1発起人は、株式会社の設立に際して次に掲げる事項(定款に定めがある事項を除く。)を定めようとするときは、その全員の同意を得なければならない。発起人が割当てを受ける設立時発行株式の数前号の設立時発行株式と引換えに払い込む金銭の額成立後の株式会社の資本金及び資本準備金の額に関する事項
1 発起人が割当てを受ける設立時発行株式の数
2 前号の設立時発行株式と引換えに払い込む金銭の額
3 成立後の株式会社の資本金及び資本準備金の額に関する事項
2設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合において、前項第一号の設立時発行株式が第百八条第三項前段の規定による定款の定めがあるものであるときは、発起人は、その全員の同意を得て、当該設立時発行株式の内容を定めなければならない。
この条文の過去問 3問
誤り。違うのは「定款に記載又は記録しなければならない」の部分である。成立後の資本金及び資本準備金の額は定款の絶対的記載事項ではなく、発起人全員の同意で定める事項である。
会社法27条は定款に記載し、又は記録しなければならない事項として、目的、商号、本店の所在地、設立に際して出資される財産の価額又はその最低額、発起人の氏名又は名称及び住所の5つを限定して列挙しており、成立後の株式会社の資本金及び資本準備金の額はここに含まれていない。この額は、32条1項3号により、定款に定めがない限り発起人全員の同意によって定めるものとされている。払い込まれた財産の額のうちどれだけを資本金に計上するかは445条1項・2項の枠内で決める計算上の事項であり、会社の根本規則である定款に書かせる必要がないからである。29条により任意に定款に記載することは妨げられないが、それは任意的記載事項にとどまり、記載の義務はない。したがって、定款に記載又は記録しなければならないとする本肢は誤りである。

株式会社の定款には、次に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。一 目的 二 商号 三 本店の所在地 四 設立に際して出資される財産の価額又はその最低額 五 発起人の氏名又は名称及び住所
- 絶対的記載事項(27条):目的・商号・本店の所在地・設立に際して出資される財産の価額又はその最低額・発起人の氏名又は名称及び住所。欠けると定款が無効
- 成立の時までに定める事項(37条1項):発行可能株式総数。認証の時点では無くてもよい
- 相対的記載事項(28条・29条):現物出資・財産引受け・発起人の報酬・設立費用など、定款に定めなければ効力を生じない事項
- 任意的記載事項(29条):法令に違反しない範囲で定款に記載できる事項。資本金・資本準備金の額は定款外では発起人全員の同意で定める(32条1項3号)
誤り。違うのは「発起人の過半数の同意を得れば足りる」の部分である。発起人が割当てを受ける設立時発行株式の数を定款外で定めるには、発起人全員の同意を得なければならない(32条1項1号)。
発起人は各自が設立時発行株式を1株以上引き受けなければならず(会社法25条2項)、その割当てをどう定めるかは、成立する会社の資本構成と発起人相互の持株比率を決める根本的な事項である。そこで32条1項は、定款に定めがある場合を除き、発起人が、発起人が割当てを受ける設立時発行株式の数(1号)、その株式と引換えに払い込む金銭の額(2号)、成立後の会社の資本金及び資本準備金の額に関する事項(3号)を定めようとするときは、その全員の同意を得なければならないと定める。発起人が複数いる場合、これらの事項は各発起人の出資義務の範囲と会社成立後の議決権の割合を直接左右するから、多数決によって一部の発起人に不利な割当てを押し付けることは許されず、全員一致が求められている。同じ趣旨から、発行可能株式総数を定款で定めていない場合にこれを定める定款変更(37条1項)や、定款で定めた発行可能株式総数の変更(同条2項)にも発起人全員の同意が要る。発起人の議決権の過半数で足りるのは設立時役員等の選任(40条1項)などである。本肢は過半数の同意で足りるとする点で誤りである。

発起人は、株式会社の設立に際して次に掲げる事項(定款に定めがある事項を除く。)を定めようとするときは、その全員の同意を得なければならない。一 発起人が割当てを受ける設立時発行株式の数 二 前号の設立時発行株式と引換えに払い込む金銭の額 三 成立後の株式会社の資本金及び資本準備金の額に関する事項
| 事項 | 要件 |
|---|---|
| 発起人が割当てを受ける設立時発行株式の数・払い込む金銭の額・資本金及び資本準備金の額(32条1項) | 発起人全員の同意(定款に定めがあれば不要) |
| 発行可能株式総数の定款への新設・変更(37条1項・2項) | 発起人全員の同意 |
| 設立時役員等の選任・解任(40条1項・43条1項) | 発起人の議決権の過半数(1株1個が原則) |
| 設立時代表取締役の選定(47条) | 設立時取締役の過半数 |
誤り。違うのは「その過半数の同意を得れば足りる」の部分である。成立後の株式会社の資本金及び資本準備金の額に関する事項を定款外で定めるには、発起人の全員の同意が要る(会社法32条1項3号)。
会社法32条1項は、発起人が株式会社の設立に際して、発起人が割当てを受ける設立時発行株式の数、その株式と引換えに払い込む金銭の額、成立後の株式会社の資本金及び資本準備金の額に関する事項を定めようとするときは、定款に定めがある事項を除き、その全員の同意を得なければならないと定める。これらは各発起人の出資の負担と持株の割合、そして成立する会社の資本の構成を決める事柄であり、本来は定款の記載事項として全発起人の署名又は記名押印で確定されるべき性質のものである。定款に記載せずに後から定めることを認める以上、定款の作成と同じく発起人全員の意思の一致を要求し、多数決で一部の発起人の意思に反する内容が決められないようにしたのである。したがって、資本金の額に関する事項を定款に記載又は記録しないで定めるには発起人全員の同意が必要であり、過半数の同意で足りるとする本肢は誤りである。発起人の議決権の過半数で決められるのは、発起設立における設立時取締役の選任(40条1項)のような設立中の会社の業務執行に当たる事項である。

発起人は、株式会社の設立に際して次に掲げる事項(定款に定めがある事項を除く。)を定めようとするときは、その全員の同意を得なければならない。三 成立後の株式会社の資本金及び資本準備金の額に関する事項
- 発起人が割当てを受ける設立時発行株式の数(32条1項1号。定款に定めがあれば不要)
- その株式と引換えに払い込む金銭の額(32条1項2号)
- 成立後の株式会社の資本金及び資本準備金の額に関する事項(32条1項3号)
- 種類株式発行会社で108条3項前段の定款の定めがある設立時発行株式の内容(32条2項)
- 成立の時までに定款を変更して発行可能株式総数を定めること(37条1項)
- 募集設立の募集事項の決定(58条2項)















