第五十七条第一項の募集をする場合には、発起人は、第五十八条第一項第三号の期日又は同号の期間の初日のうち最も早い日以後は、第三十三条第九項並びに第三十七条第一項及び第二項の規定にかかわらず、定款の変更をすることができない。
第三十条第二項の規定にかかわらず、創立総会においては、その決議によって、定款の変更をすることができる。
この条文の過去問 3問
正しい。創立総会はその決議によって定款を変更することができ(会社法96条)、この変更について改めて公証人の認証を受けることを求める規定はない。
株式会社の定款は公証人の認証を受けなければ効力を生じない(会社法30条1項)。認証を受けた定款は、会社の成立前は、33条7項・9項、37条1項・2項、96条の規定による場合と裁判所の許可を得た場合を除いて変更できない(30条2項)。そして96条は、30条2項の規定にかかわらず、創立総会においてはその決議によって定款の変更をすることができると定める。創立総会は発起人と設立時募集株式の引受人からなる設立時株主の全体の意思決定機関であり、議決権を行使できる設立時株主の議決権の過半数かつ出席者の議決権の3分の2以上という重い決議要件(73条1項)を満たした決議によって変更される以上、手続の適正は確保されている。そこで会社法は、この変更について公証人の再度の認証を要求する規定を置いていない。認証は、発起人だけで作った原始定款の内容と成立の時期を明確にして後の紛争を防ぐ手続であり、設立時株主の総意で改めた定款にまで重ねて要るものではない。肢は、認証後に創立総会の決議で定款を変更しても改めて認証を受ける必要はないとしており、96条のとおりである。

第三十条第二項の規定にかかわらず、創立総会においては、その決議によって、定款の変更をすることができる。
正しい。創立総会はその決議によって定款を変更することができ(会社法96条)、この変更について改めて公証人の認証を受けることを求める規定はない。
株式会社の定款は公証人の認証を受けなければ効力を生じない(会社法30条1項)。認証を受けた定款は、会社の成立前は、33条7項・9項、37条1項・2項、96条の規定による場合と裁判所の許可を得た場合を除いて変更できない(30条2項)。そして96条は、30条2項の規定にかかわらず、創立総会においてはその決議によって定款の変更をすることができると定める。創立総会は発起人と設立時募集株式の引受人からなる設立時株主の全体の意思決定機関であり、議決権を行使できる設立時株主の議決権の過半数かつ出席者の議決権の3分の2以上という重い決議要件(73条1項)を満たした決議によって変更される以上、手続の適正は確保されている。そこで会社法は、この変更について公証人の再度の認証を要求する規定を置いていない。認証は、発起人だけで作った原始定款の内容と成立の時期を明確にして後の紛争を防ぐ手続であり、設立時株主の総意で改めた定款にまで重ねて要るものではない。肢は、認証後に創立総会の決議で定款を変更しても改めて認証を受ける必要はないとしており、96条のとおりである。

第三十条第二項の規定にかかわらず、創立総会においては、その決議によって、定款の変更をすることができる。
正しい。公証人の認証を受けた定款は成立前には変更できないのが原則であるが(会社法30条2項)、創立総会はその決議によって定款を変更することができる(96条)。
会社法30条2項は、公証人の認証を受けた定款は、株式会社の成立前は、裁判所による変態設立事項の変更(33条7項・9項)と発行可能株式総数の定め(37条1項・2項)の場合を除いて変更できないと定める。認証によって定款の内容を確定させ、その後の改ざんを防ぐためである。しかし募集設立では、定款を作ったのは発起人だけであり、設立時募集株式の引受人は定款の内容を与えられたまま出資している。そこで96条は、30条2項の規定にかかわらず、創立総会においてはその決議によって定款の変更をすることができると定め、引受人を含めた設立時株主に定款を見直す機会を与えた。創立総会は招集通知に記載した目的事項以外は決議できないのが原則であるが、定款の変更と設立の廃止はその例外として決議できる(73条4項ただし書)。創立総会で変更した定款について改めて公証人の認証を受ける必要はない。肢は条文のとおりであり、正しい。

第三十条第二項の規定にかかわらず、創立総会においては、その決議によって、定款の変更をすることができる。
創立総会において、第二十八条各号に掲げる事項を変更する定款の変更の決議をした場合には、当該創立総会においてその変更に反対した設立時株主は、当該決議後二週間以内に限り、その設立時発行株式の引受けに係る意思表示を取り消すことができる。
第五十七条第一項の募集をする場合において、発行可能株式総数を定款で定めていないときは、株式会社の成立の時までに、創立総会の決議によって、定款を変更して発行可能株式総数の定めを設けなければならない。
この条文の過去問 3問
正しい。発行可能株式総数は成立の時までに定款で定めなければならないが、設立時発行株式の総数を発行可能株式総数の4分の1以上とする制限は、公開会社でない株式会社には及ばない(会社法37条1項・3項ただし書)。
会社法37条1項は、発起人は発行可能株式総数を定款で定めていない場合には、株式会社の成立の時までにその全員の同意によって定款を変更してその定めを設けなければならないとする。発行可能株式総数は定款の絶対的記載事項ではないが、公開会社かどうかを問わず、成立の時までには定款に置かなければならない。この点で前段は正しい。次に、同条3項本文は設立時発行株式の総数は発行可能株式総数の4分の1を下ることができないと定めるが、ただし書は設立しようとする株式会社が公開会社でない場合はこの限りでないとする。公開会社でない会社では、募集株式の発行等に原則として株主総会の特別決議が要り、既存株主の持株比率が希釈されることへの保護が手続面で確保されているので、授権枠の大きさ自体を縛る必要が乏しいからである。したがって、公開会社でない株式会社の設立では、発行可能株式総数を設立時発行株式の総数の4倍を超えて定めてもよく、後段も正しい。

設立時発行株式の総数は、発行可能株式総数の四分の一を下ることができない。ただし、設立しようとする株式会社が公開会社でない場合は、この限りでない。
| 場面 | 公開会社 | 公開会社でない株式会社 |
|---|---|---|
| 設立時(37条3項) | 設立時発行株式の総数は発行可能株式総数の4分の1以上 | 制限なし |
| 成立後の増加(113条3項) | 発行済株式の総数の4倍まで | 制限なし |
| 公開会社となる定款変更(113条3項2号) | 発行済株式の総数の4倍まで | ― |
正しい。発行可能株式総数は定款の絶対的記載事項ではなく、公証人の認証の時に定款に無くてもよいが、会社の成立の時までに定款で定めなければならない(会社法37条1項・98条)。
会社法27条が定める定款の絶対的記載事項は、目的・商号・本店の所在地・設立に際して出資される財産の価額又はその最低額・発起人の氏名又は名称及び住所であり、発行可能株式総数は含まれていない。そのため、公証人の認証を受ける時点の原始定款に発行可能株式総数の定めが無くても定款は有効である。他方で、発行可能株式総数は成立後の会社が取締役会の決議で発行できる株式の上限を画する定めであり、会社が成立するまでには確定していなければならない。そこで37条1項は、発起人が発行可能株式総数を定款で定めていない場合には、会社の成立の時までに発起人全員の同意によって定款を変更してその定めを設けなければならないとし、募集設立では創立総会の決議によって同じことをしなければならないとする(98条)。公開会社では、設立時発行株式の総数が発行可能株式総数の4分の1を下回れない(37条3項)。肢は、認証時には不要だが成立時までに必要という37条1項の構造をそのまま述べている。

発起人は、株式会社が発行することができる株式の総数(以下「発行可能株式総数」という。)を定款で定めていない場合には、株式会社の成立の時までに、その全員の同意によって、定款を変更して発行可能株式総数の定めを設けなければならない。
正しい。発行可能株式総数は公証人の認証を受ける定款に無くてもよいが、発起人は会社の成立の時までに定款で定めなければならない(会社法37条1項・98条)。
会社法27条が定める定款の絶対的記載事項には発行可能株式総数が含まれていないので、公証人の認証を受ける原始定款にその定めがなくても定款は有効である。しかし発行可能株式総数は、成立後の会社が取締役会の決議で発行できる株式の上限を画する定めであり、会社が成立するまでには確定していなければならない。そこで37条1項は、発起人が発行可能株式総数を定款で定めていない場合には、株式会社の成立の時までに、発起人全員の同意によって定款を変更してその定めを設けなければならないとし、募集設立では創立総会の決議によって同じことをしなければならないとする(98条)。成立の時までに定めがなければ設立の登記はできず、会社は成立しない。公開会社では、設立時発行株式の総数が発行可能株式総数の4分の1を下回ってはならない(37条3項)。成立後は発行可能株式総数は登記事項であり(911条3項6号)、その定めを廃止することはできず(113条1項)、公開会社が増加するときは発行済株式の総数の4倍までという制限がある(同条3項)。肢は37条1項のとおりであり正しい。

発起人は、株式会社が発行することができる株式の総数(以下「発行可能株式総数」という。)を定款で定めていない場合には、株式会社の成立の時までに、その全員の同意によって、定款を変更して発行可能株式総数の定めを設けなければならない。
- 設立時: 公証人の認証時に無くてもよいが成立の時までに定款で定める(37条1項・98条)
- 設立時の4分の1規制: 設立時発行株式の総数は発行可能株式総数の4分の1以上。公開会社でない会社は不要(37条3項)
- 定めの廃止: できない(113条1項)。減少: 効力発生時の発行済株式の総数を下回れない(113条2項)
- 公開会社の増加・公開会社になる定款変更: 効力発生時の発行済株式の総数の4倍まで(113条3項)。公開会社でない会社の増加は制限なし
設立しようとする会社が種類株式発行会社である場合において、次の各号に掲げるときは、当該各号の種類の設立時発行株式の設立時種類株主全員の同意を得なければならない。ある種類の株式の内容として第百八条第一項第六号に掲げる事項についての定款の定めを設け、又は当該事項についての定款の変更(当該事項についての定款の定めを廃止するものを除く。)をしようとするとき。ある種類の株式について第三百二十二条第二項の規定による定款の定めを設けようとするとき。
1 ある種類の株式の内容として第百八条第一項第六号に掲げる事項についての定款の定めを設け、又は当該事項についての定款の変更(当該事項についての定款の定めを廃止するものを除く。)をしようとするとき。
2 ある種類の株式について第三百二十二条第二項の規定による定款の定めを設けようとするとき。
1設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合において、定款を変更してある種類の株式の内容として第百八条第一項第四号又は第七号に掲げる事項についての定款の定めを設けるときは、当該定款の変更は、次に掲げる設立時種類株主を構成員とする種類創立総会(当該設立時種類株主に係る設立時発行株式の種類が二以上ある場合にあっては、当該二以上の設立時発行株式の種類別に区分された設立時種類株主を構成員とする各種類創立総会。以下この条において同じ。)の決議がなければ、その効力を生じない。ただし、当該種類創立総会において議決権を行使することができる設立時種類株主が存しない場合は、この限りでない。当該種類の設立時発行株式の設立時種類株主第百八条第二項第五号ロの他の株式を当該種類の株式とする定めがある取得請求権付株式の設立時種類株主第百八条第二項第六号ロの他の株式を当該種類の株式とする定めがある取得条項付株式の設立時種類株主
1 当該種類の設立時発行株式の設立時種類株主
2 第百八条第二項第五号ロの他の株式を当該種類の株式とする定めがある取得請求権付株式の設立時種類株主
3 第百八条第二項第六号ロの他の株式を当該種類の株式とする定めがある取得条項付株式の設立時種類株主
2前項に規定する種類創立総会において当該定款の変更に反対した設立時種類株主は、当該種類創立総会の決議後二週間以内に限り、その設立時発行株式の引受けに係る意思表示を取り消すことができる。
1設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合において、次に掲げる事項についての定款の変更をすることにより、ある種類の設立時発行株式の設立時種類株主に損害を及ぼすおそれがあるときは、当該定款の変更は、当該種類の設立時発行株式の設立時種類株主を構成員とする種類創立総会(当該設立時種類株主に係る設立時発行株式の種類が二以上ある場合にあっては、当該二以上の設立時発行株式の種類別に区分された設立時種類株主を構成員とする各種類創立総会)の決議がなければ、その効力を生じない。ただし、当該種類創立総会において議決権を行使することができる設立時種類株主が存しない場合は、この限りでない。株式の種類の追加株式の内容の変更発行可能株式総数又は発行可能種類株式総数(株式会社が発行することができる一の種類の株式の総数をいう。以下同じ。)の増加
1 株式の種類の追加
2 株式の内容の変更
3 発行可能株式総数又は発行可能種類株式総数(株式会社が発行することができる一の種類の株式の総数をいう。以下同じ。)の増加
2前項の規定は、単元株式数についての定款の変更であって、当該定款の変更について第三百二十二条第二項の規定による定款の定めがある場合における当該種類の設立時発行株式の設立時種類株主を構成員とする種類創立総会については、適用しない。