第3条の2過去問 4
法律行為の当事者が意思表示をした時に意思能力を有しなかったときは、その法律行為は、無効とする。
この条文の過去問 4問
契約の当事者がその意思表示をした時に意思能力を有しなかったときは、その契約の無効を善意無過失の第三者にも対抗することができる。
解説
本肢は正しい。3条の2は、意思表示をした時に意思能力を有しなかった場合、その法律行為を無効とすると定める。ここでいう無効は、意思能力を欠く者の保護を徹底する趣旨に出たものであり、取消しのように追認や取消権の期間制限に服することもなく、第三者との関係でも効力が制限されない絶対的無効と解されている。
この点は、意思表示の瑕疵に関する諸規定と対比すると明確である。心裡留保については93条2項、虚偽表示については94条2項、錯誤については95条4項、詐欺については96条3項が、いずれも善意の(錯誤・詐欺では善意無過失の)第三者に対抗することができない旨の第三者保護規定を置いている。これらは、表意者側に虚偽の外観の作出等について帰責性が認められることを踏まえ、取引の安全との調整を図ったものである。ところが3条の2には、これに対応する第三者保護規定がおよそ設けられていない。意思能力を欠く者には自ら外観を作出したという非難を向けることができず、保護の必要性が類型的に高いためである。
したがって、意思無能力による無効は、善意でありかつ無過失の第三者に対しても主張することができる。もっとも、第三者は192条の即時取得や取得時効といった一般的な保護制度によって救済され得るにとどまる。本肢は3条の2の効果を正しく述べている。
契約の当事者がその意思表示をした時に意思能力を有しなかったときは、その契約の無効を善意無過失の第三者にも対抗することができる。
解説
本肢は正しい。3条の2は、意思表示をした時に意思能力を有しなかった場合、その法律行為を無効とすると定める。ここでいう無効は、意思能力を欠く者の保護を徹底する趣旨に出たものであり、取消しのように追認や取消権の期間制限に服することもなく、第三者との関係でも効力が制限されない絶対的無効と解されている。
この点は、意思表示の瑕疵に関する諸規定と対比すると明確である。心裡留保については93条2項、虚偽表示については94条2項、錯誤については95条4項、詐欺については96条3項が、いずれも善意の(錯誤・詐欺では善意無過失の)第三者に対抗することができない旨の第三者保護規定を置いている。これらは、表意者側に虚偽の外観の作出等について帰責性が認められることを踏まえ、取引の安全との調整を図ったものである。ところが3条の2には、これに対応する第三者保護規定がおよそ設けられていない。意思能力を欠く者には自ら外観を作出したという非難を向けることができず、保護の必要性が類型的に高いためである。
したがって、意思無能力による無効は、善意でありかつ無過失の第三者に対しても主張することができる。もっとも、第三者は192条の即時取得や取得時効といった一般的な保護制度によって救済され得るにとどまる。本肢は3条の2の効果を正しく述べている。
意思能力が欠けた状態で契約を締結した者は,後見開始の審判を受けていなくても,その契約の無効を主張することができる。
解説
本肢は正しい。意思能力とは、自己の行為の法的な意味・結果を弁識するに足りる精神的能力をいい、平成29年改正により明文化された民法3条の2は「法律行為の当事者が意思表示をした時に意思能力を有しなかったときは、その法律行為は、無効とする」と定める。この無効は、行為時に意思能力を欠いていたという事実そのものから生じる効果であり、家庭裁判所の審判その他の手続を要件としない。
他方、後見開始の審判(7条)は、精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者について、家庭裁判所の審判によって定型的に行為能力を制限し、取消権(9条本文)という画一的・立証負担の軽い保護を与える制度である。両制度は要件も効果も異なる別個の保護手段であって、法定後見制度が設けられていることは、意思無能力を理由とする無効主張を排除する趣旨ではない。むしろ、審判を受けていない者に対する救済として意思無能力法理が機能する点にこそ実益がある。
したがって、後見開始の審判を受けていない者であっても、契約締結時に意思能力を欠いていたことを主張立証すれば、3条の2により当該契約の無効を主張することができる。なお、この無効は表意者保護のための無効であるから、相手方の側から無効を援用することはできないと解されている(いわゆる取消的無効)。
意思能力が欠けた状態で契約を締結した者は,後見開始の審判を受けていなくても,その契約の無効を主張することができる。
解説
本肢は正しい。意思能力とは、自己の行為の法的な意味・結果を弁識するに足りる精神的能力をいい、平成29年改正により明文化された民法3条の2は「法律行為の当事者が意思表示をした時に意思能力を有しなかったときは、その法律行為は、無効とする」と定める。この無効は、行為時に意思能力を欠いていたという事実そのものから生じる効果であり、家庭裁判所の審判その他の手続を要件としない。
他方、後見開始の審判(7条)は、精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者について、家庭裁判所の審判によって定型的に行為能力を制限し、取消権(9条本文)という画一的・立証負担の軽い保護を与える制度である。両制度は要件も効果も異なる別個の保護手段であって、法定後見制度が設けられていることは、意思無能力を理由とする無効主張を排除する趣旨ではない。むしろ、審判を受けていない者に対する救済として意思無能力法理が機能する点にこそ実益がある。
したがって、後見開始の審判を受けていない者であっても、契約締結時に意思能力を欠いていたことを主張立証すれば、3条の2により当該契約の無効を主張することができる。なお、この無効は表意者保護のための無効であるから、相手方の側から無効を援用することはできないと解されている(いわゆる取消的無効)。