第2款
民法取得日 2026年9月6日この範囲 6条 ・ 過去問 3問
第2款
第520条の13記名式所持人払証券の譲渡過去問 1
記名式所持人払証券(債権者を指名する記載がされている証券であって、その所持人に弁済をすべき旨が付記されているものをいう。以下同じ。)の譲渡は、その証券を交付しなければ、その効力を生じない。
この条文の過去問 1問
2011年 司法試験 第13問 肢ア
指名債権を質権の目的とする場合において,その債権に証書があるときは,証書を交付しなければ質権設定の効力は生じない。
解説
誤り。違うのは「証書を交付しなければ質権設定の効力は生じない」の部分である。指名債権を目的とする質権の設定に証書の交付は要らず、合意によって効力を生ずる。
指名債権とは、債権者が特定している通常の債権であり、その成立や行使に証書は必要でなく、借用証書などが作成されていても、それは債権の存在を証明する証拠にすぎない。そのため、指名債権を質権の目的とする場合には、質権設定の合意によって質権は効力を生じ、証書を交付することは要らない。質権の設定を第三債務者その他の第三者に主張するには、467条に従って第三債務者への通知又はその承諾が必要となるが(364条)、これは対抗要件であって効力発生の要件ではない。出題当時の旧363条は、債権であってこれを譲り渡すにはその証書を交付することを要するものを質権の目的とするときに限り、証書の交付を効力発生の要件としていたが、指名債権はこれに当たらなかった。現行法は旧363条を削除し、証券の交付が権利の移転に必要な有価証券については、有価証券の規定の中で質入れの方法を定めている(520条の7など)。本肢は指名債権について証書の交付を効力要件としている点が誤りである。

民法364条
債権を目的とする質権の設定(現に発生していない債権を目的とするものを含む。)は、第四百六十七条の規定に従い、第三債務者にその質権の設定を通知し、又は第三債務者がこれを承諾しなければ、これをもって第三債務者その他の第三者に対抗することができない。
ポイント整理
債権質の規律
- 設定:債権も質権の目的にできる(362条1項)。指名債権の質入れに証書の交付は要らない
- 対抗要件(364条):467条に従い第三債務者への通知又はその承諾。第三債務者以外の第三者には確定日付のある証書
- 直接の取立て(366条):質権者は自分の名で取り立てられる。金銭債権は被担保債権額の範囲まで。目的債権の弁済期が先に来れば供託させられる
- 譲渡制限の意思表示:あっても質入れは有効(466条2項)
- 第三債務者の抗弁:対抗要件具備時までの事由を質権者に対抗できる(468条1項)。異議をとどめない承諾による切断は廃止
第520条の14記名式所持人払証券の所持人の権利の推定
記名式所持人払証券の所持人は、証券上の権利を適法に有するものと推定する。
第520条の15記名式所持人払証券の善意取得
何らかの事由により記名式所持人払証券の占有を失った者がある場合において、その所持人が前条の規定によりその権利を証明するときは、その所持人は、その証券を返還する義務を負わない。ただし、その所持人が悪意又は重大な過失によりその証券を取得したときは、この限りでない。
第520条の16記名式所持人払証券の譲渡における債務者の抗弁の制限
記名式所持人払証券の債務者は、その証券に記載した事項及びその証券の性質から当然に生ずる結果を除き、その証券の譲渡前の債権者に対抗することができた事由をもって善意の譲受人に対抗することができない。
第520条の17記名式所持人払証券の質入れ過去問 2
第五百二十条の十三から前条までの規定は、記名式所持人払証券を目的とする質権の設定について準用する。
この条文の過去問 2問
2017年 司法試験 第14問 肢エ
債権であってこれを譲り渡すにはその証書を交付することを要するものを質権の目的とするときは,質権の設定は,その証書を交付することによって,その効力を生ずる。
解説
正しい。譲り渡すのに証書の交付を要する債権を質入れするには、その証書の交付が必要である(520条の7・520条の17・520条の20)。出題当時の旧363条がそのまま定めていた内容であり、結論は変わらない。
証券に化体した債権では、債権の帰属と証券の所持が結びついており、譲渡するのに証券の交付が要る以上、質入れにも証券の交付が要る。現行法では、指図証券を目的とする質権の設定に譲渡の規定(520条の2)が準用され(520条の7)、証券に質入れの裏書をして交付しなければ効力を生じない。記名式所持人払証券の質入れには、証券の交付を効力の要件とする520条の13が準用され(520条の17)、無記名証券にも記名式所持人払証券の規定が準用される(520条の20)。したがって、譲り渡すのに証書の交付を要する債権を質権の目的とするときは、証書を交付することによって質権設定の効力が生ずるという本肢の内容は、現行法の下でも当てはまる。出題当時は旧363条が本肢と同じ文言で定めていたが、平成29年改正で削除され、有価証券の各規定に整理された。厳密には、指図証券の質入れには交付のほかに質入れの裏書も必要である。本肢は正しい。

民法520条の7
第五百二十条の二から前条までの規定は、指図証券を目的とする質権の設定について準用する。
ポイント整理
債権質
- 対抗要件(364条):第三債務者への通知又はその承諾
- 直接取立て(366条1項・2項):金銭債権なら自己の債権額に対応する部分に限る
- 目的債権の弁済期が先に到来(366条3項):第三債務者に供託させることができ、質権は供託金の上に存続する
- 証券化された債権:指図証券・記名式所持人払証券・無記名証券の質入れは証券の交付(指図証券は質入裏書も)で効力を生ずる
2011年 司法試験 第13問 肢ア
指名債権を質権の目的とする場合において,その債権に証書があるときは,証書を交付しなければ質権設定の効力は生じない。
解説
誤り。違うのは「証書を交付しなければ質権設定の効力は生じない」の部分である。指名債権を目的とする質権の設定に証書の交付は要らず、合意によって効力を生ずる。
指名債権とは、債権者が特定している通常の債権であり、その成立や行使に証書は必要でなく、借用証書などが作成されていても、それは債権の存在を証明する証拠にすぎない。そのため、指名債権を質権の目的とする場合には、質権設定の合意によって質権は効力を生じ、証書を交付することは要らない。質権の設定を第三債務者その他の第三者に主張するには、467条に従って第三債務者への通知又はその承諾が必要となるが(364条)、これは対抗要件であって効力発生の要件ではない。出題当時の旧363条は、債権であってこれを譲り渡すにはその証書を交付することを要するものを質権の目的とするときに限り、証書の交付を効力発生の要件としていたが、指名債権はこれに当たらなかった。現行法は旧363条を削除し、証券の交付が権利の移転に必要な有価証券については、有価証券の規定の中で質入れの方法を定めている(520条の7など)。本肢は指名債権について証書の交付を効力要件としている点が誤りである。

民法364条
債権を目的とする質権の設定(現に発生していない債権を目的とするものを含む。)は、第四百六十七条の規定に従い、第三債務者にその質権の設定を通知し、又は第三債務者がこれを承諾しなければ、これをもって第三債務者その他の第三者に対抗することができない。
ポイント整理
債権質の規律
- 設定:債権も質権の目的にできる(362条1項)。指名債権の質入れに証書の交付は要らない
- 対抗要件(364条):467条に従い第三債務者への通知又はその承諾。第三債務者以外の第三者には確定日付のある証書
- 直接の取立て(366条):質権者は自分の名で取り立てられる。金銭債権は被担保債権額の範囲まで。目的債権の弁済期が先に来れば供託させられる
- 譲渡制限の意思表示:あっても質入れは有効(466条2項)
- 第三債務者の抗弁:対抗要件具備時までの事由を質権者に対抗できる(468条1項)。異議をとどめない承諾による切断は廃止
第520条の18指図証券の規定の準用
第五百二十条の八から第五百二十条の十二までの規定は、記名式所持人払証券について準用する。