1取締役会は、すべての取締役で組織する。
2取締役会は、次に掲げる職務を行う。取締役会設置会社の業務執行の決定取締役の職務の執行の監督代表取締役の選定及び解職
1 取締役会設置会社の業務執行の決定
2 取締役の職務の執行の監督
3 代表取締役の選定及び解職
3取締役会は、取締役の中から代表取締役を選定しなければならない。
4取締役会は、次に掲げる事項その他の重要な業務執行の決定を取締役に委任することができない。重要な財産の処分及び譲受け多額の借財支配人その他の重要な使用人の選任及び解任支店その他の重要な組織の設置、変更及び廃止第六百七十六条第一号に掲げる事項その他の社債を引き受ける者の募集に関する重要な事項として法務省令で定める事項取締役の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他株式会社の業務並びに当該株式会社及びその子会社から成る企業集団の業務の適正を確保するために必要なものとして法務省令で定める体制の整備第四百二十六条第一項の規定による定款の定めに基づく第四百二十三条第一項の責任の免除
1 重要な財産の処分及び譲受け
2 多額の借財
3 支配人その他の重要な使用人の選任及び解任
4 支店その他の重要な組織の設置、変更及び廃止
5 第六百七十六条第一号に掲げる事項その他の社債を引き受ける者の募集に関する重要な事項として法務省令で定める事項
6 取締役の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他株式会社の業務並びに当該株式会社及びその子会社から成る企業集団の業務の適正を確保するために必要なものとして法務省令で定める体制の整備
7 第四百二十六条第一項の規定による定款の定めに基づく第四百二十三条第一項の責任の免除
5大会社である取締役会設置会社においては、取締役会は、前項第六号に掲げる事項を決定しなければならない。
この条文の過去問 9問
正しい。判例は、解職の対象である代表取締役を会社法369条2項の特別の利害関係を有する取締役に当たるとする(最判昭44.3.28)。
取締役会は代表取締役の選定と解職を行う権限を持つ(会社法362条2項3号)。そして、取締役会の決議について特別の利害関係を有する取締役は議決に加わることができず(369条2項)、その者は定足数の算定の基礎となる取締役の数にも入らない。判例は、代表取締役の解職決議において、解職の対象とされている当該代表取締役は369条2項にいう特別の利害関係を有する取締役に当たるとした(最判昭44.3.28)。代表取締役の地位の得喪はその取締役個人にとって重大な私的利害に関わる事項であり、その者が議決権を行使すれば、会社に対して負う忠実義務(355条)に従って会社の利益を基準に議決権を行使することを期待しにくく、決議の公正が害されるおそれがあるからである。これに対し、代表取締役の選定決議において候補者である取締役は、通常は特別利害関係人に当たらないと解されている。本肢は判例の趣旨どおりである。

前項の決議について特別の利害関係を有する取締役は、議決に加わることができない。
- ["定足数・決議要件", "取締役会は定款で加重のみ(369条1項)。株主総会の普通決議は定款で定足数を排除できる(309条1項)"]
- ["特別利害関係人", "取締役会では議決に加われず定足数からも除く(369条2項)。株主総会では議決権を行使でき、著しく不当な決議は取消事由(831条1項3号)"]
- ["決議の省略", "取締役会は定款の定めが必要で、監査役の異議があれば不可(370条)。株主総会は定款の定めなしに全員の書面同意で可(319条1項)"]
- ["瑕疵の争い方", "取締役会決議は一般原則により無効を主張。株主総会決議は取消しの訴え(831条)など"]
正しい。代表権は選定によって生じ登記で生じるものではなく、判例は、誰が会社を代表して訴訟をするかを定めるに当たっては会社法908条1項の適用がないとした(最判昭43.11.1)。
代表取締役は取締役会設置会社では取締役会の決議で選定され(会社法362条2項3号・3項)、その地位に基づいて株式会社の業務に関する一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を持つ(349条4項)。代表権は選定という会社内部の行為によって発生するものであり、登記によって創設されるものではない。代表取締役の氏名及び住所は登記事項であるが(911条3項14号)、これは第三者に対する対抗要件にすぎない。908条1項前段は登記すべき事項は登記の後でなければ善意の第三者に対抗できないと定めるため、未登記の代表取締役が会社を代表して訴えを提起できるかが問題になるが、清算人の登記に関する最判昭43.11.1は、この規定は会社と実体法上の取引関係に立つ第三者を保護するために登記を対抗要件としたものであり、それ自体実体法上の取引行為でない民事訴訟において誰が会社を代表する権限を有するかを定めるに当たっては適用がないとした。訴訟行為は取引の安全が問題となる場面ではなく、真実の代表権者に訴訟を追行させるのが訴訟法上の要請にもかなう。したがって本肢は正しい。

これらは、会社と実体法上の取引関係に立つ第三者を保護するため、株式会社の清算人が誰であるかについて、登記をもつて対抗要件としているものであり、それ自体実体法上の取引行為でない民事訴訟において、誰が当事者である会社を代表する権限を有する者であるかを定めるに当つては、右商法一二条の適用はない
- 登記前(1項前段):善意の第三者に対抗できない。悪意の第三者には対抗できる。登記官の過誤で登記されなかった場合も同じ
- 登記後(1項後段):善意の第三者にも対抗できる。正当な事由(災害・登記簿の滅失など客観的な障害。病気・負傷は含まない。最判昭52.12.23)がある第三者には対抗できない
- 訴訟上の代表権:908条1項は適用されず、登記前でも代表取締役は訴訟で会社を代表できる(最判昭43.11.1)
- 不実の登記(2項):故意又は過失で不実の事項を登記した者は、不実であることを善意の第三者に対抗できない。申請に基づかない登記には原則として適用がない(最判昭55.9.11)。就任登記を承諾した者には類推適用(最判昭47.6.15)
誤り。違うのは「取締役会の決定がなくとも,支配人以外の重要な使用人を選任することができる」の部分である。取締役会設置会社では支配人その他の重要な使用人の選任・解任は取締役会の専決事項であり(会社法362条4項3号)、支配人の使用人選任権(11条2項)は重要な使用人には及ばない。
支配人は会社に代わってその事業に関する一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有し(会社法11条1項)、他の使用人を選任し又は解任することができる(同条2項)。しかしこの使用人の選任・解任権は無限定ではない。監査役会設置会社は取締役会を置かなければならない会社であり(327条1項2号)、取締役会設置会社では支配人その他の重要な使用人の選任及び解任は取締役会の決議によらなければならず、取締役に委任することができない(362条4項3号)。重要な使用人の人事は会社の業務執行の適正に直結する事項であるから、業務執行の決定を合議体である取締役会に留保して監督の実効性を確保する趣旨である。取締役にすら委任できない事項を、取締役会の決定を経ずに会社の使用人にすぎない支配人の判断で決めることはできない。したがって11条2項の選任・解任権は重要な使用人に当たらない使用人についてだけ及ぶと解される。本店の支配人であっても、取締役会の決定なしに支配人以外の重要な使用人を選任することはできない。本肢は誤っている。

取締役会は、次に掲げる事項その他の重要な業務執行の決定を取締役に委任することができない。(略)
三 支配人その他の重要な使用人の選任及び解任
- 選任: 商人(会社)が選任し営業所(本店・支店)で営業を行わせる。取締役会設置会社では取締役会の決議(会社法362条4項3号)。選任・代理権の消滅は登記(商法22条・会社法918条)
- 権限: 営業に関する一切の裁判上・裁判外の行為(商法21条1項・会社法11条1項)。他の使用人の選任・解任(2項)。重要な使用人は取締役会の専決。制限は善意の第三者に対抗不可(3項)
- 登記の効力(商法9条1項・会社法908条1項): 登記前は善意の第三者に対抗できない。登記後は対抗できるが、正当な事由で知らなかった第三者には対抗できない
- 表見支配人(商法24条・会社法13条): 営業所の営業の主任者を示す名称を付した使用人は、その営業所の営業に関し一切の裁判外の行為の権限があるとみなす。営業所の実質を欠く場所(最判昭37.5.1)や名称を付された営業所以外の営業には適用されない
- 営業避止義務(商法23条・会社法12条): 許可なく自ら営業・競業取引・他の商人の使用人・会社の取締役等になれない
誤り。違うのは「取締役会設置会社でない会社においては、代表取締役を定めることができない」の部分である。取締役会設置会社でない会社も、定款、定款の定めに基づく取締役の互選又は株主総会の決議で代表取締役を定めることができる(会社法349条3項)。
取締役会設置会社では、取締役会は取締役の中から代表取締役を選定しなければならない(会社法362条3項)。業務執行の決定と執行が分かれる会社では、対外的に会社を代表する者を明確に特定する必要があるからであり、前段は正しい。他方、取締役は原則として各自が会社を代表するが、他に代表取締役その他会社を代表する者を定めた場合はその者が代表する(349条1項ただし書・2項)。そして取締役会設置会社でない会社は、定款、定款の定めに基づく取締役の互選又は株主総会の決議によって、取締役の中から代表取締役を定めることができる(同条3項)。取締役会という機関がなくても代表取締役を置く道は明文で用意されている。代表取締役を定めなければ各取締役が単独で代表権を持つ点で、選定が必須の取締役会設置会社と異なるだけであり、定めるかどうかが会社の選択に委ねられているのであって、定めること自体が禁じられているわけではない。したがって後段が条文に反し、肢全体として誤りである。

株式会社(取締役会設置会社を除く。)は、定款、定款の定めに基づく取締役の互選又は株主総会の決議によって、取締役の中から代表取締役を定めることができる。
| 取締役会設置会社 | 取締役会設置会社でない会社 | |
|---|---|---|
| 業務の決定 | 取締役会の決議。会議が要る(369条1項)。定款の定めがあれば書面決議(370条) | 取締役の過半数で決定(348条2項)。会議は不要 |
| 監査役 | 原則として必置(327条2項本文)。公開会社でない会計参与設置会社は例外 | 定款で置ける(326条2項) |
| 代表取締役 | 取締役会が必ず選定(362条3項) | 定款・互選・株主総会決議で定められる(349条3項)。定めなければ各自代表 |
| 株主総会の権限 | 会社法に規定する事項と定款で定めた事項(295条2項) | 一切の事項(295条1項) |
| 目的以外の事項の決議 | できない(309条5項) | できる |
誤り。違うのは執行役も「多額の借財の決定について、取締役会から委任を受けることができない」とする部分である。指名委員会等設置会社の取締役会が執行役に委任できない事項に多額の借財は含まれていない(会社法416条4項)。
監査役会設置会社の取締役会は、重要な財産の処分及び譲受け、多額の借財、重要な使用人の選任・解任などの重要な業務執行の決定を取締役に委任することができない(会社法362条4項)。多額の借財は同項2号に明記されているので、取締役がその決定の委任を受けることはできず、本肢の前段は正しい。しかし指名委員会等設置会社では、取締役会はその決議によって業務執行の決定を執行役に委任することができ(416条4項本文)、委任できない事項は同項ただし書に限定列挙されている。そこに挙がるのは、譲渡制限株式の譲渡の承認、株主総会の招集の決定、株主総会に提出する議案の内容、代表執行役の選定・解職、委員の選定・解職、計算書類の承認、内部統制システムの整備などであり、多額の借財や重要な財産の処分は含まれていない。指名委員会等設置会社は取締役会を監督に専念させ、業務執行の決定を執行役に広く委ねて迅速な経営を可能にする仕組みだからである。したがって執行役は多額の借財の決定の委任を受けることができ、いずれも委任を受けられないとする本肢は誤りである。

指名委員会等設置会社の取締役会は、その決議によって、指名委員会等設置会社の業務執行の決定を執行役に委任することができる。ただし、次に掲げる事項については、この限りでない。(略)
| 項目 | 代表取締役・取締役(監査役会設置会社) | 代表執行役・執行役(指名委員会等設置会社) |
|---|---|---|
| 代表者の選定 | 取締役会が取締役の中から(362条3項) | 取締役会が執行役の中から(420条1項)。取締役でなくてもよい(402条6項) |
| 代表権 | 業務に関する一切の裁判上・裁判外の行為(349条4項)。制限は善意の第三者に対抗できない(5項) | 同じ(420条3項で349条4項・5項を準用) |
| 多額の借財・重要な財産の処分の決定 | 取締役に委任できない(362条4項1号・2号) | 執行役に委任できる(416条4項ただし書に無い) |
| 使用人の兼任 | できる(禁止規定なし)。指名委員会等設置会社の取締役はできない(331条4項) | できる(404条3項後段が兼任を前提) |
| 忠実義務 | 355条 | 419条2項で355条を準用 |
正しい。取締役会設置会社では、支配人の選任は取締役会が決定しなければならず、取締役に委任できない(会社法362条4項3号)。
会社法362条4項は、重要な財産の処分及び譲受け、多額の借財と並べて「支配人その他の重要な使用人の選任及び解任」を掲げ、これらの決定を取締役会が取締役に委任することができないと定める。支配人は会社に代わってその事業に関する一切の裁判上又は裁判外の行為をする包括的な代理権を持ち(11条1項)、その権限に加えた制限は善意の第三者に対抗できない(同条3項)ので、誰を支配人にするかは会社の対外的な取引全体に及ぶ重要な業務執行の決定である。だから業務執行の決定機関である取締役会(362条2項1号)が合議で決めるものとされ、代表取締役や個々の取締役に任せることが禁じられている。本問が委員会設置会社(現行法の指名委員会等設置会社)を除いているのは、そこでは取締役会が重要な使用人の選任の決定を執行役に委任できるからである(416条4項)。取締役会設置会社において支配人は取締役会の決定によって選任するとする本肢は正しい。

取締役会は、次に掲げる事項その他の重要な業務執行の決定を取締役に委任することができない。一 重要な財産の処分及び譲受け 二 多額の借財 三 支配人その他の重要な使用人の選任及び解任 四 支店その他の重要な組織の設置、変更及び廃止
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 選任 | 取締役会設置会社では取締役会の決定(362条4項3号)。それ以外は取締役の過半数(348条3項1号) |
| 権限 | 事業に関する一切の裁判上・裁判外の行為(11条1項)。他の使用人の選任・解任(同条2項)。制限は善意の第三者に対抗できない(同条3項) |
| 任期 | 規定なし。雇用関係の終了・解任で地位を失う |
| 競業の禁止 | 許可なく、自ら営業・競業取引・他の会社や商人の使用人・他の会社の取締役等になれない(12条1項)。無許可の競業取引は利益額を損害額と推定(同条2項) |
| 権限の濫用 | 自己の利益を図る意図で、相手方が悪意なら会社は責任を負わない(最判昭51.10.1、民法107条) |
正しい。取締役会設置会社では、支配人の選任は取締役会が決定しなければならず、取締役に委任できない(会社法362条4項3号)。
会社法362条4項は、重要な財産の処分及び譲受け、多額の借財と並べて「支配人その他の重要な使用人の選任及び解任」を掲げ、これらの決定を取締役会が取締役に委任することができないと定める。支配人は会社に代わってその事業に関する一切の裁判上又は裁判外の行為をする包括的な代理権を持ち(11条1項)、その権限に加えた制限は善意の第三者に対抗できない(同条3項)ので、誰を支配人にするかは会社の対外的な取引全体に及ぶ重要な業務執行の決定である。だから業務執行の決定機関である取締役会(362条2項1号)が合議で決めるものとされ、代表取締役や個々の取締役に任せることが禁じられている。本問が委員会設置会社(現行法の指名委員会等設置会社)を除いているのは、そこでは取締役会が重要な使用人の選任の決定を執行役に委任できるからである(416条4項)。取締役会設置会社において支配人は取締役会の決定によって選任するとする本肢は正しい。

取締役会は、次に掲げる事項その他の重要な業務執行の決定を取締役に委任することができない。一 重要な財産の処分及び譲受け 二 多額の借財 三 支配人その他の重要な使用人の選任及び解任 四 支店その他の重要な組織の設置、変更及び廃止
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 選任 | 取締役会設置会社では取締役会の決定(362条4項3号)。それ以外は取締役の過半数(348条3項1号) |
| 権限 | 事業に関する一切の裁判上・裁判外の行為(11条1項)。他の使用人の選任・解任(同条2項)。制限は善意の第三者に対抗できない(同条3項) |
| 任期 | 規定なし。雇用関係の終了・解任で地位を失う |
| 競業の禁止 | 許可なく、自ら営業・競業取引・他の会社や商人の使用人・他の会社の取締役等になれない(12条1項)。無許可の競業取引は利益額を損害額と推定(同条2項) |
| 権限の濫用 | 自己の利益を図る意図で、相手方が悪意なら会社は責任を負わない(最判昭51.10.1、民法107条) |
誤り。違うのは「体制の整備の決定をAに委任することができる」の部分である。取締役の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制の整備は、取締役会が自ら決定しなければならず、取締役に委任できない(会社法362条4項6号)。
会社法362条4項は、取締役会は同項各号に掲げる事項その他の重要な業務執行の決定を取締役に委任することができないとし、6号に、取締役の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他会社及び企業集団の業務の適正を確保するために必要な体制の整備を挙げる。いわゆる内部統制システムの整備である。取締役会は取締役の職務の執行を監督する機関であり(362条2項2号)、その監督の仕組みをどう作るかを、監督される側である代表取締役Aに委ねたのでは、Aの職務の執行の適正を確保することが期待できなくなる。だからこそ体制の整備の決定は取締役会の専決事項とされ、大会社ではその決定が義務づけられている(同条5項)。重要な財産の処分や多額の借財(1号・2号)は特別取締役による決議に委ねられるが(373条1項)、6号の事項はその対象にもなっていない。したがって、甲社の取締役会が体制の整備の決定をAに委任することはできず、肢は誤りである。

取締役会は、次に掲げる事項その他の重要な業務執行の決定を取締役に委任することができない。六 取締役の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他株式会社の業務並びに当該株式会社及びその子会社から成る企業集団の業務の適正を確保するために必要なものとして法務省令で定める体制の整備
- 重要な財産の処分及び譲受け(1号)
- 多額の借財(2号)
- 支配人その他の重要な使用人の選任及び解任(3号)
- 支店その他の重要な組織の設置、変更及び廃止(4号)
- 社債を引き受ける者の募集に関する重要な事項(5号)
- 内部統制システムの整備(6号)。大会社では決定が義務(5項)
- 定款の定めに基づく取締役等の責任の一部免除(7号)
- 1号・2号だけは特別取締役による決議に委ねられる(373条1項)
誤り。違うのは「株主総会の決議によらなければならない」の部分である。会社法には社債の発行額を純資産額で制限する規定も、一定額を超える発行に株主総会の決議を要求する規定もない。
会社法676条は、会社が社債を引き受ける者の募集をしようとするときは、その都度、募集社債の総額、各募集社債の金額、利率、償還の方法及び期限などの募集事項を定めなければならないとするが、総額に上限を設けていない。かつての商法には社債の発行限度を純資産額などで制限する規定があったが、平成5年の改正で全廃された。社債は会社の借入れの一形態であり、銀行からの借入れには限度がないのに社債だけを抑えても会社の債務の総量を抑えることにはならず、発行後に純資産額が減ることも防げないので、限度規制に意味がないと考えられたからである。募集事項の決定は、取締役会設置会社では取締役会の決議事項であり(362条4項5号。重要な事項以外は取締役に委任できる)、取締役会設置会社でない会社では取締役が決定する(348条1項)。株主総会の決議は、額の多少にかかわらず要求されていない。社債は返済すべき借金であって株式のように既存株主の持株比率を薄めないから、株主総会の関与を求める理由がないのである。肢は廃止された限度規制と存在しない株主総会決議の要件を組み合わせており誤りである。

会社は、その発行する社債を引き受ける者の募集をしようとするときは、その都度、募集社債(当該募集に応じて当該社債の引受けの申込みをした者に対して割り当てる社債をいう。以下この編において同じ。)について次に掲げる事項を定めなければならない。







