第175条物権の創設過去問 1
物権は、この法律その他の法律に定めるもののほか、創設することができない。
この条文の過去問 1問
抵当権者は,利息その他の定期金の全額を被担保債権とする旨の定めを設定行為でしたときは,その定めに従い他の債権者に優先して抵当権を行使することができる。
解説
本肢は誤り。抵当権者は、利息その他の定期金を請求する権利を有するときは、「その満期となった最後の二年分についてのみ」抵当権を行使することができる(民法375条1項本文)。この制限は、利息が年々累積して抵当権の把握する優先枠が際限なく膨らむことを防ぎ、登記上把握し得ない後順位抵当権者や一般債権者の期待を保護する趣旨に出たものである。したがって、この制限は当事者の合意によって処分し得る事柄ではなく、設定行為において「利息その他の定期金の全額を被担保債権とする」旨を定めても、他の債権者に対する関係でその定めどおりの優先弁済を受けることはできない。物権法定主義(175条)の下では、法律の認める物権に法律と異なる内容を与えることはできず、抵当権の優先枠を合意で拡張することは許されないからである。もっとも、2年分を超える定期金についても、満期後に特別の登記をしたときは、その登記の時から抵当権を行使することが妨げられない(375条1項ただし書)。この場合は登記による公示があるため後順位者の予測を害しないのであって、設定行為による定めのみで優先枠を拡張できるとする本肢とは異なる。よって本肢は誤りである。