第3節
民法取得日 2026年9月6日この範囲 6条 ・ 過去問 21問
第3節
第356条不動産質権者による使用及び収益過去問 6
不動産質権者は、質権の目的である不動産の用法に従い、その使用及び収益をすることができる。
この条文の過去問 6問
2018年 司法試験 第12問 肢エ
不動産質権については,質権者と質権設定者との間の特約で,質権者が目的物を使用収益しない旨を定めることができる。
解説
正しい。356条から358条までは設定行為に別段の定めがあるときは適用されないから(359条)、使用収益をしない旨の特約をすることができる。
356条は、不動産質権者は、質権の目的である不動産の用法に従い、その使用及び収益をすることができると定める。不動産質権者は目的不動産から収益を得られる代わりに、管理の費用その他不動産に関する負担を負い(357条)、債権の利息を請求できない(358条)。これらは当事者の間の損得を調整するための規定であり、359条は、356条から358条までの規定は、設定行為に別段の定めがあるとき、又は担保不動産収益執行の開始があったときは適用しないと定めている。したがって、質権設定契約で、質権者は目的不動産を使用収益しないと定めることができる。その場合には358条も適用されないから、質権者は被担保債権の利息を請求できることになる。民事執行法も、使用及び収益をしない旨の定めのある質権を売却によって消滅する権利として扱っており、このような特約があることを前提にしている。本肢は正しい。

民法359条
前三条の規定は、設定行為に別段の定めがあるとき、又は担保不動産収益執行(民事執行法第百八十条第二号に規定する担保不動産収益執行をいう。以下同じ。)の開始があったときは、適用しない。
ポイント整理
不動産質の特則
- 使用収益(356条):質権者は不動産の用法に従い使用収益できる
- 管理の費用(357条):質権者が負担する
- 利息(358条):質権者は請求できない
- 別段の定め(359条):356条〜358条は設定行為に別段の定めがあるときや担保不動産収益執行の開始で適用されない
- 存続期間(360条):10年以内で、更新後も10年以内
2014年 司法試験 第11問 肢オ
不動産質権者は,設定者の承諾を得なければ,質権の目的である不動産の使用及び収益をすることができない。
解説
誤り。違うのは「設定者の承諾を得なければ」使用収益できないとする部分である。不動産質権者は承諾なしに目的不動産を用法に従い使用収益できる(356条)。
356条は、不動産質権者は、質権の目的である不動産の用法に従い、その使用及び収益をすることができると定めており、設定者の承諾は要件とされていない。不動産質は、質権者が目的不動産の占有を得て、その使用収益によって利息に代わる利益を得る担保である。その裏返しとして、不動産質権者は管理の費用その他不動産に関する負担を負い(357条)、原則として被担保債権の利息を請求することができない(358条)。もっとも、設定行為に別段の定めがあるときや担保不動産収益執行の開始があったときは、これらの規定は適用されない(359条)。使用収益をさせないようにするには設定行為の別段の定めなどが必要なのであり、承諾がなければ使用収益できないという本肢は原則と例外を取り違えている。抵当権と違い、不動産質権の存続期間は10年を超えることができない(360条1項)。

民法356条
不動産質権者は、質権の目的である不動産の用法に従い、その使用及び収益をすることができる。
ポイント整理
不動産質
- 使用収益(356条):承諾なしにできる
- 管理の費用(357条):不動産質権者が負担する
- 利息(358条):請求できない
- 別段の定め(359条):設定行為の別段の定めや担保不動産収益執行の開始で356条〜358条は適用されない
- 存続期間(360条):10年以内
2012年 予備試験 第6問 肢3
不動産質権者は,質権の目的物を使用及び収益をすることができ,質権者と質権設定者との間の特約で,その使用収益権を排除することはできない。
解説
誤り。違うのは「質権者と質権設定者との間の特約で、その使用収益権を排除することはできない」の部分である。356条から358条は設定行為に別段の定めがあれば適用されない(359条)。
356条は、不動産質権者は質権の目的である不動産の用法に従いその使用及び収益をすることができると定め、357条は管理の費用を不動産質権者の負担とし、358条は不動産質権者は利息を請求できないとする。不動産質権者が使用収益する代わりに、管理の費用を負担し、利息を請求できないという組合せになっているのである。そして359条は、これら356条から358条の規定は、設定行為に別段の定めがあるとき又は担保不動産収益執行の開始があったときは適用しないと定める。使用収益の権能は当事者の合意で外すことができ、その場合は設定者が不動産を使い続け、質権者は利息を請求することもできるようになる。したがって、特約で使用収益権を排除することはできないとする肢は359条に反し、誤りである。

民法359条
前三条の規定は、設定行為に別段の定めがあるとき、又は担保不動産収益執行(民事執行法第百八十条第二号に規定する担保不動産収益執行をいう。以下同じ。)の開始があったときは、適用しない。
ポイント整理
不動産質の規律
- 使用収益(356条):承諾なしにできる。果実も取得する
- 管理の費用(357条):不動産質権者が負担する
- 利息(358条):請求できない
- 別段の定め(359条):356条〜358条は設定行為の別段の定めや担保不動産収益執行の開始で適用されない
- 存続期間(360条):10年以内で、更新後も10年以内である。抵当権に制限はない
2010年 司法試験 第11問 肢3
不動産質権者は,不動産を使用収益することができるから,当事者間で特約をしても利息を請求することはできない。
解説
誤り。違うのは「当事者間で特約をしても利息を請求することはできない」の部分である。不動産質権者は利息を請求できないのが原則であるが(358条)、設定行為に別段の定めがあるときは請求できる(359条)。
356条は、不動産質権者は質権の目的である不動産の用法に従いその使用及び収益をすることができると定め、357条は管理の費用その他不動産に関する負担を質権者に負わせ、358条は不動産質権者はその債権の利息を請求することができないとする。不動産の使用収益による利益と、管理の負担や債権の利息とを、互いに差し引いて清算したものとみる趣旨である。しかし、359条は、356条から358条の規定は、設定行為に別段の定めがあるとき、又は担保不動産収益執行の開始があったときは適用しないと定める。これらの規定は当事者の利益の調整にすぎないので、当事者が特約で異なる定めをすることを許したのである。したがって、当事者間で利息を支払う旨の特約をすれば、不動産質権者は利息を請求することができ、本肢は誤りである。

民法358条・359条
不動産質権者は、その債権の利息を請求することができない。/前三条の規定は、設定行為に別段の定めがあるとき、又は担保不動産収益執行(民事執行法第百八十条第二号に規定する担保不動産収益執行をいう。以下同じ。)の開始があったときは、適用しない。
ポイント整理
不動産質(356条〜361条)
- 使用収益(356条):承諾なしにできる。果実も取得する
- 管理の費用(357条):不動産質権者が負担する
- 利息(358条):請求できない
- 別段の定め(359条):356条〜358条は設定行為の別段の定めや担保不動産収益執行の開始で適用されない
- 存続期間(360条):10年以内で、更新後も10年以内
2009年 司法試験 第3問 肢4
不動産質権者は,質権の目的物である不動産の用法に従いこれを使用することができるが,不動産から生じた果実を取得することはできない。
解説
誤り。違うのは「不動産から生じた果実を取得することはできない」の部分である。不動産質権者は、目的不動産の用法に従いその使用及び収益をすることができ(356条)、収益として果実を取得することができる。
356条は、不動産質権者は、質権の目的である不動産の用法に従い、その使用及び収益をすることができると定める。不動産質は、債権者が目的不動産の占有を取得し、自らこれを使用収益することで債権の満足を図る担保であり、その代わりに管理の費用を負担し(357条)、債権の利息を請求することができない(358条)。収益をする権限には、目的不動産から生じる天然果実を収取することや、目的不動産を賃貸して賃料という法定果実を受け取ることが含まれる。使用収益の利益と管理費用や利息とを互いに差し引いて清算する仕組みであるから、果実の取得はこの担保の中心的な内容をなしている。そのため、不動産質権者は不動産から生じた果実を取得することができる。したがって、使用はできるが果実を取得することはできないとする本肢は誤りである。

民法356条
不動産質権者は、質権の目的である不動産の用法に従い、その使用及び収益をすることができる。
ポイント整理
果実を取得する者
- 占有者(189条・190条):善意なら取得。悪意・暴行・強迫・隠匿なら返還し消費分の代価を償還
- 売主(575条1項):引渡しまで果実を取得。引渡しを遅滞していても同じ(大連判大13.9.24)
- 受遺者(992条):遺贈の履行を請求できる時から取得
- 不動産質権者(356条):使用・収益ができ、果実を取得
- 法定果実(89条2項):収取する権利の存続期間に応じて日割計算で取得
2007年 司法試験 第13問 肢ウ
不動産質権は,担保する債権の元本のほか,利息その他の定期金のうち満期となった最後の2年分に限り,それらを担保する。
解説
誤り。違うのは「利息その他の定期金のうち満期となった最後の2年分に限り、それらを担保する」の部分である。不動産質権者は、特約がない限り債権の利息を請求できない(358条)。
356条は、不動産質権者は質権の目的である不動産の用法に従い、その使用及び収益をすることができると定め、358条は、不動産質権者はその債権の利息を請求することができないと定める。不動産質権者は目的不動産を自ら使用し、又は賃貸して収益を得ることができるから、その使用収益の利益と元本を利用させた対価である利息とが見合うものとして、利息を請求できないとしたのである。そのため、不動産質権が利息の最後の2年分を担保するという関係にはならない。もっとも、設定行為に別段の定めがあるときや、担保不動産収益執行の開始があったときは、358条は適用されない(359条)。最後の2年分に限って利息を担保するのは、普通抵当権についての375条の規律である。本肢は抵当権の規律を不動産質権に当てはめている点で誤りである。

民法358条
不動産質権者は、その債権の利息を請求することができない。
ポイント整理
利息・定期金の担保の範囲
| 担保物権 | 利息・定期金 | 根拠 |
|---|
| 普通抵当権 | 満期となった最後の2年分に限る(特別の登記で延長可) | 375条 |
| 根抵当権 | 確定した元本と利息・損害金の全部を極度額まで | 398条の3第1項 |
| 不動産質権 | 利息を請求できない(使用収益と見合い) | 358条 |
| 留置権 | 債権の全部の弁済を受けるまで目的物の全部を留置 | 296条 |
第357条不動産質権者による管理の費用等の負担過去問 2
不動産質権者は、管理の費用を支払い、その他不動産に関する負担を負う。
この条文の過去問 2問
2024年 予備試験 第7問 肢エ
不動産質権の目的である不動産の管理の費用は、設定行為に別段の定めがないときは、不動産質権者が負担する。
解説
正しい。357条により、不動産質権者は管理の費用を支払い、その他不動産に関する負担を負う。
357条は、不動産質権者は管理の費用を支払い、その他不動産に関する負担を負うと定める。修繕費などの管理費用のほか、固定資産税などの公租公課も質権者の負担となる。不動産質権者は不動産の用法に従って使用及び収益をすることができる(356条)ので、使用収益の利益を得る以上、物から生じる負担も負わせるのが公平だからである。同じ理由で、不動産質権者は原則として被担保債権の利息を請求できない(358条)。使用収益の利益がおおむね利息に見合うものとして扱われているのである。もっとも、これらは強行規定ではなく、359条は、設定行為に別段の定めがあるとき、又は担保不動産収益執行の開始があったときは356条から358条までを適用しないとする。本肢は設定行為に別段の定めがないときに限って質権者の負担としており、357条・359条のとおりである。

民法357条・359条
不動産質権者は、管理の費用を支払い、その他不動産に関する負担を負う。/前三条の規定は、設定行為に別段の定めがあるとき、又は担保不動産収益執行(民事執行法第百八十条第二号に規定する担保不動産収益執行をいう。以下同じ。)の開始があったときは、適用しない。
ポイント整理
動産質と不動産質
| 動産質 | 不動産質 |
|---|
| 使用・収益 | 承諾がなければ使用・賃貸できない。保存に必要な使用は可(350条・298条2項) | 用法に従って使用・収益できる(356条) |
| 果実 | 収取して弁済に充当できる(350条・297条) | 使用・収益の権利に含まれる |
| 管理費用 | — | 質権者が負担(357条) |
| 利息 | 請求できる | 原則として請求できない(358条) |
| 存続期間 | 制限なし | 10年まで(360条) |
2024年 司法試験 第14問 肢エ
不動産質権の目的である不動産の管理の費用は、設定行為に別段の定めがないときは、不動産質権者が負担する。
解説
正しい。357条により、不動産質権者は管理の費用を支払い、その他不動産に関する負担を負う。
357条は、不動産質権者は管理の費用を支払い、その他不動産に関する負担を負うと定める。修繕費などの管理費用のほか、固定資産税などの公租公課も質権者の負担となる。不動産質権者は不動産の用法に従って使用及び収益をすることができる(356条)ので、使用収益の利益を得る以上、物から生じる負担も負わせるのが公平だからである。同じ理由で、不動産質権者は原則として被担保債権の利息を請求できない(358条)。使用収益の利益がおおむね利息に見合うものとして扱われているのである。もっとも、これらは強行規定ではなく、359条は、設定行為に別段の定めがあるとき、又は担保不動産収益執行の開始があったときは356条から358条までを適用しないとする。本肢は設定行為に別段の定めがないときに限って質権者の負担としており、357条・359条のとおりである。

民法357条・359条
不動産質権者は、管理の費用を支払い、その他不動産に関する負担を負う。/前三条の規定は、設定行為に別段の定めがあるとき、又は担保不動産収益執行(民事執行法第百八十条第二号に規定する担保不動産収益執行をいう。以下同じ。)の開始があったときは、適用しない。
ポイント整理
動産質と不動産質
| 動産質 | 不動産質 |
|---|
| 使用・収益 | 承諾がなければ使用・賃貸できない。保存に必要な使用は可(350条・298条2項) | 用法に従って使用・収益できる(356条) |
| 果実 | 収取して弁済に充当できる(350条・297条) | 使用・収益の権利に含まれる |
| 管理費用 | — | 質権者が負担(357条) |
| 利息 | 請求できる | 原則として請求できない(358条) |
| 存続期間 | 制限なし | 10年まで(360条) |
第358条不動産質権者による利息の請求の禁止過去問 3
不動産質権者は、その債権の利息を請求することができない。
この条文の過去問 3問
2019年 司法試験 第11問 肢エ
不動産質権者は,設定行為に定めがあるときは,その債権の利息を請求することができる。
解説
正しい。不動産質権者は利息を請求できないのが原則であるが(358条)、設定行為に別段の定めがあるときはこの規定は適用されない(359条)。
358条は、不動産質権者はその債権の利息を請求することができないと定める。不動産質権者は目的不動産を用法に従って使用し収益することができ(356条)、その収益を利息に代わるものとして受け取る関係にあるから、収益と利息を二重に取ることを防いだのである。その釣り合いとして、不動産質権者は管理の費用を払い、不動産に関する負担を負う(357条)。しかし359条は、356条から358条までの規定は、設定行為に別段の定めがあるとき、又は担保不動産収益執行の開始があったときは適用しないと定める。これらの規定は、使用収益と利息・負担の関係について当事者の通常の意思を推し量って置かれたものにすぎないから、当事者が設定行為で別に定めればそれに従えばよいのである。したがって、設定行為で利息を請求できる旨を定めていれば、不動産質権者はその債権の利息を請求することができる。担保不動産収益執行が始まった場合は、質権者の使用収益が失われるから、同じく利息を請求できる。

民法359条
前三条の規定は、設定行為に別段の定めがあるとき、又は担保不動産収益執行(民事執行法第百八十条第二号に規定する担保不動産収益執行をいう。以下同じ。)の開始があったときは、適用しない。
ポイント整理
不動産質
- 使用収益(356条):承諾なしにできる。果実も取得する
- 管理の費用(357条):不動産質権者が負担する
- 利息(358条):請求できない
- 別段の定め(359条):356条〜358条は設定行為の別段の定めや担保不動産収益執行の開始で適用されない
- 存続期間(360条):10年以内で、更新後も10年以内。抵当権に制限はない
- 対抗要件:登記。設定後に設定者に占有させても効力は変わらない(大判大正5年12月25日)
2010年 司法試験 第11問 肢3
不動産質権者は,不動産を使用収益することができるから,当事者間で特約をしても利息を請求することはできない。
解説
誤り。違うのは「当事者間で特約をしても利息を請求することはできない」の部分である。不動産質権者は利息を請求できないのが原則であるが(358条)、設定行為に別段の定めがあるときは請求できる(359条)。
356条は、不動産質権者は質権の目的である不動産の用法に従いその使用及び収益をすることができると定め、357条は管理の費用その他不動産に関する負担を質権者に負わせ、358条は不動産質権者はその債権の利息を請求することができないとする。不動産の使用収益による利益と、管理の負担や債権の利息とを、互いに差し引いて清算したものとみる趣旨である。しかし、359条は、356条から358条の規定は、設定行為に別段の定めがあるとき、又は担保不動産収益執行の開始があったときは適用しないと定める。これらの規定は当事者の利益の調整にすぎないので、当事者が特約で異なる定めをすることを許したのである。したがって、当事者間で利息を支払う旨の特約をすれば、不動産質権者は利息を請求することができ、本肢は誤りである。

民法358条・359条
不動産質権者は、その債権の利息を請求することができない。/前三条の規定は、設定行為に別段の定めがあるとき、又は担保不動産収益執行(民事執行法第百八十条第二号に規定する担保不動産収益執行をいう。以下同じ。)の開始があったときは、適用しない。
ポイント整理
不動産質(356条〜361条)
- 使用収益(356条):承諾なしにできる。果実も取得する
- 管理の費用(357条):不動産質権者が負担する
- 利息(358条):請求できない
- 別段の定め(359条):356条〜358条は設定行為の別段の定めや担保不動産収益執行の開始で適用されない
- 存続期間(360条):10年以内で、更新後も10年以内
2007年 司法試験 第13問 肢ウ
不動産質権は,担保する債権の元本のほか,利息その他の定期金のうち満期となった最後の2年分に限り,それらを担保する。
解説
誤り。違うのは「利息その他の定期金のうち満期となった最後の2年分に限り、それらを担保する」の部分である。不動産質権者は、特約がない限り債権の利息を請求できない(358条)。
356条は、不動産質権者は質権の目的である不動産の用法に従い、その使用及び収益をすることができると定め、358条は、不動産質権者はその債権の利息を請求することができないと定める。不動産質権者は目的不動産を自ら使用し、又は賃貸して収益を得ることができるから、その使用収益の利益と元本を利用させた対価である利息とが見合うものとして、利息を請求できないとしたのである。そのため、不動産質権が利息の最後の2年分を担保するという関係にはならない。もっとも、設定行為に別段の定めがあるときや、担保不動産収益執行の開始があったときは、358条は適用されない(359条)。最後の2年分に限って利息を担保するのは、普通抵当権についての375条の規律である。本肢は抵当権の規律を不動産質権に当てはめている点で誤りである。

民法358条
不動産質権者は、その債権の利息を請求することができない。
ポイント整理
利息・定期金の担保の範囲
| 担保物権 | 利息・定期金 | 根拠 |
|---|
| 普通抵当権 | 満期となった最後の2年分に限る(特別の登記で延長可) | 375条 |
| 根抵当権 | 確定した元本と利息・損害金の全部を極度額まで | 398条の3第1項 |
| 不動産質権 | 利息を請求できない(使用収益と見合い) | 358条 |
| 留置権 | 債権の全部の弁済を受けるまで目的物の全部を留置 | 296条 |
第359条設定行為に別段の定めがある場合等過去問 7
前三条の規定は、設定行為に別段の定めがあるとき、又は担保不動産収益執行(民事執行法第百八十条第二号に規定する担保不動産収益執行をいう。以下同じ。)の開始があったときは、適用しない。
この条文の過去問 7問
2024年 予備試験 第7問 肢エ
不動産質権の目的である不動産の管理の費用は、設定行為に別段の定めがないときは、不動産質権者が負担する。
解説
正しい。357条により、不動産質権者は管理の費用を支払い、その他不動産に関する負担を負う。
357条は、不動産質権者は管理の費用を支払い、その他不動産に関する負担を負うと定める。修繕費などの管理費用のほか、固定資産税などの公租公課も質権者の負担となる。不動産質権者は不動産の用法に従って使用及び収益をすることができる(356条)ので、使用収益の利益を得る以上、物から生じる負担も負わせるのが公平だからである。同じ理由で、不動産質権者は原則として被担保債権の利息を請求できない(358条)。使用収益の利益がおおむね利息に見合うものとして扱われているのである。もっとも、これらは強行規定ではなく、359条は、設定行為に別段の定めがあるとき、又は担保不動産収益執行の開始があったときは356条から358条までを適用しないとする。本肢は設定行為に別段の定めがないときに限って質権者の負担としており、357条・359条のとおりである。

民法357条・359条
不動産質権者は、管理の費用を支払い、その他不動産に関する負担を負う。/前三条の規定は、設定行為に別段の定めがあるとき、又は担保不動産収益執行(民事執行法第百八十条第二号に規定する担保不動産収益執行をいう。以下同じ。)の開始があったときは、適用しない。
ポイント整理
動産質と不動産質
| 動産質 | 不動産質 |
|---|
| 使用・収益 | 承諾がなければ使用・賃貸できない。保存に必要な使用は可(350条・298条2項) | 用法に従って使用・収益できる(356条) |
| 果実 | 収取して弁済に充当できる(350条・297条) | 使用・収益の権利に含まれる |
| 管理費用 | — | 質権者が負担(357条) |
| 利息 | 請求できる | 原則として請求できない(358条) |
| 存続期間 | 制限なし | 10年まで(360条) |
2024年 司法試験 第14問 肢エ
不動産質権の目的である不動産の管理の費用は、設定行為に別段の定めがないときは、不動産質権者が負担する。
解説
正しい。357条により、不動産質権者は管理の費用を支払い、その他不動産に関する負担を負う。
357条は、不動産質権者は管理の費用を支払い、その他不動産に関する負担を負うと定める。修繕費などの管理費用のほか、固定資産税などの公租公課も質権者の負担となる。不動産質権者は不動産の用法に従って使用及び収益をすることができる(356条)ので、使用収益の利益を得る以上、物から生じる負担も負わせるのが公平だからである。同じ理由で、不動産質権者は原則として被担保債権の利息を請求できない(358条)。使用収益の利益がおおむね利息に見合うものとして扱われているのである。もっとも、これらは強行規定ではなく、359条は、設定行為に別段の定めがあるとき、又は担保不動産収益執行の開始があったときは356条から358条までを適用しないとする。本肢は設定行為に別段の定めがないときに限って質権者の負担としており、357条・359条のとおりである。

民法357条・359条
不動産質権者は、管理の費用を支払い、その他不動産に関する負担を負う。/前三条の規定は、設定行為に別段の定めがあるとき、又は担保不動産収益執行(民事執行法第百八十条第二号に規定する担保不動産収益執行をいう。以下同じ。)の開始があったときは、適用しない。
ポイント整理
動産質と不動産質
| 動産質 | 不動産質 |
|---|
| 使用・収益 | 承諾がなければ使用・賃貸できない。保存に必要な使用は可(350条・298条2項) | 用法に従って使用・収益できる(356条) |
| 果実 | 収取して弁済に充当できる(350条・297条) | 使用・収益の権利に含まれる |
| 管理費用 | — | 質権者が負担(357条) |
| 利息 | 請求できる | 原則として請求できない(358条) |
| 存続期間 | 制限なし | 10年まで(360条) |
2019年 司法試験 第11問 肢エ
不動産質権者は,設定行為に定めがあるときは,その債権の利息を請求することができる。
解説
正しい。不動産質権者は利息を請求できないのが原則であるが(358条)、設定行為に別段の定めがあるときはこの規定は適用されない(359条)。
358条は、不動産質権者はその債権の利息を請求することができないと定める。不動産質権者は目的不動産を用法に従って使用し収益することができ(356条)、その収益を利息に代わるものとして受け取る関係にあるから、収益と利息を二重に取ることを防いだのである。その釣り合いとして、不動産質権者は管理の費用を払い、不動産に関する負担を負う(357条)。しかし359条は、356条から358条までの規定は、設定行為に別段の定めがあるとき、又は担保不動産収益執行の開始があったときは適用しないと定める。これらの規定は、使用収益と利息・負担の関係について当事者の通常の意思を推し量って置かれたものにすぎないから、当事者が設定行為で別に定めればそれに従えばよいのである。したがって、設定行為で利息を請求できる旨を定めていれば、不動産質権者はその債権の利息を請求することができる。担保不動産収益執行が始まった場合は、質権者の使用収益が失われるから、同じく利息を請求できる。

民法359条
前三条の規定は、設定行為に別段の定めがあるとき、又は担保不動産収益執行(民事執行法第百八十条第二号に規定する担保不動産収益執行をいう。以下同じ。)の開始があったときは、適用しない。
ポイント整理
不動産質
- 使用収益(356条):承諾なしにできる。果実も取得する
- 管理の費用(357条):不動産質権者が負担する
- 利息(358条):請求できない
- 別段の定め(359条):356条〜358条は設定行為の別段の定めや担保不動産収益執行の開始で適用されない
- 存続期間(360条):10年以内で、更新後も10年以内。抵当権に制限はない
- 対抗要件:登記。設定後に設定者に占有させても効力は変わらない(大判大正5年12月25日)
2018年 司法試験 第12問 肢エ
不動産質権については,質権者と質権設定者との間の特約で,質権者が目的物を使用収益しない旨を定めることができる。
解説
正しい。356条から358条までは設定行為に別段の定めがあるときは適用されないから(359条)、使用収益をしない旨の特約をすることができる。
356条は、不動産質権者は、質権の目的である不動産の用法に従い、その使用及び収益をすることができると定める。不動産質権者は目的不動産から収益を得られる代わりに、管理の費用その他不動産に関する負担を負い(357条)、債権の利息を請求できない(358条)。これらは当事者の間の損得を調整するための規定であり、359条は、356条から358条までの規定は、設定行為に別段の定めがあるとき、又は担保不動産収益執行の開始があったときは適用しないと定めている。したがって、質権設定契約で、質権者は目的不動産を使用収益しないと定めることができる。その場合には358条も適用されないから、質権者は被担保債権の利息を請求できることになる。民事執行法も、使用及び収益をしない旨の定めのある質権を売却によって消滅する権利として扱っており、このような特約があることを前提にしている。本肢は正しい。

民法359条
前三条の規定は、設定行為に別段の定めがあるとき、又は担保不動産収益執行(民事執行法第百八十条第二号に規定する担保不動産収益執行をいう。以下同じ。)の開始があったときは、適用しない。
ポイント整理
不動産質の特則
- 使用収益(356条):質権者は不動産の用法に従い使用収益できる
- 管理の費用(357条):質権者が負担する
- 利息(358条):質権者は請求できない
- 別段の定め(359条):356条〜358条は設定行為に別段の定めがあるときや担保不動産収益執行の開始で適用されない
- 存続期間(360条):10年以内で、更新後も10年以内
2014年 司法試験 第11問 肢オ
不動産質権者は,設定者の承諾を得なければ,質権の目的である不動産の使用及び収益をすることができない。
解説
誤り。違うのは「設定者の承諾を得なければ」使用収益できないとする部分である。不動産質権者は承諾なしに目的不動産を用法に従い使用収益できる(356条)。
356条は、不動産質権者は、質権の目的である不動産の用法に従い、その使用及び収益をすることができると定めており、設定者の承諾は要件とされていない。不動産質は、質権者が目的不動産の占有を得て、その使用収益によって利息に代わる利益を得る担保である。その裏返しとして、不動産質権者は管理の費用その他不動産に関する負担を負い(357条)、原則として被担保債権の利息を請求することができない(358条)。もっとも、設定行為に別段の定めがあるときや担保不動産収益執行の開始があったときは、これらの規定は適用されない(359条)。使用収益をさせないようにするには設定行為の別段の定めなどが必要なのであり、承諾がなければ使用収益できないという本肢は原則と例外を取り違えている。抵当権と違い、不動産質権の存続期間は10年を超えることができない(360条1項)。

民法356条
不動産質権者は、質権の目的である不動産の用法に従い、その使用及び収益をすることができる。
ポイント整理
不動産質
- 使用収益(356条):承諾なしにできる
- 管理の費用(357条):不動産質権者が負担する
- 利息(358条):請求できない
- 別段の定め(359条):設定行為の別段の定めや担保不動産収益執行の開始で356条〜358条は適用されない
- 存続期間(360条):10年以内
2012年 予備試験 第6問 肢3
不動産質権者は,質権の目的物を使用及び収益をすることができ,質権者と質権設定者との間の特約で,その使用収益権を排除することはできない。
解説
誤り。違うのは「質権者と質権設定者との間の特約で、その使用収益権を排除することはできない」の部分である。356条から358条は設定行為に別段の定めがあれば適用されない(359条)。
356条は、不動産質権者は質権の目的である不動産の用法に従いその使用及び収益をすることができると定め、357条は管理の費用を不動産質権者の負担とし、358条は不動産質権者は利息を請求できないとする。不動産質権者が使用収益する代わりに、管理の費用を負担し、利息を請求できないという組合せになっているのである。そして359条は、これら356条から358条の規定は、設定行為に別段の定めがあるとき又は担保不動産収益執行の開始があったときは適用しないと定める。使用収益の権能は当事者の合意で外すことができ、その場合は設定者が不動産を使い続け、質権者は利息を請求することもできるようになる。したがって、特約で使用収益権を排除することはできないとする肢は359条に反し、誤りである。

民法359条
前三条の規定は、設定行為に別段の定めがあるとき、又は担保不動産収益執行(民事執行法第百八十条第二号に規定する担保不動産収益執行をいう。以下同じ。)の開始があったときは、適用しない。
ポイント整理
不動産質の規律
- 使用収益(356条):承諾なしにできる。果実も取得する
- 管理の費用(357条):不動産質権者が負担する
- 利息(358条):請求できない
- 別段の定め(359条):356条〜358条は設定行為の別段の定めや担保不動産収益執行の開始で適用されない
- 存続期間(360条):10年以内で、更新後も10年以内である。抵当権に制限はない
2010年 司法試験 第11問 肢3
不動産質権者は,不動産を使用収益することができるから,当事者間で特約をしても利息を請求することはできない。
解説
誤り。違うのは「当事者間で特約をしても利息を請求することはできない」の部分である。不動産質権者は利息を請求できないのが原則であるが(358条)、設定行為に別段の定めがあるときは請求できる(359条)。
356条は、不動産質権者は質権の目的である不動産の用法に従いその使用及び収益をすることができると定め、357条は管理の費用その他不動産に関する負担を質権者に負わせ、358条は不動産質権者はその債権の利息を請求することができないとする。不動産の使用収益による利益と、管理の負担や債権の利息とを、互いに差し引いて清算したものとみる趣旨である。しかし、359条は、356条から358条の規定は、設定行為に別段の定めがあるとき、又は担保不動産収益執行の開始があったときは適用しないと定める。これらの規定は当事者の利益の調整にすぎないので、当事者が特約で異なる定めをすることを許したのである。したがって、当事者間で利息を支払う旨の特約をすれば、不動産質権者は利息を請求することができ、本肢は誤りである。

民法358条・359条
不動産質権者は、その債権の利息を請求することができない。/前三条の規定は、設定行為に別段の定めがあるとき、又は担保不動産収益執行(民事執行法第百八十条第二号に規定する担保不動産収益執行をいう。以下同じ。)の開始があったときは、適用しない。
ポイント整理
不動産質(356条〜361条)
- 使用収益(356条):承諾なしにできる。果実も取得する
- 管理の費用(357条):不動産質権者が負担する
- 利息(358条):請求できない
- 別段の定め(359条):356条〜358条は設定行為の別段の定めや担保不動産収益執行の開始で適用されない
- 存続期間(360条):10年以内で、更新後も10年以内
第360条不動産質権の存続期間過去問 1
1不動産質権の存続期間は、十年を超えることができない。設定行為でこれより長い期間を定めたときであっても、その期間は、十年とする。
2不動産質権の設定は、更新することができる。ただし、その存続期間は、更新の時から十年を超えることができない。
この条文の過去問 1問
2019年 司法試験 第11問 肢オ
抵当権の存続期間は,10年を超えることができない。
解説
誤り。違うのは「抵当権の存続期間は,10年を超えることができない」の部分である。存続期間が10年に制限されるのは不動産質権であり(360条1項)、抵当権にそのような制限はない。
360条1項は、不動産質権の存続期間は10年を超えることができず、設定行為でこれより長い期間を定めたときであってもその期間は10年とすると定め、同条2項は、更新はできるが更新の時から10年を超えることができないとする。これに対し、抵当権については存続期間を制限する規定は置かれていない。不動産質権では、質権者が不動産の引渡しを受けて自ら使用収益するから(356条)、長い間所有者から不動産の利用を奪うことになり、不動産が荒れるおそれがある。他方で抵当権は、設定者が引き続き不動産を占有して使い続ける担保であるから(369条1項)、期間を区切る必要がないのである。もっとも、抵当権も被担保債権に付き従うから、債権が弁済などで消滅すれば抵当権も消滅する。また、抵当権は債務者及び抵当権設定者に対しては、被担保債権と同時でなければ時効によって消滅しない(396条)。本肢は、不動産質権の存続期間の制限を抵当権に当てはめている点が誤りである。

民法360条1項
不動産質権の存続期間は、十年を超えることができない。設定行為でこれより長い期間を定めたときであっても、その期間は、十年とする。
ポイント整理
不動産質
- 使用収益(356条):承諾なしにできる。果実も取得する
- 管理の費用(357条):不動産質権者が負担する
- 利息(358条):請求できない
- 別段の定め(359条):356条〜358条は設定行為の別段の定めや担保不動産収益執行の開始で適用されない
- 存続期間(360条):10年以内で、更新後も10年以内。抵当権に制限はない
- 対抗要件:登記。設定後に設定者に占有させても効力は変わらない(大判大正5年12月25日)
第361条抵当権の規定の準用過去問 2
不動産質権については、この節に定めるもののほか、その性質に反しない限り、次章(抵当権)の規定を準用する。
この条文の過去問 2問
2016年 予備試験 第6問 肢1
同一不動産上の先取特権,質権及び抵当権の優先権の順位は,当該各担保物権の登記の前後によって決まる。
解説
誤り。違うのは「当該各担保物権の登記の前後によって決まる」の部分である。登記をした不動産保存・不動産工事の先取特権は、登記の前後にかかわらず抵当権に先立って行使できる(339条)。
同一不動産上の不動産質権と抵当権の順位は、抵当権の規定の準用(361条・373条)によって登記の前後で決まり、不動産売買の先取特権も341条による抵当権の規定の準用で同じく登記の前後に従う。ところが339条は、337条・338条に従って登記をした不動産保存の先取特権と不動産工事の先取特権は、抵当権に先立って行使できるとする。不動産の保存や工事は目的不動産の価値を維持し又は増加させたものであり、その費用は他の担保権者にも利益を与えているから、先に登記された抵当権よりも優先させるのが公平だからである。この優先は抵当権に先立つというものであり、登記の前後を基準とする原則の例外である。したがって、先取特権・質権・抵当権の順位がすべて登記の前後で決まるとする肢は、339条の例外を見落としている点で誤っている。

民法339条
前二条の規定に従って登記をした先取特権は、抵当権に先立って行使することができる。
ポイント整理
担保物権の性質と効力の比較
- 留置権(法定):付従性・随伴性・不可分性あり。物上代位性・優先弁済的効力なし。留置的効力と競売申立権あり
- 先取特権(法定):付従性・随伴性・不可分性・物上代位性・優先弁済的効力あり。留置的効力なし
- 質権(約定):付従性・随伴性・不可分性・物上代位性・優先弁済的効力・留置的効力あり
- 抵当権(約定):付従性・随伴性・不可分性・物上代位性・優先弁済的効力あり。留置的効力なし
- 同一不動産上の順位:原則は登記の前後。登記した不動産保存・工事の先取特権は抵当権に優先(339条)
2016年 司法試験 第11問 肢1
同一不動産上の先取特権,質権及び抵当権の優先権の順位は,当該各担保物権の登記の前後によって決まる。
解説
誤り。違うのは「当該各担保物権の登記の前後によって決まる」の部分である。登記をした不動産保存・不動産工事の先取特権は、登記の前後にかかわらず抵当権に先立って行使できる(339条)。
同一不動産上の不動産質権と抵当権の順位は、抵当権の規定の準用(361条・373条)によって登記の前後で決まり、不動産売買の先取特権も341条による抵当権の規定の準用で同じく登記の前後に従う。ところが339条は、337条・338条に従って登記をした不動産保存の先取特権と不動産工事の先取特権は、抵当権に先立って行使できるとする。不動産の保存や工事は目的不動産の価値を維持し又は増加させたものであり、その費用は他の担保権者にも利益を与えているから、先に登記された抵当権よりも優先させるのが公平だからである。この優先は抵当権に先立つというものであり、登記の前後を基準とする原則の例外である。したがって、先取特権・質権・抵当権の順位がすべて登記の前後で決まるとする肢は、339条の例外を見落としている点で誤っている。

民法339条
前二条の規定に従って登記をした先取特権は、抵当権に先立って行使することができる。
ポイント整理
担保物権の性質と効力の比較
- 留置権(法定):付従性・随伴性・不可分性あり。物上代位性・優先弁済的効力なし。留置的効力と競売申立権あり
- 先取特権(法定):付従性・随伴性・不可分性・物上代位性・優先弁済的効力あり。留置的効力なし
- 質権(約定):付従性・随伴性・不可分性・物上代位性・優先弁済的効力・留置的効力あり
- 抵当権(約定):付従性・随伴性・不可分性・物上代位性・優先弁済的効力あり。留置的効力なし
- 同一不動産上の順位:原則は登記の前後。登記した不動産保存・工事の先取特権は抵当権に優先(339条)