占有権は、自己のためにする意思をもって物を所持することによって取得する。
この条文の過去問 9問
正しい。賃借人Bも自己のためにする意思で物を所持する占有者なので、所有者Aから独立して、侵奪者Cに占有回収の訴えを提起できる(180条・200条1項)。
占有権は、自己のためにする意思をもって物を所持することによって取得され(180条)、占有の訴えは占有者が提起できる(197条・200条1項)。賃借人は賃貸借契約に基づいて自分のために目的物を所持しているので、所有の意思のない他主占有ではあっても占有者である。197条後段も、他人のために占有をする者が占有の訴えを提起できることを明らかにしている。占有の訴えは、本権が誰にあるかとは切り離して現在の事実上の支配を保護する制度であり、本権の訴えとは別のものである(202条1項)。したがって、賃借人Bは、所有者Aの意向や協力と関係なく、自分の占有が奪われたことを理由に侵奪者Cに対して占有回収の訴えを提起し、工作機械の返還と損害の賠償を請求でき、肢は正しい。Aも、Bを通じて占有する本人として占有回収の訴えを提起できるが、それでBの訴えが妨げられるわけではない。

占有者は、次条から第二百二条までの規定に従い、占有の訴えを提起することができる。他人のために占有をする者も、同様とする。
- 占有回収の訴え(200条):占有を奪われたとき/物の返還と損害賠償/奪われた時から1年以内(201条3項)/善意の特定承継人には請求できない
- 占有保持の訴え(198条):占有を妨害されたとき/妨害の停止と損害賠償/妨害の存する間か消滅後1年以内。工事は着手から1年経過か完成で提起できない(201条1項)
- 占有保全の訴え(199条):妨害されるおそれがあるとき/妨害の予防か損害賠償の担保/危険の存する間。工事は201条1項ただし書を準用(201条2項)
- 占有を奪われたとき:意思に反して所持を奪われた場合。任意に引き渡した場合(詐取・賃貸後の返還拒否)や遺失は当たらない
正しい。親と同居する未成年の子は占有補助者にすぎず、独立の所持がないので、甲建物の占有権を有しない。
占有権は、自己のためにする意思をもって物を所持することによって取得する(180条)。所持は、社会通念上その物がその人の事実的な支配の下にあると認められる関係をいうが、他人の指示に従ってその手足として物を支配しているにすぎない者には独立の所持がなく、占有権は成立しない。このような者を占有補助者という。判例も、家屋に住む家族について、独立の所持を持つのは世帯主であり、同居する家族はその占有を補助しているにすぎず、独立の占有を有しないとしている。Aの所有する甲建物にAと同居するAの未成年の子Bは、まさに占有補助者であり、甲建物の所持はAに属する。肢はBが占有権を有しないとしており、正しい。法人の代表者が法人のために物を所持する場合に、占有が法人に属し代表者個人にないとされるのも同じ考え方である。

占有権は、自己のためにする意思をもって物を所持することによって取得する。
正しい。親と同居する未成年の子は占有補助者にすぎず、独立の所持がないので、甲建物の占有権を有しない。
占有権は、自己のためにする意思をもって物を所持することによって取得する(180条)。所持は、社会通念上その物がその人の事実的な支配の下にあると認められる関係をいうが、他人の指示に従ってその手足として物を支配しているにすぎない者には独立の所持がなく、占有権は成立しない。このような者を占有補助者という。判例も、家屋に住む家族について、独立の所持を持つのは世帯主であり、同居する家族はその占有を補助しているにすぎず、独立の占有を有しないとしている。Aの所有する甲建物にAと同居するAの未成年の子Bは、まさに占有補助者であり、甲建物の所持はAに属する。肢はBが占有権を有しないとしており、正しい。法人の代表者が法人のために物を所持する場合に、占有が法人に属し代表者個人にないとされるのも同じ考え方である。

占有権は、自己のためにする意思をもって物を所持することによって取得する。
正しい。留置権者は民事執行法195条により、抵当権者は同法180条以下により、それぞれ目的物の競売を申し立てることができる。
抵当権者は、被担保債権の弁済がないときは抵当権を実行して目的不動産の競売を申し立て、その売却代金から優先して弁済を受けることができる(民事執行法180条1号・181条)。他方、留置権は優先弁済的効力を持たないが、民事執行法195条は留置権による競売を認めている。弁済がないまま目的物を保管し続けなければならない留置権者の負担を解消するため、物を換価する手段を与えたのである。ただし、この競売は担保権の実行として優先弁済を受けるためのものではないので、留置権者は売却代金から法律上優先して弁済を受けることはできない。もっとも、留置権者は換価金を債務者に返還する債務と被担保債権を相殺することで、事実上は優先弁済を受けたのと同じ結果を得ることができる。以上により、留置権者も抵当権者も目的物の競売を申し立てることができ、肢は正しい。

他人の物の占有者は、その物に関して生じた債権を有するときは、その債権の弁済を受けるまで、その物を留置することができる。ただし、その債権が弁済期にないときは、この限りでない。
- 留置権(法定):付従性・随伴性・不可分性あり。物上代位性・優先弁済的効力なし。留置的効力と競売申立権あり
- 先取特権(法定):付従性・随伴性・不可分性・物上代位性・優先弁済的効力あり。留置的効力なし
- 質権(約定):付従性・随伴性・不可分性・物上代位性・優先弁済的効力・留置的効力あり
- 抵当権(約定):付従性・随伴性・不可分性・物上代位性・優先弁済的効力あり。留置的効力なし
- 同一不動産上の順位:原則は登記の前後。登記した不動産保存・工事の先取特権は抵当権に優先(339条)
正しい。留置権者は民事執行法195条により、抵当権者は同法180条以下により、それぞれ目的物の競売を申し立てることができる。
抵当権者は、被担保債権の弁済がないときは抵当権を実行して目的不動産の競売を申し立て、その売却代金から優先して弁済を受けることができる(民事執行法180条1号・181条)。他方、留置権は優先弁済的効力を持たないが、民事執行法195条は留置権による競売を認めている。弁済がないまま目的物を保管し続けなければならない留置権者の負担を解消するため、物を換価する手段を与えたのである。ただし、この競売は担保権の実行として優先弁済を受けるためのものではないので、留置権者は売却代金から法律上優先して弁済を受けることはできない。もっとも、留置権者は換価金を債務者に返還する債務と被担保債権を相殺することで、事実上は優先弁済を受けたのと同じ結果を得ることができる。以上により、留置権者も抵当権者も目的物の競売を申し立てることができ、肢は正しい。

他人の物の占有者は、その物に関して生じた債権を有するときは、その債権の弁済を受けるまで、その物を留置することができる。ただし、その債権が弁済期にないときは、この限りでない。
- 留置権(法定):付従性・随伴性・不可分性あり。物上代位性・優先弁済的効力なし。留置的効力と競売申立権あり
- 先取特権(法定):付従性・随伴性・不可分性・物上代位性・優先弁済的効力あり。留置的効力なし
- 質権(約定):付従性・随伴性・不可分性・物上代位性・優先弁済的効力・留置的効力あり
- 抵当権(約定):付従性・随伴性・不可分性・物上代位性・優先弁済的効力あり。留置的効力なし
- 同一不動産上の順位:原則は登記の前後。登記した不動産保存・工事の先取特権は抵当権に優先(339条)
誤り。違うのは後段の「留置権者は、目的物の競売を申し立てることはできない」の部分である。留置権者も民事執行法195条により競売を申し立てることができる。
抵当権者が担保不動産競売を申し立てられる点(民事執行法180条1号)は肢の前段のとおりである。しかし、民事執行法195条は、留置権による競売を担保権の実行としての競売の例によるとしており、留置権者も競売を申し立てることができる。これは優先弁済を受けるための換価ではなく、被担保債権の弁済を受けるまで目的物を保管し続けなければならない留置権者を、長期の留置の負担から解放するために認められた換価の手続である。留置権に優先弁済的効力がないことと、競売を申し立てる権利があるかどうかとは別の問題であり、留置権者は競売の換価金から他の債権者に優先して弁済を受けることはできないが、競売の申立て自体はできるのである。したがって、留置する権利にすぎないから競売を申し立てられないとする後段は誤りである。

他人の物の占有者は、その物に関して生じた債権を有するときは、その債権の弁済を受けるまで、その物を留置することができる。ただし、その債権が弁済期にないときは、この限りでない。
- 留置権(法定):付従性・随伴性・不可分性があり、物上代位性・優先弁済的効力はない。留置的効力と競売申立権がある
- 先取特権(法定):付従性・随伴性・不可分性・物上代位性・優先弁済的効力がある。留置的効力はない
- 質権(約定):付従性・随伴性・不可分性・物上代位性・優先弁済的効力・留置的効力がある
- 抵当権(約定):付従性・随伴性・不可分性・物上代位性・優先弁済的効力がある。留置的効力はない
誤り。違うのは後段の「留置権者は、目的物の競売を申し立てることはできない」の部分である。留置権者も民事執行法195条により競売を申し立てることができる。
抵当権者が担保不動産競売を申し立てられる点(民事執行法180条1号)は肢の前段のとおりである。しかし、民事執行法195条は、留置権による競売を担保権の実行としての競売の例によるとしており、留置権者も競売を申し立てることができる。これは優先弁済を受けるための換価ではなく、被担保債権の弁済を受けるまで目的物を保管し続けなければならない留置権者を、長期の留置の負担から解放するために認められた換価の手続である。留置権に優先弁済的効力がないことと、競売を申し立てる権利があるかどうかとは別の問題であり、留置権者は競売の換価金から他の債権者に優先して弁済を受けることはできないが、競売の申立て自体はできるのである。したがって、留置する権利にすぎないから競売を申し立てられないとする後段は誤りである。

他人の物の占有者は、その物に関して生じた債権を有するときは、その債権の弁済を受けるまで、その物を留置することができる。ただし、その債権が弁済期にないときは、この限りでない。
- 留置権(法定):付従性・随伴性・不可分性があり、物上代位性・優先弁済的効力はない。留置的効力と競売申立権がある
- 先取特権(法定):付従性・随伴性・不可分性・物上代位性・優先弁済的効力がある。留置的効力はない
- 質権(約定):付従性・随伴性・不可分性・物上代位性・優先弁済的効力・留置的効力がある
- 抵当権(約定):付従性・随伴性・不可分性・物上代位性・優先弁済的効力がある。留置的効力はない
誤り。違うのは「当事者間で特約をしても利息を請求することはできない」の部分である。不動産質権者は利息を請求できないのが原則であるが(358条)、設定行為に別段の定めがあるときは請求できる(359条)。
356条は、不動産質権者は質権の目的である不動産の用法に従いその使用及び収益をすることができると定め、357条は管理の費用その他不動産に関する負担を質権者に負わせ、358条は不動産質権者はその債権の利息を請求することができないとする。不動産の使用収益による利益と、管理の負担や債権の利息とを、互いに差し引いて清算したものとみる趣旨である。しかし、359条は、356条から358条の規定は、設定行為に別段の定めがあるとき、又は担保不動産収益執行の開始があったときは適用しないと定める。これらの規定は当事者の利益の調整にすぎないので、当事者が特約で異なる定めをすることを許したのである。したがって、当事者間で利息を支払う旨の特約をすれば、不動産質権者は利息を請求することができ、本肢は誤りである。

不動産質権者は、その債権の利息を請求することができない。/前三条の規定は、設定行為に別段の定めがあるとき、又は担保不動産収益執行(民事執行法第百八十条第二号に規定する担保不動産収益執行をいう。以下同じ。)の開始があったときは、適用しない。
- 使用収益(356条):承諾なしにできる。果実も取得する
- 管理の費用(357条):不動産質権者が負担する
- 利息(358条):請求できない
- 別段の定め(359条):356条〜358条は設定行為の別段の定めや担保不動産収益執行の開始で適用されない
- 存続期間(360条):10年以内で、更新後も10年以内
誤り。違うのは「代理人自身は、占有物について独立の占有権を取得することができない」の部分である。占有代理人は、本人のために占有する意思と自己のためにする意思をあわせ持つので、自らも独立の占有権を取得する(180条)。
180条は、占有権は自己のためにする意思をもって物を所持することによって取得すると定め、181条は、占有権は代理人によって取得することができるとする。賃借人や受寄者のような占有代理人が物を所持すると、本人は代理人を通じて間接に占有を取得するが、占有代理人自身も、賃借物を使用したり預かった物を保管したりするという自己の利益のために物を所持しているので、自己のためにする意思が認められる。本人のために占有する意思と自己のためにする意思は両立するので、占有代理人には自己の直接占有が成立し、本人の間接占有と並んで存在する。そのため、賃借人は、占有を奪われれば自ら占有回収の訴えを提起することができる(197条後段)。これに対し、家族や従業員のような占有補助者は、独立の占有を持たない。したがって、代理人自身は独立の占有権を取得できないとする本肢は誤りである。

占有権は、自己のためにする意思をもって物を所持することによって取得する。/占有権は、代理人によって取得することができる。







































