1直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養をする義務がある。
2家庭裁判所は、特別の事情があるときは、前項に規定する場合のほか、三親等内の親族間においても扶養の義務を負わせることができる。
3前項の規定による審判があった後事情に変更を生じたときは、家庭裁判所は、その審判を取り消すことができる。
この条文の過去問 10問
誤り。違うのは「BはCに対する扶養義務を負わない」の部分である。扶養義務は親権の有無ではなく直系血族という関係から生じるので、親権者でないBもCを扶養する義務を負う(877条1項)。
877条1項は、直系血族及び兄弟姉妹は互いに扶養をする義務があると定め、扶養義務のもとを親族の関係そのものに置いている。これに対し親権は、未成年の子の監護教育と財産管理を内容とする地位であり、離婚の際に親権者を定めても、親子という直系血族の関係が消えるわけではない。したがって、AとBの離婚でAがCの親権者と定められても、BはCの父として直系血族であることに変わりなく、Cを扶養する義務を負う。肢は親権と扶養義務を取り違えており、誤っている。離婚の際に父母が協議で定める事項に子の監護に要する費用の分担が含まれているのも(766条1項)、親権者でない親も子の養育費を負担することを前提にしている。令和6年改正で設けられた817条の12第1項も、父母は子が自己と同程度の生活を維持できるよう扶養しなければならないと定め、婚姻関係の有無を問わない(同条2項参照)。

直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養をする義務がある。
- 当然に扶養義務を負う(877条1項):直系血族(親子・祖父母と孫)、兄弟姉妹。親権の有無を問わない
- 審判で扶養義務を負う(877条2項):特別の事情があるときの3親等内の親族(甥と叔母、配偶者の兄弟姉妹、配偶者の連れ子など)
- 順序・程度・方法(878条・879条):協議が調わなければ家庭裁判所が定める
- 扶養を受ける権利(881条):処分できない
誤り。違うのは「子であるB及びEが先順位であり、孫であるCが後順位である」の部分である。扶養をすべき者の順序に法定の順位はなく、協議で定め、協議が調わなければ家庭裁判所が定める(878条)。
Dから見て、子のBとEは1親等の、孫のCは2親等の直系血族であり、いずれもDを扶養する義務を負う(877条1項)。878条前段は、扶養をする義務のある者が数人ある場合において、扶養をすべき者の順序について当事者間に協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、家庭裁判所がこれを定めると規定する。民法は、親等の近い者が当然に先に扶養するという順位を置いておらず、まず当事者の協議に委ね、まとまらなければ家庭裁判所が各自の資力や生活の状況、扶養を受ける者との関係などを考慮して決める。誰に扶養させるのが適切かは家族ごとの事情で大きく違うからである。したがって、子が先順位で孫が後順位と決まっているとする肢は誤っている。相続では直系尊属のうち親等の近い者が先になるが(889条1項1号)、それは相続の順位であり、扶養の順序には当てはまらない。

扶養をする義務のある者が数人ある場合において、扶養をすべき者の順序について、当事者間に協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、家庭裁判所が、これを定める。扶養を受ける権利のある者が数人ある場合において、扶養義務者の資力がその全員を扶養するのに足りないときの扶養を受けるべき者の順序についても、同様とする。
- 当然に扶養義務を負う(877条1項):直系血族(親子・祖父母と孫)、兄弟姉妹。親権の有無を問わない
- 審判で扶養義務を負う(877条2項):特別の事情があるときの3親等内の親族(甥と叔母、配偶者の兄弟姉妹、配偶者の連れ子など)
- 順序・程度・方法(878条・879条):協議が調わなければ家庭裁判所が定める
- 扶養を受ける権利(881条):処分できない
正しい。家庭裁判所は、特別の事情があるときは3親等内の親族間でも扶養の義務を負わせることができ、AとEは2親等の姻族である(877条2項)。
877条2項は、家庭裁判所は、特別の事情があるときは、直系血族と兄弟姉妹のほか、3親等内の親族間においても扶養の義務を負わせることができると定める。扶養義務を当然に負うのは直系血族と兄弟姉妹に限られるが(同条1項)、それだけでは困窮した親族を支えられない場合に、家庭裁判所の審判で扶養義務を新たに生じさせる道を開いたものである。AはBの妻であり、EはBの弟なので、AとEは2親等の姻族であり、3親等内の姻族として親族に当たる(725条3号)。したがって、Eが自力で生活できず他に扶養できる者がいないなどの特別の事情があれば、家庭裁判所はAにEを扶養する義務を負わせることができ、肢は正しい。この義務は審判によって初めて生じる点で、当然に生じる同条1項の義務と異なる。審判の後に事情が変われば、家庭裁判所はその審判を取り消すことができる(同条3項)。

家庭裁判所は、特別の事情があるときは、前項に規定する場合のほか、三親等内の親族間においても扶養の義務を負わせることができる。
- 当然に扶養義務を負う(877条1項):直系血族(親子・祖父母と孫)、兄弟姉妹。親権の有無を問わない
- 審判で扶養義務を負う(877条2項):特別の事情があるときの3親等内の親族(甥と叔母、配偶者の兄弟姉妹、配偶者の連れ子など)
- 順序・程度・方法(878条・879条):協議が調わなければ家庭裁判所が定める
- 扶養を受ける権利(881条):処分できない
正しい。扶養義務者の一人が他の扶養義務者に過去の扶養料を求償する場合も、各自の分担額は、協議が調わない限り家庭裁判所が各自の資力その他一切の事情を考慮して定める(最判昭42.2.17)。
Aから見て、Bとの子Cも前夫との子Fも直系血族なので、どちらもAを扶養する義務を負う(877条1項)。扶養の程度又は方法について協議が調わないときは、家庭裁判所が扶養権利者の需要、扶養義務者の資力その他一切の事情を考慮して定める(879条)。判例は、扶養義務者の一人のみが扶養権利者を扶養してきた場合に、過去の扶養料を他の扶養義務者に求償する場合においても同様であって、各自の分担額は、協議が整わないかぎり、家庭裁判所が各自の資力その他一切の事情を考慮して審判で決定すべきであるとした(最判昭42.2.17)。過去の分を割り振ることも、誰がどれだけ扶養を負担すべきかを家族の事情に応じて決める判断であり、通常の訴訟で決めるのにはなじまないからである。したがって、CがFに過去の扶養料を求償する場合に分担額の協議が調わなければ、家庭裁判所がこれを定め、肢は正しい。

扶養の程度又は方法について、当事者間に協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、扶養権利者の需要、扶養義務者の資力その他一切の事情を考慮して、家庭裁判所が、これを定める。
- 当然に扶養義務を負う(877条1項):直系血族(親子・祖父母と孫)、兄弟姉妹。親権の有無を問わない
- 審判で扶養義務を負う(877条2項):特別の事情があるときの3親等内の親族(甥と叔母、配偶者の兄弟姉妹、配偶者の連れ子など)
- 順序・程度・方法(878条・879条):協議が調わなければ家庭裁判所が定める
- 扶養を受ける権利(881条):処分できない
正しい。家庭裁判所は、特別の事情があるときは三親等内の親族の間でも扶養の義務を負わせることができ(877条2項)、Dは二親等の姻族としてAの三親等内の親族に当たる。
877条1項は、直系血族及び兄弟姉妹は互いに扶養をする義務があると定め、同条2項は、家庭裁判所は、特別の事情があるときは、前項に規定する場合のほか、三親等内の親族間においても扶養の義務を負わせることができると定める。DはAの妻Bの妹であるから、Aからみて二親等の姻族であり、三親等内の姻族として親族に当たる(725条3号)。したがって、DはAとの関係で877条2項の三親等内の親族に当たり、特別の事情があるときは、家庭裁判所は審判によってAにDを扶養する義務を負わせることができる。本肢は正しい。2項の扶養義務は、1項の義務と違って法律上当然に生ずるものではなく、家庭裁判所の審判によって初めて生ずる。また、AがBと離婚すれば姻族関係が終わるから(728条1項)、Dは三親等内の親族ではなくなり、2項の対象から外れる。

直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養をする義務がある。2 家庭裁判所は、特別の事情があるときは、前項に規定する場合のほか、三親等内の親族間においても扶養の義務を負わせることができる。3 前項の規定による審判があった後事情に変更を生じたときは、家庭裁判所は、その審判を取り消すことができる。
- 親族(725条):六親等内の血族、配偶者、三親等内の姻族
- 姻族:配偶者の血族と血族の配偶者だけ。血族の配偶者どうし(妻の姉の夫など)は姻族でない
- 法定血族(727条):養子縁組の日から生ずる。縁組前に生まれた養子の子は養親の親族にならない
- 姻族関係の終了(728条):離婚で当然に終了。配偶者の死亡では生存配偶者の意思表示で終了
- 婚姻の禁止(734条・735条):直系血族・三親等内の傍系血族・直系姻族。傍系姻族とは婚姻できる
- 扶養(877条):直系血族・兄弟姉妹は当然に。三親等内の親族は特別の事情があれば審判で
正しい。甥と叔母は3親等の血族であり、特別の事情があれば、家庭裁判所は3親等内の親族間に扶養の義務を負わせることができる(877条2項)。
扶養義務が当然に生じるのは、直系血族と兄弟姉妹に限られる(877条1項)。もっとも877条2項は、家庭裁判所は特別の事情があるときは、前項に規定する場合のほか、三親等内の親族間においても扶養の義務を負わせることができると定める。3親等内の親族には当然には扶養義務が生じないが、扶養を必要とする者と扶養能力のある親族の過去の生活関係などの特別の事情があれば、家庭裁判所の審判によって義務を負わせる余地を残したのである。傍系親族の親等は、一方から共通の祖先にさかのぼり、そこから他方に下るまでの世代数で数える(726条2項)。甥から親、祖父母へと2世代さかのぼり、そこから叔母へ1世代下るので、甥と叔母は3親等の傍系血族である。したがって、特別の事情があるときは、家庭裁判所は甥と叔母の間に扶養義務を負わせることができる。

直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養をする義務がある。
2 家庭裁判所は、特別の事情があるときは、前項に規定する場合のほか、三親等内の親族間においても扶養の義務を負わせることができる。
- 当然に扶養義務を負う(877条1項):直系血族(親子・祖父母と孫)、兄弟姉妹。親権の有無を問わない
- 審判で扶養義務を負う(877条2項):特別の事情があるときの3親等内の親族(甥と叔母など)
- 順序・程度・方法(878条・879条):協議が調わないときは家庭裁判所が定める
- 事情の変更(880条):家庭裁判所が協議又は審判を変更・取消しできる。当事者の協議による変更も妨げない
- 過去の扶養料の求償の分担額:協議が調わなければ家庭裁判所が審判で定める(最判昭42.2.17)
誤り。違うのは「その子を扶養する義務を負わない」の部分である。認知した父と子は直系血族であり、親権の有無にかかわらず扶養義務を負う(877条1項)。
直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養をする義務がある(877条1項)。この義務は身分関係から法律上当然に生じ、家庭裁判所の審判を要しない。嫡出でない子は、認知によって法律上の父子関係が生じ(779条)、その効力は出生の時にさかのぼる(784条本文)。したがって、認知した父と子は直系血族となり、父は877条1項により当然に子を扶養する義務を負う。他方、嫡出でない子の親権は原則として母が行い、父母の協議で父を親権者と定めたときに父が行う(819条4項)。親権は子の監護教育と財産管理を誰が担うかを定める制度であり、扶養義務の根拠である血族関係とは別の問題である。扶養義務は血族関係から生じる以上、親権者であるかどうか、子と同居しているかどうかで左右されない。本肢は親権者でないことを理由に扶養義務を否定している点で誤りである。

直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養をする義務がある。
- 当然に扶養義務を負う(877条1項):直系血族(親子・祖父母と孫)、兄弟姉妹。親権の有無を問わない
- 審判で扶養義務を負う(877条2項):特別の事情があるときの3親等内の親族(甥と叔母など)
- 順序・程度・方法(878条・879条):協議が調わないときは家庭裁判所が定める
- 事情の変更(880条):家庭裁判所が協議又は審判を変更・取消しできる。当事者の協議による変更も妨げない
- 過去の扶養料の求償の分担額:協議が調わなければ家庭裁判所が審判で定める(最判昭42.2.17)
正しい。直系血族及び兄弟姉妹は互いに扶養をする義務があり(877条1項)、家庭裁判所は特別の事情があるときは3親等内の親族間にも扶養の義務を負わせることができる(同条2項)。
877条1項は、直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養をする義務があると定め、同条2項は、家庭裁判所は、特別の事情があるときは、前項に規定する場合のほか、3親等内の親族間においても扶養の義務を負わせることができるとする。親子や祖父母と孫のような直系血族と兄弟姉妹は、生活上の結び付きが特に強いので、法律上当然に互いに扶養する義務を負わせた。これに対し、それ以外の親族、たとえばおじ・おばと甥・姪や、配偶者の親・連れ子のような3親等内の姻族については、当然に扶養義務を課すのは重すぎるので、特別の事情がある場合に限り、家庭裁判所の審判によって扶養の義務を負わせることができるとしたのである。審判の後に事情が変われば、家庭裁判所はその審判を取り消すことができる(同条3項)。本肢は同条のとおりであり、正しい。

直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養をする義務がある。2 家庭裁判所は、特別の事情があるときは、前項に規定する場合のほか、三親等内の親族間においても扶養の義務を負わせることができる。
- 当然に扶養義務を負う(877条1項):直系血族(親子・祖父母と孫)、兄弟姉妹
- 審判で扶養義務を負う(877条2項):特別の事情があるときの3親等内の親族
- 扶養義務を負わない:配偶者の兄弟姉妹の配偶者のように親族でない者
誤り。違うのは「扶養義務を負うことはない」の部分である。配偶者の連れ子は一親等の姻族として三親等内の親族に当たり、特別の事情があれば家庭裁判所が扶養義務を負わせることができる(877条2項)。
877条1項は、直系血族及び兄弟姉妹は互いに扶養をする義務があると定め、同条2項は、家庭裁判所は特別の事情があるときは、前項に規定する場合のほか、三親等内の親族間においても扶養の義務を負わせることができると定める。夫婦の他方が前婚でもうけた子は、夫婦の一方から見れば配偶者の血族であり、725条3号の姻族のうち一親等の直系姻族に当たる。養子縁組をしていない限り直系血族ではないので1項の当然の扶養義務は負わないが、三親等内の親族には含まれるから、2項により家庭裁判所が特別の事情があると認めて審判をすれば扶養義務を負うことがある。生活をともにする連れ子を扶養させるのが相当な場合に備えて、親族間の扶養を家庭裁判所の判断で広げる余地を残したのである。したがって、扶養義務を負うことはないと言い切る本肢は誤りである。

直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養をする義務がある。/2 家庭裁判所は、特別の事情があるときは、前項に規定する場合のほか、三親等内の親族間においても扶養の義務を負わせることができる。
- 当然に扶養義務を負う(877条1項):直系血族(親子・祖父母と孫)、兄弟姉妹。親権の有無を問わない
- 審判で扶養義務を負う(877条2項):特別の事情があるときの3親等内の親族(甥と叔母、配偶者の兄弟姉妹、配偶者の連れ子など)
- 扶養義務を負わない:配偶者の兄弟姉妹の配偶者のように親族でない者
正しい。夫婦の一方と他方の兄弟姉妹の配偶者との間には親族関係がないので、扶養義務を負うことはない(725条・877条)。
725条は、六親等内の血族、配偶者、三親等内の姻族を親族とする。ここでいう姻族は、配偶者の血族と、自己の血族の配偶者に限られる。夫婦の一方から見て、他方の兄弟姉妹は配偶者の血族として二親等の姻族に当たるが、その兄弟姉妹の配偶者は、配偶者の血族の配偶者であって、姻族の定義のどちらにも当たらない。同じように、夫の父母と妻の父母、兄の妻と弟の妻の間にも姻族関係はない。877条は、扶養義務を負う者を直系血族・兄弟姉妹(1項)と、家庭裁判所が審判で義務を負わせる三親等内の親族(2項)に限っているから、親族ですらない者に対しては、特別の事情があっても扶養義務を負わせることはできない。したがって本肢は正しい。

次に掲げる者は、親族とする。一 六親等内の血族 二 配偶者 三 三親等内の姻族
- 当然に扶養義務を負う(877条1項):直系血族(親子・祖父母と孫)、兄弟姉妹。親権の有無を問わない
- 審判で扶養義務を負う(877条2項):特別の事情があるときの3親等内の親族(甥と叔母、配偶者の兄弟姉妹、配偶者の連れ子など)
- 扶養義務を負わない:配偶者の兄弟姉妹の配偶者のように親族でない者


