譲渡制限新株予約権の新株予約権者は、その有する譲渡制限新株予約権を他人(当該譲渡制限新株予約権を発行した株式会社を除く。)に譲り渡そうとするときは、当該株式会社に対し、当該他人が当該譲渡制限新株予約権を取得することについて承認をするか否かの決定をすることを請求することができる。
この条文の過去問 1問
誤り。違うのは「当該譲渡制限新株予約権を買い取る者を指定し、又は当該譲渡制限新株予約権を買い取らなければならない」の部分である。譲渡制限株式の140条に当たる買取り・指定買取人の規定は、譲渡制限新株予約権には置かれていない。
譲渡制限新株予約権について、その新株予約権者が第三者に譲り渡そうとする場合には会社に対して承認するか否かの決定を請求することができ(会社法262条)、承認を得ずに取得した者の側からも同じ請求ができる(263条)。承認の可否を決める機関は株主総会(取締役会設置会社では取締役会)であり(265条1項)、2週間以内に決定の内容を通知しなければ承認したものとみなされる(266条)。もっとも、譲渡制限株式について置かれている、不承認の場合に会社自身が買い取るか指定買取人を指定しなければならないという規律(140条)や、売買価格の協議・裁判所による決定の規律(144条)に当たる規定は、譲渡制限新株予約権には設けられていない。株主には投下資本の回収の途を確保する要請が強いのに対し、新株予約権者はまだ出資をしておらず、権利の行使によって株主になり得る地位を持つにすぎないからである。したがって、不承認の決定はその譲渡が会社との関係で効力を生じないという効果をもたらすにとどまり、会社に買取義務や指定義務が生じるとする本肢は誤っている。

株式会社が譲渡等承認請求の日から二週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)以内に前条第二項の規定による通知をしなかった場合には、第二百六十二条又は第二百六十三条第一項の承認をしたものとみなす。ただし、当該株式会社と当該譲渡等承認請求をした者との合意により別段の定めをしたときは、この限りでない。
- ["承認の請求", "どちらも譲渡人・取得者から会社に請求できる(136条・137条/262条・263条)。承認機関は株主総会(取締役会設置会社では取締役会)"]
- ["不承認のとき", "株式は会社が買い取るか指定買取人を指定する義務がある(140条)。新株予約権には買取りや指定の規定が無い"]
- ["買取請求", "譲渡制限を設ける定款変更で株主(116条)と新株予約権者(118条)の双方に認められる。公開会社になる定款変更ではどちらにも無い"]
