株式会社は、次に掲げる事由によって解散する。定款で定めた存続期間の満了定款で定めた解散の事由の発生株主総会の決議合併(合併により当該株式会社が消滅する場合に限る。)破産手続開始の決定第八百二十四条第一項又は第八百三十三条第一項の規定による解散を命ずる裁判
1 定款で定めた存続期間の満了
2 定款で定めた解散の事由の発生
3 株主総会の決議
4 合併(合併により当該株式会社が消滅する場合に限る。)
5 破産手続開始の決定
6 第八百二十四条第一項又は第八百三十三条第一項の規定による解散を命ずる裁判
この条文の過去問 5問
正しい。合併により消滅する会社は合併によって解散し(会社法471条4号)、事業の全部を譲渡した会社が当然に解散する規定は無い。
吸収合併は消滅会社の権利義務の全部を存続会社に包括承継させる組織法上の行為であり、消滅会社は効力発生日に解散する(会社法471条4号)。しかも通常の解散と異なり、清算手続を経ずに法人格が消滅する(475条1号括弧書)。権利義務の全部が存続会社に移っている以上、清算すべき残余財産が無いからである。これに対し事業譲渡は、有機的一体として機能する事業財産を譲渡する取引法上の契約にすぎず、譲渡会社の法人格に影響しない。事業の全部を譲渡した場合でも、譲渡会社は対価として受け取った金銭などを保有する法人として存続し、定款の目的を変えて別の事業を始めることも、株主総会の特別決議で解散を選ぶこと(471条3号・309条2項11号)もできる。事業の全部の譲渡には譲渡会社で株主総会の特別決議が要る(467条1項1号)が、これは解散の効果とは関係が無い。全部譲渡を当然の解散事由とする規定は存在せず、本肢は両者の違いを正しく述べている。

株式会社は、次に掲げる事由によって解散する。(略)
四 合併(合併により当該株式会社が消滅する場合に限る。)
| 項目 | 吸収合併 | 事業譲渡 |
|---|---|---|
| 相手方 | 会社に限る(2条27号) | 会社でなくてよい。個人商人でもよい(24条参照) |
| 承継の仕方 | 効力発生日に権利義務の全部を包括承継(750条1項) | 取引法上の契約。登記・通知・承諾など個別の移転行為が要る |
| 債務 | 債権者の個別の同意なしに移る。債権者異議手続で保護(789条・799条) | 免責的に引き受けるには債権者の同意が要る(民法472条) |
| 対価 | 株式・社債・金銭など何でもよい(749条1項2号) | 制限なし。金銭に限られない |
| 消滅会社・譲渡会社 | 消滅会社は当然に解散し、清算なしに消滅(471条4号・475条1号括弧書) | 全部を譲渡しても当然には解散しない |
| 無効の主張 | 効力発生日から6か月以内に訴えのみ(828条1項7号) | 訴えによらず誰でもいつでも主張できる(最大判昭61.9.11) |
正しい。合併により消滅する会社は合併によって解散し(会社法471条4号)、事業の全部を譲渡した会社が当然に解散する規定は無い。
吸収合併は消滅会社の権利義務の全部を存続会社に包括承継させる組織法上の行為であり、消滅会社は効力発生日に解散する(会社法471条4号)。しかも通常の解散と異なり、清算手続を経ずに法人格が消滅する(475条1号括弧書)。権利義務の全部が存続会社に移っている以上、清算すべき残余財産が無いからである。これに対し事業譲渡は、有機的一体として機能する事業財産を譲渡する取引法上の契約にすぎず、譲渡会社の法人格に影響しない。事業の全部を譲渡した場合でも、譲渡会社は対価として受け取った金銭などを保有する法人として存続し、定款の目的を変えて別の事業を始めることも、株主総会の特別決議で解散を選ぶこと(471条3号・309条2項11号)もできる。事業の全部の譲渡には譲渡会社で株主総会の特別決議が要る(467条1項1号)が、これは解散の効果とは関係が無い。全部譲渡を当然の解散事由とする規定は存在せず、本肢は両者の違いを正しく述べている。

株式会社は、次に掲げる事由によって解散する。(略)
四 合併(合併により当該株式会社が消滅する場合に限る。)
| 項目 | 吸収合併 | 事業譲渡 |
|---|---|---|
| 相手方 | 会社に限る(2条27号) | 会社でなくてよい。個人商人でもよい(24条参照) |
| 承継の仕方 | 効力発生日に権利義務の全部を包括承継(750条1項) | 取引法上の契約。登記・通知・承諾など個別の移転行為が要る |
| 債務 | 債権者の個別の同意なしに移る。債権者異議手続で保護(789条・799条) | 免責的に引き受けるには債権者の同意が要る(民法472条) |
| 対価 | 株式・社債・金銭など何でもよい(749条1項2号) | 制限なし。金銭に限られない |
| 消滅会社・譲渡会社 | 消滅会社は当然に解散し、清算なしに消滅(471条4号・475条1号括弧書) | 全部を譲渡しても当然には解散しない |
| 無効の主張 | 効力発生日から6か月以内に訴えのみ(828条1項7号) | 訴えによらず誰でもいつでも主張できる(最大判昭61.9.11) |
正しい。株主総会の決議による解散(会社法471条3号)も吸収合併消滅株式会社における吸収合併契約の承認(783条1項)も、ともに特別決議である(309条2項11号・12号)。
株式会社は株主総会の決議によって解散することができる(会社法471条3号)。471条は第2編第8章に置かれているので、309条2項11号により特別決議を要する。吸収合併により消滅する株式会社は、効力発生日の前日までに株主総会の決議によって吸収合併契約の承認を受けなければならず(783条1項)、第5編の規定による決議として309条2項12号の特別決議になる。解散は会社を清算に向かわせて法人格を消滅させる決定であり、吸収合併も消滅会社の法人格を失わせる点で株主にとって同じ重さの決定であるから、会社法はどちらも出席株主の議決権の3分の2以上の多数を要求している。なお、吸収合併消滅会社が公開会社であり、株主に交付する対価の全部又は一部が譲渡制限株式等であるときは、承認決議は309条3項2号の特殊の決議に格上げされるが、肢は定款に別段の定めがないことを前提とした一般の場合を問うものである。したがって決議要件が同じとする肢は正しい。

株式会社は、次に掲げる事由によって解散する。
一 定款で定めた存続期間の満了
二 定款で定めた解散の事由の発生
三 株主総会の決議
四 合併(合併により当該株式会社が消滅する場合に限る。)
五 破産手続開始の決定
六 第八百二十四条第一項又は第八百三十三条第一項の規定による解散を命ずる裁判
誤り。違うのは「吸収分割がその効力を生ずる日に解散したものとみなされる」の部分である。吸収分割は分割会社の解散事由ではなく(会社法471条)、権利義務の全部を承継させても分割会社は存続する。
吸収分割とは、株式会社又は合同会社がその事業に関して有する権利義務の全部又は一部を分割後に他の会社に承継させることである(会社法2条29号・757条)。承継されるのは吸収分割契約で定めた権利義務であり、分割会社の法人格は分割によって影響を受けない。合併では消滅会社が合併によって当然に解散するが(471条4号)、471条の解散事由に会社分割は挙げられておらず、事業に関する権利義務の全部を承継させる分割をしても、分割会社が解散したものとみなされる規定は無い。分割会社は対価として受け取った承継会社の株式や金銭を元手に新たな事業を始めることもできるし、解散するにしても株主総会の特別決議による解散の決議(471条3号・309条2項11号)が別に必要である。会社法は、分割会社が消滅する形の会社分割を制度として設けていないのである。したがって効力発生日に解散したものとみなされるとする肢は誤っている。

会社(株式会社又は合同会社に限る。)は、吸収分割をすることができる。この場合においては、当該会社がその事業に関して有する権利義務の全部又は一部を当該会社から承継する会社(以下この編において「吸収分割承継会社」という。)との間で、吸収分割契約を締結しなければならない。
- 定款で定めた存続期間の満了・定款で定めた解散の事由の発生(1号・2号)
- 株主総会の特別決議(3号・309条2項11号)
- 合併による消滅(4号)。会社分割・事業譲渡・株式交換は解散事由ではない
- 破産手続開始の決定(5号)
- 解散を命ずる裁判(6号)。休眠会社のみなし解散(472条)
正しい。事業の全部の譲渡は会社法471条の解散事由に含まれておらず、譲渡をした会社は当然には解散・消滅しない。
会社法471条は株式会社の解散事由として、定款で定めた存続期間の満了、定款で定めた解散事由の発生、株主総会の決議、合併による消滅、破産手続開始の決定、解散を命ずる裁判を列挙しており、事業の全部の譲渡はこの中にない。事業の譲渡は、会社が営む事業を構成する財産を契約によって他人に移転する取引行為であり、譲渡会社は対価を受け取るだけで、法人格に変動は生じない。事業の全部を譲渡した後の会社は、受け取った対価を元手に定款の目的を変更して別の事業を始めることも、株主総会の特別決議で解散して清算し残余財産を株主に分配することもできる。合併の消滅会社が合併の効力発生とともに当然に解散する(471条4号)のとは対照的である。事業の全部の譲渡の承認決議と同時に解散の決議がされたときは、反対株主の株式買取請求権が認められない(469条1項1号)が、これは解散を別の決議で選んだ場合の規律であって、譲渡自体の効果ではない。肢は正しい。

株式会社は、次に掲げる事由によって解散する。一 定款で定めた存続期間の満了 二 定款で定めた解散の事由の発生 三 株主総会の決議 四 合併(合併により当該株式会社が消滅する場合に限る。) 五 破産手続開始の決定 六 第八百二十四条第一項又は第八百三十三条第一項の規定による解散を命ずる裁判
| 事業譲渡 | 合併 | |
|---|---|---|
| 相手方 | 会社でなくてよい | 会社に限る |
| 承継のしかた | 個別に移転・対抗要件を個別に備える | 包括承継 |
| 債務 | 債権者の同意がなければ免責的に移らない | 同意なしに移る(債権者異議手続) |
| 譲渡会社・消滅会社 | 事業の全部を譲渡しても解散しない | 消滅会社は当然に解散 |
| 無効の主張 | 訴えによらず主張できる | 6か月以内に訴えによってのみ |
