第49条過去問 4
株式会社は、その本店の所在地において設立の登記をすることによって成立する。
この条文の過去問 4問
新設合併設立会社は,その本店の所在地において設立の登記をした日に,新設合併消滅会社の権利義務を承継する。
解説
本肢は正しい。新設合併設立株式会社は、その成立の日に、新設合併消滅会社の権利義務を承継する(会社法754条1項)。そして、株式会社は、その本店の所在地において設立の登記をすることによって成立する(49条)。新設合併の場合も、設立会社については本店所在地における設立の登記がされ(922条)、これによって設立会社が法人格を取得する。したがって、設立の登記をした日が「成立の日」であり、その日に消滅会社の権利義務が包括的に承継されることになる。
新設型再編において登記が効力発生要件とされるのは、承継の受け皿となる会社がそれ以前には存在しておらず、権利義務の帰属主体を観念できないためである。この点で、当事者が契約で効力発生日を定めることのできる吸収型再編(記述ア・オ参照)とは構造的に異なる。同じ理は新設分割(764条1項)や株式移転(774条1項)にも妥当する。
本肢は、設立の登記の日に権利義務を承継するとしており、754条1項および49条の帰結と一致するから、正しい。
株式会社は,定款又は創立総会の決議により定められた設立の効力発生日に成立する。
解説
本肢は誤り。株式会社は、その本店の所在地において設立の登記をすることによって成立する(会社法49条)。募集設立においても同様であり(911条参照)、設立登記は単なる公示のための手続ではなく、これによって設立中の会社が法人格を取得するという創設的効力を有する。会社法は、定款又は創立総会の決議によって「設立の効力発生日」を定め、その日に会社が成立するという制度を採用していない。したがって、設立の効力発生日を定款等で定めることができるとする本肢は誤りである。この点は、吸収合併・吸収分割・株式交換等の組織再編において、契約で定めた効力発生日に効力が生ずるものとされ(749条1項6号、750条1項等)、登記が対抗要件ないし公示にとどまるのと対照的である。会社の成立時期を登記という画一的かつ公示された時点に一律に結びつけることで、第三者にとって法人格の発生時期を明確にする趣旨である。なお、設立登記の申請は、募集設立の場合、創立総会の終結の日等、911条2項各号に定める日から2週間以内にしなければならない。以上より、本肢は誤りであり、本問の正解は誤っている記述の組合せであるア・オ、すなわち肢2となる。
株式会社は,定款又は創立総会の決議により定められた設立の効力発生日に成立する。
解説
本肢は誤り。株式会社は、その本店の所在地において設立の登記をすることによって成立する(会社法49条)。この規定は発起設立・募集設立を問わず妥当し、募集設立の場合における設立登記は、創立総会の終結の日など同条所定の日のうち最も遅い日から2週間以内にしなければならない(911条2項)。すなわち、会社の成立時期=法人格取得の時期は、登記という客観的な公示手段に結び付けられており、当事者が定款や創立総会の決議によって「設立の効力発生日」を任意に定め、その日をもって会社を成立させることはできない。法人格の付与は取引の相手方をはじめとする第三者に対する対外的効力を伴うから、権利義務の帰属主体がいつ発生したかを第三者が客観的に認識できる必要があり、また準則主義の下では登記が設立の実体的要件具備の公示として機能するためである。効力発生日を当事者が定款等で定める仕組みは、吸収合併・吸収分割・株式交換といった吸収型組織再編(749条1項6号等)に見られるものであるが、これらは既存の会社間の行為であって登記が効力要件とされていない点で、新たに法人格を創設する設立とは場面を異にする。本肢は、登記によらずに成立時期を定め得るとする点で誤りである。
設立会社は,新設分割計画に新設分割がその効力を生ずる日を定めたときは,その日に,成立する。
解説
本肢は誤り。吸収分割の場合、既存の承継会社に権利義務が移転するにすぎないため、吸収分割契約において効力発生日を定め(会社法758条7号)、承継会社はその効力発生日に分割会社の権利義務を承継する(759条1項)。これに対し新設分割の場合は、権利義務の承継先である設立会社が新たに成立する必要があるため、効力発生日を新設分割計画で任意に定めることはできない。すなわち、新設分割設立株式会社は、その本店の所在地において設立の登記をすることによって成立し(49条。814条1項は設立に関する規定の適用を排除しているが、49条はその例外として適用が維持されている)、その成立の日に、新設分割計画の定めに従い、分割会社の権利義務を承継する(764条1項)。このように新設分割では設立登記が効力要件であり、効力発生日は登記による成立の日に一致するから、新設分割計画に効力発生日を定め得ることを前提とし、その日に設立会社が成立するとする本肢は誤りである。なお、新設分割の登記は、法定の期間内にしなければならないとされている(924条)。