第178条過去問 1
1株式会社は、自己株式を消却することができる。この場合においては、消却する自己株式の数(種類株式発行会社にあっては、自己株式の種類及び種類ごとの数)を定めなければならない。
2取締役会設置会社においては、前項後段の規定による決定は、取締役会の決議によらなければならない。
この条文の過去問 1問
株式の消却

解説
誤り。「株式の消却」は資本金の額を変えないが、消却した株式が消滅するので発行済株式の総数が減る。いずれにも変化がないものには該当しない。
株式会社は自己株式を消却することができ、その場合には消却する自己株式の数を定めなければならない(会社法178条1項)。消却は自己株式を絶対的に消滅させる行為であり、消却された株式は存在しなくなるので、発行済株式の総数はその分だけ減少する。発行済株式の総数は登記事項なので(911条3項9号)、消却をしたときは変更の登記も要る(915条1項)。これに対し資本金の額は、株式の発行の際の払込み・給付の額を基礎に計上された数額であって、発行済株式の数と直接連動していない。自己株式の消却は会社がすでに保有している株式を消すだけで、会社財産の社外流出も資本金の額の減少の手続(447条)もないので、資本金の額は変わらない。消却によって減るのは自己株式の帳簿価額であり、その他資本剰余金から減額して処理される。したがって、株式の消却は資本金の額には変化がないが発行済株式の総数が減少するので、いずれについても変化がないものには該当しない。なお、発行可能株式総数も消却によって当然には減らない。

会社法178条1項
株式会社は、自己株式を消却することができる。この場合においては、消却する自己株式の数(種類株式発行会社にあっては、自己株式の種類及び種類ごとの数)を定めなければならない。
ポイント整理
資本金の額と発行済株式の総数の動き
| 行為 | 資本金の額 | 発行済株式の総数 |
|---|---|---|
| 自己株式の取得 | 変わらない | 変わらない |
| 自己株式の消却(178条) | 変わらない | 減る |
| 株式の併合(180条・182条) | 変わらない | 減る |
| 株式の分割(183条・184条) | 変わらない | 増える |
| 株式無償割当てで新株を発行(185条) | 変わらない | 増える |
| 自己株式の処分(199条) | 変わらない | 変わらない |
| 募集株式の発行・新株予約権の行使で新株を発行(445条1項・282条) | 増える | 増える |
| 剰余金・準備金の資本組入れ(448条・450条) | 増える | 変わらない |
| 資本金の額の減少(447条) | 減る | 変わらない |