第641条過去問 2
持分会社は、次に掲げる事由によって解散する。
1 定款で定めた存続期間の満了
2 定款で定めた解散の事由の発生
3 総社員の同意
4 社員が欠けたこと。
5 合併(合併により当該持分会社が消滅する場合に限る。)
6 破産手続開始の決定
7 第八百二十四条第一項又は第八百三十三条第二項の規定による解散を命ずる裁判
この条文の過去問 2問
合資会社は,社員が1人となったときは,解散する。
解説
本肢は誤り。持分会社の解散事由は会社法641条に限定列挙されており、①定款で定めた存続期間の満了、②定款で定めた解散の事由の発生、③総社員の同意、④社員が欠けたこと、⑤合併により会社が消滅する場合、⑥破産手続開始の決定、⑦解散を命ずる裁判、がこれに当たる。同条4号の「社員が欠けたこと」とは社員が一人もいなくなったことをいうのであって、社員が1人となったにすぎない場合は解散事由に当たらない。持分会社は株式会社と異なり一人会社を否定していない。
もっとも、合資会社は無限責任社員と有限責任社員の双方が存在することを前提とする種類の会社である(576条3項)。そこで会社法639条は、合資会社の有限責任社員が退社等により欠けたときは無限責任社員のみの会社となるから合名会社となる定款の変更をしたものとみなし(1項)、無限責任社員が欠けたときは有限責任社員のみの会社となるから合同会社となる定款の変更をしたものとみなす(2項)と定める。この定款変更擬制により、社員の一方の類型を欠いても会社を解散させることなく存続させることができる。
したがって、社員が1人となっても合資会社は解散せず、合名会社又は合同会社となる定款変更をしたものとみなされて存続するにとどまるから、本肢は誤りである。
合資会社は,社員が1人となったときは,解散する。
解説
本肢は誤り。持分会社の解散事由は、定款で定めた存続期間の満了、定款で定めた解散の事由の発生、総社員の同意、社員が欠けたこと、合併により消滅する場合、破産手続開始の決定、解散を命ずる裁判である(会社法641条各号)。解散事由とされているのは「社員が欠けたこと」(同条4号)、すなわち社員が一人もいなくなった場合であって、社員が1人になっただけでは解散しない。会社法は持分会社についても社員一人の会社(一人会社)を認めているのである。合資会社は無限責任社員と有限責任社員とで構成される会社であるが(会社法576条3項)、一方の種類の社員が欠けても解散とはせず、定款変更の擬制によって会社の存続が図られる。すなわち、合資会社の有限責任社員が退社したことにより社員が無限責任社員のみとなった場合には合名会社となる定款の変更をしたものとみなされ、無限責任社員が退社したことにより社員が有限責任社員のみとなった場合には合同会社となる定款の変更をしたものとみなされる(会社法639条1項・2項)。したがって、合資会社の社員が1人となっても、その者が無限責任社員なら合名会社、有限責任社員なら合同会社として存続するのであり、解散するとする本肢は誤りである。