1第五十七条第一項の募集をする場合には、発起人は、第五十八条第一項第三号の期日又は同号の期間の末日のうち最も遅い日以後、遅滞なく、設立時株主(第五十条第一項又は第百二条第二項の規定により株式会社の株主となる者をいう。以下同じ。)の総会(以下「創立総会」という。)を招集しなければならない。
2発起人は、前項に規定する場合において、必要があると認めるときは、いつでも、創立総会を招集することができる。
この条文の過去問 2問
誤り。違うのは「創立総会を招集しなければならない」の部分である。創立総会の招集が求められるのは募集設立の場合だけであり(会社法65条1項)、発起設立では開かれない。
創立総会は、設立時株主で構成される設立中の会社の意思決定機関であり、その招集が求められるのは募集設立の場合に限られる。会社法65条1項は、設立時募集株式の募集をする場合には、発起人は払込期日又は払込期間の末日のうち最も遅い日以後、遅滞なく創立総会を招集しなければならないと定める。募集設立では発起人以外の者が設立時募集株式の引受人として加わるため、その者に設立の経過の報告を受けさせ(87条)、設立時取締役等の選任(88条)や定款の変更(96条)といった重要な事項を決める機会を保障する必要があるからである。これに対し発起設立では、設立時発行株式の全部を発起人が引き受けるため(25条1項1号)、設立時株主となるのは発起人だけであり、別の合議体を設けて意思決定をさせる必要がない。設立時役員等の選任・解任は発起人の議決権の過半数で決まり(38条・40条・43条)、設立事項の調査は設立時取締役が行って発起人に通知すれば足りる(46条1項・2項)。本問は発起設立を前提にしているから、発起人が成立前に創立総会を招集しなければならないとする本肢は誤っている。

第五十七条第一項の募集をする場合には、発起人は、第五十八条第一項第三号の期日又は同号の期間の末日のうち最も遅い日以後、遅滞なく、設立時株主(第五十条第一項又は第百二条第二項の規定により株式会社の株主となる者をいう。以下同じ。)の総会(以下「創立総会」という。)を招集しなければならない。
| 発起設立 | 募集設立 | |
|---|---|---|
| 設立時発行株式 | 発起人が全部を引き受ける(25条1項1号) | 発起人が一部を引き受け、残りを募集(25条1項2号) |
| 設立時取締役の選任 | 発起人の議決権の過半数(40条1項) | 創立総会の決議(88条1項) |
| 創立総会 | 開かれない | 必ず招集(65条1項) |
| 設立手続の調査 | 設立時取締役が調査して発起人に通知(46条) | 設立時取締役が調査して創立総会に報告(93条) |
誤り。違うのは「創立総会を招集しなければならない」の部分である。新設分割設立株式会社の設立には会社法第2編第1章の設立の規定が原則として適用されず、創立総会は開かれない(会社法814条1項)。
創立総会は、募集設立において設立時株主が集まって設立に関する事項を決める会議体であり(会社法65条以下)、発起人が設立時発行株式を引き受ける者を募集する場合に固有の手続である。しかし新設分割設立株式会社の設立については、814条1項が第2編第1章の設立の規定の適用を広く排除しており、発起人による定款の作成、設立時発行株式の引受人の募集、創立総会の招集といった通常の設立手続は行われない。設立会社の目的・商号・本店の所在地などの定款の記載事項や設立時取締役などの設立時役員はいずれも新設分割計画で定められ(763条1項1号〜5号)、設立時発行株式はその全部が分割会社に割り当てられる(同項6号)。設立会社の内容は分割会社が決める新設分割計画によって一元的に定まるので、株式引受人の意思決定機関としての創立総会が入り込む余地がないのである。創立総会を招集しなければならないとする本肢は誤りである。

第二編第一章(第二十七条(第四号及び第五号を除く。)、第二十九条、第三十一条、第三十七条第三項、第三十九条、第六節及び第四十九条を除く。)の規定は、新設合併設立株式会社、新設分割設立株式会社又は株式移転設立完全親会社(以下この目において「設立株式会社」という。)の設立については、適用しない。




