1会社は、その名称を商号とする。
2会社は、株式会社、合名会社、合資会社又は合同会社の種類に従い、それぞれその商号中に株式会社、合名会社、合資会社又は合同会社という文字を用いなければならない。
3会社は、その商号中に、他の種類の会社であると誤認されるおそれのある文字を用いてはならない。
1会社は、その名称を商号とする。
2会社は、株式会社、合名会社、合資会社又は合同会社の種類に従い、それぞれその商号中に株式会社、合名会社、合資会社又は合同会社という文字を用いなければならない。
3会社は、その商号中に、他の種類の会社であると誤認されるおそれのある文字を用いてはならない。
会社でない者は、その名称又は商号中に、会社であると誤認されるおそれのある文字を用いてはならない。
正しい。会社でない者は、その名称又は商号中に会社であると誤認されるおそれのある文字を用いてはならず(会社法7条)、「合名会社」の文字を用いることはこれに当たる。
会社法7条は、会社でない者はその名称又は商号中に、会社であると誤認されるおそれのある文字を用いてはならないと定める。会社法6条2項は、会社がその種類に従い株式会社、合名会社、合資会社又は合同会社という文字を商号中に用いなければならないとし、同条3項は会社が他の種類の会社であると誤認されるおそれのある文字を用いることを禁じている。これらの規定は、取引の相手方が商号を見て、相手が会社かどうか、どの種類の会社かを正しく判断できるようにするためのものである。「合名会社」は合名会社の商号に必ず含まれる文字であるから、会社でない個人商人がこれを商号中に用いれば、相手方は合名会社と取引していると誤認し、社員の無限責任(会社法580条1項)を当てにして取引するおそれがある。したがって会社でない者は「合名会社」の文字を商号に用いることができず、違反には過料の制裁がある(会社法978条2号)。商号選定自由の原則(商法11条1項)に対する法定の制限の一つである。肢は正しい。

会社でない者は、その名称又は商号中に、会社であると誤認されるおそれのある文字を用いてはならない。
1何人も、不正の目的をもって、他の会社であると誤認されるおそれのある名称又は商号を使用してはならない。
2前項の規定に違反する名称又は商号の使用によって営業上の利益を侵害され、又は侵害されるおそれがある会社は、その営業上の利益を侵害する者又は侵害するおそれがある者に対し、その侵害の停止又は予防を請求することができる。
誤り。違うのは「同じ市町村内において,同一の営業のために登記することはできない」の部分である。同一市町村内・同一営業という旧商法の制限は会社法制定時に廃止され、現在は同一商号かつ同一の営業所の所在場所の登記だけが禁じられる(商業登記法27条)。
会社法制定前の商法には、他人が登記した商号は同一市町村内において同一の営業のために登記することができないとする規定があった。しかし平成17年の会社法制定に伴う商法の改正でこの規定は削除され、商業登記法27条が、商号の登記は、その商号が他人の既に登記した商号と同一であり、かつ、その営業所の所在場所が当該他人の商号の登記に係る営業所の所在場所と同一であるときはすることができないと定めるだけになった。旧規律は商号選定の自由を過度に制約するものだったからである。したがって現在は、同じ市町村内で同一の営業のために他人の登記した商号と同じ商号を登記することも、営業所の所在場所が異なる限り可能である。不正の目的をもって他の商人と誤認されるおそれのある商号を使用することは禁じられ(商法12条1項)、営業上の利益を害された商人はその使用の停止や予防を請求できるが(同条2項)、それは登記の可否の問題ではない。肢は廃止された規律を述べており誤りである。

何人も、不正の目的をもって、他の商人であると誤認されるおそれのある名称又は商号を使用してはならない。
自己の商号を使用して事業又は営業を行うことを他人に許諾した会社は、当該会社が当該事業を行うものと誤認して当該他人と取引をした者に対し、当該他人と連帯して、当該取引によって生じた債務を弁済する責任を負う。
正しい。名板貸人の責任は、名板貸人が営業主であると誤認して取引した相手方に対して生じるものであり(商法14条)、名板貸しの事実を知っていた相手方には誤認がないので責任は生じない。
商法14条は、自己の商号を使用して営業を行うことを他人に許諾した商人は、その商人が営業を行うものと誤認してその他人と取引をした者に対し、その他人と連帯して、取引によって生じた債務を弁済する責任を負うと定める。名板貸人の責任は、自分の商号を他人に使わせて、自分が営業主であるかのような外観を作り出した者に、その外観を信頼した相手方に対する責任を負わせる外観法理に基づく。したがって相手方が外観を信頼したこと、すなわち名板貸人が営業主であると誤認して取引したことが要件であり、名板貸しの事実を知っていた悪意の相手方は保護されない。判例はさらに、相手方が善意であっても重大な過失があるときは悪意と同視して名板貸人の責任を否定し(最判昭41.1.27)、軽過失にとどまる相手方は保護している。このほか、名板借人の営業が名板貸人の営業と同種であることが原則として必要であり(最判昭43.6.13)、責任の範囲は取引によって生じた債務に限られ、交通事故のような事実行為による不法行為債務は含まれない(最判昭52.12.23)。肢は正しい。

自己の商号を使用して営業又は事業を行うことを他人に許諾した商人は、当該商人が当該営業を行うものと誤認して当該他人と取引をした者に対し、当該他人と連帯して、当該取引によって生じた債務を弁済する責任を負う。