保佐は、保佐開始の審判によって開始する。
1家庭裁判所は、保佐開始の審判をするときは、職権で、保佐人を選任する。
2第八百四十三条第二項から第四項まで及び第八百四十四条から第八百四十七条までの規定は、保佐人について準用する。
3保佐人又はその代表する者と被保佐人との利益が相反する行為については、保佐人は、臨時保佐人の選任を家庭裁判所に請求しなければならない。ただし、保佐監督人がある場合は、この限りでない。
この条文の過去問 3問
正しい。保佐人に準用される843条4項が法人を保佐人に選任することを前提とし、欠格事由(847条)にも法人は挙げられていない。
876条の2第2項は、成年後見人の選任に関する843条2項から4項まで及び844条から847条までを保佐人に準用する。準用される847条の欠格事由は、未成年者、家庭裁判所で解任された法定代理人・保佐人・補助人、破産者、被保佐人に対して訴訟をし又はした者とその配偶者・直系血族、行方の知れない者であり、法人であることは挙げられていない。むしろ843条4項は、選任の際の考慮事情として、成年後見人となる者が法人であるときはその事業の種類及び内容並びにその法人及びその代表者と本人との利害関係の有無を掲げており、法人が選任され得ることを条文自体が前提にしている。平成11年改正で法人による後見が明文で認められて以降、社会福祉協議会や弁護士法人などが保佐人となる例も定着している。したがって、法人も保佐人になることができる。

成年後見人を選任するには、成年被後見人の心身の状態並びに生活及び財産の状況、成年後見人となる者の職業及び経歴並びに成年被後見人との利害関係の有無(成年後見人となる者が法人であるときは、その事業の種類及び内容並びにその法人及びその代表者と成年被後見人との利害関係の有無)、成年被後見人の意見その他一切の事情を考慮しなければならない。
| 地位 | 法人 | 根拠 |
|---|---|---|
| 成年後見人・保佐人・補助人 | なれる | 843条4項かっこ書(876条の2第2項・876条の7第2項で準用)。欠格事由(847条)に法人は無い |
| 民法上の組合の組合員 | なれる | 組合員の資格を限る規定が無い(667条以下) |
| 遺言執行者 | なれる | 欠格事由は未成年者と破産者だけ(1009条) |
正しい。保佐人に準用される843条4項が法人を保佐人に選任することを前提とし、欠格事由(847条)にも法人は挙げられていない。
876条の2第2項は、成年後見人の選任に関する843条2項から4項まで及び844条から847条までを保佐人に準用する。準用される847条の欠格事由は、未成年者、家庭裁判所で解任された法定代理人・保佐人・補助人、破産者、被保佐人に対して訴訟をし又はした者とその配偶者・直系血族、行方の知れない者であり、法人であることは挙げられていない。むしろ843条4項は、選任の際の考慮事情として、成年後見人となる者が法人であるときはその事業の種類及び内容並びにその法人及びその代表者と本人との利害関係の有無を掲げており、法人が選任され得ることを条文自体が前提にしている。平成11年改正で法人による後見が明文で認められて以降、社会福祉協議会や弁護士法人などが保佐人となる例も定着している。したがって、法人も保佐人になることができる。

成年後見人を選任するには、成年被後見人の心身の状態並びに生活及び財産の状況、成年後見人となる者の職業及び経歴並びに成年被後見人との利害関係の有無(成年後見人となる者が法人であるときは、その事業の種類及び内容並びにその法人及びその代表者と成年被後見人との利害関係の有無)、成年被後見人の意見その他一切の事情を考慮しなければならない。
| 地位 | 法人 | 根拠 |
|---|---|---|
| 成年後見人・保佐人・補助人 | なれる | 843条4項かっこ書(876条の2第2項・876条の7第2項で準用)。欠格事由(847条)に法人は無い |
| 民法上の組合の組合員 | なれる | 組合員の資格を限る規定が無い(667条以下) |
| 遺言執行者 | なれる | 欠格事由は未成年者と破産者だけ(1009条) |
正しい。保佐人又はその代表する者と被保佐人との利益が相反する行為については、保佐人は臨時保佐人の選任を家庭裁判所に請求しなければならない(876条の2第3項本文)。
876条の2第3項は、保佐人又はその代表する者と被保佐人との利益が相反する行為については、保佐人は臨時保佐人の選任を家庭裁判所に請求しなければならず、ただし保佐監督人がある場合はこの限りでないと定める。保佐人は被保佐人の重要な行為について同意をする権限を持つが、保佐人自身や、保佐人が親権者として代表する子と被保佐人との間の取引では、保佐人が被保佐人の利益を犠牲にして同意をするおそれがある。そこで、そのような行為については、家庭裁判所が選任した臨時保佐人に保佐人の役割を担わせ、被保佐人の利益を守ることとしたのである。本肢の保佐人が親権を行う未成年の子は、保佐人がその法定代理人として代表する者に当たるので、その子と被保佐人との利益相反行為については、保佐人は臨時保佐人の選任を請求しなければならない。親権者の826条や後見人の860条と同じ趣旨の規定である。したがって、本肢は正しい。

保佐人又はその代表する者と被保佐人との利益が相反する行為については、保佐人は、臨時保佐人の選任を家庭裁判所に請求しなければならない。ただし、保佐監督人がある場合は、この限りでない。
1家庭裁判所は、必要があると認めるときは、被保佐人、その親族若しくは保佐人の請求により又は職権で、保佐監督人を選任することができる。
2第六百四十四条、第六百五十四条、第六百五十五条、第八百四十三条第四項、第八百四十四条、第八百四十六条、第八百四十七条、第八百五十条、第八百五十一条、第八百五十九条の二、第八百五十九条の三、第八百六十一条第二項及び第八百六十二条の規定は、保佐監督人について準用する。この場合において、第八百五十一条第四号中「被後見人を代表する」とあるのは、「被保佐人を代表し、又は被保佐人がこれをすることに同意する」と読み替えるものとする。
この条文の過去問 1問
誤り。違うのは「当該売買契約を取り消したものとみなされる」の部分である。保佐人に権限内の行為について催告し確答がなければ追認とみなされ(20条2項)、保佐監督人がいても特別の方式を要する行為にはならない。
20条2項は、制限行為能力者の相手方が、制限行為能力者が行為能力者とならない間に、保佐人などに対し、その権限内の行為について1か月以上の期間を定めて追認するかどうかを催告した場合に、期間内に確答を発しないときは、その行為を追認したものとみなすと定める。保佐人は自分の判断で追認できる立場にあるから、催告を受けながら黙っていることを追認と評価しても不当ではないのである。甲土地の売却は不動産に関する権利の得喪を目的とする行為であり(13条1項3号)、保佐人の同意権の対象であるから、保佐人の権限内の行為に当たる。もっとも、特別の方式を要する行為については、期間内に方式を具備した旨の通知を発しないときは取り消したものとみなされる(20条3項)。その典型は、後見監督人がいるときに後見人が13条1項の行為をするには後見監督人の同意が要るとする864条であるが、保佐監督人についての876条の3第2項は864条を準用していない。したがって、保佐人が確答しなければ追認とみなされ、本肢は誤りである。

制限行為能力者の相手方が、制限行為能力者が行為能力者とならない間に、その法定代理人、保佐人又は補助人に対し、その権限内の行為について前項に規定する催告をした場合において、これらの者が同項の期間内に確答を発しないときも、同項後段と同様とする。
- 行為能力者となった本人(20条1項):確答を発しなければ追認とみなす
- 法定代理人・保佐人・補助人(20条2項):権限内の行為について確答を発しなければ追認とみなす
- 特別の方式を要する行為(20条3項):後見監督人の同意を要する行為などは、方式を具備した旨の通知を発しなければ取消しとみなす
- 被保佐人・同意権付与の審判を受けた被補助人(20条4項):保護者の追認を得た旨の通知を発しなければ取消しとみなす
- 未成年者・成年被後見人:催告しても効果は生じない
1家庭裁判所は、第十一条本文に規定する者又は保佐人若しくは保佐監督人の請求によって、被保佐人のために特定の法律行為について保佐人に代理権を付与する旨の審判をすることができる。
2本人以外の者の請求によって前項の審判をするには、本人の同意がなければならない。
3家庭裁判所は、第一項に規定する者の請求によって、同項の審判の全部又は一部を取り消すことができる。
この条文の過去問 2問
誤り。違うのは「本人の同意がなければならない」の部分である。
11条は、事理を弁識する能力が著しく不十分である者について、本人、配偶者、四親等内の親族などの請求により、家庭裁判所は保佐開始の審判をすることができると定め、本人以外の者が請求する場合に本人の同意を求める規定を置いていない。これに対し、本人の同意が要るとされているのは、本人以外の請求による補助開始の審判(15条2項)、補助人の同意を要する旨の審判(17条2項)、保佐人や補助人に代理権を与える審判(876条の4第2項・876条の9第2項)である。補助は判断能力の低下が軽い者を対象とするので本人の意思を尊重すべき要請が強く、代理権の付与は本人が自分でできる行為について他人に権限を与えるものなので、本人の意思を確かめる必要がある。保佐開始はこれらと違い、判断能力が著しく不十分な者を保護するためのものなので、本人の同意は要らない。

精神上の障害により事理を弁識する能力が著しく不十分である者については、家庭裁判所は、本人、配偶者、四親等内の親族、後見人、後見監督人、補助人、補助監督人又は検察官の請求により、保佐開始の審判をすることができる。ただし、第七条に規定する原因がある者については、この限りでない。
| 審判 | 本人の同意 |
|---|---|
| 後見開始(7条) | 不要 |
| 保佐開始(11条) | 不要 |
| 補助開始(15条) | 必要(15条2項) |
| 補助人の同意を要する旨の審判(17条) | 必要(17条2項) |
| 保佐人・補助人への代理権付与(876条の4・876条の9) | 必要 |
正しい。本人以外の者の請求によって保佐人に代理権を付与する審判をするには、本人の同意がなければならない(876条の4第2項)。
保佐人は、13条1項の行為などについて同意権と取消権を持つのが原則であり、当然には代理権を持たない。もっとも、876条の4第1項は、家庭裁判所は、11条本文に規定する者又は保佐人若しくは保佐監督人の請求によって、被保佐人のために特定の法律行為について保佐人に代理権を付与する旨の審判をすることができると定め、同条2項は、本人以外の者の請求によってこの審判をするには、本人の同意がなければならないと定める。保佐は本人にまだかなりの判断能力が残っていることを前提とする類型であり、代理権を与えれば本人が関わらないまま保佐人の行為の効果が本人に及ぶことになるから、同意権や取消権を与える場合とは重みが違う。そこで、本人の自己決定を尊重するため、本人以外の者の請求による場合には本人の同意を必要としたのである。これに対し、後見開始や保佐開始の審判そのものには本人の同意は要らない。したがって、本肢は正しい。

家庭裁判所は、第十一条本文に規定する者又は保佐人若しくは保佐監督人の請求によって、被保佐人のために特定の法律行為について保佐人に代理権を付与する旨の審判をすることができる。2 本人以外の者の請求によって前項の審判をするには、本人の同意がなければならない。3 家庭裁判所は、第一項に規定する者の請求によって、同項の審判の全部又は一部を取り消すことができる。
- 後見開始(7条):事理を弁識する能力を欠く常況。成年後見人は審判のときに家庭裁判所が職権で選任する(843条1項)
- 保佐開始(11条):能力が著しく不十分。7条の原因がある者は除く
- 保佐人への代理権付与(876条の4):本人以外の請求なら本人の同意が要る
- 利益相反行為(860条):後見人は特別代理人の選任を請求する。後見監督人があれば不要で、後見監督人が被後見人を代表する(851条4号)
- 任意後見:本人が選んだ任意後見人に代理権を与える委任契約で、本人の行為能力は制限されない
1保佐人は、保佐の事務を行うに当たっては、被保佐人の意思を尊重し、かつ、その心身の状態及び生活の状況に配慮しなければならない。
2第六百四十四条、第八百五十九条の二、第八百五十九条の三、第八百六十一条第二項、第八百六十二条及び第八百六十三条の規定は保佐の事務について、第八百二十四条ただし書の規定は保佐人が前条第一項の代理権を付与する旨の審判に基づき被保佐人を代表する場合について準用する。
3第六百五十四条、第六百五十五条、第八百七十条、第八百七十一条及び第八百七十三条の規定は保佐人の任務が終了した場合について、第八百三十二条の規定は保佐人又は保佐監督人と被保佐人との間において保佐に関して生じた債権について準用する。