合同会社は、利益の配当により社員に対して交付する金銭等の帳簿価額(以下この款において「配当額」という。)が当該利益の配当をする日における利益額を超える場合には、当該利益の配当をすることができない。この場合においては、合同会社は、第六百二十一条第一項の規定による請求を拒むことができる。
この条文の過去問 1問
誤り。違うのは「その損失が塡補された後でなければ、利益の配当を請求することができない」のうち合資会社の有限責任社員に関する部分である。合資会社には損失の塡補を配当請求の要件とする規定がなく、社員は利益の配当を請求できる(会社法621条1項)。
匿名組合員については、商法538条が、出資が損失によって減少したときはその損失をてん補した後でなければ匿名組合員は利益の配当を請求することができないと定めており、本肢の記述はこれに合致する。損失を埋めないまま配当を許せば実質的に出資の払戻しを認めるのと同じになり営業者の債権者を害するので、損失の塡補が配当請求の前提とされている。これに対し合資会社にはこれに対応する規定がない。持分会社の社員は定款に別段の定めがない限り会社に利益の配当を請求することができ(会社法621条1項)、損失の塡補を配当請求の要件とする規定はない。利益額を超える配当を制限する規定は合同会社に固有のものであり(628条)、合資会社には及ばない。合資会社の有限責任社員が利益額を超えて配当を受けたときは業務執行社員と連帯して配当額に相当する金銭を支払う義務を負う(623条1項)が、これは事後の支払義務の問題であり、配当請求権の発生要件として損失の塡補を求めるものではない。合資会社の有限責任社員の部分が誤っているので、本肢は誤りである。

出資が損失によって減少したときは、その損失をてん補した後でなければ、匿名組合員は、利益の配当を請求することができない。