1発起人は、この款の定めるところにより、設立時発行株式を引き受ける者の募集をする旨を定めることができる。
2発起人は、前項の募集をする旨を定めようとするときは、その全員の同意を得なければならない。
この条文の過去問 2問
正しい。募集設立では、設立時取締役の選任は創立総会の決議によって行わなければならない(会社法88条1項)。
設立時取締役の選任方法は、発起設立と募集設立で異なる。発起設立では発起人だけが出資者であるから、出資の履行が完了した後に発起人の議決権の過半数で選任する(会社法38条1項・40条1項)。これに対して募集設立では、発起人のほかに設立時募集株式の引受人が出資者に加わるので、88条1項は、設立時取締役、設立時会計参与、設立時監査役又は設立時会計監査人の選任は創立総会の決議によって行わなければならないと定める。発起人だけで取締役を決めてしまうと、募集に応じた引受人の意思が反映されないからである。創立総会の決議は、議決権を行使できる設立時株主の議決権の過半数であって、出席した設立時株主の議決権の3分の2以上の多数で行う(73条1項)。この規律は設立しようとする会社が公開会社であるかどうかで変わらず、肢が公開会社の設立に限定しているのは結論に影響しない。したがって肢は正しい。

第五十七条第一項の募集をする場合には、設立時取締役、設立時会計参与、設立時監査役又は設立時会計監査人の選任は、創立総会の決議によって行わなければならない。
誤り。違うのは「発起設立の場合において」の部分である。払込金保管証明書の交付を請求できるのは募集設立の場合に限られる(会社法64条1項)。
会社法64条1項は、57条1項の募集をした場合、すなわち募集設立の場合に、発起人が払込みの取扱いをした銀行等に対して、払い込まれた金額に相当する金銭の保管に関する証明書の交付を請求できると定める。証明書を交付した銀行等は、記載が事実と異なることや払込金の返還に制限があることを成立後の会社に対抗できない(同条2項)。この制度は、発起人以外の引受人から集めた払込金が設立の登記までに流出しないことを、引受人のために担保する仕組みである。これに対して発起設立では、出資者は発起人だけであり、互いに払込みの事実を確かめ合えるので、払込みを発起人が定めた銀行等の払込取扱場所でしなければならないとするにとどまり(34条2項)、保管証明の制度は置かれていない。発起設立の設立登記の申請では払込みがあったことを証する書面で足りる。したがって発起設立の発起人には保管証明書の交付請求権はない。

第五十七条第一項の募集をした場合には、発起人は、第三十四条第一項及び前条第一項の規定による払込みの取扱いをした銀行等に対し、これらの規定により払い込まれた金額に相当する金銭の保管に関する証明書の交付を請求することができる。
| 発起設立 | 募集設立 | |
|---|---|---|
| 払込みの場所 | 発起人が定めた銀行等の払込取扱場所(34条2項) | 同じ(34条2項・63条1項) |
| 保管証明 | 制度なし | 発起人の払込みと引受人の払込みの両方について請求できる(64条1項) |
| 銀行等の責任 | ― | 証明と異なる事実・返還の制限を成立後の会社に対抗できない(64条2項) |











