1役員(第三百二十九条第一項に規定する役員をいう。以下この節において同じ。)の職務の執行に関し不正の行為又は法令若しくは定款に違反する重大な事実があったにもかかわらず、当該役員を解任する旨の議案が株主総会において否決されたとき又は当該役員を解任する旨の株主総会の決議が第三百二十三条の規定によりその効力を生じないときは、次に掲げる株主は、当該株主総会の日から三十日以内に、訴えをもって当該役員の解任を請求することができる。総株主(次に掲げる株主を除く。)の議決権の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する株主(次に掲げる株主を除く。)当該役員を解任する旨の議案について議決権を行使することができない株主当該請求に係る役員である株主発行済株式(次に掲げる株主の有する株式を除く。)の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の数の株式を六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する株主(次に掲げる株主を除く。)当該株式会社である株主当該請求に係る役員である株主
1 総株主(次に掲げる株主を除く。)の議決権の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する株主(次に掲げる株主を除く。)当該役員を解任する旨の議案について議決権を行使することができない株主当該請求に係る役員である株主
ア 当該役員を解任する旨の議案について議決権を行使することができない株主
ィ 当該請求に係る役員である株主
2 発行済株式(次に掲げる株主の有する株式を除く。)の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の数の株式を六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する株主(次に掲げる株主を除く。)当該株式会社である株主当該請求に係る役員である株主
ア 当該株式会社である株主
ィ 当該請求に係る役員である株主
2公開会社でない株式会社における前項各号の規定の適用については、これらの規定中「六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する」とあるのは、「有する」とする。
3第百八条第一項第九号に掲げる事項(取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役)に関するものに限る。)についての定めがある種類の株式を発行している場合における第一項の規定の適用については、同項中「株主総会」とあるのは、「株主総会(第三百四十七条第一項の規定により読み替えて適用する第三百三十九条第一項の種類株主総会を含む。)」とする。
4第百八条第一項第九号に掲げる事項(監査役に関するものに限る。)についての定めがある種類の株式を発行している場合における第一項の規定の適用については、同項中「株主総会」とあるのは、「株主総会(第三百四十七条第二項の規定により読み替えて適用する第三百三十九条第一項の種類株主総会を含む。)」とする。
この条文の過去問 6問
誤り。「株式会社の取締役の解任」は会社法上の非訟事件の手続によるものに該当しない。少数株主による取締役の解任は役員の解任の訴え(854条)によるものであり、判決で取締役の地位を失わせる訴訟手続である。
取締役の解任は本来は株主総会の決議事項であるが(会社法339条1項)、役員の職務の執行に関し不正の行為又は法令若しくは定款に違反する重大な事実があったにもかかわらず、その役員を解任する旨の議案が株主総会で否決されたときは、総株主の議決権の100分の3以上又は発行済株式の100分の3以上を6か月前から引き続き有する株主は、その株主総会の日から30日以内に、訴えをもってその役員の解任を請求することができる(854条1項。公開会社でない会社では保有期間の要件は無い。同条2項)。この解任の訴えは、判決の確定によって役員の地位を失わせる形成の訴えであり、被告は会社と当該役員の双方である(855条)。多数派の株主によって不当に解任が阻まれた場合に少数株主を救済する制度であるが、不正の行為などの存否という争いのある事実を判断して権利関係を確定するものである以上、裁判所の裁量で決定を出す非訟事件の手続によるものではない。本肢は非訟事件の手続によるものに該当しない。

役員(第三百二十九条第一項に規定する役員をいう。以下この節において同じ。)の職務の執行に関し不正の行為又は法令若しくは定款に違反する重大な事実があったにもかかわらず、当該役員を解任する旨の議案が株主総会において否決されたとき又は当該役員を解任する旨の株主総会の決議が第三百二十三条の規定によりその効力を生じないときは、次に掲げる株主は、当該株主総会の日から三十日以内に、訴えをもって当該役員の解任を請求することができる。
- 対象: 役員(取締役・会計参与・監査役)の職務の執行に関し不正の行為又は法令・定款に違反する重大な事実があったこと(854条1項)。権利義務役員は対象外(最判平20.2.26)
- 前提: 当該役員を解任する旨の議案が株主総会で否決されたこと(又は種類株主総会の決議を欠いて解任決議が効力を生じないこと)
- 原告: 総株主の議決権の100分の3以上又は発行済株式の100分の3以上を6か月前から引き続き有する株主。公開会社でない会社は保有期間不要(854条2項)。対象役員の持分は除く
- 期間: 株主総会の日から30日以内
- 被告: 会社と当該役員の双方(855条)。管轄は本店所在地の地方裁判所の専属(856条)
- 手続: 訴訟(形成の訴え)。非訟事件ではない
誤り。判決の論拠としてふさわしくない。「訴えをもって当該役員の解任を請求することができる」という役員の解任の訴え(会社法854条1項)は、解任議案の否決を出発点とする別の救済手段であり、否決決議の取消しの訴えを不適法とする理由にはならない。
会社法854条1項は、役員の職務の執行に関し不正の行為又は法令若しくは定款に違反する重大な事実があったにもかかわらず、その役員を解任する旨の議案が株主総会で否決されたときに、総株主の議決権又は発行済株式の100分の3以上を有する株主が、株主総会の日から30日以内に訴えをもって役員の解任を請求できると定める。この制度は、解任議案が否決されたという事実を前提に、多数派の株主にかばわれた不正な役員を裁判所の判決で辞めさせる救済手段であり、否決決議そのものの効力を争う訴えとは目的も要件も異なる。否決に法的な意味を認める規定であるから、否決決議の取消しの訴えを不適法とする結論を導く根拠にはならない。最判平28.3.4の事案も、取締役の解任議案が否決され、他の株主が役員の解任の訴えを提起したのに対し、解任議案の対象となった取締役らが否決決議の取消しを求めたものであるが、判決は否決決議によって新たな法律関係が生じないことを理由とし、議案が役員の解任であっても異ならないとしたにとどまる。854条を論拠として挙げてはいない。本肢は論拠としてふさわしくない。

これらの規定は、株主総会等の決議によって、新たな法律関係が生ずることを前提とするものである。しかるところ、一般に、ある議案を否決する株主総会等の決議によって新たな法律関係が生ずることはなく、当該決議を取り消すことによって新たな法律関係が生ずるものでもないから、ある議案を否決する株主総会等の決議の取消しを請求する訴えは不適法であると解するのが相当である。
- 831条1項が決議の日から3か月の提訴期間を置き、法律関係の早期安定を図っていること
- 834条・838条・839条などが被告・認容判決の対世効・判決の効力を定めており、いずれも決議によって新たな法律関係が生ずることを前提にしていること
- 否決する決議によっては新たな法律関係が生ぜず、取り消しても新たな法律関係は生じないこと
- 議案が役員の解任であっても異ならないこと。株主提案の再提出制限(304条ただし書)や役員の解任の訴え(854条1項)は論拠ではない
正しい。判例は、任期満了後もなお役員としての権利義務を有する者について、会社法854条を適用又は類推適用して株主が訴えをもって解任を請求することは許されないとしている(最判平20.2.26)。
役員が欠けた場合又は会社法若しくは定款で定めた役員の員数を欠くことになった場合には、任期の満了又は辞任により退任した役員は、新たに選任された役員が就任するまでなお役員としての権利義務を有する(会社法346条1項)。この役員権利義務者について、判例は、その職務の執行に関し不正の行為又は法令・定款に違反する重大な事実があった場合でも、854条を適用又は類推適用して株主が訴えをもってその解任を請求することは許されないとした(最判平20.2.26)。854条の解任の訴えは、解任議案が株主総会で否決された場合などに、株主総会の多数決では排除できない役員を裁判で退任させる制度であるところ、役員権利義務者はすでに任期満了などで退任しており、株主総会の決議で解任される地位にない。また、346条2項は必要があると認めるときは裁判所が利害関係人の申立てにより一時役員の職務を行うべき者を選任できると定めており、一時役員が選任されれば役員権利義務者はその地位を当然に失うので、不適任な者を排除するにはこの申立てによれば足りる。本肢は判例のとおりであり、正しい。

会社法346条1項に基づき退任後もなお会社の役員としての権利義務を有する者(以下「役員権利義務者」という。)の職務の執行に関し不正の行為又は法令若しくは定款に違反する重大な事実(以下「不正行為等」という。)があった場合において、同法854条を適用又は類推適用して株主が訴えをもって当該役員権利義務者の解任請求をすることは、許されない
- 対象: 役員の職務の執行に関し不正の行為又は法令・定款に違反する重大な事実があったこと。権利義務役員は対象外で、一時役員の選任の申立て(346条2項)による(最判平20.2.26)
- 前提: その役員を解任する旨の議案が株主総会で否決されたこと(又は種類株主総会の決議を欠いて解任決議が効力を生じないこと)
- 原告: 総株主の議決権の100分の3以上又は発行済株式の100分の3以上を6か月前から引き続き有する株主。公開会社でない会社では保有期間は要らない(854条2項)
- 期間: 株主総会の日から30日以内
- 被告: 会社と当該役員の双方(855条)。管轄は本店所在地の地方裁判所に専属(856条)
誤り。違うのは「株主総会が開催されたか否かを問わず,訴えをもってその解任を請求することができる」の部分である。解任の訴えは、その役員を解任する旨の議案が株主総会で否決されたことなどが前提になる(会社法854条1項)。
会社法854条1項は、役員の職務の執行に関し不正の行為又は法令若しくは定款に違反する重大な事実があったにもかかわらず、その役員を解任する旨の議案が株主総会において否決されたとき、又は解任の決議が種類株主総会の決議を欠いて効力を生じないときに、総株主の議決権又は発行済株式の100分の3以上を6か月前から引き続き有する株主が、その株主総会の日から30日以内に訴えをもって役員の解任を請求できると定める。役員の解任は本来、株主総会が多数決で決める事項である(339条1項)。解任の訴えは、不正をした役員を多数派株主がかばって解任議案を否決した場合に、少数株主が裁判所の判決によって解任を実現する制度だから、まず株主総会で解任を諮り、否決されたことが要件になっている。訴えの被告は会社と当該役員の双方であり(855条)、形成の訴えとして会社の本店所在地の地方裁判所の専属管轄に属する(856条)。肢は、法令違反の重大な事実があれば株主総会が開かれたかどうかを問わずに訴えを提起できるとしており、株主総会での否決という前提を欠いている点で誤っている。

役員(略)の職務の執行に関し不正の行為又は法令若しくは定款に違反する重大な事実があったにもかかわらず、当該役員を解任する旨の議案が株主総会において否決されたとき又は当該役員を解任する旨の株主総会の決議が第三百二十三条の規定によりその効力を生じないときは、次に掲げる株主は、当該株主総会の日から三十日以内に、訴えをもって当該役員の解任を請求することができる。
- 対象: 役員(取締役・会計参与・監査役)の職務の執行に関し不正の行為又は法令・定款に違反する重大な事実があったこと(854条1項)。権利義務役員は対象外(最判平20.2.26)
- 前提: 当該役員を解任する旨の議案が株主総会で否決されたこと(又は種類株主総会の決議を欠いて解任決議が効力を生じないこと)
- 原告: 総株主の議決権の100分の3以上又は発行済株式の100分の3以上を6か月前から引き続き有する株主。公開会社でない会社は保有期間不要(854条2項)。対象役員の持分は除く
- 期間: 株主総会の日から30日以内
- 被告: 会社と当該役員の双方(855条)。管轄は本店所在地の地方裁判所の専属(856条)
誤り。違うのは「その取締役を解任する旨の議案が株主総会において否決されたかどうかを問わず」の部分である。役員の解任の訴えは、解任議案が株主総会で否決されたこと等を前提に、その総会の日から30日以内に提起するものである(会社法854条1項)。
会社法854条1項は、役員の職務の執行に関し不正の行為又は法令若しくは定款に違反する重大な事実があったにもかかわらず、その役員を解任する旨の議案が株主総会において否決されたとき、又は解任する旨の株主総会の決議が種類株主総会の決議を欠いて効力を生じないときは、所定の要件を満たす株主がその株主総会の日から30日以内に訴えをもって役員の解任を請求できると定める。株主総会での解任議案の否決(又は決議の不発効)は訴えの前提要件であり、これを欠いたまま提起された訴えは不適法として却下される。役員の解任は本来株主総会の権限であり(339条1項)、まず株主総会による是正の機会を経させ、多数派の支配によって是正が実現しない場合に限って裁判所による解任を認める趣旨である。したがって不正の行為があった場合でも、否決されたかどうかを問わず解任の訴えを提起できるとする本肢は誤りである。提訴できる株主は、総株主の議決権の100分の3以上又は発行済株式の100分の3以上を6か月前から引き続き有する株主である(854条1項各号)。

役員(第三百二十九条第一項に規定する役員をいう。以下この節において同じ。)の職務の執行に関し不正の行為又は法令若しくは定款に違反する重大な事実があったにもかかわらず、当該役員を解任する旨の議案が株主総会において否決されたとき又は当該役員を解任する旨の株主総会の決議が第三百二十三条の規定によりその効力を生じないときは、次に掲げる株主は、当該株主総会の日から三十日以内に、訴えをもって当該役員の解任を請求することができる。
正しい。役員の解任の訴えは、解任議案が否決された株主総会の日から30日以内に提起しなければならない(会社法854条1項)。
役員の職務の執行に関し不正の行為又は法令若しくは定款に違反する重大な事実があったにもかかわらず、その役員を解任する旨の議案が株主総会で否決されたときは、総株主の議決権又は発行済株式の100分の3以上を6か月前から引き続き有する株主は、その株主総会の日から30日以内に、訴えをもって役員の解任を請求することができる(会社法854条1項)。多数派株主がかばう不正な役員を少数株主が裁判所の判決で辞めさせる制度であり、まず株主総会で解任を諮って否決されたことが前提である。提訴期間が株主総会の日から30日と短いのは、役員の地位を長く不安定にしないためである。この訴えは会社と当該役員の双方を被告とし(855条)、会社の本店の所在地を管轄する地方裁判所の専属管轄に属する(856条)。種類株主総会の決議を欠くために解任決議が効力を生じない場合も同じである。公開会社でない会社では6か月の保有期間は要らない(854条2項)。したがって肢は条文のとおりであり、正しい。

役員(第三百二十九条第一項に規定する役員をいう。以下この節において同じ。)の職務の執行に関し不正の行為又は法令若しくは定款に違反する重大な事実があったにもかかわらず、当該役員を解任する旨の議案が株主総会において否決されたとき又は当該役員を解任する旨の株主総会の決議が第三百二十三条の規定によりその効力を生じないときは、次に掲げる株主は、当該株主総会の日から三十日以内に、訴えをもって当該役員の解任を請求することができる。
- 対象:役員(取締役・会計参与・監査役)の職務の執行に関し不正の行為又は法令・定款に違反する重大な事実があったこと(854条1項)。権利義務役員は対象外(最判平20.2.26)
- 前提:当該役員を解任する旨の議案が株主総会で否決されたこと(又は種類株主総会の決議を欠いて解任決議が効力を生じないこと)
- 原告:総株主の議決権の100分の3以上又は発行済株式の100分の3以上を6か月前から引き続き有する株主。公開会社でない会社は保有期間不要(854条2項)
- 期間:株主総会の日から30日以内
- 被告:会社と当該役員の双方(855条)。管轄は本店所在地の地方裁判所の専属(856条)

