数人の債権者又は債務者がある場合において、別段の意思表示がないときは、各債権者又は各債務者は、それぞれ等しい割合で権利を有し、又は義務を負う。
この条文の過去問 3問
誤り。違うのは「貸金債務甲の額の2分の1となる」の部分である。
456条は、数人の保証人がある場合には、各別の行為により債務を負担したときであっても427条を適用すると定め、各保証人は頭数で割った額についてだけ責任を負う。これを分別の利益という。しかし、連帯保証人は、共同保証の場合でも分別の利益を持たない(大判大10.5.23)。連帯保証は保証人が主たる債務者と連帯して債務を負う保証であり、各自が主たる債務の全額について責任を負うことを内容とするので、456条を及ぼすと債権者が担保を強めるために連帯保証を求めた意味がなくなるからである。したがって、CとDがともに連帯保証人であっても、CはBに対して貸金債務甲の全額について保証債務を負う。Cが自己の負担部分を超えて弁済したときは、Aへの求償に加えて、Dにも求償できる(465条1項)。

数人の保証人がある場合には、それらの保証人が各別の行為により債務を負担したときであっても、第四百二十七条の規定を適用する。
誤り。違うのは「各500万円となる」の部分である。連帯保証人には分別の利益がないから、CとDはそれぞれ1000万円の全額について保証債務を負う。
456条は、数人の保証人がある場合には、各別の行為によって債務を負担したときであっても427条を適用すると定める。したがって、通常の保証人が複数いるときは、各保証人は主たる債務の額を保証人の数で割った額についてだけ保証債務を負う(分別の利益)。しかし、連帯保証人は主たる債務者と連帯して債務を負うのであるから、主たる債務の全額について履行する義務を負うのが連帯保証の中身であり、分別の利益は認められない。判例も、連帯保証人は共同保証の場合でも分別の利益を有しないとしている(大判大10.5.23)。連帯保証は債権者が確実に全額を回収できるようにするための特約であるから、保証人が増えたことで一人あたりの責任が軽くなるのは特約の趣旨に反するのである。本肢のCとDはいずれも甲債権について連帯保証をしているから、それぞれ1000万円の全額について保証債務を負う。共同保証人の一人が自己の負担部分を超えて弁済したときに他の保証人に求償できる(465条1項)のは、弁済後の内部の調整の問題である。

数人の保証人がある場合には、それらの保証人が各別の行為により債務を負担したときであっても、第四百二十七条の規定を適用する。
- 当事者:債権者と保証人の保証契約で成立する。主たる債務者との合意は要らない
- 要式性:書面又は電磁的記録でしなければ効力を生じない(446条2項・3項)
- 付従性:主たる債務がなければ成立せず、主たる債務より重くならず(448条)、主たる債務が消滅すれば消滅する
- 補充性:催告の抗弁(452条)・検索の抗弁(453条)。連帯保証にはない(454条)
- 分別の利益(456条・427条):共同保証人は頭数で分割された額を負う。連帯保証人にはない
誤り。違うのは「被相続人が延滞していたその賃貸借に係る賃料債務は不可分債務となる」の部分である。相続開始前に生じていた延滞賃料債務は金銭債務として相続分に応じて当然に分割承継される(最判昭34.6.19)。
判例は、被相続人の金銭債務その他の可分債務は、相続によって法律上当然に分割され、各共同相続人がその相続分に応じて承継するとしている(最判昭34.6.19)。相続開始の時にすでに生じていた延滞賃料債務は、額の決まった金銭債務であって性質上分けることができるから、遺産分割を待たずに各相続人の相続分に応じて分割され、各相続人はその割合の額を支払う義務を負うにとどまる。これに対し、複数の相続人が賃借人の地位を引き継いだ後に生じる賃料債務は、賃借物を使うという分けることのできない利益の対価であるから、不可分債務となり、各相続人が全額を支払う義務を負うと解されている。本肢は、相続開始後に生じる賃料債務についての扱いを、相続開始前にすでに生じていた延滞賃料債務にまで当てはめている点で誤りである。同じ賃料でも、相続開始前に生じた金銭債務として引き継ぐのか、引き継いだ賃借人の地位から後に生じるのかで、扱いが分かれるのである。

数人の債権者又は債務者がある場合において、別段の意思表示がないときは、各債権者又は各債務者は、それぞれ等しい割合で権利を有し、又は義務を負う。
- 祭祀財産(897条):系譜・祭具・墳墓は祭祀を主宰すべき者が承継し、遺産分割に入らない
- 当然に分割される:貸金債権などの可分債権、金銭債務、相続開始前の延滞賃料債務(最判昭和34年6月19日)
- 遺産分割の対象:預貯金債権(最大決平成28年12月19日)、相続開始時の金銭
- 各相続人が全部を負う:賃借人の地位を承継した後の賃料債務など不可分債務
- 慰謝料請求権:被害者が死亡すれば当然に相続される(最大判昭和42年11月1日)