株式会社は、次に掲げる場合には、この章の定めるところにより、清算をしなければならない。解散した場合(第四百七十一条第四号に掲げる事由によって解散した場合及び破産手続開始の決定により解散した場合であって当該破産手続が終了していない場合を除く。)設立の無効の訴えに係る請求を認容する判決が確定した場合株式移転の無効の訴えに係る請求を認容する判決が確定した場合
1 解散した場合(第四百七十一条第四号に掲げる事由によって解散した場合及び破産手続開始の決定により解散した場合であって当該破産手続が終了していない場合を除く。)
2 設立の無効の訴えに係る請求を認容する判決が確定した場合
3 株式移転の無効の訴えに係る請求を認容する判決が確定した場合
この条文の過去問 2問
正しい。設立無効の判決が確定した会社は清算をしなければならず、清算の目的の範囲内で清算が結了するまで存続するものとみなされる(会社法475条2号・476条)。
会社法475条2号は、株式会社は設立の無効の訴えに係る請求を認容する判決が確定した場合には清算をしなければならないと定め、476条は、清算をする株式会社は清算の目的の範囲内において、清算が結了するまではなお存続するものとみなすと定める。設立の無効は会社の成立の日から2年以内に訴えをもってのみ主張でき(828条1項1号)、認容判決が確定しても、無効とされた設立は将来に向かってその効力を失うにとどまる(839条)。会社が成立してから判決までの間に積み重ねられた取引や株式の発行をすべて遡って覆せば、取引の相手方や株主の法律関係が収拾できなくなるからである。そのため、無効の判決が確定した会社は初めから存在しなかったものとして扱われるのではなく、解散した会社と同じく清算の手続に入り、それまでの債権債務を処理して残余財産を分配するまでは、清算の目的の範囲内で法人格を保つ。肢はこの475条2号と476条の帰結をそのまま述べており、正しい。

前条の規定により清算をする株式会社(以下「清算株式会社」という。)は、清算の目的の範囲内において、清算が結了するまではなお存続するものとみなす。
- 提訴期間: 会社の成立の日から2年以内(828条1項1号)
- 原告: 株主・取締役・清算人。監査役設置会社では監査役、指名委員会等設置会社では執行役も(828条2項1号)。会社債権者は不可
- 被告: 設立する会社(834条1号)
- 判決の効力: 認容判決は第三者にも及ぶ(838条)。遡及せず将来に向かって効力を失う(839条)。会社は清算に入る(475条2号・476条)
正しい。設立を無効とする判決は将来に向かってのみ効力を生じ(会社法839条)、確定した会社は清算をしなければならない(475条2号)。
会社法839条は、会社の組織に関する訴えに係る請求を認容する判決が確定したときは、無効とされた行為(設立を含む)は将来に向かってその効力を失うと定める。設立の無効の訴え(828条1項1号)もこの訴えの一つであり、無効の判決が確定しても、会社は成立の時に遡って存在しなかったことになるのではなく、判決確定の時から効力を失う。会社が成立してから判決までの間に株式の発行や取引などの多数の法律関係が積み重なっており、これを遡って覆すと取引の安全を著しく害するからである。そのうえで、会社は判決確定後も法人格を直ちに失うわけではなく、475条2号により清算をしなければならず、清算の目的の範囲内で存続するものとみなされる(476条)。このように、遡及効の否定と清算手続の開始は一続きの規律であり、肢の記述はいずれも条文どおりである。

会社の組織に関する訴え(第八百三十四条第一号から第十二号の二まで、第十八号及び第十九号に掲げる訴えに限る。)に係る請求を認容する判決が確定したときは、当該判決において無効とされ、又は取り消された行為(当該行為によって会社が設立された場合にあっては当該設立を含み、当該行為に際して株式又は新株予約権が交付された場合にあっては当該株式又は新株予約権を含む。)は、将来に向かってその効力を失う。
- 提訴期間:会社の成立の日から2年以内(828条1項1号)
- 原告:株主・取締役・清算人。監査役設置会社では監査役、指名委員会等設置会社では執行役も(828条2項1号)。会社債権者は不可
- 被告:設立する会社(834条1号)
- 判決の効力:認容判決は第三者にも及ぶ(838条)。遡及せず将来に向かって効力を失う(839条)。会社は清算に入る(475条2号)
