第743条組織変更計画の作成過去問 1
会社は、組織変更をすることができる。この場合においては、組織変更計画を作成しなければならない。
この条文の過去問 1問
合名会社が合同会社となるためには,組織変更計画を作成しなければならない。

解説
誤り。違うのは「組織変更計画を作成しなければならない」の部分である。組織変更は株式会社と持分会社の間の変更をいい(会社法2条26号)、合名会社が合同会社となるのは定款の変更による持分会社の種類の変更である(638条1項3号)。
会社法にいう組織変更は、株式会社が合名会社・合資会社・合同会社となること(2条26号イ)と、合名会社・合資会社・合同会社が株式会社となること(同号ロ)に限られ、この場合に組織変更計画の作成が義務づけられる(743条)。合名会社・合資会社・合同会社はいずれも持分会社という同じ類型に属し(575条1項)、業務執行や損益分配などの内部の規律は共通で、社員の責任の態様が異なるにすぎない。そのため持分会社相互の間の変更は持分会社の種類の変更にとどまり、組織変更には当たらず、定款変更の手続による。合名会社がその社員の全部を有限責任社員とする定款の変更をすれば合同会社となり(638条1項3号)、定款変更は原則として総社員の同意で行う(637条)。この場合、社員が合同会社に対する出資に係る払込み又は給付を完了していないときは、その完了の日に定款変更の効力が生ずる(640条2項)。有限責任社員だけになる以上、会社財産を確保しておく必要があるからである。組織変更計画の作成を要するとする本肢は誤りである。

会社法2条26号
組織変更 次のイ又はロに掲げる会社がその組織を変更することにより当該イ又はロに定める会社となることをいう。イ 株式会社 合名会社、合資会社又は合同会社 ロ 合名会社、合資会社又は合同会社 株式会社
ポイント整理
合名会社と合同会社
| 項目 | 合名会社 | 合同会社 |
|---|---|---|
| 社員の責任(576条・580条) | 全員が無限責任社員。会社財産で完済できないときなどに連帯して弁済する直接無限責任(補充的) | 全員が有限責任社員。出資は設立の登記までに全額履行する(578条)ので、実質は間接有限責任 |
| 業務執行(590条) | 定款に別段の定めが無ければ各社員が執行。決定は社員の過半数 | 同じ |
| 社債の発行(2条1号・23号・676条) | できる | できる |
| 株式交換完全親会社(2条31号・767条) | なれない | なれる |
| 合名・合資・合同の間の変更(638条) | 定款の変更。組織変更計画は不要 | 同じ。株式会社との間の変更だけが組織変更(2条26号・743条) |