株主は、その有する株式を譲渡することができる。
この条文の過去問 3問
誤り。違うのは「その合意は、無効である」の部分である。判例は、従業員持株制度のもとで退職時に取得価額と同額で会社の指定する者に譲渡する旨の合意を、株式譲渡自由の原則(会社法127条)に違反せず公序良俗にも反しないとして有効としている(最判平7.4.25)。
従業員持株制度において、従業員が退職する際に保有株式を会社の指定する者に譲渡する旨の合意の効力が問題になる。判例は、公開されていない会社の従業員持株制度のもとで、取得価額と同額で会社の指定する者に譲渡する旨の合意について、株式の譲渡は自由であるとする規定(現在の会社法127条)に違反せず、公序良俗にも反しないから有効であるとした(最判平7.4.25)。127条は、会社が定款以外の方法で株式の譲渡性を奪うことを禁じる趣旨の規定であって、株主が契約によって自らの意思で株式の処分の自由を制約することまで否定するものではなく、これは私的自治の範囲に属するからである。同判例の事案では、対象株式が譲渡制限株式で配当が継続して行われていたこと、従業員が制度の内容を了解したうえで額面額での取得という利益を受けていたことなど、合意の合理性を支える具体的な事情も考慮されている。したがって、このような合意を一律に無効とする本肢は誤りである。

株主は、その有する株式を譲渡することができる。
| 事案 | 判例 | 結論 |
|---|---|---|
| 他人名義で株式を引き受けた | 最判昭42.11.17 | 実質上の引受人(名義借用者)が株主になる |
| 株券の文書を作成したが株主に交付していない | 最判昭40.11.16 | 株主に交付した時に初めて株券になる(交付時説) |
| 会社の承認を得ない譲渡制限株式の譲渡・譲渡担保 | 最判昭48.6.15 | 会社に対しては効力を生じないが、当事者間では有効 |
| 従業員持株制度で退職時に指定する者へ譲渡する合意 | 最判平7.4.25 | 127条に違反せず公序良俗にも反しないので有効 |
| 新株発行無効の訴えで出訴期間後に無効事由を追加 | 最判平6.7.18 | 許されない |
誤り。違うのは「その合意は、無効である」の部分である。判例は、従業員持株制度のもとで退職時に取得価額と同額で会社の指定する者に譲渡する旨の合意を、株式譲渡自由の原則(会社法127条)に違反せず公序良俗にも反しないとして有効としている(最判平7.4.25)。
従業員持株制度において、従業員が退職する際に保有株式を会社の指定する者に譲渡する旨の合意の効力が問題になる。判例は、公開されていない会社の従業員持株制度のもとで、取得価額と同額で会社の指定する者に譲渡する旨の合意について、株式の譲渡は自由であるとする規定(現在の会社法127条)に違反せず、公序良俗にも反しないから有効であるとした(最判平7.4.25)。127条は、会社が定款以外の方法で株式の譲渡性を奪うことを禁じる趣旨の規定であって、株主が契約によって自らの意思で株式の処分の自由を制約することまで否定するものではなく、これは私的自治の範囲に属するからである。同判例の事案では、対象株式が譲渡制限株式で配当が継続して行われていたこと、従業員が制度の内容を了解したうえで額面額での取得という利益を受けていたことなど、合意の合理性を支える具体的な事情も考慮されている。したがって、このような合意を一律に無効とする本肢は誤りである。

株主は、その有する株式を譲渡することができる。
| 事案 | 判例 | 結論 |
|---|---|---|
| 他人名義で株式を引き受けた | 最判昭42.11.17 | 実質上の引受人(名義借用者)が株主になる |
| 株券の文書を作成したが株主に交付していない | 最判昭40.11.16 | 株主に交付した時に初めて株券になる(交付時説) |
| 会社の承認を得ない譲渡制限株式の譲渡・譲渡担保 | 最判昭48.6.15 | 会社に対しては効力を生じないが、当事者間では有効 |
| 従業員持株制度で退職時に指定する者へ譲渡する合意 | 最判平7.4.25 | 127条に違反せず公序良俗にも反しないので有効 |
| 新株発行無効の訴えで出訴期間後に無効事由を追加 | 最判平6.7.18 | 許されない |
誤り。違うのは「当該株式を有する株主全員の同意を得なければならない」の部分である。株式の譲渡を全面的に禁止する定款の定めは認められず、譲渡に会社の承認を要する譲渡制限の定めを設ける定款変更も、株主全員の同意ではなく特殊の決議で足りる(会社法309条3項1号)。
会社法127条は株主がその有する株式を譲渡することができると定め、株主の投下資本回収の手段として株式譲渡自由の原則を保障している。会社法が認める制限は譲渡に会社の承認を要する譲渡制限(107条1項1号)だけであり、譲渡を一切禁止する定款の定めは株主全員の同意があっても認められない。肢の「譲渡を禁止する定め」を譲渡制限の定めと読み替えても、発行後の全部の株式に譲渡制限を設ける定款変更は、議決権を行使できる株主の半数以上であってその議決権の3分の2以上の多数による特殊の決議で行うことができ(309条3項1号)、株主全員の同意までは要らない。ある種類の株式に設ける場合は株主総会の特別決議とその種類株主総会の特殊の決議による(111条2項・324条3項1号)。反対する株主は株式買取請求権によって投下資本を回収できる(116条1項1号・2号)。株主全員の同意が要るのは、発行後の株式に取得条項を付ける定款変更である(110条・111条1項)。肢は誤りである。

前二項の規定にかかわらず、次に掲げる株主総会(種類株式発行会社の株主総会を除く。)の決議は、当該株主総会において議決権を行使することができる株主の半数以上(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)であって、当該株主の議決権の三分の二(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上に当たる多数をもって行わなければならない。一 その発行する全部の株式の内容として譲渡による当該株式の取得について当該株式会社の承認を要する旨の定款の定めを設ける定款の変更を行う株主総会
- 特別決議(309条2項11号): 定款の変更の原則。譲渡制限の定めの廃止もこれ
- 特殊決議(309条3項1号): 全部の株式に譲渡制限を設ける変更。議決権を行使できる株主の半数以上かつその議決権の3分の2以上。反対株主に株式買取請求権(116条1項1号)
- 種類株主総会の特殊決議(111条2項・324条3項1号): ある種類の株式に譲渡制限を設ける変更
- 株主全員の同意(110条・111条1項): 発行後の株式に取得条項を付ける変更
- 譲渡の全面禁止: 株主全員の同意があっても不可(127条)







