株式会社は、その成立後、株主総会の決議によって、定款を変更することができる。
この条文の過去問 4問
正しい。特殊決議が求められるのは全部の株式に譲渡制限の定めを「設ける」定款変更であり(会社法309条3項1号)、譲渡制限の定めを廃止する定款変更は原則どおり株主総会の特別決議で足りる(466条・309条2項11号)。
譲渡による株式の取得について会社の承認を要する旨の定めを新たに設ける定款変更(会社法107条1項1号)は、株主の投下資本回収の手段である株式譲渡の自由を事後的に奪うものなので、通常の定款変更より加重され、議決権を行使することができる株主の半数以上であってその株主の議決権の3分の2以上に当たる多数による特殊決議が求められる(309条3項1号)。これに対し、すでにある譲渡制限の定めを廃止する定款変更については、309条3項1号が特殊決議を求めるのはその定めを設ける定款変更に限られ、廃止はその文言に含まれない。したがって原則に立ち返り、定款変更の一般の規律(466条)に従って株主総会の特別決議(309条2項11号)で足りる。廃止は株式の譲渡性を回復させるもので、株主の利益を制約する方向の変更ではないので、決議要件を加重する必要がないからである。譲渡制限を廃止すれば会社は公開会社になり、取締役会の設置義務(327条1項1号)などの帰結を伴う。本肢は正しい。

前二項の規定にかかわらず、次に掲げる株主総会(種類株式発行会社の株主総会を除く。)の決議は、当該株主総会において議決権を行使することができる株主の半数以上(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)であって、当該株主の議決権の三分の二(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上に当たる多数をもって行わなければならない。一 その発行する全部の株式の内容として譲渡による当該株式の取得について当該株式会社の承認を要する旨の定款の定めを設ける定款の変更を行う株主総会
| 定款変更 | 決議 |
|---|---|
| 全部の株式に譲渡制限を設ける | 特殊決議(309条3項1号)。反対株主に株式買取請求権(116条1項1号) |
| ある種類の株式に譲渡制限を設ける | 株主総会の特別決議+その種類株主総会の特殊決議(111条2項・324条3項1号) |
| 譲渡制限の定めを廃止する | 株主総会の特別決議で足りる(466条・309条2項11号) |
正しい。特殊決議が求められるのは全部の株式に譲渡制限の定めを「設ける」定款変更であり(会社法309条3項1号)、譲渡制限の定めを廃止する定款変更は原則どおり株主総会の特別決議で足りる(466条・309条2項11号)。
譲渡による株式の取得について会社の承認を要する旨の定めを新たに設ける定款変更(会社法107条1項1号)は、株主の投下資本回収の手段である株式譲渡の自由を事後的に奪うものなので、通常の定款変更より加重され、議決権を行使することができる株主の半数以上であってその株主の議決権の3分の2以上に当たる多数による特殊決議が求められる(309条3項1号)。これに対し、すでにある譲渡制限の定めを廃止する定款変更については、309条3項1号が特殊決議を求めるのはその定めを設ける定款変更に限られ、廃止はその文言に含まれない。したがって原則に立ち返り、定款変更の一般の規律(466条)に従って株主総会の特別決議(309条2項11号)で足りる。廃止は株式の譲渡性を回復させるもので、株主の利益を制約する方向の変更ではないので、決議要件を加重する必要がないからである。譲渡制限を廃止すれば会社は公開会社になり、取締役会の設置義務(327条1項1号)などの帰結を伴う。本肢は正しい。

前二項の規定にかかわらず、次に掲げる株主総会(種類株式発行会社の株主総会を除く。)の決議は、当該株主総会において議決権を行使することができる株主の半数以上(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)であって、当該株主の議決権の三分の二(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上に当たる多数をもって行わなければならない。一 その発行する全部の株式の内容として譲渡による当該株式の取得について当該株式会社の承認を要する旨の定款の定めを設ける定款の変更を行う株主総会
| 定款変更 | 決議 |
|---|---|
| 全部の株式に譲渡制限を設ける | 特殊決議(309条3項1号)。反対株主に株式買取請求権(116条1項1号) |
| ある種類の株式に譲渡制限を設ける | 株主総会の特別決議+その種類株主総会の特殊決議(111条2項・324条3項1号) |
| 譲渡制限の定めを廃止する | 株主総会の特別決議で足りる(466条・309条2項11号) |
正しい。合同会社の定款変更は原則として総社員の同意を要し(会社法637条)、民法上の組合の組合契約の変更も契約である以上組合員全員の同意を要するが、株式会社の定款変更は株主総会の特別決議で足りる(466条・309条2項11号)。
会社法637条は、持分会社は定款に別段の定めがある場合を除き、総社員の同意によって定款の変更をすることができると定める。合同会社を含む持分会社は社員相互の人的な信頼関係を基礎とする会社であり、定款は社員全員の合意として作られているから、その変更にも原則として全員の同意を要する。民法上の組合は、各当事者が出資をして共同の事業を営むことを約する契約そのものであり(民法667条1項)、組合契約の内容を変更することは契約の変更にほかならないから、契約当事者である組合員全員の合意がなければできない。これに対して株式会社の定款変更は、株主総会の特別決議によって行うことができ(466条・309条2項11号)、反対する株主がいても決議の要件を満たせば変更できる。多数の株主が資本を出し合う株式会社では、全員一致を要求すると会社の運営が立ち行かなくなるため、多数決による変更を認め、反対株主には一定の場合に株式買取請求権を与えて保護している(116条)。肢は三者の違いを正しく述べている。

持分会社は、定款に別段の定めがある場合を除き、総社員の同意によって、定款の変更をすることができる。
正しい。単元株式数を減少し又は単元株式数の定款の定めを廃止する定款変更は、取締役の決定(取締役会設置会社では取締役会の決議)で行うことができる(会社法195条1項)。
定款の変更は株主総会の特別決議によるのが原則である(会社法466条・309条2項11号)。しかし195条1項は、466条の規定にかかわらず、取締役の決定(取締役会設置会社にあっては取締役会の決議)によって、定款を変更して単元株式数を減少し、又は単元株式数についての定款の定めを廃止することができると定める。単元株式数を小さくしたり単元株制度を廃止したりすれば、それまで単元未満株式として議決権を行使できなかった株主に議決権が与えられ、既存の株主の議決権が減ることはないので、誰にも不利益を与えない。そのため株主総会の関与を要求する理由がなく、機動的に行えるよう取締役の判断に委ねたのである。これに対して、単元株式数の新設や増加は株主の議決権を奪う方向の変更であるから、原則どおり株主総会の特別決議を要し、取締役はその理由を説明しなければならない(190条)。株式の分割と同時にする新設・増加で各株主の議決権の数が減らないときだけは株主総会の決議が要らない(191条)。肢は195条1項のとおりであり正しい。

株式会社は、第四百六十六条の規定にかかわらず、取締役の決定(取締役会設置会社にあっては、取締役会の決議)によって、定款を変更して単元株式数を減少し、又は単元株式数についての定款の定めを廃止することができる。
- 新設・増加: 株主総会の特別決議(466条・309条2項11号)。取締役は理由を説明する(190条)
- 株式の分割と同時の新設・増加で各株主の議決権の数が減らないとき: 株主総会の決議は不要(191条)
- 減少・廃止: 取締役の決定(取締役会設置会社では取締役会の決議)で足りる(195条1項)。株主への通知又は公告