この法律において「物」とは、有体物をいう。
1土地及びその定着物は、不動産とする。
2不動産以外の物は、すべて動産とする。
この条文の過去問 1問
正しい。土地の売買で立木の所有権を売主に留保することはできるが、その留保も物権変動であり、登記か明認方法を備えなければ土地の権利を取得した第三者に対抗できない(最判昭34.8.7)。
立木は本来、土地の定着物として土地の一部をなし、土地の所有権に含まれる(86条1項参照)。しかし、立木は土地とは別の経済的価値を持ち、別に取引する必要があるので、立木法による登記や、慣習上の公示方法である明認方法を備えれば、土地とは別の所有権の対象となる。最判昭34.8.7は、土地の所有権を移転する際に当事者の合意で立木の所有権を留保した場合、立木は土地と独立して所有権の目的となるが、留保もまた物権変動の一場合と解すべきであるから、立木法による登記をするか、留保を公示するに足る明認方法を講じない限り、立木の所有権の留保をもって土地の権利を取得した第三者に対抗できないとした。登記も明認方法もなければ、第三者は立木の所有権が留保されていることを知る手段がないからである。本肢はこの判例のとおりである。

留保もまた物権変動の一場合と解すべきであるから、この場合には立木につき立木法による登記をするかまたは該留保を公示するに足る明認方法を講じない以上、第三者は全然立木についての所有権留保の事実を知るに由ないものであるから、右登記または明認方法を施さない限り、立木所有権の留保をもってその地盤である土地の権利を取得した第三者に対抗し得ない
1物の所有者が、その物の常用に供するため、自己の所有に属する他の物をこれに附属させたときは、その附属させた物を従物とする。
2従物は、主物の処分に従う。
この条文の過去問 5問
誤り。違うのは「利息には及ばない」の部分である。債権質の効力は目的債権の利息にも及ぶ。
362条2項は、権利質については、その性質に反しない限り質権の総則・動産質・不動産質の規定を準用すると定め、質権の総則にある350条は、留置権者による果実の収取を定めた297条を質権に準用している。297条1項は、留置権者は留置物から生ずる果実を収取し、他の債権者に先立ってこれを自己の債権の弁済に充当することができると定める。目的債権乙から生じる利息は元本の使用の対価として受ける法定果実(88条2項)であるから、これらの規定を通じて債権質の効力は利息にも及び、Aは乙の元本だけでなく利息からも優先弁済を受けることができる。利息に効力が及ぶ根拠としては、ほかに、利息債権は元本債権から生じる付随的な債権であるからとする理解や、87条2項を類推する理解もあるが、利息に効力が及ぶという結論に違いはない。元本だけを担保として把握するのでは、目的債権の価値を十分に生かせないからである。したがって、利息には及ばないとする本肢は誤りである。

留置権者は、留置物から生ずる果実を収取し、他の債権者に先立って、これを自己の債権の弁済に充当することができる。
- 対抗要件(364条):債権譲渡と同じく第三債務者への通知又はその承諾。第三債務者以外の第三者には確定日付のある証書。法人なら債権譲渡登記でもよい
- 第三債務者の抗弁:対抗要件具備時までに質権設定者に対して生じた事由を質権者に対抗できる(468条1項の適用又は準用)
- 直接取立て(366条1項・2項):質権者が自分の名で取り立てる。金銭債権は被担保債権額に対応する部分に限る
- 目的債権が先に弁済期(366条3項):第三債務者に供託させ、質権は供託金の上に存続する
- 利息:質権の効力は目的債権の利息にも及ぶ(362条2項・350条・297条1項)
誤り。違うのは「利息には及ばない」の部分である。債権質の効力は目的債権の利息にも及ぶ。
362条2項は、権利質については、その性質に反しない限り質権の総則・動産質・不動産質の規定を準用すると定め、質権の総則にある350条は、留置権者による果実の収取を定めた297条を質権に準用している。297条1項は、留置権者は留置物から生ずる果実を収取し、他の債権者に先立ってこれを自己の債権の弁済に充当することができると定める。目的債権乙から生じる利息は元本の使用の対価として受ける法定果実(88条2項)であるから、これらの規定を通じて債権質の効力は利息にも及び、Aは乙の元本だけでなく利息からも優先弁済を受けることができる。利息に効力が及ぶ根拠としては、ほかに、利息債権は元本債権から生じる付随的な債権であるからとする理解や、87条2項を類推する理解もあるが、利息に効力が及ぶという結論に違いはない。元本だけを担保として把握するのでは、目的債権の価値を十分に生かせないからである。したがって、利息には及ばないとする本肢は誤りである。

留置権者は、留置物から生ずる果実を収取し、他の債権者に先立って、これを自己の債権の弁済に充当することができる。
- 対抗要件(364条):債権譲渡と同じく第三債務者への通知又はその承諾。第三債務者以外の第三者には確定日付のある証書。法人なら債権譲渡登記でもよい
- 第三債務者の抗弁:対抗要件具備時までに質権設定者に対して生じた事由を質権者に対抗できる(468条1項の適用又は準用)
- 直接取立て(366条1項・2項):質権者が自分の名で取り立てる。金銭債権は被担保債権額に対応する部分に限る
- 目的債権が先に弁済期(366条3項):第三債務者に供託させ、質権は供託金の上に存続する
- 利息:質権の効力は目的債権の利息にも及ぶ(362条2項・350条・297条1項)
誤り。違うのは「抵当権の効力は,その宝石に及ぶ」の部分である。建物に持ち込んで保管しているだけの宝石は、付加一体物にも従物にも当たらない。
370条本文の付加して一体となっている物とは、目的不動産に付合して独立性を失った物を中心とし、建物の増築部分や造作のように建物の価値を構成するに至った物をいう。室内に置かれているだけの宝石は、建物と物理的に結び付いておらず、いつでも持ち出せる独立の動産であるから、付加一体物に当たらない。また、判例は抵当権設定当時にあった従物にも抵当権の効力が及ぶとしているが(最判昭44.3.28)、従物とは、物の所有者がその物の常用に供するため自己の所有に属する他の物を附属させたものをいう(87条1項)。宝石は建物の使い道を継続して助けるために附属させた物ではないから、従物にも当たらない。抵当権は目的不動産の交換価値を把握する権利であり、建物と一体となってその担保価値を形づくっているとはいえない宝石にまで効力を及ぼす理由はない。したがって、抵当権の効力は宝石に及ばず、本肢は誤りである。

物の所有者が、その物の常用に供するため、自己の所有に属する他の物をこれに附属させたときは、その附属させた物を従物とする。
- 付加一体物(370条):付合した物(設定後に植えた立木、増築部分など)に及ぶ。地上の建物には及ばない
- 従物(87条):設定時にあった従物に及ぶ(石灯籠・取り外し可能な庭石。最判昭和44年3月28日)。従物は主物と同じ所有者の物であることが必要
- 従たる権利:借地上の建物の抵当権は敷地の賃借権に及ぶ
- 果実(371条):被担保債権の不履行の後に生じた果実(賃料を含む)に及ぶ
- 目的物の崩壊:動産となれば抵当権は消滅する(大判大正5年6月28日)
正しい。賃借人の所有する取り外し可能なエアコンは、建物に付合しておらず、建物の所有者の物でないから従物にも当たらず、抵当権の効力は及ばない。
取り外しが可能なエアコンは、独立した動産の性質を保っているから、建物に付合して独立性を失った物(242条)とはいえず、370条本文の付加一体物に当たらない。また、従物は、物の所有者がその物の常用に供するため、自己の所有に属する他の物を附属させたものであり(87条1項)、主物と従物が同じ人の所有に属することが必要である。本肢のエアコンは建物の所有者ではなく賃借人の所有物であり、建物の所有者が自分の物を附属させたものではないから、この要件を欠き、建物の従物にも当たらない。抵当権は設定者の財産である不動産の交換価値を把握するものにすぎず、第三者である賃借人の所有物にまで効力を及ぼすと、その者の所有権を不当に害することになる。したがって、建物の抵当権の効力はエアコンに及ばず、本肢は正しい。建物の所有者自身が設置したエアコンであれば、設定時にあったものは従物として抵当権の効力が及ぶ余地がある。

物の所有者が、その物の常用に供するため、自己の所有に属する他の物をこれに附属させたときは、その附属させた物を従物とする。
- 付加一体物(370条):付合した物(設定後に植えた立木、増築部分など)に及ぶ。地上の建物には及ばない
- 従物(87条):設定時にあった従物に及ぶ(石灯籠・取り外し可能な庭石。最判昭和44年3月28日)。従物は主物と同じ所有者の物であることが必要
- 従たる権利:借地上の建物の抵当権は敷地の賃借権に及ぶ
- 果実(371条):被担保債権の不履行の後に生じた果実(賃料を含む)に及ぶ
- 目的物の崩壊:動産となれば抵当権は消滅する(大判大正5年6月28日)
誤り。違うのは「その抵当権の効力は,Bが甲建物において使用しているB所有の畳に対しても及ぶ」の部分である。従物は主物と同じ所有者に属する物でなければならず、賃借人B所有の畳は建物の従物ではない(87条1項)。
87条1項は、物の所有者がその物の常用に供するため、自己の所有に属する他の物をこれに附属させたときは、その附属させた物を従物とすると定め、同条2項は、従物は主物の処分に従うとする。建物の抵当権の効力は、抵当権設定時に存在した従物にも及ぶと解されているが、それは従物が主物と同じ所有者の物であり、主物の処分に従わせても所有者の意思に反しないからである。他人の物まで主物の処分に従わせれば、その他人の所有権を奪うことになる。本肢の畳は、甲建物の賃借人Bが自分の物として持ち込んで使っているものであり、建物の所有者Aの物ではないから、甲建物の従物には当たらない。したがって、AがCのために甲建物に設定した抵当権の効力は、B所有の畳には及ばない。抵当権の効力が付加一体物に及ぶとする370条も、抵当不動産の所有者以外の者の物にまで効力を及ぼすものではない。

1 物の所有者が、その物の常用に供するため、自己の所有に属する他の物をこれに附属させたときは、その附属させた物を従物とする。/2 従物は、主物の処分に従う。
- 独立した物であること:取引上の独立性のない増築部分は付合であって従物ではない
- 主物の常用に供されること:継続して主物の経済的効用を助けていること
- 主物と同じ所有者に属すること:賃借人が持ち込んだ賃借人所有の畳は建物の従物にならない
1物の用法に従い収取する産出物を天然果実とする。
2物の使用の対価として受けるべき金銭その他の物を法定果実とする。
1天然果実は、その元物から分離する時に、これを収取する権利を有する者に帰属する。
2法定果実は、これを収取する権利の存続期間に応じて、日割計算によりこれを取得する。
この条文の過去問 1問
正しい。賃料は法定果実であり、収取する権利の存続期間に応じて日割計算により取得されるので(89条2項)、月の途中で家屋が贈与された月の賃料は、AとBに日割りで分配される。
88条2項は、物の使用の対価として受けるべき金銭その他の物を法定果実と定め、家屋の賃料はその典型である。89条2項は、法定果実は、これを収取する権利の存続期間に応じて、日割計算によりこれを取得すると定める。賃料は時間の経過に応じて生じる使用の対価であるから、支払日にたまたま収取権を持っている者に全額を与えるのではなく、各人が収取権を持っていた期間に応じて分けるのが公平だからである。本肢では、Aが月の途中で家屋をBに贈与しているので、その月の賃料は、贈与の日までの分がAに、その後の分がBに、日割りで帰属する。賃料の支払日が月末と定められていても、それは支払の時期を定めたものにすぎず、帰属の基準を変えるものではない。もっとも、89条は任意規定であるから、AB間で別の合意をすればそれに従う。したがって、本肢は正しい。

天然果実は、その元物から分離する時に、これを収取する権利を有する者に帰属する。2 法定果実は、これを収取する権利の存続期間に応じて、日割計算によりこれを取得する。
- 占有者(189条・190条):善意なら取得。悪意・暴行・強迫・隠匿なら返還し消費分の代価を償還
- 売主(575条1項):引渡しまで果実を取得。引渡しを遅滞していても同じ(大連判大13.9.24)
- 受遺者(992条):遺贈の履行を請求できる時から取得
- 不動産質権者(356条):使用・収益ができ、果実を取得
- 法定果実(89条2項):収取する権利の存続期間に応じて日割計算で取得