1吸収合併存続株式会社、吸収分割承継株式会社又は株式交換完全親株式会社(以下この目において「存続株式会社等」という。)は、吸収合併契約等備置開始日から効力発生日後六箇月を経過する日までの間、吸収合併契約等の内容その他法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。
2前項に規定する「吸収合併契約等備置開始日」とは、次に掲げる日のいずれか早い日をいう。吸収合併契約等について株主総会(種類株主総会を含む。)の決議によってその承認を受けなければならないときは、当該株主総会の日の二週間前の日(第三百十九条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日)第七百九十七条第三項の規定による通知の日又は同条第四項の公告の日のいずれか早い日第七百九十九条の規定による手続をしなければならないときは、同条第二項の規定による公告の日又は同項の規定による催告の日のいずれか早い日
1 吸収合併契約等について株主総会(種類株主総会を含む。)の決議によってその承認を受けなければならないときは、当該株主総会の日の二週間前の日(第三百十九条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日)
2 第七百九十七条第三項の規定による通知の日又は同条第四項の公告の日のいずれか早い日
3 第七百九十九条の規定による手続をしなければならないときは、同条第二項の規定による公告の日又は同項の規定による催告の日のいずれか早い日
3存続株式会社等の株主及び債権者(株式交換完全子会社の株主に対して交付する金銭等が株式交換完全親株式会社の株式その他これに準ずるものとして法務省令で定めるもののみである場合(第七百六十八条第一項第四号ハに規定する場合を除く。)にあっては、株主)は、存続株式会社等に対して、その営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該存続株式会社等の定めた費用を支払わなければならない。第一項の書面の閲覧の請求第一項の書面の謄本又は抄本の交付の請求第一項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求第一項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって存続株式会社等の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求
1 第一項の書面の閲覧の請求
2 第一項の書面の謄本又は抄本の交付の請求
3 第一項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求
4 第一項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって存続株式会社等の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求
この条文の過去問 2問
誤り。違うのは「吸収合併契約締結日から吸収合併の効力発生日までの間」と「効力発生後はこれらを備え置く必要はない」の部分である。存続会社は吸収合併契約等備置開始日から効力発生日後6か月を経過する日までの間、吸収合併契約の内容等を記載した書面又は電磁的記録を本店に備え置かなければならない(794条1項)。
会社法794条1項は、吸収合併存続株式会社は、吸収合併契約等備置開始日から効力発生日後6か月を経過する日までの間、吸収合併契約等の内容その他法務省令で定める事項を記載し又は記録した書面又は電磁的記録を本店に備え置かなければならないと定める。始期の備置開始日は契約の締結日ではなく、承認を受ける株主総会の日の2週間前の日、株主への通知又は公告の日、債権者への公告又は催告の日のうち最も早い日である(同条2項)。終期が効力発生日ではなく効力発生日後6か月までとされているのは、効力発生日から6か月以内に限って提起できる吸収合併無効の訴え(828条1項7号)を起こすかどうかを株主や債権者が判断できるよう、効力が生じた後も契約の内容を確かめられるようにするためである。これに対し消滅会社の備置きは効力発生日までで終わる(782条1項括弧書)。消滅会社は効力発生日に消滅して備え置く主体がいなくなるからである。本肢は始期と終期の両方を誤っており、特に効力発生後は備え置く必要がないとする点で794条1項に反する。

吸収合併存続株式会社、吸収分割承継株式会社又は株式交換完全親株式会社(以下この目において「存続株式会社等」という。)は、吸収合併契約等備置開始日から効力発生日後六箇月を経過する日までの間、吸収合併契約等の内容その他法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。
| 会社 | 始期 | 終期 |
|---|---|---|
| 消滅株式会社 | 吸収合併契約等備置開始日(承認総会の2週間前の日・株主への通知又は公告の日・債権者への公告又は催告の日のいずれか早い日) | 効力発生日 |
| 存続株式会社等(吸収分割承継会社・株式交換完全親会社を含む) | 同上 | 効力発生日後6か月を経過する日 |
| 吸収分割株式会社・株式交換完全子会社 | 同上 | 効力発生日後6か月を経過する日 |
誤り。「吸収合併契約等の内容等を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録をその本店に備え置かなければならない」とする事前開示の規律は、株主の権利行使の判断資料を提供するものであり、株主保護を直接の目的とするので、本問が問う、株主保護を直接の目的とするものでないものには当たらない。
消滅株式会社等は吸収合併契約等備置開始日から効力発生日(吸収合併消滅株式会社)又は効力発生日後6か月を経過する日までの間、存続株式会社等は備置開始日から効力発生日後6か月を経過する日までの間、吸収合併契約等の内容その他法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録を本店に備え置かなければならない(会社法782条1項・794条1項)。株主と債権者は営業時間内はいつでもその閲覧や謄本の交付を請求できる(782条3項・794条3項)。この事前開示の趣旨は、株主が株主総会で議決権をどう行使するか、反対株主として株式買取請求(785条・797条)をするか、差止請求(784条の2・796条の2)に及ぶかを判断するために必要な資料を、会社の側から提供させる点にある。判断材料を欠いたまま株主に権利行使を迫るのは実質的に権利を奪うに等しいので、情報提供の強制は株主の権利行使を実効化する手段そのものである。したがってこの規律は株主保護を直接の目的とするものであり、「株主保護を直接の目的とするものでないもの」には該当しない。

吸収合併存続株式会社、吸収分割承継株式会社又は株式交換完全親株式会社(以下この目において「存続株式会社等」という。)は、吸収合併契約等備置開始日から効力発生日後六箇月を経過する日までの間、吸収合併契約等の内容その他法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。
| 規律 | 直接の目的 |
|---|---|
| 株主総会の特別決議による承認(783条1項・795条1項・309条2項12号) | 株主保護(会社の基礎的変更への株主の関与) |
| 吸収合併契約等の事前の備置き・閲覧(782条・794条) | 株主保護(議決権・買取請求・差止めの判断資料の提供) |
| 差止請求(784条の2・796条の2) | 株主保護(効力発生前の事前の救済) |
| 反対株主の株式買取請求(785条・797条) | 株主保護(投下資本の回収) |
| 振替株式の買取口座への振替(振替法155条) | 株主保護ではない(買取請求後の株式の処分を封じ、手続の公正を確保) |
| 無効の訴えの認容判決の対世効・将来効(838条・839条) | 株主保護ではない(多数の法律関係の画一的な確定) |
| 債権者異議手続(789条・799条) | 会社債権者の保護 |

















