第206条所有権の内容過去問 1
所有者は、法令の制限内において、自由にその所有物の使用、収益及び処分をする権利を有する。
この条文の過去問 1問
Aは,Bに無断で,甲土地の自己の持分について抵当権を設定することができない。
解説
本肢は誤り。共有者の有する持分権は、目的物全体に及ぶ所有権と同一の性質を有する権利であり、各共有者は自己の持分を自由に処分することができる。民法206条が所有者に使用・収益・処分の自由を認めるのと同様に、共有持分についても、その譲渡・放棄のほか、持分を目的とする担保権の設定が認められる。抵当権は不動産の共有持分の上にも設定することができ(369条1項参照)、不動産登記実務上も持分を目的とする抵当権設定登記が予定されている。他の共有者の同意が必要となるのは、共有物そのものに変更を加える行為(251条1項)や共有物の管理に関する事項(252条1項)であって、自己の持分という自己に帰属する権利の処分は、他の共有者の持分の内容に何ら影響を及ぼさないから、同意を要しない。仮に抵当権が実行されても、買受人がAの持分を承継取得するにすぎず、Bの持分は害されないし、Bは共有物分割請求(256条1項)によって共有関係を解消することもできる。したがって、AはBに無断で甲土地の自己の持分に抵当権を設定することができるのであり、これを否定する本肢は誤っている。