる債務者が債権者に対して相殺権、取消権又は解除権を有するときは、これらの権利の行使によって主たる債務者がその債務を免れるべき限度において、保証人は、債権者に対して債務の履行を拒むことができる。
2010年 司法試験 第55問 肢3
手形所持人の約束手形の振出人に対する手形債権の消滅時効が中断された場合,その手形保証人に対する手形債権についても,消滅時効の中断の効力が生ずる。
解説
誤り。違うのは「その手形保証人に対する手形債権についても,消滅時効の中断の効力が生ずる」の部分である。手形法71条により、時効の完成猶予又は更新はその事由が生じた者に対してのみ効力を生ずる。
肢のいう時効の中断は出題当時の用語であり、現行法の完成猶予・更新に当たるが、結論は変わらない。手形法71条は、時効の完成猶予又は更新はその事由が生じた者に対してのみその効力を生ずると定め、約束手形にも準用される(77条1項8号)。民法の保証では、主たる債務者について生じた完成猶予・更新は保証人に対しても効力を生ずるが(民法457条1項)、手形保証は主たる債務者の債務に付従する民法の保証とは異なり、手形保証人は被保証人と同一の責任を負う独立の手形債務者である(手形法32条1項・2項)。各手形債務者の債務が独立していることに対応して、時効に関する事由もそれぞれの債務者ごとに別々に扱うのが71条の趣旨であり、振出人に対する請求や承認があっても手形保証人の債務の時効には影響しない。所持人が手形保証人に対する権利の時効を止めたければ、手形保証人に対して裁判上の請求などをする必要がある。したがって振出人に生じた事由が手形保証人にも及ぶとする肢は誤っている。

手形法71条
時効ノ完成猶予又ハ更新ハ其ノ事由ガ生ジタル者ニ対シテノミ其ノ効力ヲ生ズ
2009年 司法試験 第19問 肢ウ
「保証人は,主たる債務者の債権による相殺をもって債権者に対抗することができる。」という民法の規定について,保証人に主たる債務者の債権をもって相殺する権限を与えたものと考えると,保証人は,対当額について保証債務の履行を拒絶する抗弁権を有すると解することになる。
解説
誤り。違うのは「保証人は、対当額について保証債務の履行を拒絶する抗弁権を有すると解することになる」の部分である。この規定を保証人に相殺する権限を与えたものと考えれば、保証人は自ら主たる債務者の債権で相殺できることになり、履行拒絶の抗弁権を認める考え方とは別の理解となる。
出題当時の457条2項は、保証人は主たる債務者の債権による相殺をもって債権者に対抗することができると定めていた。この規定の理解については、保証人に主たる債務者の反対債権を使って相殺の意思表示をする権限を与えたものとみる考え方と、主たる債務者が相殺できる限度で保証人に保証債務の履行を拒む抗弁権を与えたものとみる考え方があった。前者によれば、保証人は自ら相殺の意思表示をして主たる債務と保証債務を消滅させることができるのであり、履行を拒むにとどまるのではない。そのため、相殺する権限を与えたものと考えると履行拒絶の抗弁権を有すると解することになるとする本肢は、二つの考え方の帰結を取り違えており、誤りである。平成29年改正後の457条3項は、主たる債務者が相殺権などを有するときは、その権利の行使によって主たる債務者が債務を免れるべき限度で、保証人は債権者に対して債務の履行を拒むことができると定め、後者の考え方を採用した。

民法457条3項
主たる債務者が債権者に対して相殺権、取消権又は解除権を有するときは、これらの権利の行使によって主たる債務者がその債務を免れるべき限度において、保証人は、債権者に対して債務の履行を拒むことができる。
2008年 司法試験 第18問 肢イ
保証人に対する履行の請求による時効の中断は,主たる債務者に対しても効力を生ずる。
解説
誤り。違うのは「主たる債務者に対しても効力を生ずる」の部分である。保証人に生じた事由は原則として主たる債務者に及ばず、主たる債務者に生じた時効の完成猶予・更新が保証人に及ぶのはその逆向きである(457条1項)。
457条1項は、主たる債務者に対する履行の請求その他の事由による時効の完成猶予及び更新は、保証人に対しても、その効力を生ずると定める。保証債務は主たる債務を担保するために存在し、主たる債務に従属するから(付従性)、主たる債務の時効が更新されたのに保証債務だけが時効で消滅して担保が失われるのは不都合だからである。これに対し、保証人について生じた事由は、主たる債務の存否に影響しないのが原則であり、保証人に対する履行の請求は保証債務の時効を更新させるだけで、主たる債務の時効には影響しない。そのため、債権者が保証人にだけ請求しても主たる債務の時効は進行し、主たる債務が時効で消滅すれば、保証人はそれを援用して保証債務を免れることができる。本肢は効力の向きを逆にしている点で誤りである。出題当時の「時効の中断」は、平成29年改正で完成猶予と更新に改められたが、結論は変わらない。

民法457条1項
主たる債務者に対する履行の請求その他の事由による時効の完成猶予及び更新は、保証人に対しても、その効力を生ずる。
ポイント整理
保証人と主たる債務者の影響関係
- 主たる債務者に生じた事由:原則として保証人にも及ぶ(付従性・457条1項)。時効の完成猶予・更新、免除、債権の譲渡
- 単純保証人に生じた事由:主たる債務者に及ばない。請求・承認・一部弁済による時効の更新は保証債務だけ
- 連帯保証人に生じた事由(458条):更改・相殺・混同は主たる債務者にも及ぶ。請求・承認・免除などは相対的効力(441条)
第458条連帯保証人について生じた事由の効力過去問 5
第四百三十八条、第四百三十九条第一項、第四百四十条及び第四百四十一条の規定は、主たる債務者と連帯して債務を負担する保証人について生じた事由について準用する。
この条文の過去問 5問
2021年 予備試験 第8問 肢ウ
Cの保証債務が連帯保証債務であり,AがCに対してその履行を求めて訴えを提起した場合には,Bとの関係でも,時効の完成が猶予される。
解説
誤り。違うのは「Bとの関係でも,時効の完成が猶予される」の部分である。連帯保証人に対する履行の請求は相対的効力しかなく(458条・441条)、主たる債務者Bには及ばない。
458条は、連帯債務の規定のうち、更改(438条)、相殺(439条1項)、混同(440条)と相対的効力の原則(441条)を、連帯保証人について生じた事由に準用する。したがって、連帯保証人に生じた事由のうち主たる債務者にも効力が及ぶのは更改・相殺・混同だけであり、それ以外の事由は441条本文により主たる債務者に効力を生じない。履行の請求はこの三つに含まれていないから、AがCに保証債務の履行を求めて訴えを提起すると、Cの保証債務については裁判上の請求として時効の完成が猶予されるが(147条1項1号)、主たる債務者Bの甲債権の時効の完成は猶予されない。これに対し、主たる債務者に対する履行の請求その他の事由による時効の完成猶予と更新は、保証人に対しても効力を生じる(457条1項)。保証債務は主たる債務に従うから、主たる債務者に生じたことは保証人に及ぶが、逆向きには原則として及ばないのである。改正前は連帯保証人への請求が主たる債務者にも及ぶとされていたが、現行法では改められている。

民法458条
第四百三十八条、第四百三十九条第一項、第四百四十条及び第四百四十一条の規定は、主たる債務者と連帯して債務を負担する保証人について生じた事由について準用する。
ポイント整理
主たる債務者と保証人の間の影響関係
- 主たる債務者に生じた事由:原則として保証人にも及ぶ(付従性・457条1項)。時効の完成猶予・更新、免除、債権の譲渡
- 単純保証人に生じた事由:主たる債務者に及ばない。請求・承認・一部弁済による時効の更新は保証債務だけ
- 連帯保証人に生じた事由(458条):更改・相殺・混同は主たる債務者にも及ぶ。請求・承認・免除などは相対的効力(441条)
- 時効の援用:保証人が主たる債務の時効を援用しても、効果は主たる債務者に及ばない
2021年 予備試験 第8問 肢エ
CがAを単独相続した場合には,Cの保証債務は消滅する。
解説
正しい。CがAを単独相続すると保証債権と保証債務が同一人に帰属し、混同によって保証債務は消滅する(520条本文)。
520条本文は、債権及び債務が同一人に帰属したときは、その債権は消滅すると定める。自分が自分に対して債権を持っていても意味がないからである。保証人CがAを単独相続すると、AがCに対して持っていた保証債権と、Cが負っていた保証債務とが、いずれもCに帰属するから、混同によってCの保証債務は消滅する。Cが連帯保証人であった場合も、458条が準用する440条により、混同があったときは連帯保証人は弁済をしたものとみなされるから、やはり保証債務は消滅する。他方で、主たる債務である甲債権まで消滅するわけではない。CはAの地位を相続によって引き継ぐから、Bに対する1000万円の貸金債権はCのもとで存続し、CはBにその支払を求めることができる。なお、消滅するはずの債権が第三者の権利の目的になっているとき、たとえば保証債権に質権が設定されているときは、混同によっても消滅しない(520条ただし書)が、本肢にはそのような事情はない。

民法520条
債権及び債務が同一人に帰属したときは、その債権は、消滅する。ただし、その債権が第三者の権利の目的であるときは、この限りでない。
ポイント整理
主たる債務者と保証人の間の影響関係
- 主たる債務者に生じた事由:原則として保証人にも及ぶ(付従性・457条1項)。時効の完成猶予・更新、免除、債権の譲渡
- 単純保証人に生じた事由:主たる債務者に及ばない。請求・承認・一部弁済による時効の更新は保証債務だけ
- 連帯保証人に生じた事由(458条):更改・相殺・混同は主たる債務者にも及ぶ。請求・承認・免除などは相対的効力(441条)
- 時効の援用:保証人が主たる債務の時効を援用しても、効果は主たる債務者に及ばない
2012年 予備試験 第9問 肢2
主たる債務者の意思に反して連帯保証人となった者が,債権者から保証債務の履行を裁判上請求されたときは,主たる債務についての消滅時効が中断する。
解説
誤り。違うのは「主たる債務についての消滅時効が中断する」の部分である。連帯保証人に対する履行の請求は主たる債務者に効力を生じないから(458条・441条)、主たる債務の時効の完成猶予・更新は生じない。
458条は、連帯保証人について生じた事由について、更改(438条)、相殺(439条1項)、混同(440条)と相対的効力の原則を定める441条を準用する。441条本文は、これらの場合を除き、連帯債務者の一人について生じた事由は他の連帯債務者に効力を生じないとするから、連帯保証人に対する履行の請求は主たる債務者に効力を及ぼさない。請求を受けたことを知らない主たる債務者に、時効の完成猶予や更新という不利益を及ぼすのは不当だからである。したがって、債権者が連帯保証人に裁判上の請求をしても、主たる債務の消滅時効について完成猶予・更新の効力は生じず、肢は誤りである。出題当時は、連帯保証人に対する履行の請求は主たる債務者にも効力を生じたので(旧458条・旧434条)、連帯保証人に対する裁判上の請求によって主たる債務の消滅時効も中断し、肢は正しいとされていた(公式正解は2)。平成29年改正で旧434条が削除され、結論が変わった。

民法458条
第四百三十八条、第四百三十九条第一項、第四百四十条及び第四百四十一条の規定は、主たる債務者と連帯して債務を負担する保証人について生じた事由について準用する。
ポイント整理
保証人と主たる債務者の影響関係
- 主たる債務者に生じた事由:原則として保証人にも及ぶ(付従性・457条1項)。時効の完成猶予・更新、免除、債権の譲渡
- 単純保証人に生じた事由:主たる債務者に及ばない。請求・承認・一部弁済による時効の更新は保証債務だけ
- 連帯保証人に生じた事由(458条):更改・相殺・混同は主たる債務者にも及ぶ。請求・承認・免除などは相対的効力(441条)
2012年 予備試験 第9問 肢3
主たる債務者から委託を受けて連帯保証人となった者が,債権者に対して保証債務を承認したときは,主たる債務についての消滅時効が中断する。
解説
誤り。違うのは「主たる債務についての消滅時効が中断する」の部分である。連帯保証人の承認は相対的効力しかなく(458条・441条)、主たる債務の時効は更新されない。
時効の更新の効力は、更新の事由が生じた当事者とその承継人の間でだけ生じるのが原則である(153条3項)。458条が準用する441条本文により、連帯保証人について生じた事由は、更改・相殺・混同を除いて主たる債務者に効力を生じないから、連帯保証人が保証債務を承認しても、その承認によって更新されるのは保証債務の時効だけである。承認は自らの債務の存在を認める行為であり、連帯保証人が承認したからといって、主たる債務者が自分の債務を認めたことにはならないからである。主たる債務者から委託を受けて連帯保証人となった場合でも、委託は保証人と主たる債務者の内部関係にすぎず、この結論は変わらない。逆に、主たる債務者が承認すれば、付従性によって保証債務の時効も更新される(457条1項)。したがって、主たる債務の消滅時効が中断するとする肢は誤りである。出題当時の「中断」は現行法の「更新」に当たり、連帯保証人の承認が主たる債務に及ばない点は出題当時も同じである。

民法441条
第四百三十八条、第四百三十九条第一項及び前条に規定する場合を除き、連帯債務者の一人について生じた事由は、他の連帯債務者に対してその効力を生じない。ただし、債権者及び他の連帯債務者の一人が別段の意思を表示したときは、当該他の連帯債務者に対する効力は、その意思に従う。
ポイント整理
保証人と主たる債務者の影響関係
- 主たる債務者に生じた事由:原則として保証人にも及ぶ(付従性・457条1項)。時効の完成猶予・更新、免除、債権の譲渡
- 単純保証人に生じた事由:主たる債務者に及ばない。請求・承認・一部弁済による時効の更新は保証債務だけ
- 連帯保証人に生じた事由(458条):更改・相殺・混同は主たる債務者にも及ぶ。請求・承認・免除などは相対的効力(441条)
2006年 司法試験 第21問 肢2
AのBに対する債権について,連帯保証人Cが時効期間の経過前にAに対して承認したときは,時効中断の効力は主債務者Bに対しても及ぶ。
解説
誤り。違うのは「時効中断の効力は主債務者Bに対しても及ぶ」の部分である。連帯保証人がした承認は相対的効力しか生じず、主たる債務の時効には影響しない(458条・441条・153条3項)。
152条1項は、時効は権利の承認があったときはその時から新たに進行を始めると定め、153条3項は、承認による時効の更新は、更新の事由が生じた当事者及びその承継人の間においてのみ効力を有すると定める。連帯保証人について生じた事由の効力について、458条は、連帯債務の規定のうち更改(438条)、相殺(439条1項)、混同(440条)と相対的効力の原則(441条)を準用するにとどまり、承認を主たる債務者に効力が及ぶ事由として挙げていない。保証債務は主たる債務を担保するための従たる債務であり、主たる債務者が関与しない保証人の行為によって主たる債務者に不利益を及ぼすべきではないからである。したがって、連帯保証人Cが承認しても主たる債務の時効は更新されず、本肢は誤りである。出題当時は時効の中断と呼ばれたが、判例(大判昭15.12.21)も主たる債務の時効に影響しないとしており、結論は同じである。

民法153条3項
前条の規定による時効の更新は、更新の事由が生じた当事者及びその承継人の間においてのみ、その効力を有する。
第458条の2主たる債務の履行状況に関する情報の提供義務過去問 2
保証人が主たる債務者の委託を受けて保証をした場合において、保証人の請求があったときは、債権者は、保証人に対し、遅滞なく、主たる債務の元本及び主たる債務に関する利息、違約金、損害賠償その他その債務に従たる全てのものについての不履行の有無並びにこれらの残額及びそのうち弁済期が到来しているものの額に関する情報を提供しなければならない。
この条文の過去問 2問
2025年 予備試験 第8問 肢エ
Cの保証がAの委託を受けずにしたものである場合においては、Bは、Cの請求を受けたときであっても、Cに対し、貸金債務甲の元本及び利息について、不履行の有無、残額及び弁済期が到来しているものの額に関する情報を提供する義務を負わない。
解説
正しい。458条の2の情報提供義務は委託を受けた保証人に対するものであり、委託を受けない保証人に対して債権者はこの義務を負わない。
458条の2は、保証人が主たる債務者の委託を受けて保証をした場合において、保証人の請求があったときは、債権者は、遅滞なく、主たる債務の元本及び利息などについての不履行の有無、残額及び弁済期が到来しているものの額に関する情報を提供しなければならないと定める。対象が委託を受けた保証人に限られるのは、委託を受けた保証人は主たる債務者との委任関係により本来その履行状況を知り得る立場にあり、債権者に対しても情報を求める利益を保護すべきだからである。主たる債務者の情報を債権者が第三者に漏らすことになるので、委託のない保証人にまで広げるのは相当でない。CはAの委託を受けずに保証しているので、Cが請求しても、Bは同条の情報を提供する義務を負わない。同条は保証人が法人でも適用される。

民法458条の2
保証人が主たる債務者の委託を受けて保証をした場合において、保証人の請求があったときは、債権者は、保証人に対し、遅滞なく、主たる債務の元本及び主たる債務に関する利息、違約金、損害賠償その他その債務に従たる全てのものについての不履行の有無並びにこれらの残額及びそのうち弁済期が到来しているものの額に関する情報を提供しなければならない。
ポイント整理
保証人保護の情報提供義務
| 条文 | 義務者 | 対象の保証人 | 内容 |
|---|
| 458条の2 | 債権者 | 委託を受けた保証人(法人も含む) | 請求があれば主たる債務の不履行の有無・残額・弁済期到来額を提供 |
| 458条の3 | 債権者 | 個人の保証人(委託の有無を問わない) | 期限の利益の喪失を知った時から2か月以内に通知 |
| 465条の10 | 主たる債務者 | 事業債務の保証を委託される個人 | 財産及び収支の状況、他の債務、他の担保を提供 |
2021年 司法試験 第19問 肢ウ
Aが,Bの委託を受けて保証した場合,Cは,定期的に,Aに対し,主たる債務の元本及び利息について,不履行の有無,残額及び弁済期が到来しているものの額に関する情報を提供しなければならない。
解説
誤り。違うのは「定期的に」の部分である。債権者が主たる債務の履行状況の情報を提供する義務は、委託を受けた保証人の請求があったときに生じる(458条の2)。
458条の2は、保証人が主たる債務者の委託を受けて保証をした場合において、保証人の請求があったときは、債権者は保証人に対し、遅滞なく、主たる債務の元本及び利息、違約金、損害賠償その他その債務に従たる全てのものについての不履行の有無並びにこれらの残額及びそのうち弁済期が到来しているものの額に関する情報を提供しなければならないと定める。保証人が主たる債務の履行の状況を知らないうちに遅延損害金が膨らむ不利益を防ぐ趣旨であるが、債権者に定期的な報告まで義務付けると負担が重いので、保証人の請求をきっかけとした。提供すべき情報の内容は肢のとおりであるが、肢は債権者が定期的に提供しなければならないとしている点で誤っている。この義務は委託を受けた保証人であれば法人にも及び、主たる債務者の委託がない保証人には及ばない。

民法458条の2
保証人が主たる債務者の委託を受けて保証をした場合において、保証人の請求があったときは、債権者は、保証人に対し、遅滞なく、主たる債務の元本及び主たる債務に関する利息、違約金、損害賠償その他その債務に従たる全てのものについての不履行の有無並びにこれらの残額及びそのうち弁済期が到来しているものの額に関する情報を提供しなければならない。
ポイント整理
保証人を守る情報提供と公正証書
| 制度 | 義務者→相手 | 場面 | 違反・欠缺の効果 |
|---|
| 保証意思宣明公正証書(465条の6) | 保証人になろうとする個人 | 事業のための貸金等債務の保証。締結の日前1か月以内に作成 | 保証契約は効力を生じない |
| 契約締結時の情報提供(465条の10) | 主たる債務者→委託を受ける個人 | 事業のための債務の保証の委託。財産・収支、他の債務、他の担保 | 債権者が知り又は知ることができたとき取り消せる |
| 履行状況の情報提供(458条の2) | 債権者→委託を受けた保証人 | 保証人の請求があったとき、遅滞なく。法人の保証人にも適用 | 特別の定めはない |
| 期限の利益喪失の通知(458条の3) | 債権者→個人の保証人 | 喪失を知った時から2か月以内 | 通知までの遅延損害金を請求できない |
第458条の3主たる債務者が期限の利益を喪失した場合における情報の提供義務過去問 2
1主たる債務者が期限の利益を有する場合において、その利益を喪失したときは、債権者は、保証人に対し、その利益の喪失を知った時から二箇月以内に、その旨を通知しなければならない。
2前項の期間内に同項の通知をしなかったときは、債権者は、保証人に対し、主たる債務者が期限の利益を喪失した時から同項の通知を現にするまでに生じた遅延損害金(期限の利益を喪失しなかったとしても生ずべきものを除く。)に係る保証債務の履行を請求することができない。
3前二項の規定は、保証人が法人である場合には、適用しない。
この条文の過去問 2問
2025年 予備試験 第8問 肢ウ
Aが貸金債務甲について有していた期限の利益を喪失したときは、Bは、Cに対し、その利益の喪失を知った時から法定の期間内に、その旨を通知しなければならない。
解説
正しい。458条の3第1項により、債権者は、主たる債務者の期限の利益の喪失を知った時から2か月以内に、個人の保証人にその旨を通知しなければならない。
458条の3第1項は、主たる債務者が期限の利益を有する場合においてその利益を喪失したときは、債権者は、保証人に対し、その利益の喪失を知った時から2か月以内にその旨を通知しなければならないと定める。保証人が期限の利益の喪失を知らないうちに遅延損害金が膨らみ、思いがけず大きな責任を負わされることを防ぐため、平成29年改正で置かれた。期間内に通知しなかったときは、債権者は、期限の利益を喪失した時から通知をするまでに生じた遅延損害金(期限の利益を喪失しなかったとしても生ずべきものを除く)に係る保証債務の履行を請求できない(同条2項)。この規律は保証人が法人である場合には適用されない(同条3項)が、Cは法人でないので適用がある。委託を受けたかどうかを問わない点で、458条の2の情報提供義務と異なる。

民法458条の3第1項
主たる債務者が期限の利益を有する場合において、その利益を喪失したときは、債権者は、保証人に対し、その利益の喪失を知った時から二箇月以内に、その旨を通知しなければならない。
ポイント整理
保証人保護の情報提供義務
| 条文 | 義務者 | 対象の保証人 | 内容 |
|---|
| 458条の2 | 債権者 | 委託を受けた保証人(法人も含む) | 請求があれば主たる債務の不履行の有無・残額・弁済期到来額を提供 |
| 458条の3 | 債権者 | 個人の保証人(委託の有無を問わない) | 期限の利益の喪失を知った時から2か月以内に通知 |
| 465条の10 | 主たる債務者 | 事業債務の保証を委託される個人 | 財産及び収支の状況、他の債務、他の担保を提供 |
2021年 司法試験 第19問 肢エ
Bがその有していた期限の利益を喪失した場合,Cは,Aに対し,その旨を通知しなければならない。
解説
正しい。主たる債務者が期限の利益を喪失したときは、債権者は個人の保証人に、喪失を知った時から2か月以内にその旨を通知しなければならない(458条の3第1項)。
458条の3第1項は、主たる債務者が期限の利益を有する場合においてその利益を喪失したときは、債権者は保証人に対し、その利益の喪失を知った時から2箇月以内にその旨を通知しなければならないと定める。分割払いの遅れなどで主たる債務者が期限の利益を失うと、残りの全額について遅延損害金が生じ続けるので、保証人がそれを知らないままでいると、思いがけず多額の遅延損害金を負わされるからである。通知を怠ると、債権者は、期限の利益を喪失した時から通知を現にするまでに生じた遅延損害金(期限の利益を喪失しなかったとしても生ずべきものを除く)について、保証債務の履行を請求できない(同条2項)。この規定は保証人が法人である場合には適用されないが(同条3項)、Aは個人なので、CはAに通知しなければならない。肢は正しい。458条の2と異なり、保証人の請求も主たる債務者の委託も要らない。

民法458条の3
主たる債務者が期限の利益を有する場合において、その利益を喪失したときは、債権者は、保証人に対し、その利益の喪失を知った時から二箇月以内に、その旨を通知しなければならない。
2 前項の期間内に同項の通知をしなかったときは、債権者は、保証人に対し、主たる債務者が期限の利益を喪失した時から同項の通知を現にするまでに生じた遅延損害金(期限の利益を喪失しなかったとしても生ずべきものを除く。)に係る保証債務の履行を請求することができない。
3 前二項の規定は、保証人が法人である場合には、適用しない。
ポイント整理
保証人を守る情報提供と公正証書
| 制度 | 義務者→相手 | 場面 | 違反・欠缺の効果 |
|---|
| 保証意思宣明公正証書(465条の6) | 保証人になろうとする個人 | 事業のための貸金等債務の保証。締結の日前1か月以内に作成 | 保証契約は効力を生じない |
| 契約締結時の情報提供(465条の10) | 主たる債務者→委託を受ける個人 | 事業のための債務の保証の委託。財産・収支、他の債務、他の担保 | 債権者が知り又は知ることができたとき取り消せる |
| 履行状況の情報提供(458条の2) | 債権者→委託を受けた保証人 | 保証人の請求があったとき、遅滞なく。法人の保証人にも適用 | 特別の定めはない |
| 期限の利益喪失の通知(458条の3) | 債権者→個人の保証人 | 喪失を知った時から2か月以内 | 通知までの遅延損害金を請求できない |
第459条委託を受けた保証人の求償権過去問 4
1保証人が主たる債務者の委託を受けて保証をした場合において、主たる債務者に代わって弁済その他自己の財産をもって債務を消滅させる行為(以下「債務の消滅行為」という。)をしたときは、その保証人は、主たる債務者に対し、そのために支出した財産の額(その財産の額がその債務の消滅行為によって消滅した主たる債務の額を超える場合にあっては、その消滅した額)の求償権を有する。
2第四百四十二条第二項の規定は、前項の場合について準用する。
この条文の過去問 4問
2012年 予備試験 第9問 肢4
連帯債務者の一人から委託を受け,その者のために保証人となった者が,債権者に対して保証債務の全額を弁済したときは,この保証人は,その連帯債務者に対し,その者の負担部分についてのみ求償権を有する。
解説
誤り。違うのは「その連帯債務者に対し、その者の負担部分についてのみ求償権を有する」の部分である。保証人は、自分が保証した連帯債務者に対しては支出した額の全額を求償でき(459条1項)、負担部分に限られるのは他の連帯債務者に対する求償である(464条)。
459条1項は、主たる債務者の委託を受けた保証人が債務の消滅行為をしたときは、主たる債務者に対して支出した財産の額の求償権を有すると定める。連帯債務者の一人のために保証をした者にとって、その連帯債務者は主たる債務者であるから、保証人は全額を弁済すれば、その者に対して全額を求償できる。保証人が肩代わりしたのはその連帯債務者が負う全額の債務だからである。これに対し、464条は、連帯債務者の一人のために保証をした者は、他の債務者に対してはその負担部分のみについて求償権を有すると定める。他の連帯債務者は保証人にとって主たる債務者ではなく、保証人がその者たちに求めることができるのは、保証した連帯債務者が他の連帯債務者に求償できる範囲、すなわち各自の負担部分に限られるのである。肢は、保証した連帯債務者に対する求償と、他の連帯債務者に対する求償を取り違えており、誤りである。

民法459条1項・464条
保証人が主たる債務者の委託を受けて保証をした場合において、主たる債務者に代わって弁済その他自己の財産をもって債務を消滅させる行為(以下「債務の消滅行為」という。)をしたときは、その保証人は、主たる債務者に対し、そのために支出した財産の額(その財産の額がその債務の消滅行為によって消滅した主たる債務の額を超える場合にあっては、その消滅した額)の求償権を有する。/連帯債務者又は不可分債務者の一人のために保証をした者は、他の債務者に対し、その負担部分のみについて求償権を有する。
ポイント整理
保証人の求償の範囲
- 委託を受けた保証人(459条):支出額+免責日以後の法定利息・避けられなかった費用その他の損害
- 委託を受けない保証人(462条1項):主たる債務者がその当時利益を受けた限度
- 主たる債務者の意思に反する保証人(462条2項):主たる債務者が現に利益を受けている限度
- 連帯債務者の一人のための保証人(464条):他の連帯債務者には負担部分のみ
- 共同保証人間(465条):自己の負担部分を超えて弁済したときに限り、他の共同保証人に求償できる
2012年 司法試験 第23問 肢1
保証人が主たる債務者の委託を受けて保証をした場合において,過失なく債権者に弁済をすべき旨の裁判の言渡しを受けたときは,その保証人は,主たる債務者に対して求償権を有する。
解説
正しい。委託を受けた保証人が過失なく債権者に弁済をすべき旨の裁判の言渡しを受けたときは、主たる債務者に対してあらかじめ求償権を行使できる(460条3号)。
460条は、保証人が主たる債務者の委託を受けて保証をした場合において、主たる債務者が破産手続開始の決定を受け、かつ債権者がその破産財団の配当に加入しないとき(1号)、債務が弁済期にあるとき(2号)、保証人が過失なく債権者に弁済をすべき旨の裁判の言渡しを受けたとき(3号)は、主たる債務者に対してあらかじめ求償権を行使することができると定める。求償権は本来、保証人が弁済などで債務を消滅させた後に生じるものであるが、委託を受けた保証人は主たる債務者の依頼で他人の債務を引き受けた者であり、受任者が委任者に費用の前払を求められるのと同じように、一定の場合には弁済の前に求償を認めて保証人を保護したのである。保証人が過失なく弁済を命じる裁判の言渡しを受けたときは、保証人が近く弁済を強いられることが確実になっているから、その前に主たる債務者から資金を得られるようにした。本肢は同条3号の内容どおりである。

民法460条
保証人は、主たる債務者の委託を受けて保証をした場合において、次に掲げるときは、主たる債務者に対して、あらかじめ、求償権を行使することができる。一 主たる債務者が破産手続開始の決定を受け、かつ、債権者がその破産財団の配当に加入しないとき。二 債務が弁済期にあるとき。ただし、保証契約の後に債権者が主たる債務者に許与した期限は、保証人に対抗することができない。三 保証人が過失なく債権者に弁済をすべき旨の裁判の言渡しを受けたとき。
2011年 司法試験 第22問 肢オ
保証人が債権者に弁済をした場合,債務者との間であらかじめ求償権につき法定利率を超える利率による遅延損害金を支払う特約をしていたとしても,当該債務者の物上保証人との関係においては,保証人が取得した求償権についての遅延損害金は,法定利率の範囲に限定される。
解説
誤り。違うのは「保証人が取得した求償権についての遅延損害金は,法定利率の範囲に限定される」の部分である。保証人と債務者の間の約定利率による遅延損害金の特約は有効で、物上保証人に対しても主張できる(最判昭59.5.29)。
委託を受けた保証人の求償権は、弁済の日以後の法定利息なども含む(459条2項・442条2項)。判例(最判昭59.5.29)は、この規定は任意規定であり、保証人と債務者の間で、法定利息に代えて法定利率と異なる約定利率による遅延損害金を支払う旨の特約をすることを禁ずるものではないとした。そのうえで、保証人が代位によって行使するのは債権者が債務者に対して持っていた原債権とその担保権であって、保証人の求償権そのものではないから、求償権の額が特約によって大きくなっても、物上保証人などが負う担保の負担は、原債権の額や担保権の範囲によって限られ、物上保証人の利益を害することにはならないとして、特約の効力を物上保証人に対しても主張できるとした。代位の範囲は原債権と求償権の額の小さい方に限られるのであり、求償権の遅延損害金が法定利率の範囲に切り下げられるわけではない。本肢は誤りである。

最判昭59.5.29
右の規定は、任意規定であつて、保証人と債務者との間で右の法定利息に代えて法定利率と異なる約定利率による代位弁済の日の翌日以後の遅延損害金を支払う旨の特約をすることを禁ずるものではない。
2009年 司法試験 第19問 肢エ
保証人が主たる債務者の委託を受けて保証をした場合であって,債権者に弁済をすべき旨の裁判の言渡しを受けたとき,又は主たる債務者に代わって弁済をし,その他自己の財産をもって債務を消滅させるべき行為をしたときは,そのいずれのときでも保証人に過失がないときに限り,その保証人は主たる債務者に対して求償権を有する。
解説
誤り。違うのは「そのいずれのときでも保証人に過失がないときに限り」の部分である。委託を受けた保証人が弁済などの債務の消滅行為をしたときは、過失の有無を問わず支出額の求償権を有し(459条1項)、過失がないことが要件となるのは裁判の言渡しを受けた場合の事前求償だけである(460条3号)。
459条1項は、保証人が主たる債務者の委託を受けて保証をした場合において、主たる債務者に代わって弁済その他自己の財産をもって債務を消滅させる行為をしたときは、主たる債務者に対し、そのために支出した財産の額の求償権を有すると定める。保証人が債務を消滅させたことで主たる債務者は債務を免れているので、その出捐を償わせるのは当然であり、保証人の過失の有無は問題とならない。これに対し、460条3号は、委託を受けた保証人が過失なく債権者に弁済をすべき旨の裁判の言渡しを受けたときは、あらかじめ求償権を行使することができるとする。まだ出捐していない段階で求償を認める例外であるから、保証人が自らの過失で敗訴した場合にまで認める理由はないとして、無過失を要件としたのである。出題当時の旧459条1項も、過失なくの語は裁判の言渡しにだけかかっていた。したがって、いずれの場合も無過失を要するとする本肢は誤りである。

民法459条1項
保証人が主たる債務者の委託を受けて保証をした場合において、主たる債務者に代わって弁済その他自己の財産をもって債務を消滅させる行為(以下「債務の消滅行為」という。)をしたときは、その保証人は、主たる債務者に対し、そのために支出した財産の額(その財産の額がその債務の消滅行為によって消滅した主たる債務の額を超える場合にあっては、その消滅した額)の求償権を有する。
ポイント整理
保証人の求償
- 委託を受けた保証人(459条):支出額+免責日以後の法定利息・避けられなかった費用その他の損害
- 委託を受けた保証人の事前求償(460条):主たる債務者の破産、弁済期の到来、過失なく弁済を命じる裁判の言渡し
- 委託を受けない保証人(462条1項):主たる債務者がその当時利益を受けた限度
- 主たる債務者の意思に反する保証人(462条2項):主たる債務者が現に利益を受けている限度
第459条の2委託を受けた保証人が弁済期前に弁済等をした場合の求償権過去問 1
1保証人が主たる債務者の委託を受けて保証をした場合において、主たる債務の弁済期前に債務の消滅行為をしたときは、その保証人は、主たる債務者に対し、主たる債務者がその当時利益を受けた限度において求償権を有する。この場合において、主たる債務者が債務の消滅行為の日以前に相殺の原因を有していたことを主張するときは、保証人は、債権者に対し、その相殺によって消滅すべきであった債務の履行を請求することができる。
2前項の規定による求償は、主たる債務の弁済期以後の法定利息及びその弁済期以後に債務の消滅行為をしたとしても避けることができなかった費用その他の損害の賠償を包含する。
3第一項の求償権は、主たる債務の弁済期以後でなければ、これを行使することができない。
この条文の過去問 1問
2015年 司法試験 第36問 肢ウ
主たる債務者の委託を受けないで保証をした保証人が弁済をしたときは,主たる債務者は,弁済がされた日以後の法定利息をその保証人に支払わなければならない。
解説
誤り。違うのは「弁済がされた日以後の法定利息をその保証人に支払わなければならない」の部分である。委託を受けない保証人の求償は、主たる債務者がその当時利益を受けた限度に限られ、法定利息は含まれない(462条1項・459条の2第1項)。
保証人の求償の範囲は、主たる債務者の委託を受けたかどうかで違う。委託を受けた保証人が債務を消滅させた場合には、支出した額のほか、免責があった日以後の法定利息と避けることができなかった費用その他の損害賠償も求償できる(459条2項・442条2項)。委託は委任に近い関係であり、受任者の費用償還請求権に準じた保護が与えられるからである。これに対し、委託を受けないで保証をした者については、462条1項が459条の2第1項を準用しており、求償できるのは主たる債務者がその当時利益を受けた限度に限られる。委託がない以上、その弁済は主たる債務者の意思に基づかない出捐であり、事務管理に近い性格を持つにすぎないから、免責があった日以後の法定利息までは求償できないのである。したがって、主たる債務者は委託を受けない保証人に法定利息を支払う必要はない。出題当時と条文の構成は違うが、結論は変わらない。

民法462条1項
第四百五十九条の二第一項の規定は、主たる債務者の委託を受けないで保証をした者が債務の消滅行為をした場合について準用する。
ポイント整理
民法の利息の規定
- 留置物の果実(297条):優先して弁済に充当でき、まず利息に、残りは元本に充当する
- 法定重利(405条):1年分以上の延滞と催告後の不払で、元本に組み入れることができる
- 委託を受けない保証人の求償(462条1項・459条の2第1項):主たる債務者がその当時利益を受けた限度で、免責日以後の法定利息は含まない
- 解除による金銭の返還(545条2項):受領の時から利息を付す
- 売買の代金の利息(575条2項):引渡しの日から。代金に期限があれば期限の到来まで不要
第460条委託を受けた保証人の事前の求償権過去問 5
保証人は、主たる債務者の委託を受けて保証をした場合において、次に掲げるときは、主たる債務者に対して、あらかじめ、求償権を行使することができる。主たる債務者が破産手続開始の決定を受け、かつ、債権者がその破産財団の配当に加入しないとき。債務が弁済期にあるとき。ただし、保証契約の後に債権者が主たる債務者に許与した期限は、保証人に対抗することができない。保証人が過失なく債権者に弁済をすべき旨の裁判の言渡しを受けたとき。
1 主たる債務者が破産手続開始の決定を受け、かつ、債権者がその破産財団の配当に加入しないとき。
2 債務が弁済期にあるとき。ただし、保証契約の後に債権者が主たる債務者に許与した期限は、保証人に対抗することができない。
3 保証人が過失なく債権者に弁済をすべき旨の裁判の言渡しを受けたとき。
この条文の過去問 5問
2025年 司法試験 第20問 肢オ
Aの委託を受けて自己の所有する不動産に抵当権を設定したCは、AのBに対する債務の弁済期が到来したときは、Aに対しあらかじめ求償権を行使することができる。
解説
誤り。違うのは「Aに対しあらかじめ求償権を行使することができる」の部分である。
460条2号は、委託を受けた保証人は、債務が弁済期にあるときは主たる債務者にあらかじめ求償権を行使できると定める。保証の委託は、債務を負うという出費を伴う事務を任せるものなので、委任の費用前払(649条)に似た権利を保証人に認めたのである。これに対し判例は、他人の債務のために自分の物に抵当権を設定した物上保証人には、委託を受けた場合でも460条を類推適用できないとした(最判平2.12.18)。物上保証の委託は物権を設定する行為の委任にすぎず債務を負う行為の委任ではないので、受託者が事務処理のために費用を出す関係にないこと、抵当不動産の売却代金で被担保債権がどこまで消えるかは配当で初めて決まるので、求償権の範囲も存在すらも前もって確定できないことが理由である。したがって、物上保証人Cは事前求償できない。

民法460条
保証人は、主たる債務者の委託を受けて保証をした場合において、次に掲げるときは、主たる債務者に対して、あらかじめ、求償権を行使することができる。一 主たる債務者が破産手続開始の決定を受け、かつ、債権者がその破産財団の配当に加入しないとき。二 債務が弁済期にあるとき。ただし、保証契約の後に債権者が主たる債務者に許与した期限は、保証人に対抗することができない。三 保証人が過失なく債権者に弁済をすべき旨の裁判の言渡しを受けたとき。
2012年 司法試験 第23問 肢1
保証人が主たる債務者の委託を受けて保証をした場合において,過失なく債権者に弁済をすべき旨の裁判の言渡しを受けたときは,その保証人は,主たる債務者に対して求償権を有する。
解説
正しい。委託を受けた保証人が過失なく債権者に弁済をすべき旨の裁判の言渡しを受けたときは、主たる債務者に対してあらかじめ求償権を行使できる(460条3号)。
460条は、保証人が主たる債務者の委託を受けて保証をした場合において、主たる債務者が破産手続開始の決定を受け、かつ債権者がその破産財団の配当に加入しないとき(1号)、債務が弁済期にあるとき(2号)、保証人が過失なく債権者に弁済をすべき旨の裁判の言渡しを受けたとき(3号)は、主たる債務者に対してあらかじめ求償権を行使することができると定める。求償権は本来、保証人が弁済などで債務を消滅させた後に生じるものであるが、委託を受けた保証人は主たる債務者の依頼で他人の債務を引き受けた者であり、受任者が委任者に費用の前払を求められるのと同じように、一定の場合には弁済の前に求償を認めて保証人を保護したのである。保証人が過失なく弁済を命じる裁判の言渡しを受けたときは、保証人が近く弁済を強いられることが確実になっているから、その前に主たる債務者から資金を得られるようにした。本肢は同条3号の内容どおりである。

民法460条
保証人は、主たる債務者の委託を受けて保証をした場合において、次に掲げるときは、主たる債務者に対して、あらかじめ、求償権を行使することができる。一 主たる債務者が破産手続開始の決定を受け、かつ、債権者がその破産財団の配当に加入しないとき。二 債務が弁済期にあるとき。ただし、保証契約の後に債権者が主たる債務者に許与した期限は、保証人に対抗することができない。三 保証人が過失なく債権者に弁済をすべき旨の裁判の言渡しを受けたとき。
2012年 司法試験 第23問 肢2
判例によれば,債務者Aの委託を受けてAの債務を担保するため抵当権を設定したBは,当該抵当権の被担保債権の弁済期が到来したとしても,Aに対し,あらかじめ求償権を行使することができない。
解説
正しい。物上保証人は、被担保債権の弁済期が到来しても、債務者に対してあらかじめ求償権を行使することはできない(最判平2.12.18)。
判例(最判平2.12.18)は、債務者の委託を受けてその者の債務を担保するため抵当権を設定した者(物上保証人)は、被担保債権の弁済期が到来したとしても、債務者に対してあらかじめ求償権を行使することはできないとした。委託を受けた保証人の事前求償権(460条)は、保証人が債務を負担し、弁済を強いられる立場にあることを前提とする。これに対し物上保証人は、債務を負担せず、抵当不動産の価値の限度で責任を負うにとどまるから、受任者が委任者に費用の前払を求めるのと同じ関係にはない。また、物上保証人が最終的にいくら出捐することになるかは、抵当権が実行されて競売の代金がいくらになるかによって決まり、あらかじめ求償すべき額を確定することができない。そのため、委託を受けた保証人の事前求償権の規定を物上保証人に類推適用することはできないとされたのである。物上保証人は、抵当権が実行されたり自ら弁済したりした後に、事後の求償をすることになる(372条・351条)。本肢は判例の内容どおりである。

最判平2.12.18
債務者の委託を受けてその者の債務を担保するため抵当権を設定した者(物上保証人)は、被担保債権の弁済期が到来したとしても、債務者に対してあらかじめ求償権を行使することはできない
2009年 司法試験 第19問 肢エ
保証人が主たる債務者の委託を受けて保証をした場合であって,債権者に弁済をすべき旨の裁判の言渡しを受けたとき,又は主たる債務者に代わって弁済をし,その他自己の財産をもって債務を消滅させるべき行為をしたときは,そのいずれのときでも保証人に過失がないときに限り,その保証人は主たる債務者に対して求償権を有する。
解説
誤り。違うのは「そのいずれのときでも保証人に過失がないときに限り」の部分である。委託を受けた保証人が弁済などの債務の消滅行為をしたときは、過失の有無を問わず支出額の求償権を有し(459条1項)、過失がないことが要件となるのは裁判の言渡しを受けた場合の事前求償だけである(460条3号)。
459条1項は、保証人が主たる債務者の委託を受けて保証をした場合において、主たる債務者に代わって弁済その他自己の財産をもって債務を消滅させる行為をしたときは、主たる債務者に対し、そのために支出した財産の額の求償権を有すると定める。保証人が債務を消滅させたことで主たる債務者は債務を免れているので、その出捐を償わせるのは当然であり、保証人の過失の有無は問題とならない。これに対し、460条3号は、委託を受けた保証人が過失なく債権者に弁済をすべき旨の裁判の言渡しを受けたときは、あらかじめ求償権を行使することができるとする。まだ出捐していない段階で求償を認める例外であるから、保証人が自らの過失で敗訴した場合にまで認める理由はないとして、無過失を要件としたのである。出題当時の旧459条1項も、過失なくの語は裁判の言渡しにだけかかっていた。したがって、いずれの場合も無過失を要するとする本肢は誤りである。

民法459条1項
保証人が主たる債務者の委託を受けて保証をした場合において、主たる債務者に代わって弁済その他自己の財産をもって債務を消滅させる行為(以下「債務の消滅行為」という。)をしたときは、その保証人は、主たる債務者に対し、そのために支出した財産の額(その財産の額がその債務の消滅行為によって消滅した主たる債務の額を超える場合にあっては、その消滅した額)の求償権を有する。
ポイント整理
保証人の求償
- 委託を受けた保証人(459条):支出額+免責日以後の法定利息・避けられなかった費用その他の損害
- 委託を受けた保証人の事前求償(460条):主たる債務者の破産、弁済期の到来、過失なく弁済を命じる裁判の言渡し
- 委託を受けない保証人(462条1項):主たる債務者がその当時利益を受けた限度
- 主たる債務者の意思に反する保証人(462条2項):主たる債務者が現に利益を受けている限度
2008年 司法試験 第18問 肢エ
主たる債務者の委託を受けて保証をした者は,主たる債務が弁済期にあるときは,自ら弁済をする前であっても主たる債務者に対して求償権を行使することができる。
解説
正しい。委託を受けた保証人は、債務が弁済期にあるときは、主たる債務者に対してあらかじめ求償権を行使できる(460条2号)。
460条は、保証人が主たる債務者の委託を受けて保証をした場合において、主たる債務者が破産手続開始の決定を受け債権者がその破産財団の配当に加入しないとき(1号)、債務が弁済期にあるとき(2号)、保証人が過失なく債権者に弁済をすべき旨の裁判の言渡しを受けたとき(3号)は、主たる債務者に対して、あらかじめ求償権を行使することができると定める。委託を受けた保証人は、主たる債務者から事務の処理を頼まれた受任者に似た立場にあり、委任事務の処理に必要な費用の前払を請求できる受任者(649条)と同じく、弁済前でも主たる債務者に費用の準備を求められるとしたのである。特に弁済期が到来すれば、保証人はいつ債権者から請求を受けるかわからないから、事前に求償して損失を避ける必要がある。委託を受けない保証人には事前求償権はない。本肢は正しい。

民法460条2号
保証人は、主たる債務者の委託を受けて保証をした場合において、次に掲げるときは、主たる債務者に対して、あらかじめ、求償権を行使することができる。二 債務が弁済期にあるとき。ただし、保証契約の後に債権者が主たる債務者に許与した期限は、保証人に対抗することができない。
第461条主たる債務者が保証人に対して償還をする場合
1前条の規定により主たる債務者が保証人に対して償還をする場合において、債権者が全部の弁済を受けない間は、主たる債務者は、保証人に担保を供させ、又は保証人に対して自己に免責を得させることを請求することができる。
2前項に規定する場合において、主たる債務者は、供託をし、担保を供し、又は保証人に免責を得させて、その償還の義務を免れることができる。
第462条委託を受けない保証人の求償権過去問 10
1第四百五十九条の二第一項の規定は、主たる債務者の委託を受けないで保証をした者が債務の消滅行為をした場合について準用する。
2主たる債務者の意思に反して保証をした者は、主たる債務者が現に利益を受けている限度においてのみ求償権を有する。この場合において、主たる債務者が求償の日以前に相殺の原因を有していたことを主張するときは、保証人は、債権者に対し、その相殺によって消滅すべきであった債務の履行を請求することができる。
3第四百五十九条の二第三項の規定は、前二項に規定する保証人が主たる債務の弁済期前に債務の消滅行為をした場合における求償権の行使について準用する。
この条文の過去問 10問
2022年 司法試験 第19問 肢イ
主たる債務者の意思に反して保証がされた場合において、保証債務の弁済をした保証人は、主たる債務者に対し、その弁済の当時に主たる債務者が利益を受けた限度において求償権を有する。
解説
誤り。違うのは「その弁済の当時に主たる債務者が利益を受けた限度において」の部分である。主たる債務者の意思に反して保証をした者は、主たる債務者が求償の時に現に利益を受けている限度でのみ求償できる(462条2項)。
委託を受けない保証人の求償の範囲は、保証が主たる債務者の意思に反するかどうかで分かれる。意思に反しない場合は、債務の消滅行為の当時に主たる債務者が利益を受けた限度で求償できる(462条1項・459条の2第1項)。これに対し462条2項は、主たる債務者の意思に反して保証をした者は、主たる債務者が現に利益を受けている限度においてのみ求償権を有すると定め、基準の時点を弁済の時ではなく求償の時にしている。頼まれてもいないのに、しかも反対されながら保証した者に、主たる債務者が求償の時点で得ている以上の負担をさせるのは不当だからである。たとえば、弁済後に主たる債務者が債権者に対して相殺できる債権を得ていれば、その分だけ求償額は減る。肢は弁済の当時を基準にしており、誤っている。

民法462条2項
主たる債務者の意思に反して保証をした者は、主たる債務者が現に利益を受けている限度においてのみ求償権を有する。この場合において、主たる債務者が求償の日以前に相殺の原因を有していたことを主張するときは、保証人は、債権者に対し、その相殺によって消滅すべきであった債務の履行を請求することができる。
ポイント整理
保証人の求償の範囲
| 保証人 | 求償の範囲 | 条文 |
|---|
| 委託を受けた保証人 | 支出した財産の額(消滅した額が限度)と法定利息・費用等 | 459条 |
| 委託を受けない保証人(意思に反しない) | 債務の消滅行為の当時に主たる債務者が利益を受けた限度 | 462条1項・459条の2第1項 |
| 主たる債務者の意思に反する保証人 | 求償の時に主たる債務者が現に利益を受けている限度 | 462条2項 |
| 共同保証人間 | 全額又は自己の負担部分を超える額を弁済したときに限る | 465条1項 |
2019年 予備試験 第9問 肢イ
第三者は,Aの意思に反しても,本件債務を主たる債務とする保証をすることができる。
解説
正しい。保証契約は債権者と保証人の間の契約であり、主たる債務者の意思に反しても締結できる。意思に反することは求償の範囲に影響するにとどまる(462条2項)。
保証債務は、保証人と債権者との間の保証契約によって生ずる(446条1項・2項)。主たる債務者は保証契約の当事者ではないから、その承諾は保証契約の成立にも効力にも関係がなく、主たる債務者の意思に反して結ばれた保証契約も有効である。債権者にとって担保が増えることは不利益でなく、主たる債務者にとっても債務の内容が重くなるわけではないので、その意思を問う必要がないからである。主たる債務者の意思に反するかどうかは、保証人が弁済した後の求償の範囲で意味を持つ。462条2項は、主たる債務者の意思に反して保証をした者は、主たる債務者が現に利益を受けている限度においてのみ求償権を有すると定めている。したがって、第三者はAの意思に反しても本件債務を保証でき、肢は正しい。

民法462条2項
主たる債務者の意思に反して保証をした者は、主たる債務者が現に利益を受けている限度においてのみ求償権を有する。この場合において、主たる債務者が求償の日以前に相殺の原因を有していたことを主張するときは、保証人は、債権者に対し、その相殺によって消滅すべきであった債務の履行を請求することができる。
2019年 司法試験 第19問 肢イ
第三者は,Aの意思に反しても,本件債務を主たる債務とする保証をすることができる。
解説
正しい。保証契約は債権者と保証人の間の契約であり、主たる債務者の意思に反しても締結できる。意思に反することは求償の範囲に影響するにとどまる(462条2項)。
保証債務は、保証人と債権者との間の保証契約によって生ずる(446条1項・2項)。主たる債務者は保証契約の当事者ではないから、その承諾は保証契約の成立にも効力にも関係がなく、主たる債務者の意思に反して結ばれた保証契約も有効である。債権者にとって担保が増えることは不利益でなく、主たる債務者にとっても債務の内容が重くなるわけではないので、その意思を問う必要がないからである。主たる債務者の意思に反するかどうかは、保証人が弁済した後の求償の範囲で意味を持つ。462条2項は、主たる債務者の意思に反して保証をした者は、主たる債務者が現に利益を受けている限度においてのみ求償権を有すると定めている。したがって、第三者はAの意思に反しても本件債務を保証でき、肢は正しい。

民法462条2項
主たる債務者の意思に反して保証をした者は、主たる債務者が現に利益を受けている限度においてのみ求償権を有する。この場合において、主たる債務者が求償の日以前に相殺の原因を有していたことを主張するときは、保証人は、債権者に対し、その相殺によって消滅すべきであった債務の履行を請求することができる。
2018年 予備試験 第9問 肢ア
委託を受けない保証人は,主たる債務者の意思に反して弁済することができない。
解説
誤り。違うのは「主たる債務者の意思に反して弁済することができない」の部分である。保証人の弁済は自己の保証債務の履行であり、委託を受けていなくても主たる債務者の意思に反して弁済できる。委託の有無は求償の範囲に影響するだけである(462条2項)。
保証人が債権者に支払うのは、保証契約によって自ら負った保証債務の履行であり、他人の債務を代わりに払う第三者弁済とは性質が違う。そのため、正当な利益を有しない第三者は債務者の意思に反して弁済できないという474条2項の制限は、保証人の弁済には及ばない。仮に第三者弁済の枠組みで考えても、保証人は債権者から現に請求を受ける立場にあり、弁済すれば求償権を取得して債権者に代位するので、弁済をするについて正当な利益を有する者に当たり、債務者の意思に反しても弁済できる。委託を受けたかどうかや主たる債務者の意思に反するかどうかが意味を持つのは、弁済した後の求償の範囲である。主たる債務者の意思に反して保証をした者は、主たる債務者が現に利益を受けている限度でしか求償できない(462条2項)。肢は弁済そのものができないとしており、誤っている。

民法462条2項
主たる債務者の意思に反して保証をした者は、主たる債務者が現に利益を受けている限度においてのみ求償権を有する。この場合において、主たる債務者が求償の日以前に相殺の原因を有していたことを主張するときは、保証人は、債権者に対し、その相殺によって消滅すべきであった債務の履行を請求することができる。
2018年 司法試験 第19問 肢ア
委託を受けない保証人は,主たる債務者の意思に反して弁済することができない。
解説
誤り。違うのは「主たる債務者の意思に反して弁済することができない」の部分である。保証人の弁済は自己の保証債務の履行であり、委託を受けていなくても主たる債務者の意思に反して弁済できる。委託の有無は求償の範囲に影響するだけである(462条2項)。
保証人が債権者に支払うのは、保証契約によって自ら負った保証債務の履行であり、他人の債務を代わりに払う第三者弁済とは性質が違う。そのため、正当な利益を有しない第三者は債務者の意思に反して弁済できないという474条2項の制限は、保証人の弁済には及ばない。仮に第三者弁済の枠組みで考えても、保証人は債権者から現に請求を受ける立場にあり、弁済すれば求償権を取得して債権者に代位するので、弁済をするについて正当な利益を有する者に当たり、債務者の意思に反しても弁済できる。委託を受けたかどうかや主たる債務者の意思に反するかどうかが意味を持つのは、弁済した後の求償の範囲である。主たる債務者の意思に反して保証をした者は、主たる債務者が現に利益を受けている限度でしか求償できない(462条2項)。肢は弁済そのものができないとしており、誤っている。

民法462条2項
主たる債務者の意思に反して保証をした者は、主たる債務者が現に利益を受けている限度においてのみ求償権を有する。この場合において、主たる債務者が求償の日以前に相殺の原因を有していたことを主張するときは、保証人は、債権者に対し、その相殺によって消滅すべきであった債務の履行を請求することができる。
2015年 司法試験 第36問 肢ウ
主たる債務者の委託を受けないで保証をした保証人が弁済をしたときは,主たる債務者は,弁済がされた日以後の法定利息をその保証人に支払わなければならない。
解説
誤り。違うのは「弁済がされた日以後の法定利息をその保証人に支払わなければならない」の部分である。委託を受けない保証人の求償は、主たる債務者がその当時利益を受けた限度に限られ、法定利息は含まれない(462条1項・459条の2第1項)。
保証人の求償の範囲は、主たる債務者の委託を受けたかどうかで違う。委託を受けた保証人が債務を消滅させた場合には、支出した額のほか、免責があった日以後の法定利息と避けることができなかった費用その他の損害賠償も求償できる(459条2項・442条2項)。委託は委任に近い関係であり、受任者の費用償還請求権に準じた保護が与えられるからである。これに対し、委託を受けないで保証をした者については、462条1項が459条の2第1項を準用しており、求償できるのは主たる債務者がその当時利益を受けた限度に限られる。委託がない以上、その弁済は主たる債務者の意思に基づかない出捐であり、事務管理に近い性格を持つにすぎないから、免責があった日以後の法定利息までは求償できないのである。したがって、主たる債務者は委託を受けない保証人に法定利息を支払う必要はない。出題当時と条文の構成は違うが、結論は変わらない。

民法462条1項
第四百五十九条の二第一項の規定は、主たる債務者の委託を受けないで保証をした者が債務の消滅行為をした場合について準用する。
ポイント整理
民法の利息の規定
- 留置物の果実(297条):優先して弁済に充当でき、まず利息に、残りは元本に充当する
- 法定重利(405条):1年分以上の延滞と催告後の不払で、元本に組み入れることができる
- 委託を受けない保証人の求償(462条1項・459条の2第1項):主たる債務者がその当時利益を受けた限度で、免責日以後の法定利息は含まない
- 解除による金銭の返還(545条2項):受領の時から利息を付す
- 売買の代金の利息(575条2項):引渡しの日から。代金に期限があれば期限の到来まで不要
2014年 予備試験 第8問 肢エ
Cが,Aの意思に反してBとの間で保証契約を締結し,Bに保証債務の弁済をした場合には,Cは,Aが現に利益を受けている限度でのみ,Aに対して求償をすることができる。
解説
正しい。主たる債務者の意思に反して保証をした者は、主たる債務者が現に利益を受けている限度においてのみ求償権を有する(462条2項)。
保証人の求償権の範囲は、保証が主たる債務者の委託に基づくかどうか、さらに主たる債務者の意思に反するかどうかで分かれる。委託を受けた保証人は、支出した額に加えて、その日以後の法定利息や避けることができなかった費用その他の損害まで求償できる(459条)。委託を受けないが主たる債務者の意思に反しない保証人は、債務の消滅行為の当時に主たる債務者が利益を受けた限度で求償できる(462条1項・459条の2第1項)。これに対し、主たる債務者の意思に反して保証をした者について、462条2項前段は、主たる債務者が現に利益を受けている限度においてのみ求償権を有すると定める。主たる債務者の意思に反して他人の債務に干渉した者に、主たる債務者が予想しない負担を負わせるべきではないから、求償の時に残っている利益に限ったのである。本肢のCはAの意思に反して保証契約を結び、保証債務を弁済しているから、462条2項前段により、Aが現に利益を受けている限度でのみ求償できる。肢は正しい。

民法462条2項
主たる債務者の意思に反して保証をした者は、主たる債務者が現に利益を受けている限度においてのみ求償権を有する。この場合において、主たる債務者が求償の日以前に相殺の原因を有していたことを主張するときは、保証人は、債権者に対し、その相殺によって消滅すべきであった債務の履行を請求することができる。
ポイント整理
保証人の求償権の範囲
| 保証人 | 求償できる範囲 | 条文 |
|---|
| 委託を受けた保証人 | 支出した額と、その日以後の法定利息・避けられなかった費用その他の損害 | 459条 |
| 委託を受けず、主たる債務者の意思に反しない保証人 | 消滅行為の当時に主たる債務者が利益を受けた限度 | 462条1項・459条の2第1項 |
| 主たる債務者の意思に反する保証人 | 求償の時に主たる債務者が現に利益を受けている限度 | 462条2項 |
2014年 司法試験 第19問 肢エ
Cが,Aの意思に反してBとの間で保証契約を締結し,Bに保証債務の弁済をした場合には,Cは,Aが現に利益を受けている限度でのみ,Aに対して求償をすることができる。
解説
正しい。主たる債務者の意思に反して保証をした者は、主たる債務者が現に利益を受けている限度においてのみ求償権を有する(462条2項)。
保証人の求償権の範囲は、保証が主たる債務者の委託に基づくかどうか、さらに主たる債務者の意思に反するかどうかで分かれる。委託を受けた保証人は、支出した額に加えて、その日以後の法定利息や避けることができなかった費用その他の損害まで求償できる(459条)。委託を受けないが主たる債務者の意思に反しない保証人は、債務の消滅行為の当時に主たる債務者が利益を受けた限度で求償できる(462条1項・459条の2第1項)。これに対し、主たる債務者の意思に反して保証をした者について、462条2項前段は、主たる債務者が現に利益を受けている限度においてのみ求償権を有すると定める。主たる債務者の意思に反して他人の債務に干渉した者に、主たる債務者が予想しない負担を負わせるべきではないから、求償の時に残っている利益に限ったのである。本肢のCはAの意思に反して保証契約を結び、保証債務を弁済しているから、462条2項前段により、Aが現に利益を受けている限度でのみ求償できる。肢は正しい。

民法462条2項
主たる債務者の意思に反して保証をした者は、主たる債務者が現に利益を受けている限度においてのみ求償権を有する。この場合において、主たる債務者が求償の日以前に相殺の原因を有していたことを主張するときは、保証人は、債権者に対し、その相殺によって消滅すべきであった債務の履行を請求することができる。
ポイント整理
保証人の求償権の範囲
| 保証人 | 求償できる範囲 | 条文 |
|---|
| 委託を受けた保証人 | 支出した額と、その日以後の法定利息・避けられなかった費用その他の損害 | 459条 |
| 委託を受けず、主たる債務者の意思に反しない保証人 | 消滅行為の当時に主たる債務者が利益を受けた限度 | 462条1項・459条の2第1項 |
| 主たる債務者の意思に反する保証人 | 求償の時に主たる債務者が現に利益を受けている限度 | 462条2項 |
2012年 予備試験 第9問 肢5
共同保証人の一人が債権者に対し保証債務を弁済し,他の共同保証人に対して求償をした場合において,求償を受けた保証人が,主たる債務者に弁済をする資力があり,かつ,執行が容易であることを証明したときは,債権者に弁済をした保証人は,まず主たる債務者に求償権を行使しなければならない。
解説
誤り。違うのは「債権者に弁済をした保証人は、まず主たる債務者に求償権を行使しなければならない」の部分である。共同保証人間の求償について465条は検索の抗弁(453条)を準用しておらず、求償を受けた保証人は主たる債務者への求償を先にするよう求めることはできない。
453条の検索の抗弁は、債権者から請求を受けた保証人が、主たる債務者に弁済の資力があり執行が容易であることを証明して、まず主たる債務者の財産に執行させるものであり、債権者と保証人の間で働く抗弁である。共同保証人間の求償については、465条1項が連帯債務者間の求償の規定(442条から444条)を、同条2項が委託を受けない保証人の求償の規定(462条)を準用するだけで、453条は準用していない。判例も、共同保証人間の求償権は、主たる債務者の資力が不十分な場合に弁済した保証人だけが損失を負担するのは共同保証人間の公平に反することから、共同保証人間の負担を最終的に調整するためのものであるとしている。この求償権は主たる債務者への求償権とは別に成り立つから、求償を受けた保証人は、主たる債務者に資力があることを理由に求償を拒むことはできない。したがって、肢は誤りである。

民法465条
第四百四十二条から第四百四十四条までの規定は、数人の保証人がある場合において、そのうちの一人の保証人が、主たる債務が不可分であるため又は各保証人が全額を弁済すべき旨の特約があるため、その全額又は自己の負担部分を超える額を弁済したときについて準用する。2 第四百六十二条の規定は、前項に規定する場合を除き、互いに連帯しない保証人の一人が全額又は自己の負担部分を超える額を弁済したときについて準用する。
ポイント整理
保証人の求償の範囲
- 委託を受けた保証人(459条):支出額+免責日以後の法定利息・避けられなかった費用その他の損害
- 委託を受けない保証人(462条1項):主たる債務者がその当時利益を受けた限度
- 主たる債務者の意思に反する保証人(462条2項):主たる債務者が現に利益を受けている限度
- 連帯債務者の一人のための保証人(464条):他の連帯債務者には負担部分のみ
- 共同保証人間(465条):自己の負担部分を超えて弁済したときに限り、他の共同保証人に求償できる
2009年 司法試験 第25問 肢5
利害関係を有しない第三者は,債務者の意思に反して,その債務の保証をすることができない。
解説
誤り。違うのは「債務者の意思に反して、その債務の保証をすることができない」の部分である。保証契約は債権者と保証人の間の契約であり、主たる債務者の意思に反しても有効に締結できる(462条2項参照)。
保証契約は、債権者と保証人となる者との間で締結される契約であり、主たる債務者は保証契約の当事者ではない。そのため、保証契約が有効に成立するために主たる債務者の同意は必要とされず、主たる債務者の意思に反する保証も有効である。462条2項は、主たる債務者の意思に反して保証をした者は、主たる債務者が現に利益を受けている限度においてのみ求償権を有すると定めており、主たる債務者の意思に反する保証が有効に成立することを前提として、求償の範囲を制限することで主たる債務者の意思との調整を図っている。第三者弁済では、正当な利益を有しない第三者は債務者の意思に反して弁済できないとされるが(474条2項)、保証については、そのような制限は置かれていない。保証は債権者の利益のための制度であり、主たる債務者に不利益を生じさせるものではないからである。したがって、本肢は誤りである。

民法462条2項
主たる債務者の意思に反して保証をした者は、主たる債務者が現に利益を受けている限度においてのみ求償権を有する。この場合において、主たる債務者が求償の日以前に相殺の原因を有していたことを主張するときは、保証人は、債権者に対し、その相殺によって消滅すべきであった債務の履行を請求することができる。
第463条通知を怠った保証人の求償の制限等過去問 4
1保証人が主たる債務者の委託を受けて保証をした場合において、主たる債務者にあらかじめ通知しないで債務の消滅行為をしたときは、主たる債務者は、債権者に対抗することができた事由をもってその保証人に対抗することができる。この場合において、相殺をもってその保証人に対抗したときは、その保証人は、債権者に対し、相殺によって消滅すべきであった債務の履行を請求することができる。
2保証人が主たる債務者の委託を受けて保証をした場合において、主たる債務者が債務の消滅行為をしたことを保証人に通知することを怠ったため、その保証人が善意で債務の消滅行為をしたときは、その保証人は、その債務の消滅行為を有効であったものとみなすことができる。
3保証人が債務の消滅行為をした後に主たる債務者が債務の消滅行為をした場合においては、保証人が主たる債務者の意思に反して保証をしたときのほか、保証人が債務の消滅行為をしたことを主たる債務者に通知することを怠ったため、主たる債務者が善意で債務の消滅行為をしたときも、主たる債務者は、その債務の消滅行為を有効であったものとみなすことができる。
この条文の過去問 4問
2025年 司法試験 第20問 肢エ
Aの委託を受けて保証をしたCがAにあらかじめ通知しないでBに弁済をした場合において、AがBに対して反対債権を有していたときは、Aは、その反対債権との相殺をもって、求償権の行使をするCに対抗することができる。
解説
正しい。463条1項により、委託を受けた保証人が事前に通知しないで弁済したときは、主たる債務者は債権者に対抗できた相殺をもって保証人に対抗できる。
委託を受けた保証人が弁済などで債務を消滅させれば、主たる債務者に求償できる(459条1項)。しかし、主たる債務者が債権者に対して相殺などの抗弁を持っていた場合に、保証人が独断で弁済すると、主たる債務者はその利益を失う。そこで463条1項前段は、保証人が主たる債務者の委託を受けて保証をした場合において、主たる債務者にあらかじめ通知しないで債務の消滅行為をしたときは、主たる債務者は、債権者に対抗することができた事由をもってその保証人に対抗することができると定める。反対債権による相殺は、まさに債権者に対抗できた事由に当たる。したがって、AはBに対する反対債権による相殺をもってCの求償に対抗できる。この場合、同項後段により、保証人は債権者に対し、相殺で消えるはずだった債務の履行を請求できる。

民法463条1項
保証人が主たる債務者の委託を受けて保証をした場合において、主たる債務者にあらかじめ通知しないで債務の消滅行為をしたときは、主たる債務者は、債権者に対抗することができた事由をもってその保証人に対抗することができる。この場合において、相殺をもってその保証人に対抗したときは、その保証人は、債権者に対し、相殺によって消滅すべきであった債務の履行を請求することができる。
2022年 司法試験 第19問 肢ウ
主たる債務者の委託を受けないで保証がされた場合において、主たる債務者が債務の弁済をしたが、保証人にその事実を通知しなかった。保証人が主たる債務者による弁済の事実を知らないで保証債務の弁済をしたときは、保証人は、その弁済を有効とみなすことができる。
解説
誤り。違うのは「保証人は、その弁済を有効とみなすことができる」の部分である。主たる債務者が通知を怠った場合に保証人が自分の弁済を有効とみなせるのは、委託を受けた保証人に限られる(463条2項)。
463条2項は、保証人が主たる債務者の委託を受けて保証をした場合において、主たる債務者が債務の消滅行為をしたことを保証人に通知しなかったため、保証人が善意で債務の消滅行為をしたときは、保証人はその行為を有効であったものとみなすことができると定める。この規定は委託を受けた保証人に限って適用される。委託を受けていない保証人については、主たる債務者はそもそも保証人がいることを知らないのが普通であり、知らない保証人に通知する義務を課すことはできないからである。もし委託を受けない保証人の後からの弁済を有効とみなせるとすれば、自分で払って債務を終えたはずの主たる債務者が、なお求償に応じなければならなくなり、立場が不安定になる。肢は委託を受けない保証人でも有効とみなせるとしており、誤っている。

民法463条2項
保証人が主たる債務者の委託を受けて保証をした場合において、主たる債務者が債務の消滅行為をしたことを保証人に通知することを怠ったため、その保証人が善意で債務の消滅行為をしたときは、その保証人は、その債務の消滅行為を有効であったものとみなすことができる。
ポイント整理
保証人の求償の範囲
| 保証人 | 求償の範囲 | 条文 |
|---|
| 委託を受けた保証人 | 支出した財産の額(消滅した額が限度)と法定利息・費用等 | 459条 |
| 委託を受けない保証人(意思に反しない) | 債務の消滅行為の当時に主たる債務者が利益を受けた限度 | 462条1項・459条の2第1項 |
| 主たる債務者の意思に反する保証人 | 求償の時に主たる債務者が現に利益を受けている限度 | 462条2項 |
| 共同保証人間 | 全額又は自己の負担部分を超える額を弁済したときに限る | 465条1項 |
2014年 予備試験 第8問 肢ウ
AのBに対する債務の額が500万円であり,CがAの依頼を受けてBとの間で保証契約を締結した場合において,Aが,その後取得したBに対する300万円の金銭債権を自働債権として,Bに対する債務と相殺をしようと考えていたところ,CがAに対して通知することなくBに500万円を弁済したときには,AはCから500万円の求償を受けても,相殺をすることができる地位にあったことを主張して,300万円の範囲でこれを拒むことができる。
解説
正しい。委託を受けた保証人が主たる債務者に事前に通知せずに弁済したときは、主たる債務者は債権者に対抗できた事由をもって保証人に対抗でき、Aは相殺できた300万円の範囲で求償を拒める(463条1項)。
463条1項前段は、保証人が主たる債務者の委託を受けて保証をした場合において、主たる債務者にあらかじめ通知しないで債務の消滅行為をしたときは、主たる債務者は、債権者に対抗することができた事由をもってその保証人に対抗することができると定める。委託を受けた保証人には、主たる債務者が債権者に対して持っている抗弁を無にしないよう、弁済の前に通知することが求められているのである。債権者に対する反対債権による相殺は、主たる債務者が債権者に対抗できた事由の典型である。本肢のCはAの依頼を受けた保証人であるのに、Aに通知せずにBに500万円を弁済しており、AはBに対する300万円の債権で相殺できる立場にあった。したがってAは、Cの500万円の求償に対し、相殺できた300万円の範囲で支払を拒むことができ、肢は正しい。この場合、Cは債権者Bに対し、相殺によって消滅するはずであった300万円の債務の履行を請求することができる(463条1項後段)。

民法463条1項
保証人が主たる債務者の委託を受けて保証をした場合において、主たる債務者にあらかじめ通知しないで債務の消滅行為をしたときは、主たる債務者は、債権者に対抗することができた事由をもってその保証人に対抗することができる。この場合において、相殺をもってその保証人に対抗したときは、その保証人は、債権者に対し、相殺によって消滅すべきであった債務の履行を請求することができる。
ポイント整理
保証人の求償権の範囲
| 保証人 | 求償できる範囲 | 条文 |
|---|
| 委託を受けた保証人 | 支出した額と、その日以後の法定利息・避けられなかった費用その他の損害 | 459条 |
| 委託を受けず、主たる債務者の意思に反しない保証人 | 消滅行為の当時に主たる債務者が利益を受けた限度 | 462条1項・459条の2第1項 |
| 主たる債務者の意思に反する保証人 | 求償の時に主たる債務者が現に利益を受けている限度 | 462条2項 |
2014年 司法試験 第19問 肢ウ
AのBに対する債務の額が500万円であり,CがAの依頼を受けてBとの間で保証契約を締結した場合において,Aが,その後取得したBに対する300万円の金銭債権を自働債権として,Bに対する債務と相殺をしようと考えていたところ,CがAに対して通知することなくBに500万円を弁済したときには,AはCから500万円の求償を受けても,相殺をすることができる地位にあったことを主張して,300万円の範囲でこれを拒むことができる。
解説
正しい。委託を受けた保証人が主たる債務者に事前に通知せずに弁済したときは、主たる債務者は債権者に対抗できた事由をもって保証人に対抗でき、Aは相殺できた300万円の範囲で求償を拒める(463条1項)。
463条1項前段は、保証人が主たる債務者の委託を受けて保証をした場合において、主たる債務者にあらかじめ通知しないで債務の消滅行為をしたときは、主たる債務者は、債権者に対抗することができた事由をもってその保証人に対抗することができると定める。委託を受けた保証人には、主たる債務者が債権者に対して持っている抗弁を無にしないよう、弁済の前に通知することが求められているのである。債権者に対する反対債権による相殺は、主たる債務者が債権者に対抗できた事由の典型である。本肢のCはAの依頼を受けた保証人であるのに、Aに通知せずにBに500万円を弁済しており、AはBに対する300万円の債権で相殺できる立場にあった。したがってAは、Cの500万円の求償に対し、相殺できた300万円の範囲で支払を拒むことができ、肢は正しい。この場合、Cは債権者Bに対し、相殺によって消滅するはずであった300万円の債務の履行を請求することができる(463条1項後段)。

民法463条1項
保証人が主たる債務者の委託を受けて保証をした場合において、主たる債務者にあらかじめ通知しないで債務の消滅行為をしたときは、主たる債務者は、債権者に対抗することができた事由をもってその保証人に対抗することができる。この場合において、相殺をもってその保証人に対抗したときは、その保証人は、債権者に対し、相殺によって消滅すべきであった債務の履行を請求することができる。
ポイント整理
保証人の求償権の範囲
| 保証人 | 求償できる範囲 | 条文 |
|---|
| 委託を受けた保証人 | 支出した額と、その日以後の法定利息・避けられなかった費用その他の損害 | 459条 |
| 委託を受けず、主たる債務者の意思に反しない保証人 | 消滅行為の当時に主たる債務者が利益を受けた限度 | 462条1項・459条の2第1項 |
| 主たる債務者の意思に反する保証人 | 求償の時に主たる債務者が現に利益を受けている限度 | 462条2項 |
第464条連帯債務又は不可分債務の保証人の求償権過去問 1
連帯債務者又は不可分債務者の一人のために保証をした者は、他の債務者に対し、その負担部分のみについて求償権を有する。
この条文の過去問 1問
2012年 予備試験 第9問 肢4
連帯債務者の一人から委託を受け,その者のために保証人となった者が,債権者に対して保証債務の全額を弁済したときは,この保証人は,その連帯債務者に対し,その者の負担部分についてのみ求償権を有する。
解説
誤り。違うのは「その連帯債務者に対し、その者の負担部分についてのみ求償権を有する」の部分である。保証人は、自分が保証した連帯債務者に対しては支出した額の全額を求償でき(459条1項)、負担部分に限られるのは他の連帯債務者に対する求償である(464条)。
459条1項は、主たる債務者の委託を受けた保証人が債務の消滅行為をしたときは、主たる債務者に対して支出した財産の額の求償権を有すると定める。連帯債務者の一人のために保証をした者にとって、その連帯債務者は主たる債務者であるから、保証人は全額を弁済すれば、その者に対して全額を求償できる。保証人が肩代わりしたのはその連帯債務者が負う全額の債務だからである。これに対し、464条は、連帯債務者の一人のために保証をした者は、他の債務者に対してはその負担部分のみについて求償権を有すると定める。他の連帯債務者は保証人にとって主たる債務者ではなく、保証人がその者たちに求めることができるのは、保証した連帯債務者が他の連帯債務者に求償できる範囲、すなわち各自の負担部分に限られるのである。肢は、保証した連帯債務者に対する求償と、他の連帯債務者に対する求償を取り違えており、誤りである。

民法459条1項・464条
保証人が主たる債務者の委託を受けて保証をした場合において、主たる債務者に代わって弁済その他自己の財産をもって債務を消滅させる行為(以下「債務の消滅行為」という。)をしたときは、その保証人は、主たる債務者に対し、そのために支出した財産の額(その財産の額がその債務の消滅行為によって消滅した主たる債務の額を超える場合にあっては、その消滅した額)の求償権を有する。/連帯債務者又は不可分債務者の一人のために保証をした者は、他の債務者に対し、その負担部分のみについて求償権を有する。
ポイント整理
保証人の求償の範囲
- 委託を受けた保証人(459条):支出額+免責日以後の法定利息・避けられなかった費用その他の損害
- 委託を受けない保証人(462条1項):主たる債務者がその当時利益を受けた限度
- 主たる債務者の意思に反する保証人(462条2項):主たる債務者が現に利益を受けている限度
- 連帯債務者の一人のための保証人(464条):他の連帯債務者には負担部分のみ
- 共同保証人間(465条):自己の負担部分を超えて弁済したときに限り、他の共同保証人に求償できる
第465条共同保証人間の求償権過去問 4
1第四百四十二条から第四百四十四条までの規定は、数人の保証人がある場合において、そのうちの一人の保証人が、主たる債務が不可分であるため又は各保証人が全額を弁済すべき旨の特約があるため、その全額又は自己の負担部分を超える額を弁済したときについて準用する。
2第四百六十二条の規定は、前項に規定する場合を除き、互いに連帯しない保証人の一人が全額又は自己の負担部分を超える額を弁済したときについて準用する。
この条文の過去問 4問
2024年 司法試験 第20問 肢オ
A及びBがCのDに対する100万円の債務について保証人となり、A及びBが各自全額を弁済すべき旨の特約がされ、負担部分は平等である。この場合に、Aは、Dに20万円を弁済しても、Bに10万円を求償することができない。
解説
正しい。全額弁済の特約のある共同保証人は、自己の負担部分を超えて弁済したときに初めて他の保証人に求償できる(465条1項)。
数人の保証人がいる場合、各保証人は原則として頭数で分けた額だけ保証債務を負う(456条)。しかし、各保証人が全額を弁済すべき旨の特約があるときはこの分別の利益がなく、各保証人は債権者に全額を払う義務を負う。この場合の保証人どうしの求償について、465条1項は、保証人が全額又は自己の負担部分を超える額を弁済したときに、連帯債務者間の求償の規定(442条〜444条)を準用すると定める。連帯債務者間では、払った額が自分の負担部分を超えるかどうかにかかわらず求償できる(442条1項)のに対し、共同保証人の間では、自分の負担部分を超えて払って初めて求償権が生じる。保証人どうしは主たる債務者に対して求償すべき立場にあり、負担部分の範囲内の支払は自分の負担を果たしたにすぎないからである。Aの負担部分は50万円なので、20万円を払っただけではBに求償できない。

民法465条1項
第四百四十二条から第四百四十四条までの規定は、数人の保証人がある場合において、そのうちの一人の保証人が、主たる債務が不可分であるため又は各保証人が全額を弁済すべき旨の特約があるため、その全額又は自己の負担部分を超える額を弁済したときについて準用する。
2022年 司法試験 第19問 肢オ
数人の連帯保証人の一人が債権者に対して保証債務の弁済をした場合は、その額が自己の負担部分を超えるかどうかにかかわらず、他の連帯保証人に対して求償をすることができる。
解説
誤り。違うのは「その額が自己の負担部分を超えるかどうかにかかわらず」の部分である。共同保証人間の求償は、全額又は自己の負担部分を超える額を弁済したときに限って認められる(465条1項)。
465条1項は、数人の保証人がある場合に、主たる債務が不可分であるため又は各保証人が全額を弁済すべき旨の特約があるため、そのうちの一人がその全額又は自己の負担部分を超える額を弁済したときに、連帯債務者間の求償に関する442条から444条までを準用すると定める。連帯保証人は全額の弁済義務を負うのでこの規定が当てはまるが、求償できるのは自己の負担部分を超えて弁済した場合に限られる。連帯債務者の間では、442条1項で負担部分を超えるかどうかにかかわらず求償できるが、共同保証人は本来主たる債務者に全額を求償できる立場にあり、保証人どうしの求償はあくまで補充的なものだからである。肢は負担部分を超えるかどうかにかかわらず求償できるとしており、連帯債務者の扱いと取り違えている。

民法465条1項
第四百四十二条から第四百四十四条までの規定は、数人の保証人がある場合において、そのうちの一人の保証人が、主たる債務が不可分であるため又は各保証人が全額を弁済すべき旨の特約があるため、その全額又は自己の負担部分を超える額を弁済したときについて準用する。
ポイント整理
保証人の求償の範囲
| 保証人 | 求償の範囲 | 条文 |
|---|
| 委託を受けた保証人 | 支出した財産の額(消滅した額が限度)と法定利息・費用等 | 459条 |
| 委託を受けない保証人(意思に反しない) | 債務の消滅行為の当時に主たる債務者が利益を受けた限度 | 462条1項・459条の2第1項 |
| 主たる債務者の意思に反する保証人 | 求償の時に主たる債務者が現に利益を受けている限度 | 462条2項 |
| 共同保証人間 | 全額又は自己の負担部分を超える額を弁済したときに限る | 465条1項 |
2022年 司法試験 第33問 肢ア
個人根保証契約における保証人の相続人は、主債務者と債権者が相続開始後に締結した契約に基づく主債務について履行する責任を負わない。
解説
正しい。個人根保証契約の元本は保証人の死亡で確定するので、相続人は相続開始後に生じた主債務について履行の責任を負わない(465条の4第1項3号)。
465条の4第1項3号は、主たる債務者又は保証人が死亡したときに、個人根保証契約における主たる債務の元本は確定すると定める。個人根保証は、一定の範囲の不特定の債務を極度額まで保証するものであり、保証人と主たる債務者の個人的な信頼関係を土台にしている。保証人が死亡したのに、その後に生ずる債務まで相続人に保証させると、相続人は予想もしない範囲の債務を負うことになるので、保証人の死亡の時に保証の対象を確定させたのである。したがって、相続人が承継するのは、保証人の死亡の時に確定した元本についての保証債務だけであり、相続開始後に主たる債務者と債権者が結んだ契約から生じた債務は保証の対象に入らない。肢は正しい。

民法465条の4第1項3号
主たる債務者又は保証人が死亡したとき。
ポイント整理
相続で承継されるもの・されないもの
- 個人根保証の保証債務:保証人の死亡で元本が確定し、相続人は確定した債務だけを保証する(465条の4第1項3号)
- 使用借権:借主の死亡で使用貸借が終了し、相続されない(597条3項)
- 占有:特別の事情がない限り当然に相続人の占有に移る(最判昭44.10.30)
- 無権代理行為の追認権:共同相続人全員に不可分的に帰属する(最判平5.1.21)
- 相続開始後の賃料債権:遺産とは別の財産で、各相続人が相続分に応じて確定的に取得する(最判平17.9.8)
2012年 予備試験 第9問 肢5
共同保証人の一人が債権者に対し保証債務を弁済し,他の共同保証人に対して求償をした場合において,求償を受けた保証人が,主たる債務者に弁済をする資力があり,かつ,執行が容易であることを証明したときは,債権者に弁済をした保証人は,まず主たる債務者に求償権を行使しなければならない。
解説
誤り。違うのは「債権者に弁済をした保証人は、まず主たる債務者に求償権を行使しなければならない」の部分である。共同保証人間の求償について465条は検索の抗弁(453条)を準用しておらず、求償を受けた保証人は主たる債務者への求償を先にするよう求めることはできない。
453条の検索の抗弁は、債権者から請求を受けた保証人が、主たる債務者に弁済の資力があり執行が容易であることを証明して、まず主たる債務者の財産に執行させるものであり、債権者と保証人の間で働く抗弁である。共同保証人間の求償については、465条1項が連帯債務者間の求償の規定(442条から444条)を、同条2項が委託を受けない保証人の求償の規定(462条)を準用するだけで、453条は準用していない。判例も、共同保証人間の求償権は、主たる債務者の資力が不十分な場合に弁済した保証人だけが損失を負担するのは共同保証人間の公平に反することから、共同保証人間の負担を最終的に調整するためのものであるとしている。この求償権は主たる債務者への求償権とは別に成り立つから、求償を受けた保証人は、主たる債務者に資力があることを理由に求償を拒むことはできない。したがって、肢は誤りである。

民法465条
第四百四十二条から第四百四十四条までの規定は、数人の保証人がある場合において、そのうちの一人の保証人が、主たる債務が不可分であるため又は各保証人が全額を弁済すべき旨の特約があるため、その全額又は自己の負担部分を超える額を弁済したときについて準用する。2 第四百六十二条の規定は、前項に規定する場合を除き、互いに連帯しない保証人の一人が全額又は自己の負担部分を超える額を弁済したときについて準用する。
ポイント整理
保証人の求償の範囲
- 委託を受けた保証人(459条):支出額+免責日以後の法定利息・避けられなかった費用その他の損害
- 委託を受けない保証人(462条1項):主たる債務者がその当時利益を受けた限度
- 主たる債務者の意思に反する保証人(462条2項):主たる債務者が現に利益を受けている限度
- 連帯債務者の一人のための保証人(464条):他の連帯債務者には負担部分のみ
- 共同保証人間(465条):自己の負担部分を超えて弁済したときに限り、他の共同保証人に求償できる