1株式会社が株式交換をする場合において、株式交換完全親会社が株式会社であるときは、株式交換契約において、次に掲げる事項を定めなければならない。株式交換をする株式会社(以下この編において「株式交換完全子会社」という。)及び株式会社である株式交換完全親会社(以下この編において「株式交換完全親株式会社」という。)の商号及び住所株式交換完全親株式会社が株式交換に際して株式交換完全子会社の株主に対してその株式に代わる金銭等を交付するときは、当該金銭等についての次に掲げる事項当該金銭等が株式交換完全親株式会社の株式であるときは、当該株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)又はその数の算定方法並びに当該株式交換完全親株式会社の資本金及び準備金の額に関する事項当該金銭等が株式交換完全親株式会社の社債(新株予約権付社債についてのものを除く。)であるときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法当該金銭等が株式交換完全親株式会社の新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)であるときは、当該新株予約権の内容及び数又はその算定方法当該金銭等が株式交換完全親株式会社の新株予約権付社債であるときは、当該新株予約権付社債についてのロに規定する事項及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権についてのハに規定する事項当該金銭等が株式交換完全親株式会社の株式等以外の財産であるときは、当該財産の内容及び数若しくは額又はこれらの算定方法前号に規定する場合には、株式交換完全子会社の株主(株式交換完全親株式会社を除く。)に対する同号の金銭等の割当てに関する事項株式交換完全親株式会社が株式交換に際して株式交換完全子会社の新株予約権の新株予約権者に対して当該新株予約権に代わる当該株式交換完全親株式会社の新株予約権を交付するときは、当該新株予約権についての次に掲げる事項当該株式交換完全親株式会社の新株予約権の交付を受ける株式交換完全子会社の新株予約権の新株予約権者の有する新株予約権(以下この編において「株式交換契約新株予約権」という。)の内容株式交換契約新株予約権の新株予約権者に対して交付する株式交換完全親株式会社の新株予約権の内容及び数又はその算定方法株式交換契約新株予約権が新株予約権付社債に付された新株予約権であるときは、株式交換完全親株式会社が当該新株予約権付社債についての社債に係る債務を承継する旨並びにその承継に係る社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法前号に規定する場合には、株式交換契約新株予約権の新株予約権者に対する同号の株式交換完全親株式会社の新株予約権の割当てに関する事項株式交換がその効力を生ずる日(以下この節において「効力発生日」という。)
1 株式交換をする株式会社(以下この編において「株式交換完全子会社」という。)及び株式会社である株式交換完全親会社(以下この編において「株式交換完全親株式会社」という。)の商号及び住所
2 株式交換完全親株式会社が株式交換に際して株式交換完全子会社の株主に対してその株式に代わる金銭等を交付するときは、当該金銭等についての次に掲げる事項当該金銭等が株式交換完全親株式会社の株式であるときは、当該株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)又はその数の算定方法並びに当該株式交換完全親株式会社の資本金及び準備金の額に関する事項当該金銭等が株式交換完全親株式会社の社債(新株予約権付社債についてのものを除く。)であるときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法当該金銭等が株式交換完全親株式会社の新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)であるときは、当該新株予約権の内容及び数又はその算定方法当該金銭等が株式交換完全親株式会社の新株予約権付社債であるときは、当該新株予約権付社債についてのロに規定する事項及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権についてのハに規定する事項当該金銭等が株式交換完全親株式会社の株式等以外の財産であるときは、当該財産の内容及び数若しくは額又はこれらの算定方法
ア 当該金銭等が株式交換完全親株式会社の株式であるときは、当該株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)又はその数の算定方法並びに当該株式交換完全親株式会社の資本金及び準備金の額に関する事項
ィ 当該金銭等が株式交換完全親株式会社の社債(新株予約権付社債についてのものを除く。)であるときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法
イ 当該金銭等が株式交換完全親株式会社の新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)であるときは、当該新株予約権の内容及び数又はその算定方法
ゥ 当該金銭等が株式交換完全親株式会社の新株予約権付社債であるときは、当該新株予約権付社債についてのロに規定する事項及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権についてのハに規定する事項
ウ 当該金銭等が株式交換完全親株式会社の株式等以外の財産であるときは、当該財産の内容及び数若しくは額又はこれらの算定方法
3 前号に規定する場合には、株式交換完全子会社の株主(株式交換完全親株式会社を除く。)に対する同号の金銭等の割当てに関する事項
4 株式交換完全親株式会社が株式交換に際して株式交換完全子会社の新株予約権の新株予約権者に対して当該新株予約権に代わる当該株式交換完全親株式会社の新株予約権を交付するときは、当該新株予約権についての次に掲げる事項当該株式交換完全親株式会社の新株予約権の交付を受ける株式交換完全子会社の新株予約権の新株予約権者の有する新株予約権(以下この編において「株式交換契約新株予約権」という。)の内容株式交換契約新株予約権の新株予約権者に対して交付する株式交換完全親株式会社の新株予約権の内容及び数又はその算定方法株式交換契約新株予約権が新株予約権付社債に付された新株予約権であるときは、株式交換完全親株式会社が当該新株予約権付社債についての社債に係る債務を承継する旨並びにその承継に係る社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法
ア 当該株式交換完全親株式会社の新株予約権の交付を受ける株式交換完全子会社の新株予約権の新株予約権者の有する新株予約権(以下この編において「株式交換契約新株予約権」という。)の内容
ィ 株式交換契約新株予約権の新株予約権者に対して交付する株式交換完全親株式会社の新株予約権の内容及び数又はその算定方法
イ 株式交換契約新株予約権が新株予約権付社債に付された新株予約権であるときは、株式交換完全親株式会社が当該新株予約権付社債についての社債に係る債務を承継する旨並びにその承継に係る社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法
5 前号に規定する場合には、株式交換契約新株予約権の新株予約権者に対する同号の株式交換完全親株式会社の新株予約権の割当てに関する事項
6 株式交換がその効力を生ずる日(以下この節において「効力発生日」という。)
2前項に規定する場合において、株式交換完全子会社が種類株式発行会社であるときは、株式交換完全子会社及び株式交換完全親株式会社は、株式交換完全子会社の発行する種類の株式の内容に応じ、同項第三号に掲げる事項として次に掲げる事項を定めることができる。ある種類の株式の株主に対して金銭等の割当てをしないこととするときは、その旨及び当該株式の種類前号に掲げる事項のほか、金銭等の割当てについて株式の種類ごとに異なる取扱いを行うこととするときは、その旨及び当該異なる取扱いの内容
1 ある種類の株式の株主に対して金銭等の割当てをしないこととするときは、その旨及び当該株式の種類
2 前号に掲げる事項のほか、金銭等の割当てについて株式の種類ごとに異なる取扱いを行うこととするときは、その旨及び当該異なる取扱いの内容
3第一項に規定する場合には、同項第三号に掲げる事項についての定めは、株式交換完全子会社の株主(株式交換完全親株式会社及び前項第一号の種類の株式の株主を除く。)の有する株式の数(前項第二号に掲げる事項についての定めがある場合にあっては、各種類の株式の数)に応じて金銭等を交付することを内容とするものでなければならない。
この条文の過去問 4問
正しい。株式交換では完全子会社の株主に金銭等を「交付するときは」その事項を定めるとされ対価は親会社の株式に限られないが(768条1項2号)、株式移転では設立完全親会社の株式の数又は算定方法を必ず定めなければならない(773条1項5号)。
株式交換について、会社法768条1項2号は、株式交換完全親株式会社が完全子会社の株主に対してその株式に代わる金銭等を交付するときは当該金銭等に関する事項を定めるものとし、交付できる対価として親会社の株式(イ)のほか社債(ロ)、新株予約権(ハ)、新株予約権付社債(ニ)、これら以外の財産(ホ)を掲げる。ホには金銭のほか親会社の親会社の株式も含まれる。文言が交付するときはとなっていることから、対価を全く交付しない株式交換も許され、完全親会社の株式を交付しない設計にすることができる。これに対し株式移転では、773条1項5号が、完全子会社の株主に交付する株式移転設立完全親会社の株式の数又はその数の算定方法を必ず定めなければならないものとしている。設立完全親会社は株式移転によって新たに成立する株式会社であり、成立の時に株主がいないことはあり得ないから、完全子会社の株主に設立会社の株式を交付することが不可欠だからである。社債や新株予約権は同項7号により株式に加えて交付できるにとどまり、株式に代えて交付することはできない。したがって本肢は正しい。

株式移転設立完全親会社が株式移転に際して株式移転をする株式会社(以下この編において「株式移転完全子会社」という。)の株主に対して交付するその株式に代わる当該株式移転設立完全親会社の株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)又はその数の算定方法並びに当該株式移転設立完全親会社の資本金及び準備金の額に関する事項
| 項目 | 株式交換 | 株式移転 |
|---|---|---|
| 根拠となる書面 | 株式交換契約(767条) | 株式移転計画(772条)。相手方の会社がない |
| 完全親会社 | 株式会社又は合同会社(2条31号) | 新たに設立する株式会社(2条32号) |
| 対価 | 金銭等なら何でもよく、完全親会社の株式を交付しなくてもよい(768条1項2号) | 設立完全親会社の株式を必ず交付する(773条1項5号) |
| 効力発生 | 契約で定めた効力発生日(769条1項) | 設立完全親会社の成立の日(774条1項) |
| 共通 | 発行済株式の全部を取得させる。一部だけはできない。完全子会社の法人格・財産は変わらない |
正しい。株式交換により完全子会社の株主の株式は効力発生日に当然に完全親会社へ移転し(2条31号)、対価は完全親会社の株式に限られず金銭等でもよい(768条1項2号)。
株式交換とは、株式会社がその発行済株式の全部を他の株式会社又は合同会社に取得させることであり(会社法2条31号)、完全親子会社の関係をつくる組織再編である。株式交換完全子会社の株主が有する株式は、効力発生日に法律上当然に完全親会社に移転するから、少数株主Cらの個別の承諾は要らない。対価については、株式交換契約において、完全親会社が完全子会社の株主に対してその株式に代わる金銭等を交付するときはその内容などを定めるものとされ(768条1項2号)、完全親会社の株式のほか、金銭、社債、新株予約権などを対価とすることができる。したがってB社がCらにB社株式を交付することも、金銭を交付して締め出すこともできる。手続としては、原則として両当事会社で株主総会の特別決議による承認が必要であり(783条1項・795条1項・309条2項12号)、反対株主には株式買取請求権(785条・797条)が認められて少数株主の保護が図られる。よって本肢は正しい。

株式交換 株式会社がその発行済株式(株式会社が発行している株式をいう。以下同じ。)の全部を他の株式会社又は合同会社に取得させることをいう。
| 項目 | 株式交換 | 株式移転 |
|---|---|---|
| 根拠となる書面 | 株式交換契約(767条) | 株式移転計画(772条)。相手方の会社がない |
| 完全親会社 | 株式会社又は合同会社(2条31号) | 新たに設立する株式会社(2条32号) |
| 対価 | 金銭等なら何でもよく、完全親会社の株式を交付しなくてもよい(768条1項2号) | 設立完全親会社の株式を必ず交付する(773条1項5号) |
| 効力発生 | 契約で定めた効力発生日(769条1項) | 設立完全親会社の成立の日(774条1項) |
正しい。株式交換完全親株式会社は、株式交換契約に定めることにより、株式交換完全子会社の新株予約権者に対し、その新株予約権に代わる自社の新株予約権を交付することができる(768条1項4号)。
株式交換は株式会社がその発行済株式の全部を他の株式会社又は合同会社に取得させる行為であり(会社法2条31号)、完全子会社となる会社の株主には対価が交付されるが、その会社が発行していた新株予約権は株式ではないので当然には移転せず、そのまま残るのが原則である。残った新株予約権が後に行使されると完全親子関係が崩れるため、会社法は株式交換契約の定めによって親会社の新株予約権に振り替える途を用意した。768条1項4号は、株式交換完全親株式会社が株式交換に際して株式交換完全子会社の新株予約権者に対し、その新株予約権に代わる株式交換完全親株式会社の新株予約権を交付するときは、対象となる新株予約権の内容、交付する新株予約権の内容及び数又はその算定方法などを株式交換契約で定めなければならないとし、同項5号が割当てに関する事項を要求する。この定めがあると、効力発生日に子会社の新株予約権は消滅し、新株予約権者は契約の定めに従って親会社の新株予約権者となる(769条4項)。本肢はこの仕組みをそのまま述べており、正しい。

株式交換完全親株式会社が株式交換に際して株式交換完全子会社の新株予約権の新株予約権者に対して当該新株予約権に代わる当該株式交換完全親株式会社の新株予約権を交付するときは、当該新株予約権についての次に掲げる事項 イ 当該株式交換完全親株式会社の新株予約権の交付を受ける株式交換完全子会社の新株予約権の新株予約権者の有する新株予約権(以下この編において「株式交換契約新株予約権」という。)の内容 ロ 株式交換契約新株予約権の新株予約権者に対して交付する株式交換完全親株式会社の新株予約権の内容及び数又はその算定方法
正しい。完全子会社が種類株式発行会社であるときは、株式の種類の内容に応じ、ある種類の株式の株主に対して金銭等の割当てをしないことを株式交換契約で定められる(会社法768条2項1号)。
会社法768条1項は、株式交換契約で定める事項として、完全親会社が完全子会社の株主に交付する金銭等とその割当てに関する事項を掲げる(2号・3号)。そのうえで同条2項は、完全子会社が種類株式発行会社であるときは、完全子会社と完全親会社は、完全子会社の発行する種類の株式の内容に応じ、ある種類の株式の株主に対して金銭等の割当てをしないこととするときはその旨とその株式の種類(1号)、金銭等の割当てについて株式の種類ごとに異なる取扱いをするときはその旨とその内容(2号)を定めることができるとする。種類株式発行会社では株式の内容が種類ごとに違う以上、対価の割当てにも種類ごとの差を設けるのが合理的であり、対価を全く交付しない種類を設けることも許される。不利益を受ける種類株主が生じ得るので、株式交換契約について種類株主総会の決議を要する場合があり(783条3項)、反対株主の株式買取請求(785条)による救済も及ぶ。本肢は正しい。

前項に規定する場合において、株式交換完全子会社が種類株式発行会社であるときは、株式交換完全子会社及び株式交換完全親株式会社は、株式交換完全子会社の発行する種類の株式の内容に応じ、同項第三号に掲げる事項として次に掲げる事項を定めることができる。一 ある種類の株式の株主に対して金銭等の割当てをしないこととするときは、その旨及び当該株式の種類 二 前号に掲げる事項のほか、金銭等の割当てについて株式の種類ごとに異なる取扱いを行うこととするときは、その旨及び当該異なる取扱いの内容
