1株式会社は、次に掲げるいずれかの方法により設立することができる。次節から第八節までに規定するところにより、発起人が設立時発行株式(株式会社の設立に際して発行する株式をいう。以下同じ。)の全部を引き受ける方法次節、第三節、第三十九条及び第六節から第九節までに規定するところにより、発起人が設立時発行株式を引き受けるほか、設立時発行株式を引き受ける者の募集をする方法
1 次節から第八節までに規定するところにより、発起人が設立時発行株式(株式会社の設立に際して発行する株式をいう。以下同じ。)の全部を引き受ける方法
2 次節、第三節、第三十九条及び第六節から第九節までに規定するところにより、発起人が設立時発行株式を引き受けるほか、設立時発行株式を引き受ける者の募集をする方法
2各発起人は、株式会社の設立に際し、設立時発行株式を一株以上引き受けなければならない。
この条文の過去問 6問
正しい。会社法25条2項は、各発起人が設立時発行株式を1株以上引き受けなければならないと定め、設立時取締役になるかどうかは関係がない。
会社法25条2項は、各発起人は株式会社の設立に際して設立時発行株式を1株以上引き受けなければならないと定める。発起設立・募集設立のどちらにも共通する規律であり、発起人となる以上は必ず設立時の株主になることを求める趣旨である。発起人は設立の企画者として設立事務を行い、任務懈怠責任(53条)や会社不成立の場合の責任(56条)といった重い責任を負う。そのような立場の者が出資をしないまま設立に関与することを認めれば、責任の裏付けを欠き、設立中の会社の構成員でない者が設立を主導する結果になって不当である。そこで会社法は最低1株の引受けを義務付け、発起人と設立時株主の地位を結び付けている。この義務は、その発起人が設立時取締役に就任するかどうかとは関係がない。設立時取締役は発起人の議決権の過半数で選任され(38条1項・40条1項)、発起人以外の者を選ぶことも発起人が兼ねることもできるが、機関としての地位と出資者としての地位は別の問題である。本肢は正しい。

各発起人は、株式会社の設立に際し、設立時発行株式を一株以上引き受けなければならない。
正しい。会社法25条2項は、各発起人が株式会社の設立に際して設立時発行株式を1株以上引き受けなければならないと定めている。
会社法25条2項は、各発起人は、株式会社の設立に際し、設立時発行株式を一株以上引き受けなければならないと定める。発起設立(25条1項1号)でも募集設立(同項2号)でも変わらない規律である。発起人は定款を作成してこれに署名又は記名押印した者(26条1項)であり、設立事務を主宰して会社の基礎をつくる。その発起人に自らも株主として出資の危険を負わせることで、設立行為の慎重さを確保し、会社債権者や他の引受人を保護するのがこの規律の理屈である。したがって、定款に発起人として署名しながら1株も引き受けない者を発起人とすることはできない。引き受けた発起人は、遅滞なく全額の払込み又は現物出資財産の全部の給付をしなければならず(34条1項)、これを怠れば36条の通知を経て失権する。本肢は25条2項の内容をそのまま述べたものであり、正しい。

各発起人は、株式会社の設立に際し、設立時発行株式を一株以上引き受けなければならない。
誤り。違うのは「株式会社の設立の無効事由とはならない」の部分である。発起人の1人が株主となる権利を全部失えば、各発起人が1株以上を引き受けるべきとする会社法25条2項に反し、設立の無効事由になる。
会社法25条2項は、各発起人は株式会社の設立に際し設立時発行株式を1株以上引き受けなければならないと定め、この規律は発起設立と募集設立の双方に及ぶ。発起人が出資の履行をせず、期日を定めた通知を受けてもなお履行しないときは、設立時発行株式の株主となる権利を失う(36条3項)。設立の無効は設立無効の訴えによってのみ主張でき(828条1項1号)、無効原因に明文はないが、設立手続に客観的で重大な法令違反がある場合に限られる。発起人の1人が権利を全部失い、1株も引き受けない発起人が存在する状態は、設立手続の基本要件である25条2項に反する重大な瑕疵であり、設立の無効事由になると解されている。他の発起人の出資の履行額が定款の「設立に際して出資される財産の価額又はその最低額」(27条4号)を満たしていても、この定めは会社の財産的基礎を確保するためのものであって、発起人全員に引受けを求める25条2項とは別の要請なので、瑕疵は治癒されない。

各発起人は、株式会社の設立に際し、設立時発行株式を一株以上引き受けなければならない。
誤り。違うのは「他の発起人は、設立時発行株式を引き受けないことができる」の部分である。各発起人は設立時発行株式を1株以上引き受けなければならない(会社法25条2項)。
会社法25条2項は、各発起人は株式会社の設立に際し設立時発行株式を1株以上引き受けなければならないと定める。この規律は発起設立と募集設立のどちらにも及び(25条1項各号)、発起人が2名以上いるときに1名が全部を引き受けて他の発起人が1株も引き受けないという扱いは認められない。発起人は設立中の会社の運営主体として設立事務を行い、出資された財産の価額が不足したときの填補責任(52条)や任務懈怠責任(53条)を負う立場にある。各発起人に自らも株式を引き受けさせて成立後の会社の株主とし、設立の成否について経済的な利害を持たせることで、誠実な設立事務の遂行を担保する趣旨である。発起人が割当てを受ける設立時発行株式の数を発起人全員の同意で定めるものとしている(32条1項1号)ことも、発起人が出資者であることを前提にしている。求められるのは1株以上であるから引受数が発起人の間で大きく偏ってもよいが、ゼロは許されない。他の発起人は引き受けなくてよいとする本肢は誤りである。

各発起人は、株式会社の設立に際し、設立時発行株式を一株以上引き受けなければならない。
誤り。違うのは「他の発起人は、設立時発行株式を引き受けないことができる」の部分である。各発起人は設立時発行株式を1株以上引き受けなければならない(会社法25条2項)。
会社法25条2項は、各発起人は株式会社の設立に際し設立時発行株式を1株以上引き受けなければならないと定める。この規律は発起設立と募集設立のどちらにも及び(25条1項各号)、発起人が2名以上いるときに1名が全部を引き受けて他の発起人が1株も引き受けないという扱いは認められない。発起人は設立中の会社の運営主体として設立事務を行い、出資された財産の価額が不足したときの填補責任(52条)や任務懈怠責任(53条)を負う立場にある。各発起人に自らも株式を引き受けさせて成立後の会社の株主とし、設立の成否について経済的な利害を持たせることで、誠実な設立事務の遂行を担保する趣旨である。発起人が割当てを受ける設立時発行株式の数を発起人全員の同意で定めるものとしている(32条1項1号)ことも、発起人が出資者であることを前提にしている。求められるのは1株以上であるから引受数が発起人の間で大きく偏ってもよいが、ゼロは許されない。他の発起人は引き受けなくてよいとする本肢は誤りである。

各発起人は、株式会社の設立に際し、設立時発行株式を一株以上引き受けなければならない。
誤り。違うのは「発起人は,自ら株式を引き受けてはならず」の部分である。募集設立でも発起人は設立時発行株式を1株以上引き受けなければならず(会社法25条2項)、発起人が引き受けた残りについて引受人を募集する(同条1項2号)。
会社法25条1項は株式会社の設立の方法として、発起人が設立時発行株式の全部を引き受ける発起設立(1号)と、発起人が設立時発行株式を引き受けるほか、設立時発行株式を引き受ける者の募集をする募集設立(2号)の二つを定める。そして同条2項は、各発起人は株式会社の設立に際し設立時発行株式を1株以上引き受けなければならないとしており、この義務は設立の方法を問わずすべての発起人に及ぶ。募集設立は、発起人だけでは必要な資本を集められないときに発起人以外の者からも出資を募る方法であって、発起人が出資をしないで済ます方法ではない。発起人は定款を作成して設立の手続を主導し、設立に関する責任を負う者であるから(52条・53条)、自らも株主として出資の危険を負担させることで、無責任な設立や過大な見積りを防ぐ趣旨である。したがって募集設立の発起人は、自ら1株以上を引き受けたうえで、残りの株式について申込人を募集し割り当てる。肢は発起人の引受けを禁じる点で25条に反して誤りである。

1 株式会社は、次に掲げるいずれかの方法により設立することができる。一 次節から第八節までに規定するところにより、発起人が設立時発行株式(株式会社の設立に際して発行する株式をいう。以下同じ。)の全部を引き受ける方法 二 次節、第三節、第三十九条及び第六節から第九節までに規定するところにより、発起人が設立時発行株式を引き受けるほか、設立時発行株式を引き受ける者の募集をする方法
2 各発起人は、株式会社の設立に際し、設立時発行株式を一株以上引き受けなければならない。